■電界計算をしてみたい[有限要素法編その1]
有限と微小のパン
今回のサブタイトルは一目瞭然であるが、森博嗣のミステリのタイトルそのままである。
何故、「電界計算をしてみたい-有限要素法編その1-」が「有限と微小のパン」に繋がるのか。もちろん、"有限要素法"と"有限と微小のパン"の「有限」をかけた駄洒落ではない。有限要素法を考えるとき、私は森博嗣に足を向けては寝ることができない。それが、なぜかは下の本を見ればわかる。
これは、学生時代に有限要素法を勉強するために使った本である。「森 博嗣 著」と書いてあるのがわかるだろうか。いや、まさかこの本の作者がミステリを量産するとは想像もしなかった。ビックリである。講談社ノベルズと森北出版の両方から本を出している人は他にはいそうにない。
本題と関係のない話はここまでにしておく。今回はMathematicaで有限要素法を用いて静電界計算を行いたい。とりあえず、ソルバーとプリ・プロセッサまでつくる。その応用は続きの回で行いたい。Mathematicaで有限要素法を勉強するには、森北出版の依田 潔 著「Mathematicaによる電磁界シミュレーション入門」を参考にした。任意の電荷配置のPoisson方程式を解くようにしてある。
次回に詳しく計算モデルの説明を行うので、今回は計算モデルの詳細については記述しない。Notebook内に、モデルの詳細は記述してある。
このNotebookを使った計算、出力例を以下に示す。
平行平板電極の間に誘電体層があるモデル | 平板電極と三角柱電極の間に誘電体層があるモデル | 平板電極と円柱電極の間に誘電体層があるモデル |
分割要素 | 分割要素 | 分割要素 |
電位表示(色がきちんとしたhueでないことに注意) | 電位表示(色がきちんとしたhueでないことに注意) | 電位表示(色がきちんとしたhueでないことに注意) |
半分の領域の電位を鳥瞰図にしたもの | 半分の領域の電位を鳥瞰図にしたもの | 半分の領域の電位を鳥瞰図にしたもの |
Mathematica3.0のHTML出力は大変便利だが、漢字が化けるのが困りものだ。しかも、ちょっと似た漢字に化けてしまうからわかりにくい。今回のNotebook中で化けた漢字を以下に示す。
- 油界 <- 電界
- 堰素 <- 要素
- 誘油 <- 誘電
- 姦み込む <- 組み込む
- 表傭 <- 表面
- 壓さ <- 高さ
- 堆心 <- 重心
- 肖似 <- 近似
- 内占 <- 内部
- 傭積 <- 面積
- 回寂 <- 回転
- 進当 <- 適当
- 懷瞰 <- 鳥瞰
中国語みたいな化け方である。しかも、意味としても何か変な化け方である。いつか、この対処方法と理由を考えてみたい。それにしても、週末の遊び道具としてはMathematicaは素晴らしいと思う。