2003-03-06[n年前へ]
■伊能忠敬は何処を歩く?
「音楽の“サビ”だけ抜き出す試聴システム」の「もともとモーツァルトの頭のなかで楽曲すべてが2次元的に見えていたのだとしたら、既存の楽曲であっても、それを2次元的に解析して見ることができれば、モーツァルトのように、『天才』にしか見えなかった世界を見ることができるようになるのかもしれない。」という「構造解析という音楽の地図」と題する文章を読みながら、それを読む数分前に書いた、そして読んだ「別の世界の地図」「別の世界の測地学」に関するメールを思い浮かべた。
そのメールを書きながら「そういえば、私は測地学研究室の卒業生だったんだなぁ」と思い出していた。同じようなことをしていたんだなぁ、と不思議な既視感におそわれた。
一体、21世紀の伊能忠敬はどんな世界を歩いて、どんな地図を作るのだろう?
2004-03-06[n年前へ]
■「役に立たないように見えること」
void GraphicWizardsLair( void ); //経由で「組織の中の研究者・技術者がウェブで語るとき」を読む。それぞれの節としてはじめに注目する点は私の感覚と近いところもあるが、それぞれの節での流れは私の感覚とは少しづつあるいは時には大きく違和感やズレを感じる。そして、その最終的な流れには実に大きな感覚のズレを感じる。一番のズレというか私の希望は、「組織から独立した個人に由来する部分に個人の価値を見いだしたい」というところだろうか。 とはいえ、とても面白く読む。
自分の感覚と最も大きくズレている部分は下記の一節なんだろうと思う。
仕事と遊びを区別して割り切ることができるのは、サラリーマンの特権だ。個人として自分を売り込む専門家の場合は、「ホームページ作りに時間を使うより論文を書くほうが業績になる・・・」といった雑念も沸くかもしれない。逆説的だが、「自分はサラリーマンだ」と割り切れる人ほど、楽しく専門知識のページを作れると思う。こんなサラリーマンという言葉を(書き手以外に)一般化しないで欲しいなぁ、とは思う。おそらく、そんな一般化が少し引っかかったのから反応してしまったのだろう。
「世の中の役に立つことをしている」というフレーズにはとても惹かれつつ、その「世の中の役に立つこと」が組織と関連するのであれば、その「世の中の役に立つこと」をそうそう行うわけにはいかないだろうな、と思う。そんな思いもあるのがために、直接「役に立つことはしない」というのをhirax.netのポリシーにしたということもある。とはいえ、hirax.netから出たグッズが画像学会から販売されてしまったりすると、その区別は実に曖昧なものになりかねないが。
とりあえず、(中略)私自身は「一見すると役に立たないように見える」ことを勝手に「世の中のために善い活動をしている(していると思っている)」と思いこみながら書いていくことにしよう。とはいえ、それがオッパイ星人との戦いに発展してしまうと、自分でもちょっと「何だかなー」とは思うが。どうにも、相手がオッパイ星人では勝ち目もないし気がするし。
個人的にはこの方の意見を少し拝聴してみたいところ。
■8盤レコード
今日買った「デジタルでは聴こえない音がある」という8盤レコード。片手の上になんとか乗る位の小さな小さなレコードプレーヤー。車に乗せて、海沿いの防波堤の上でレコードに針を乗せてみようかな。
同梱されていたのは「ジャイアントロボ」の主題歌。オールディーズ・シリーズのStand by meを手に入れたい。
■アニメ空間はどのくらい「遠い」か?
もしかして「脳はアニメの世界を現実に換算して30〜40メートルほど向こう」に認識しているのかもしれないという『アニメ空間はどのくらい「遠い」か?』
ふたり同時に同じ夢を見たりすることがあるのを思えば、脳よりも夢のほうが絶対的な現実かもしれないfrom FAIREAL
2005-03-06[n年前へ]
2006-03-06[n年前へ]
■タブレット&ノートPCに最適なLX Notebook Arm
私はいつでもノートPCを使う。もちろん、そのノートPCを介して他のコンピュータに接続することはあるが、自分のすぐ先にあるのは多くの場合ノートPCだ。とはいえ、そのノートPCには外部ディスプレイが繋がっていたり、Happy Hacking キーボードが繋がっていたりすることも多い。
そんな時、つまり、ノートPCに外部ディスプレイが繋がっていたり、外部キーボードが繋がっているときに不便なのが、ノートPCのキーボードが占める空間だ。その空間があるせいで、液晶ディスプレイの配置などが不自然になってしまうのである。
そんな問題を解決することができそうなのが、このノートPC用アーム。ノートPCのキーボードと外部キーボードが占める空間が干渉せずに、上手く作業ができそうである。それに加えて、複数ディスプレイとの相性も良さそうだ。
■自宅に巨乳の等身大フィギアがいそう…って!?
Tech総研ブログ 平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女に自宅に巨乳の等身大フィギアがいそう…って!?を書きました。ネットで何かを書いている人の「(書き手が)こんな感じの人だと思う」という読み手から見たイメージって、どんな感じなんでしょうね?…ちなみに、私が言われた(書かれた)ことがあるのは、こんな感じです。
「(自宅で)A〜Fカップの等身大フィギアが 前へならえ、していそう」 「メガネをかけていそう (しかもそれが巨乳ビジョン)」
■実写動画でミニチュア・ムービーを作る
以前「普通のカメラで撮影した映像を画像処理によってスローモーションにするサービス」を紹介した会社が「今度は実写動画を(オモチャの世界みたいな)ミニチュアムービーにするサービス」を開始。
実際の風景がミニチュア模型の写真にしか見えない「本城直季・コンテナターミナル」で紹介した、撮影角度と撮影画角の割に浅い被写界深度の(に上か下をアオリでボカすことで見せかける)テクニックも参考になるかも。
2008-03-06[n年前へ]
■「変わらないもの」と「変わるもの」
「あの写真を載せるという判断」が理解できない。が、そういう新聞を買い続ける人がいるのもまた確かか。
僕は偉そうに人に意見する人がすごくイヤなんです。…だから、なんかの主張をがなりたてるよりも、普通の人たちの日常を歌にする方がいいと思うようになった。
魔夜峰央が長く続くのは、最前列(近く)にいたけれど一番手には一度も立ってないからだよね。一番手を続けていたら、なかなか十年は持たないからね。
もしかしたら、自己決定の先にあるのは「わたしに構わないで欲しい」ということであり、自己責任の先にあるのは「あなたのことなんか知らない」ということになってしまうからではないだろうか、とか思う。つまり、あなたとわたしの関係性の放棄。
折田先生像は日独伊三国同盟が結成された年に建立された。そして、イラク軍がクウェートに侵攻したその年に折田先生は初めて「怒る人」に姿を変えた。それからは毎年のように氏は私たちに何かを伝え始めるようになった。米国がイラク侵攻を行った年には、彼はゴルゴ13の姿で何かにライフルを向けた。
人が何を望み、そして、それを叶えていくには どういった技術が必要なのか。そして、どのようにそれが幸せに繋がっていくのか、そういうことを真面目に考えつつサービス・技術の提供をして行きたいのです。
2009-03-06[n年前へ]
■「半神」のDVD
ふと、夢の遊眠社の「半神」が映像化されたものが手にはいるだろうかと探してみると、「劇団夢の遊眠社 COLLECTOR' S BOX [DVD] 」というものが発売されていた。
以前、VHSビデオテープで発売されていた「小指の思い出」「野獣降臨(のけものきたりて)」「半神」「贋作・桜の森の満開の下」「ゼンダ城の虜-苔むす僕らが嬰児の夜-」「ひとつあってもいい。Making of HANSHIN」「もうひとつあってもいい? 」といった夢の遊眠社の舞台やそのメイキングビデオが入っている。私はこのビデオ版を持っているのだが、このVHSビデオの方は、図書館の視聴覚コーナーなどにも置いてあることも多いかもしれない。
「半神」は、かつて心臓を含む体のほとんどを共有していた双生児の分離手術、端的に言えば、双生児がヒトと神に分かれていく話だ。原作は萩尾望都の「半神 」だが、野田秀樹はそれにブラッドベリ・萩尾望都の「霧笛」(「ウは宇宙船のウ 」に収録)などの話を混ぜていくことで、さらに奥深い一種の創世記になっている。
シュラ:それはあたしの妹のマリアなの。
シュラ:いつも、あたしの横に坐っていたの。
先生:仲が良かったんだね。
シュラ:ううん、あたし達、くっついていたの。
先生:くっついていた?
シュラ:うん。
先生:そんな、話誰も信じないよ。
シュラ:誰もが、そう言うの。切り離されてからは。
野田秀樹 「半神」
今ではもうどなたが書いたのだか残念なことにわからなくなってしまったのだが、「半神」「霧笛」という2つの物語に対して、「半神は孤独、決定的なひとつの不在を生きること、について描き、霧笛はその孤独な他者へ呼びかける声の乗り越えられなさを描いていると言っていいかもしれない。ともかくどちらも、深い愛についての話だ」と書いていた。言われてみると、本当にその通りだと思う。
孤独は、ヒトになる子にあげよう。
代わりに、おまえには音をつくってあげよう。
野田秀樹 「半神」
この世の誰もきいたことのない音、この海原ごしに呼びかけて船に警告してやる声が要る。その声をつくってやろう。
これまでにあったどんな時間、どんな霧にも似合った声をつくってやろう。たとえば夜ふけてある、きみのそばのからっぽのベッド、訪うて人の誰もいない家、また葉のちってしまった晩秋の木々に似合った……そんな声をつくってやろう。
泣きながら南方へ去る鳥の声、11月の風や……さみしい浜辺によする波に似た音、そんな音をつくってやろう。
それはあまりにも孤独な音なので、誰もそれをききもらすはずはなく、それを耳にしては誰もがひそかにしのび泣きをし、遠くの町できけばいっそう我家があたたかくなつかしく思われる……そんな音をつくってやろう。
おれは我と我身を一つの音、一つの機械としてやろう。そうすれば、それを人は霧笛と呼び、それをきく人はみな永遠というものの悲しみと生きることのはかなさを知るだろう。
野田秀樹 「半神 」中の「霧笛」の一節
2010-03-06[n年前へ]
■WEBサーバを仮想化マシン上に移行させました
WEBサーバを仮想化マシン上に移行させ始めました。これまで動いていたキューブ・マシンをVMware vCenter Converterで環境コピー&仮想化させた後に、キューブ・マシンをシャットダウンさせ、入れ替わりに(仮想化させたキューブ・マシンを)VMware Player上で動かし始めました。
現在は、SQLサーバのみネイティブ・マシンで動いていて、アプリケーション・サーバは(そのSQLサーバを動かしているPC上で)仮想化マシンとして動作している、という具合にしています。しかもサクサクッとメンテナンスを行うことができるわけでない私のような素人の方が、長く個人サーバを運用しようとする際には、「仮想化マシン上でサーバを運用する」というやり方は、メリットが多いのではないか、と考えています。
24時間ほどテスト稼働させてみた際には、VMware Player のネットワーク接続が不安定気味で、たまに接続不能になることがありました。そういう不具合は抱えつつも、サーバ環境は移行させてしまいました。おそらく起きるだろう障害に対しては、順次、対応作業をしていくつもりです。
WEBサーバに関する動作不具合などありましたら(今のところ、初回のリクエストに対してエラーメッセージを返すような挙動が見られます。…とりあえず、そんな時はリロードを一回してみてください)、jun@hirax.netまでご連絡頂ければ幸いです。優先順位が高いものから修正していく予定です。もちろん、第一優先は、httpdが反応しない、というものになります。
2013-03-06[n年前へ]
■ひな人形の「男雛と女雛が逆になる」までの詳しい歴史
ひな人形の「男雛と女雛が逆になる」までの詳しい歴史 を書きました。hirax.netでは、十年以上前から「手動(人力)検索エンジン”ぐるぐる”」を動かしています。「知りたいこと」をjun@hirax.net宛に送信すると、手動(人力)検索エンジンがその調査をするという仕組みです。…もちろん、スレッドはひとつだけで、単一プロセッサが「ガッツな手作業で検索クローリングをする」という、実に前近代的なシステムです。
というわけで、今日は
実家に"於ひ奈さ間" と墨書されたボロボロの雛壇がありました。男雛を向かって左に置くようになったのは、大正天皇の即位式で立ち位置を西洋式に改めたから...という記事を見かけるのですが、記事により、大正天皇だったり昭和天皇になっていたりしますし…左近の桜や左大臣は(向かって)右のままです…一体なぜなのでしょう?という検索キューへのレスポンス、です。
ちなみに、関東雛は、天皇の並びを反映して「男雛と女雛だけ」を左右反転したので、男雛・女雛配置とそれ以外の配置が矛盾してしまっています。たとえば、(右大臣より偉い)左大臣は向かって右のままですから、男雛・女雛は向かって左側が「偉い」側になっているのに、「大臣」は偉い側が右側になっています。そしてまた、「左近の桜、右近の橘」も天皇の向きで左=向かって右に桜があり、向かって左側(=天皇の向きで右近)に橘が位置しています。男雛と女雛以外は昔ながらの並び=昔ながらの(向かって)右が上位の考えに沿っているので、並びの思想には一貫性が無くなってしまいました。
2015-03-06[n年前へ]
■流体シミュレーションを活用した「ビールの注ぎ方と泡の立ち方」シミュレーション
流体シミュレーションを活用して「ビールの注ぎ方と泡の立ち方(と美味しいビールの特徴)」の関係を明らかにしよう!という、ビール好きの・ビール好きによる・ビール好きためのOpenFOAMによる、ビールが注がれた瞬間のようすを計算した結果。
これは、軸対象モデルで、中央上部からビールが注がれています。
中心にそっとビールを注いだときの液面と泡の動きを計算してみました。専門的に言うと、自由表面と粒子の連成解析ソルバーをOpenFOAMで開発して、ビールを注ぐ様子をシミュレーション。表示はグラス断面、泡は右断面を表示、液面の色は速度の大きさを示しています。後半は右断面の拡大。中心からビールが流れ込むので、右断面だと反時計回りに泡が大きく回転しています。( masami kadoemon)
2017-03-06[n年前へ]
■父が書いた「はるか」な物語
『超巨大ブラックホールに迫る―「はるか」が創った3万㎞の瞳』が届いた。本のタイトルそのままでは内容が伝わりにくいような気がする電波天文観測衛星「はるか(MUSES-B)」に関する20年以上の物語…ひとことで言ってしまえば、父が書いた「はるか」な物語。
客観的な目で読んだ人が、どんな感想を持つかは全くわからないけれど、手にとって何度もたくさん読まれたなら、少し嬉しい気がする。
それにしても、父の名が付けられた小惑星が十年近く前から空に浮かんでいた…なんて知らなかった。
久(ひさし、10224 Hisashi)は小惑星帯に位置する小惑星。埼玉県のアマチュア天文家、佐藤直人が1997年に秩父市で発見した。JAXA宇宙教育センター長や電波天文衛星はるかのプロジェクトマネージャーなどを勤めた平林久にちなんで、2009年4月に命名された。