五色不動のワンダランド 中編

- 青と白の結界 -
(1999.00.00)

  前回までのあらすじ

 江戸を守っている五色の結界、すなわち、五色不動を捜し求めて、私はさまよい歩いてみることにした。まずは、目黒不動をたずね、次なる青の結界をたずねるのであった。

 さて、目青不動の場所を示す。といっても、地図が古いので現在目青不動尊が在る場所とは違う。この地図では、渋谷駅の東の方角のあたりである(といっても、地図上に駅など無いが...)。したがって、現在は山手線の内部の場所ということになる。しかし、現在は三軒茶屋の裏に移転している。
 

目青不動尊の辺り

人文社 「江戸切絵図で見る幕末人物事件散歩」より
 目青不動である教学院は現在は三軒茶屋へ移転している。しかし、この地図では渋谷の東にある。この地図を頼りに探し回りえらい目にあった。ちゃんと、「虚無への供物」通りに行っとけば良かった。なまじ地図を信用してはいけない。
 
 その目青不動尊はこんな感じである。撮影した写真を示す。
 
目青不動尊

 広い境内に歩み入りながら、...青い薔薇 - 目青不動 - そして ...
「虚無への供物」
 
 

 灯りに照らされた不動明王はとても不思議な雰囲気に満ちている。三軒茶屋の駅のすぐ裏であるが、人通りは全く無い。正にタイムカプセルの内側に入りこんだ気分だ。

 中を覗くと、絶妙に照らされた不動がいる。少し、恐ろしい。これは間違い無くワンダランドの入り口である。

 ワンダランドの入り口に佇む人。

 三軒茶屋の裏に今もこんなワンダランドが存在しているとは実に素晴らしいことである。
 

 さて、次は目白不動である。いいかげん、ここらへんで疲れが出てくる。いや、本当に歩き回っているのだ。文章を読むと何の問題も無いように思われるかもしれないが、実はかなりさ迷っているのである。やはり、持っている地図がやはり古すぎるのである。

 

目白不動尊

 車は千歳橋のところで上の目白通りへ出ると左へ折れたが、見るとも無く窓の外を見た亜利夫は、ふいに短く声をあげた。...
「あれァ目白不動でさあ」
「虚無への供物」
 
 

 学習院大学のすぐ近くである。案内板に従って辿りつこうとすると、ものすごい遠回りになる。
 それはまるで、ミステリー小説の構成が実体化したかのようである。一回は目指す場所(真実)の近くを通りながら、迂回してしまうのである。


 
 

 参考WEB:
江戸五色不動 http://www.mars.dti.ne.jp/~tomiaki/goshiki/gmain.html
http://www3.justnet.ne.jp/~tamio-enomoto/index5/5fudo.html
Adachi Home Page http://www.adachi-hanga.com/ukiyoe_new.htm

五色類纂 http://www.library.tohoku.ac.jp/kichosho/kicho/soki/soki1s.html

白黒で一部だけ色をつけた写真を

D坂の殺人事件」

五色絹の「五色」は、古代中国に成立した「五行説(ごぎょうせつ)」という学説に由来します。 五行説とは木・火・土・金・水の五つの要素により万物が組成され、自然現象や人事現象の全てを解釈し説明するものです。木火土金水は方位に対応し、それぞれ木=東、火=南、土=中央(天位)、金=西、水=北を表します。さらにそれぞれが、その方位を守る四神とその色に対応し、木=東=青龍=青、火=南=朱雀=赤、土=中央(天位)=黄、金=西=白虎=白、水=北=玄武=黒となります。