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2008-08-01[n年前へ]

ページオブジェクト指向プログラミング 

 簡単な書籍整理アプリをRailsで作ろうとして、「ページオブジェクト指向プログラミング」をしたくなった。

 「ページオブジェクト指向プログラミング」というのはどういうものかといえば、最初に「クライアント側へページをつかさどるJavaScriptのクラスソースを送りつけ」「インスタンスを作成」したあとは、勝手にクライアント側で「初期化をしたり」「初期・逐次データを集めたり」「データ書き換えをしたり」といった作業を適当にしてくれる、というスタイルである。サーバー側はデータベース操作の仲介役と、数種のページオブジェクトをクライアントに送信するだけ、という役割だ。

 こういうスタイルだと、サーバー側は楽になるし、ユーザから見たレスポンスも速くてチープな個人サーバには都合が良いように思える。…しかし、広く全体を眺めてみればユーザ間での重複作業が多くて、何だか無駄が多いようにも思えてくる。

 …とりあえず、「ページオブジェクト指向プログラミング」をして、どういう具合になるのか試してみよう。

PageObjectCoroller






2008-08-02[n年前へ]

画像処理WEBアプリを簡単作成用「ビジュアル言語」を作る 

 「ビジュアル言語」風の画像処理WEBアプリの叩き台を作ってみました。 いえ、正確に言えば、そんな「ビジュアル言語」環境を作ってみました。つまり、画像処理WEBアプリを簡単に作れる!?「ビジュアル言語」を作ってみた、ということになります。

 ここで言う「ビジュアル言語」という言葉には、3つの意味合い・特徴があります。

  1. 処理構造をグラフィカルな部品・ワイヤーで表現・作成すること
  2. 各場所で処理されている「データが見える」こと
  3. 部品・ワイヤーを並べ終わった画面そのものが「アプリケーション」のGUI画面となっていること
 1,2番目の項目だけでなく、この3番目の点を意識しながら作ってみました。といっても、「叩き台」なので、デザインはいかにも開発時用(デバッグ用のデータ構造が見えたりする)など、イマイチな部分はありますが、イメージを掴むことはできるだろう、と思います。

 ブラウザ上の操作感は(UI周りはWireItライブラリを使っていて)YahooPipesを模範にしています。また、処理データ構造は(YahooPipesを意識した)ImagePipesに準拠するようになっていて(つまりある程度緩い規約にもとづいたJSONになっていて)、 「オブジェクト」に対してユーザが何かしたり、あるいは、入力部に他の部品からメッセージを受けた時に、Javascriptでクライアント内部で処理をしたり、あるいは、サーバに対して同期リクエストを送ることで、出力結果を生成し、そして出力ポートの先にある他部品に結果メッセージを送信する、という作りになっています。

 下の動画がその「叩き台」アプリケーションの動作動画です(高解像度画像もここに置いておきます)。この動画が「何をしているか」を箇条書きすると、

  1. 「画像をアップロードするフォームパーツ」を作り(出力はアップロードされた画像情報を示すJSON)
  2. 入力を2出力に分岐する(JavaScriptで書いた)部品を配置し
  3. 入力された(JSONで表現されている)画像を表示する部品を置いて
  4. 部品間をワイヤーをつなぐ
これで、「画像アップロード+いくつかの処理+画像表示」WEBアプリケーションのコード実装や画面設計が終了した……ということになります。というわけで、画像処理WEBアプリを簡単に作れる!?「ビジュアル言語」を作ってみたのです。「画像処理ジェネレータを作るジェネレータ」みたいなものの高機能版を、「ビジュアル言語」で作ってみたわけです。

 WireItがYahooUIライブラリに実装された折にでも、適当にサービスを立ち上げてみたいな、と思っています。

サンプル画面






2008-08-03[n年前へ]

続 WEBベース「ビジュアル言語」を作る 

 『画像処理WEBアプリを簡単作成用「ビジュアル言語」を作る』で作成した叩き台のイメージは、「データ処理フローを並べ終わった瞬間に、基本的にはアプリケーション作成(と簡単なテスト)が終わっている」というものです。「並べること」が「 プログラミング」「画面デザイン」「初期テスト」のすべてを兼ねていること、が大切で、そういう「ビジュアル言語」を作ってみたかったのです。「アイコンを並べたあとに "RUN" ボタンを押してプログラムを走らせる」とか「アイコンを並べコーディングをした後に、今度は画面デザインを別画面で設定する」なんて面倒なことはしたくない、と思ったのです。

 そういう作りをイメージした理由の一つは、画像処理アプリケーション(おそらく多くのデータ処理アプリケーション)は、「画像アップロード(データ入力)部」「スライダーやテキスト入力による数値入力部」「データ選択」「フィルタ(演算)処理」「種々の特性の表示部」といったせいぜい数種の比較的限られた機能を並べることで作られていることが多い、ということです。その並べ方にアプリケーションの特徴があったりするわけです。

 また、それぞれの基本パーツはどれもJavaScriptで覆われていることで機能拡張を楽にしたい、という構想設計ならぬ妄想設計に基づいています。5,6種類の数少ない機能を持つ基本パーツを作ってしまえば、あとはいかようにでもできるだろう、というイメージです。

 たとえば、「フィルタ(演算)処理」なんかは、JavaScript中のSJAX先アドレスを変えるだけで(それらアドレスに応じたサーバ側コードは当然用意するとして)、色んな画像処理フィルタを自由に作ることができるわけです。そういう風に基本パーツを継承した派生パーツを作っても良いし、あるいはパーツの組み合わせでさらに新しいパーツ(関数)を作っても良いわけです。以前 Imagenerator でもやったように、いくつかの簡単な機能を組み合わせたものを、さらに一個のパーツ(関数)として保存できるようにしておけば、機能を増やすことも簡単にできるだろう、ということになります。

 ……と書くより、ひとことで言ってしまえば「何だかそれって面白いな」と自分で思えるものを作って遊んでみたかった、ということですね。
 データの送受信が、(下の動画(高解像度版)のように)グニュグニュと揺れ動く振動や画像の変化で実感・体感できたり、それがJavaScriptでラップされている設計構造とか「何だかそれって面白い・楽しいかも」と遊んでみたかっただけ、なんですよね。ひとことで書いてしまえば。

ImagePipes2






2008-08-04[n年前へ]

「1秒間に2回の運動は”エンディング”近く」の法則 

 どんな業界でも「その業界のプロには”見れば”わかる」ということがある。

 AV業界の監督さんが「HカップかJカップかは"一目見れば"わかる」と言っていた。計測器も真っ青の「プロの目」だなぁ、と感心させられた。そして、AV業界と言えば、編集者が書いていたこんな言葉にも驚かされた。

 ちなみに、一秒間に2回の運動は結構激しいですから、そういう動きを横目で見るだけで「あぁ、エンディングが近いんだ」とわかります。
 ビデオ画像を一目見ただけで、そのビデオのコンテキスト(文脈)解析をして、「今目に入った場面が」全体のどこに位置しているかを一目瞭然に判断しているわけである。まさに「プロの目」である。

 以前「アダルトビデオの動画解析」をしたことがある。この時は15秒間の動画からオプティカルフロー(動き)を解析したのだが、全編に渡って動画の動きを解析し、ビデオのコンテキスト(文脈)解析をしてみるのも面白いかもしれない。もしかしたら、すでに「オプティカルフロー計算→コンテキスト解析解析→スクリーンショット作成」といったフローがアダルトビデオサイトのバックエンドでは動いていたりするのかもしれない。

 今度、「1秒間に2回の運動は”エンディング”近く」の法則を使った”スクリーンショット作成”WEB APIを試しに作ってみることにしようか。

周波数






2008-08-05[n年前へ]

エクセルでシミュレーション Vol.6 「夏にフライパンで卵焼き 編」 

 「表計算ソフトウェアでシミュレーションをする」という講習を見続け、何よりも面白かったのが「非定常の3次元熱計算を簡単に、それでいて、できる限りきちんと計算をやってみよう」という(I氏が講師の)シリーズです。

 一次元非定常の熱拡散問題を陰的解法で解く「熱伝導方程式を表計算ソフトで解くサンプル」は多いように思いますが、「非定常の3次元熱計算を表計算ソフトウェアで解く簡単にやるテクニック・サンプル」は、(私は)他では見たことがありません。しかも、このシリーズは本当に簡単で、なおかつ、できる限り精度を保証して解く、というとても稀有な例です。「難しい問題」を「簡単に」「きちんと」「精度を保証して」解く…といったようなものたちは相反することが多いわけですから、そういったものを兼ね備えているというのは、とても珍しいと思うわけです。

 下の例は、そのテキストを利用して、陽的解法で安定性条件が成り立つようにして、「夏の朝に、角型フライパンをコンロで加熱した際のフライパン温度分布」を計算した例になります。ある厚みを持ったフライパンが、コンロのガスの炎が当たっている部分が「100度」に(熱)されているような条件の時、フライパンの温度分布が時々刻々と変わっていくようすを計算した結果です。こんな計算をエクセルで数回しておけば、「美味しい卵焼きを作るための最適条件・最適なやり方」を導き出すことだってできるかも、と思わされるのです。エクセル上で、フライパンの厚みや熱伝導度を変え、コンロの炎分布を色々変えてみたりしたならば、究極・至高の卵焼きを作るための最適・必須条件が見つかるかもしれない、と楽しく思えてきたりします。

 ところで、この「非定常3次元熱計算」のエクセルシートは、本当に簡単に作ることができるのですが、その一方で、このシートは(簡単なのに)実に巧みに作られています。だからこそ、「難しい問題」を「簡単に」「きちんと」「精度を保証して」解くことができるわけです。

 その「巧みさ」を紐解いてみると、これが実に綺麗なパズルのようで、とても面白いのです。・・・というわけで、その「巧みさ」「面白さ」についての感想文は、また後ほど書いてみようと思います。

2008-08-06[n年前へ]

エクセルでシミュレーション Vol.7 「吉野家の法則 編」 

 「安い」「早い」「旨い」を兼ね備えたものは売れる、というのが「吉野家の法則」の第1法則である。けれど、それら3つのことは相反することが多いために(「吉野家のジレンマ」)、それら3つのうち最低2つのものがあれば売れることが多い、というのが「吉野家の法則」の第2法則だ。

 「表計算でシミュレーション」というお題で、この吉野家の法則の「安い」「早い」「旨い」を考えてみよう。

 まずは「安い」である。それを言いかえれば、「簡単に手に入れることができる」ということだ。まず、「表計算でシミュレーション」はこの「安い」という条件を非常に上手く満たしている。

  • 表計算ソフトウェア・エクセルを持っている人は多いから、必要な道具を手に入れることが簡単である。
 また、必要なものは決して道具だけでなく、その作業をするための理解力なども必要とされる。その理解に払うための労力・コストも、「表計算でシミュレーション」では安い。なぜなら、離散化された空間が表計算ソフト上のセルとして実感・体感できるからだ。これは非常に納得しやすい。だから、「表計算でシミュレーション」というお題では、「必要な道具をお金を出して手に入れる必要がない」「理解に必要な労力がさほど大きくない」という意味で、非常に「安い」。

 そして、次の「早い」である。これを言い換えてみると、「すぐにできる」ということだ。「表計算でシミュレーション」をする場合には、たとえば、時間的に変わらない(定常な)問題であれば、比較的簡単に計算シートを作ることができる。だから、すぐにできるようなシートを作ることができる範囲内では、「表計算でシミュレーション」というものはとても「早い」のである。ただ、あくまで「比較的簡単に計算シートを作ることができる範囲内では」ということが少し尾を引くのである。

 問題は、最後の「旨い」である。これは、多分、2つの意味がある。ひとつは単純に「実利的なメリット」だ。つまり、たとえば「すぐに仕事に使える」というようなことになる。そして、もう一つは「心としてのメリット」である。それは、たとえば「面白い」「意外だ」「へぇ~」といったような感覚を得ることだと思う。

 先の「比較的簡単に計算シートを作ることができる範囲内では」という先の制限は、これらふた種類の「旨い」と相反することが多い。それが、「表計算でシミュレーション」における吉野家のジレンマなのである。すぐに仕事で使うためには、「定量的に計算結果が正確である」ようなことが要求される。しかし、そうしようとすると、シートを作るのが面倒だったりして、「早い=すぐにできる」ではなくなりがちになってしまう。
 また、「早い=すぐにできる」ようなものは、比較的「当たり前」の計算結果が出てくる。たとえば、等方・等質的な空間でラプラス方程式で解いた静電界計算結果などは、「見た目にいかにも”自然”なもの」になる。それが”自然”なのだから、それでいいではないか、とも思う。しかし、その一方で、それでは意外性も何もなく、「へぇ~」「面白い」という感じを受けないのである。

 このように、「安い」「早い」「旨い」という吉野家提供の三つの評価軸から、「表計算でシミュレーション」を眺めてみると、「表計算でシミュレーションをする講習」が持ちがちな悩みが見えてくる。「早い」と「旨い」の兼ね合いの難しさが見えてくる。

 昨日の『エクセルでシミュレーション Vol.6 「夏にフライパンで卵焼き 編」』の場合は、腕が良いシェフ(I講師)吉野家の法則の3評価項目を見事に上手く兼ね備えているのである。

安い・旨い・早い






2008-08-07[n年前へ]

パリス・ヒルトンは凄い 

 色んな雑誌を読んでみた。そのひとつが、「スキャンダラスでホットなセレブ情報誌」"GIRL'S GOSSIPS"(2008.September,9)だ。元祖セレブ・ゴシップガールという Paris Hilton の記事を眺めていると、これが不思議なほど面白い。ふとメモしたくなるようなパリス・ヒルトンの言葉を読んでいると、実に楽しくなる。

No matter what a woman looks like, if she's confident, she's sexy.

Paris Hilton

 その"she's confident"が、「他人の目」で生まれるか「自分の目」で生まれるか、というところがえてして堂々廻りしやすいわけで、それを"No matter ..."と言いきるあたりが、実に潔い。
 というわけで、パリス・ヒルトンとマドンナの"BITTER LOGICS"をメモしてみる。

Even how much I love somebody, I'm never try to act in front of him. To let him know what I am is what the relationship is all about.

Paris Hilton
But, I don't want easy. Easy doesn't make you glow.

Madonnna

GIRL'S GOSSIPSGIRL'S GOSSIPSGIRL'S GOSSIPSGIRL'S GOSSIPS






2008-08-08[n年前へ]

LEGO Mindstorms NXT でロボット開発 

 リアルタイムOSであるOESK RTOS(TOPPERS/OSEKをLEGO NXT 向けに移植した nxt OSEK)で動く LEGO Mindstorms NXT を見ていると、自分でも色々なロボットを作ってみたくなる。たとえば、下の動画は Simulink(…と各種ToolBox) でロボットの制御プログラムを書き、Embedded Coder Robot NXT で LEGO Mindstorms NXT 用にコンパイル・実行したものである。まさに、昔子供(こども)だった大人心をくすぐる「大人の玩具(おもちゃ)」だ。

 もちろん、Simulink といった値の張るツールを使わずとも、複雑な色々な制御を短時間にコーディングしようと思わなければ、制御プログラム開発はできそうだ。というわけで、「nxtOSEKアプリケーション動画」の数々を眺めていると、小中学生のこどもの「夏休みの課題」にかこつけてLEGO ロボットを購入し、ロボット・ハッキングで真夏の暑い夜を過ごしてみたくなる大人も多いはず。

2008-08-09[n年前へ]

KISSで「グレート・ギャツビー」を見る 

 …という具合で、色々な女性雑誌を、「これはどういう人が読むのだろうか」と想像しながら、あるいは、考えながら読んでいる。男性向け雑誌であれば、そんなことはわざわざ考えなくてもネイティブにわかる。けれど、女性向けの雑誌になると、これが全然わからない。

 今日読んだのは、 Kiss 2008 8/15 だ。25~30代くらいの女性が読むマンガ雑誌なのだろうか。読めば、色々面白いもので、「本屋の森のあかり」のラストシーンに、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」の終わりの言葉が書かれ、その言葉と重なるように絵が描かれていた。

So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past.
Fitzgerald "The Great Gatsby"
 だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。
村上春樹訳 「グレート・ギャツビー」

 ふと、その「グレート・ギャツビー」に引っ掛かりながらKissのページを読み進めているうちに、KISSの中に描かれている世界が不思議に「グレート・ギャツビー」と重なって見えてくる。今の日本の25~30代くらいの女性が眺める世界は、ギャツビーが見る世界と、もしかしたら、重なっているのだろうか。

 "Whenever you feel like criticising anyone, just remember that all the people in this world haven't had the advantages you've had."
Fitzgerald "The Great Gatsby"

2008-08-10[n年前へ]

サンデー毎日で「金・出世・女」を読む 

 かつて、サンデー毎日の編集長が『ウチの雑誌には「金・出世・女」が詰まっていればいい』と言ったという。しかし、内容からすれば、それはSPA!あたりも、「マネー」や「モテ」に満ちているような気がする。…で、(女性雑誌はさておき)男性向け雑誌のほとんどは、結局その三つの割合が変わり、さらに「他の世界」が入ってくるだけなのじゃないだろうか、という話になった。

 下の画像は、その時描いたホワイトボードのコピーの一枚である。横軸は「金・出世・女」の割合で、縦軸が年齢だ。SPA!・サンデー毎日・男の隠れ家・ラピュタといった雑誌名をこんな二次元マップ上に描いてみたわけである。


 縦軸の上の方に行くと、「妄想」や「桃源郷」が増えてくる。増えてくる「金・出世・女」は「妄想」であるし、ラピュタなんかは「桃源郷」の世界になる。ちなみに、LEONなんかは、中央上部に位置するように思う。

 とても大雑把な「雑誌マップ」であるけれど、比較的自然な地図であるようにも感じられてくる。この「大雑把」で「単純」というところが、「男性雑誌」の一番の特徴なのだろう。

サンデー毎日






2008-08-11[n年前へ]

LEONは「ヅラ」でCanCamは「ウィッグ」か!? 

 右の図は、ホワイトボードに描かれた「決して理想的ではないデコボコな”私”」(左下)が読む、雑誌LEON(左上) と CanCam(右)の違いである。

 この図が言わんとしていることは、誰しも理想的な姿や内面・経験を持ち合わせてはいないけれど、それに対して雑誌LEONやCanCamがどのようなソリューションを与えてくれるか、ということである。LEONはとりあえず「はい、コレがあれば実用的には多分大丈夫」という大雑把な外枠を与えてくれる。デコボコな自分とその外枠の間を埋める作業はテキトーで良いのである。一方、CanCamの場合には、理想的な姿・外枠が与えられたら、本来デコボコな自分をその外枠に合わせるための各種パテ・技法が説明されている、という風になる。

 それをさらに一言でまとめてしまえば、「他の人からは不自然に見えても自分が満足できれば良い”ヅラ”」か「他の人から不自然には決して見えないように工夫する”ウィッグ”」の違いのように思えてくる。つまり、LEONは「ヅラ」で、CanCamは「ウィッグ」なのだ。

 実際、右上の図はいかにも「不自然な”ヅラ”」と「ウィッグ」を描いたものに見える。……しかし、それを逆に言うなら、LEONやCanCamは「自然で緻密」か「不自然・大雑把」かという違いだけということもできる、のかもしれない。

男性雑誌と女性雑誌の違い






2008-08-12[n年前へ]

「エマニエル夫人」か「裸の格闘家」 

 女性誌の話をしていると、『女性に必要なのものは3つあって、そのうちの2つが「ジュエリー」と「ランジェリー」だ』という言葉を聞いた。3つのうち残りの1つが何であるかはよく覚えていない、ということだった。

 この「ジュエリー」と「ランジェリー」という組み合わせは、とても面白い。ジュエリーは「異性がプレゼントし、同性に対して見せる」ものであることが多く、ランジェリーは「自分で買って、異性に見せる(こともある)」というものである。

 つまり、異性・同性・自分という三者の間で、自分を中心に「購入者・見せる相手」という役割の組み合わせを適当に変えたものが、「ジュエリー」と「ランジェリー」に見えてくるわけだ。

 ということは、残りの組み合わせは、「自分で購入し、同性に見せる」「同性が購入し、異性に見せる」というようなものになるのだろうか。もしも「必要なのものは3つ」だというのなら、「自分で購入し、同性に見せる」ものあたりがあやしいような気がする。

 …といったことを描いてみたら、右の画像になった。しかし、女性というより格闘家、あるいは、変質者にしか見えなくなってしまった。「エマニエル夫人」を描こうとしたのに、「裸の格闘家」になってしまった。

「エマニエル夫人」か「新手の格闘技」






2008-08-13[n年前へ]

しりあがり寿の絵の上手さに驚く 

 しりあがり寿というと、西原理恵子との「画力対決」が面白かった。西原理恵子も「絵が下手で汚い」を「売り文句」にしつつ、とても上手く絵を描く。しりあがり寿も、西原理恵子と「画力対決」をするくらいなので、実にテキトーに絵を描くような印象が先行するマンガ家であるように思う。

 しりあがり寿の原画展に行った。紙の上の隅から隅までが、本当に見事にレイアウトされ、さらに緻密に線が描かれていてびっくりした。プロなのだから上手いのは当たり前としても、それにしても上手すぎる。小さく縮小された雑誌あるいはコミックで見るのと、原画とは本当に大違いだ。しりあがり寿は、実に細かな計算をしながら絵を描いていたことに驚かされた。

2008-08-15[n年前へ]

続・世界の広さと世間の狭さ 

 夜、田舎町の線路沿いを歩いていると、数メートル先に知っている人がいる。先週くらいだったか、数百km離れた違う田舎町で、一緒に花火を見た人だ。驚きながら、けれど普通に言葉を交わし、私は居酒屋に彼はその隣の喫茶店に入っていく。そんなことはよくある。辺境の山奥や海辺で思いもかけない人とすれ違ったりする。

 街中で待ち合わせたときに、人ときちんと会うことは難しい割には、偶然人と出会うことは結構ある。世界は限りなく広いのに、世間は狭い。

2008-08-16[n年前へ]

五山送り火 

 京都の街は小さな盆栽に似ている。自転車で1時間も走れば、端から端まで移動できる。京都は結局、そんな小さな街だ。

 8月16日の夜8時から、その小さな街の三方では、かがり火が焚かれる。そして、文字や形を浮かび上がらせる。それが、五山送り火だ。昔はもっと色々なところでかがり火が焚かれていたというが、今では「五山」送り火になっている。あくまで、五山送り火なので、焚かれる文字・形数が5つというわけではない。文字数で言うと、「大文字・左大文字・妙・法・舟形・鳥居形」の6つである。しかも、「妙」「法」は、左京区松ヶ崎の妙法山で焚かれるのだけれど、「妙法山」は、実際のところ、西山と東山という別の山に分かれている。だから、「6山(6箇所)送り火」というのが、実際の感じに一番近いと思う。

 「実際の感じに一番近い」といっても、五山送り火すべてを眺めることができる場所があるのかどうかは、よくわからない。五山の場所・方向からすると、普通の場所からは全部を見ることはできそうにないように思えてしまう。それに、通り沿いにそびえるビルは視界を遮るし、見通しがいい場所には、たくさん人がいる。だから、「6山(6箇所)送り火」であっても、多くの場合、「3つくらいの文字・形」が見えれば「いい場所」であるように思う。

 今年は、「大文字・左大文字・妙・法」の3(4)文字を見た。銀閣寺の上で燃え盛る「大文字」と金閣寺の上に燃える「左大文字」そして、京都の北に浮かび上がる「妙法」だ。少しの時間をおきながら、懐古的なネオンサインのようなオレンジ色の光を放つ文字を見ていると、蒸し暑い夏も、不思議に気持ち良く感じられてくる。そんな夜景を30分ほど眺める。

2008-08-17[n年前へ]

「姿造り」の刺身はどこに行った!? 

 京都近くの田舎町 駅近くの居酒屋で飲んだ。刺身盛り合わせを頼むと、大皿に刺身が「姿造り」で乗せられてきた。「姿造り」の刺身を持つ店員さんに「さっきまで泳いでたんですよ~」言われ、うんうんと頷きながら食べようとして、不思議なことに気が付いた。この「姿造り」は本当にさっきまで泳いでいたのだろうか?

 「姿造り」の魚は鯵(あじ)か何かに見える。けれど、鯵(あじ)の刺身は皿の上にはない。サーモンやマグロやヒラメの刺身、あるいは、イクラなどはいるけれど、「姿造り」の鯵(あじ)の刺身はどこにもない。「姿造り」の刺身はどこに行ったのだろう!?

 刺身は捨てて、「姿造り」の頭と骨周りの肉と尻尾だけを残し、他の魚の刺身とともに皿の上に乗せたのだろうか?それは、少し変な気がする。…ということは、この「姿造り」が「さっきまで泳いでた」という「さっき」は、ずいぶん長い「さっき」かもしれない。さらに、その長い間に、この「姿造り」は何回もの舞台を経てきた古参名優に違いない。

 「姿造り」が、本物の「姿造り」でないのは、安い居酒屋なのでどうでもいい。ただ、「姿造り」がどういう処理がされているのかについては、とても興味をそそられた。この名優には、何か変色を抑えたり、劣化を抑えるような化学的処理、つまりは何か特殊な化粧がされていたのだろうか?ちなみに、尻尾は水気もなくかなりの古さを感じさせていた。しかし、背骨周りの肉はまさに"flesh color"で生々しい色だった。一体、どういう仕組みになっているのだろうか。

2008-08-18[n年前へ]

午後に降り注ぐ、一瞬の激しい雨の気持ち良さ 

 週刊SPA!を読んでいると、福田&坪内の「これでいいのだ!」に、こんな一文が書かれていた。

 突然バーと大雨の粒が来て、その中をスーパーカブが5人くらい載せて「バルバル~」と走る。暑さはしんどいけど、あの毎日のスコールの解放感は気持ちいいよ。
 スコールには、”カタルシス”があるんだね。突然大雨が来て、「あ、逃げよう!」と雨の中を走ったりしてると、パッと収まって。それだけで心地がよくなるんだね。

 京都には春と秋がない、と京都に住んでいたときには思っていた。寒い冬が過ぎると、桜の花咲く心地よい春はほんの1週間ほどで終わり、アイスクリームが欲しくなる暑い夏が始まる。そして、夏が終わるとともに、すぐに寒い冬になる。紅葉は続いていても、その頃の空気は秋というより初冬のような肌寒さになっている。

 ある初夏の昼、授業にも出ず SINITTA の TOY BOY か何かをを流しながら、大学のキャンパスでウルトラマンか何かの仮装をして仮装して踊っていた。「気恥ずかしさ」とか「一体自分は何をしているんだろう?」とか感じたりしつつ、中途半端に踊っていた。

 その時、空は晴れたまま大雨が降り出した。その一瞬のスコールに打たれた時の気持ちよさ、気持の吹っ切れ具合は今でも覚えている。そして、その時も今もその「感じ」を言葉で表現することも、上手く伝えることもできずにいる。

 日本はやはり亜熱帯だ。だから、亜熱帯が持つ気持ち良いスコールは、やはり日本にもある。一瞬のスコールに打たれ、雨やどりをして、雨がやんだ後に動き出す感覚は本当に気持ちが良い。何の根拠もなく、「これでいいのだ!」と感じさせる何かがあるように思う。

He ain't got money.
People think it's funny.
He gives me everything I need.

2008-08-19[n年前へ]

「これでいいのだ」 

 週刊SPA!の福田&坪内による「これでいいのだ」という連載のタイトルから、ふと、タモリの赤塚不二夫への弔辞を思い出した。

 あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。…この考えをあなたは見事に一言でいい表わしています。すなわち、「これでいいのだ」と。

 弔辞の際に持っていた紙が白紙だったのか、それともアウトラインが書いてあったのか、そんなことは結局のところ、どっちでもいい話だ。もしも、紙にすでに何か書かれていたとしても、その瞬間に何か思ったことがあれば、その思いは言葉にされたことだろうし、紙に何も書かれていなかったとしても、きっと少しだけ違う、けれどやはり同じような言葉になったに違いない。

 『天才バカボンのパパなのだ』という作品で別役実が書いたあの台詞はなんだったのだろう。一人がシャツを脱いで裸になる。するとそばにいた者が、不意にこう言うのだ。「私も脱ごう」

  宮沢章夫 from 一台のロボットをつくるには、どれだけの知恵が必要だろう?

2008-08-20[n年前へ]

「これでいいのだ」と「長文を書く」 

2008-08-21[n年前へ]

「姉を慕い続けた少年ジャック」 

 2008年7月19日(土)の朝日新聞、「うたの旅人」はとても興味を惹かれた。ペギー葉山の「爪」を題材に、演出家・作家の久世光彦のことを書いた記事だ。

 「もう、向田さんのことを言ったり、書いたりするのをやめよう」とつぶやくのを聞いた。06年、急逝した年だった。
 「久世はやはり深爪で、裸足が好きでした。おしゃれで気の利いたお姉さんのような向田さんの影響をいっぱい受けてます。きっと心配りの仕方や好みまでまねていたのだと思います」
 一時期、向田邦子や久世光彦が書いた本、向田邦子や久世光彦に関する本を見つけるたびに読んだ。
 向田さんの、一目会った人を虜にしてしまう人たらしぶりは伝説に近い。…久世さんもまた、接した相手の心をつかむ人だった。かけられた言葉をずっと宝物のように覚えている編集者や書評家も少ないくない。
 「演出家として身に付いた癖なのよね。演出家は、出演者の一人ひとりを、違う言葉で口説き落とす仕事だから」
 「私は、少なくともあの一夜だけは、あの人を愛していたのだと思う」
 「久世ちゃんは、度を超すくらい好きだったんだと思うよ」
 「だからこそいつまでたっても思いきれない人なのかもしれない」

2008-08-22[n年前へ]

トーマスエジソン展 

 美術展を見に行くとき楽しいのが、その美術館や他の美術館などで開催される企画展のチラシを見ることだ。 今夏開催されていた「発明王・エジソン展」のチラシには、エジソンが作ったものの写真と彼の言葉が散りばめてある。

 Things come to those to wait, but only the things left by those who hustle.
 待てば向こうからやってくるというが、やってくるのはどんどんやる人間が残したものだけだ。
 一生懸命探求すれば、答えを隠しておくほど自然(神)は不親切ではない。
 To invent, you need a good imagination and pile of junk.
 発明には豊かな想像力とゴミの山が必要だ。
 休むことは、錆つくことだ。
 幸運は、機会と準備が一致したときに訪れる。
 Opportunity is missed by most people because it is dressed in overalls and looks like work.
 チャンスが見過ごされるのは、それが作業着を着て「仕事」のように見えるからだ。
 デトロイトの図書館の、一番下の棚の最初の本から一冊づつ読んだ。私は図書館全部を読んだのだ。
 Genius is one percent inspiration and 99 percent perspiration.
 天才は99%の努力と、1%のひらめきだ。
 もし両親が子供の心の中に、情熱を残してあげることができたら、それは貴重な財産になるに違いない。

2008-08-24[n年前へ]

雑誌のポジショニングマップ 

 最近、雑誌のポジショニングマップに関する話を多くしました。そんなこんなで、Ruby on Rails の復習も兼ねて、「雑誌のポジショニングマップ」のWEBアプリケーションを作ってみたのです。夕方、スケルトンができたので、mongrelサーバをhirax.net上で数個投げてみました。

 サーバを起動した後に、"about"画面用に走り書きをしました。

 雑誌は、私たちのライフスタイル・ファッションスタイルといったものを写し出す媒体です。毎号、同じ雑誌を必ず買って読む人がいる一方で、内容に応じて「つまみ食い」のように雑誌を買う人もいます。
 「どんな雑誌のどの号にどんな情報が載っているのかを、表・グラフ・ポジショニングマップ・身の回りの地図…さまざまな視点から眺めることができる」のがこのサービスです。 私たち自身のライフ・ファッションスタイルといったものを、小さな画面を通して眺めることができる、…つまり、小さな私たち自身の姿を透かし見ることができるようにしたい、というのがこのWEBアプリケーションです。
 私たち自身が変化しつづけるように、ファッションすなわち流行も変化し続けています。私たち自身が生きているように、ファッションやライフスタイルも生きているのです。…と、そんな思いつきから作られたのが、このサービス「ファッションL!ves」です。

 αテストを数日した後、適当に一般公開することができれば、少し楽しんで頂けたら良いなと思っています。

スクリーンショット






2008-08-25[n年前へ]

Googleマップのストリートビューで五山送り火ベスト鑑賞ポイントを探す 

 京都の五山送り火を全部眺めることができる場所はあるのだろうか?と考えながら、Google Earthの旅 > 五山送り火のページを見る。地図を眺める限りでは、もしも、河原町七条の辺りに高台があったなら、五山六文字の全部を眺めることができそうだ。…けれど、河原町七条の辺りに自然の丘なんてないわけで、実際には京都タワーの上からでもなければ、五山送り火の6文字を全てみることができる場所はないのかもしれない。

 ところで、左大文字は右京区にあって、大文字(右大文字)は左京区にある。そして、(北を上とする)地図上では、左京区は右にあり、右京区は左にある。ちなみに、そんな地図上で上京区は上で、下京区は下にある。標高で言っても、京都は緩やかな斜面の街なので、上京区は上にあって、下京区は下になる。

 最近、Googleマップのストリートビューが話題になっている。それが良いものなのか、悪いものなのか論じられたりする。けれど、「科学やロボットは使う人次第だ」という言葉は、ずっと昔から言われ続けた言葉だ。Googleを単純に褒めたたえる人がいたら、その人は単なるマーケッターにしか感じらない。その一方で、危険性だけを訴える人がいたならば、一つの道具も使わずに生きていけばいい、とも思う。

 Googleマップのストリートビューで五山送り火ベスト鑑賞ポイントを探してみたいと思う。実際には行くことなどできない五山送り火ベスト鑑賞ポイントを、五山送り火を眺めてみたいと思う。


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2008-08-26[n年前へ]

「鉄っちゃん」専用ストリートビュー 

2008-08-30[n年前へ]

雑誌流行L!ves 

 「雑誌のポジショニングマップ」で書いた雑誌を題材にしたWEBアプリケーションをα公開しました。とりあえず、現状のαコード名は「雑誌流行L!ves」です。アクセス毎に関連データが作成されていきますので、最初のうちは表示データが少ないかもしれません。

 InternetExplorerでアクセスした場合には、機能が大幅に制限されてしまいますから、Firefox辺りでアクセスしてみるのがお勧めです。現状では、不具合など多々あるだろうと思いますが、その際は適当に教えて頂ければ幸いです。

 私たち自身が変化し続けるように、ファッションすなわち流行も変化し続けています。私たち自身が生きていることと同じく、ファッションやライフスタイルもまた生きています。…そんな思いつきから作ってみたのが、このサービス「雑誌流行L!ves」です。

2008-08-31[n年前へ]

雑誌流行L!ves 「年齢 v.s. 購買力」散布図 

 ファッション(流行)といったものを映し出しているに違いない…と思い作ってみた「雑誌流行L!ve」では、(どの画面でも)視点=Viewをさまざまに変えることができます。それが、一番の特徴かもしれなせん。たとえば、トップページ「雑誌流行L!ves » 雑誌 » 一覧(最新号)」で視点を「読者年齢 vs. 購買額」にしてみた例が下の画像になります。

 何かを表現するのに2つの軸を作るなら、どんな軸があると思いますか?と色々な人たちに繰り返し尋ねてみました。出てきた答えは「自分と他人」「満足と不満足」など…さまざまな軸がありました。そういった中で出てくることが多かったのが、「年齢・世代」という軸です。その他の軸はなかなか上手く言葉にできないものが多かったように思います。そこで、「よくわからないもの」を値にするものの一つである「お金」という軸を使い、「年齢・世代」 v.s. 「お金(購買力)」という2次元散布図を描いてみたのが、上の画面になるわけです。ちなみに、雑誌読者の「購買力」は適当なアルゴリズムで推定しています。

 「年齢・世代」(横軸) v.s. 「お金(購買力)」(縦軸)という散布図は、基本的に右上がりの分布になります。ちなみに、「ちょい悪オヤジ」のLEONは実は、このグラフの中では、とても標準的な場所に位置しています。この散布図で一番角度が急なのが、つまり年齢の割に購買力が高いのが「おしやれな小中学生のためのファッション誌 "nicola"」になっています。

読者年齢 vs. 購買額