hirax.net::inside out::2009年06月

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2009-06-01[n年前へ]

A-bike(風自転車)のギアが割れた 

 超小型折りたたみ自転車A-bikeのパッチモン自転車、8インチ空気タイヤ版A-bicycleを毎日乗って、通算150kmほど走った先週中頃、力いっぱいペダルを踏んだ途端、スカッとペダルの感触がなくなり、前に進まなくなりました。つまり、どこかが壊れてしまったのです。

 そこで、少しバラして中を覗いてみると、2段ギアの中継部のギアの根元が割れていました。ちょうど、この参考記事参考写真)と完全に同じ壊れ方です。壊れ方も純正品のコピー、というところが何だか少し面白く感じます。

 さてさて、この道具をどう直しましょう。部品取り用にもう一台買って直すか、あるいは、6インチ版を買って、ギア比を高く改造してみようか・・・と、構想設計をする初夏の一日です。

A-bike(風自転車)のギアが割れたA-bike(風自転車)のギアが割れたA-bike(風自転車)のギアが割れた






2009-06-02[n年前へ]

「楕円上を動くふたつの円」で考える「ブラのカップサイズ」 

 「楕円の周上」に中心を持つ2つの円が、その「楕円の周上」を動くとき、二つの円の位置を変数として、「楕円の周長」と「楕円および2つの円を囲む曲線の中で長さが最小となるものの曲線長」の「差」を求めなさい、・・・という問題があったとする。これは、もちろん立派な数学(算数)の問題である。二つの円の位置を変数とした、一種の最小化問題である。

 しかし、下の図(人の胸部部分を単純化した断面図)とともに、そしてこのサイトhirax.net上で上記の「問題文」を眺めると、この問題の趣は少し変わる。上記の問題文が意図するところは、こうだ。「胴体のどこにふたつのバスト(=円)が位置するかで決まる、アンダーバストとトップバストの差、すなわちブラジャーのカップサイズを求めよ」という問題に変わるのである。

 つまり、この問題文はブラジャーのカップサイズの「最適化問題」なのだ。この「最適化」は、人によって、「最大化」指向(嗜好)の場合もあるだろうし、あるいは「最小化」指向(嗜好)の場合もあるかもしれない。しかし、いずれの場合にせよ、この問いは「単純化したバストにおけるブラジャーのカップサイズの最適化問題」なのだ。

 さて、図を見れば、そして少し考えればわかるように、このモデルでは(トップバストとアンダーバストの長さの差から決まる)ブラジャーのカップサイズは、二つのバストが反対位置にあるときに最大の値をとる。つまり、ふたつの胸は離れていれば離れているほど、カップサイズは大きくなる。極端な話、たとえば、両脇の下に胸があったりしたら、ブラジャーのカップサイズが大きくなるのである

 こんな風に、つらつらと考えてみると、なるほどごく単純な楕円と円だけを材料に作った算数の問題でさえ、なんと奥が深いのだろう!と感嘆する人も多いのではないだろうか。・・・そんなわけないか。

楕円上を動く「ふたつの円」で考えるブラのカップサイズ






2009-06-03[n年前へ]

「微乳=美乳」の証明 

 毎週、鴻上尚史のエッセイを読むために、そしてまた、「今時の」映画や小説・コミックの紹介文が読みたくて、週刊SPA!を読んでいます。つまり、愛読書(愛読雑誌)なのです。

 自分が読む雑誌を、一体どういう人たちがSPA!を作っていて、どういう読者層を想定して作っているのか、そして、その結果、どういう記事作りをするのかに、とても興味がありました。というわけで、週刊SPA!の記事作成に協力してみました。それが、今週発売されているSPA!の特集記事、「微乳=美乳」の証明です。

 それにしても、記事紹介文からして「実に濃い」ですね。

 ・・・グラビアやAV業界に目を向けると、俄然盛り上がりを見せているのは「主張しないおっぱい」たち。その背景には何があるのか? ブームとなりつつある微乳の魅力とは何なのか? そもそも美しいおっぱいとは何カップなのか? それらを科学的なアプローチによって解明したのが本特集です。

「乳房はわたしの掌のかたちをしてゐる」(詩人・堀口大學)

乳房のためにある手のひら、手のひらのためにある乳房……“手のひらサイズ”のおっぱいの魅力を、あらためて考えてみてください。新たな価値観が生まれるかもしれませんよ。
 だんだん、SPA!は、電車の中で読みにくい色合いのページが増えているような気もしますが、何はともあれ、愛読誌を作っている人たちを見ることができたのは、貴重な体験でした。

2009-06-04[n年前へ]

Windows VISTAとXPの「バッチファイルの動き方」の違い 

 Windowsでファイルを加工するスクリプトを作り、処理するファイルをドラッグアンドドロップして使うことができるように、バッチファイル(*.bat)を書いた。つまり、たとえば、こんなようなバッチファイルを書いた。

perl hoge.pl %1
 ところが、こんなバッチファイルを使おうとすると、Windows VISTA では意図した通りに動くのに、Windows XPでは動かないのである。

 その原因を追いかけてみると、バッチファイルを起動したときの挙動がWindowsのバージョンによって異なっていることが原因だった。あるいは、コマンドプロンプトのカレントディレクトリがどうなっているかを、私が意識していなかったことに原因があった。

 どういうことかと言うと、Windows VISTA では、バッチファイルをダブルクリックした時には、そのバッチファイルがあるディレクトリを「カレントディレクトリ」として起動したコマンドプロンプト内でバッチファイルに書かれた内容が処理される。ところが、バッチファイルにファイルをドラッグアンドドロップすると、そのバッチファイルは「ドラッグアンドドロップしたファイルがあるディレクトリ」をカレントディレクトリとして、コマンドプロンプトが起動し処理が行われる、という挙動になる。

 しかし、Windows XP では、『バッチファイルをダブルクリックすると、そのバッチファイルがあるディレクトリを「カレントディレクトリ」として起動したコマンドプロンプト内でバッチファイルに書かれた内容が処理される』というところまでは同じなのだが、バッチファイルにファイルをドラッグアンドドロップした場合には、そのバッチファイルは"C:\Documents and Settings\ユーザ名"をカレントディレクトリとして起動したコマンドプロンプト内で処理されるのである。そういう違いがVISTAとXPのバッチファイルの間にはあった。

 先のバッチファイルの場合、バッチファイルから呼ばれるスクリプトが、「バッチファイルがあるディレクトリがカレントディレクトリである」ことを前提としていたので、Windows VISTA では動くのに、Windows XPでは動かない、ということが起きた。

 いつものように、「思い込み」は危険だと思うと同時に、コマンドプロンプトやバッチファイルの沼も結構奥が深そうだ・・・と今さらながら感じたのである。このコマンドプロンプトやバッチファイルの「沼」に足を踏み入れてみるべきか、あるいは近寄らないようにするべきか・・・それが問題で思い悩んでいる。

2009-06-05[n年前へ]

水が入った中華鍋を摩擦振動させて遊ぶ 

 夜、バッティングセンターに行くと、中華鍋(に見えた)の中に水が満たされていて、その中にコインが入っている。一体これは何なのだろうと考えていると、同行者が中華鍋の水に手を浸し、両側の持ち手部分を掌で軽く擦りだした。

 ますます、それが一体何なのか、同行者が何をしようとしているのかがわからなくなり、さらに眺めているうちに、鍋がうなり音を出し始め、水面に規則正しい模様が浮かび上がってきた。そして、遂には水面から水滴が飛び跳ね始めた。

 そこまで眺めて「なるほど、これは水が入った中華鍋を振動・共鳴させて楽しむものなのか」とようやく合点した。そういえば、ロゲルギストが「新物理の散歩道 第3集 (自然選書) 」で、水を入れた鍋を振動させた時に生じる規則正しい模様がパラメータ励振によるものだ、という話題を論じていた。

 この変な中華鍋は、鍋の持ち手部分をこすることでパラメータ励振、言い換えれば、鍋の固有振動数に応じた摩擦振動を起こさせることで、震動が加速的に大きくなっていくことを体感する「科学玩具」だったのである。

 同行者いわく「鍋の持ち手をこする手を濡らさないと、上手く水面を波立たせることができない」のだそうだ。それは、乾いた手では鍋の持ち手との間の摩擦係数が低く、摩擦振動が生じずらいからだろう。たとえば、紙をめくるとき、乾燥した指では紙をめくりづらく「指先を舐めてしまったりする」ように、あるいは、バッティングセンターなら、バットをしっかり持つために、掌につばをつけたりするように、乾燥した手のひらは摩擦係数が低いが、水で濡れすと摩擦係数が高くなるのである。

 だから、たとえばワイングラスのようなグラスに水を入れ、そのふちを擦ることで音楽を奏でるグラスハープでも、グラスのふちをこする指は濡らしておく、というわけだ。

 濡れた指先でワイングラスを摩擦振動させ、綺麗な音を奏でるのも楽しいが、中華鍋の持ち手を濡れた手のひらでひたすらこすり、水面で水滴を飛び跳ねさせるのもとても楽しい。そして、バットを握る手につばをつけるということと、グラスハープを奏でる指を濡らすということが、目的としては実は同じだ、と考えてみるのもなんだかとても新鮮だ。

2009-06-06[n年前へ]

Rubyで「ディープコピー」を示す演算子が欲しい 

 ほとんど同じ動きをするソフトウェアを、ハードウェアを制御するシステムを、Mathematica、C++で作ったS-Functionを繋いだSimulinkモデル、そして、Rubyという3種類の異なる言語/システムで組んでみた。もっとも、Mathematicaのは、「考え」を作り出す・「考え」を整理するために使っているので、実際にはハードウェアには繋いで動かしているわけではないし、Rubyの場合もシリアルポートを介して外部ハードウェアとの入出力を行うことで、ハードウェア制御を行っている。

 Rubyでコードを書いていて、結構間違える・面倒くさいと感じてしまうのが、ディープコピー(値渡し)を自然に書けない、というところだ。とても小さなスクリプトを組む時には、シャローコピー(参照渡し)は便利で良いけれど、少し大きめのコード・クラスを組み合わせたコードを書いていると、ディープコピー(値渡し)をもう少し自然に・楽に書きたくなる。

 たぶん、言語のデフォルト状態で実装されていないということは、ディープコピーは使うべきではないのだろう。あるいは、それでも、使いたければ、

def dst=(Marshal.load(Marshal.dump(src)))
とでも書いて、演算子を再定義すれば良い(いや、少し違う演算子を定義すれば良いのだろうか)のかもしれない。しかし、何だかこれでは「一回ダンプして、もう一度読み直す」みたいな、マッチポンプの二度手間的な響きを感じてしまって、好きになれない。

 だから、Rubyで「ディープコピー」を示す演算子が欲しい。けれど、こんなことを「」思うときには、例外無くその言語・考え方に対する理解が足りないに違いない、とも思うのだけれど・・・。

2009-06-07[n年前へ]

メルセデス-ベンツの小型折りたたみ自転車とパッチモノA-bike 

 毎日のように、自転車に乗っています。けれど、A-bike風8インチ空気タイヤ版の超小型折りたたみ自転車、短く言えば、パッチモノA-bikeには、もう10日近く乗っていません。ギアが壊れ、それを直さない(直せない)まま、パッチモノA-bikeしまっているからです。あの機動性は画期的だと今も思いますから、ちゃんと直して乗ろうと・・乗りたいと考えてはいますが、なかなかできそうにありません。

 そんなこんなの、自転車生活をしている最中の週末に、メルセデスーベンツの折りたたみ自転車の写真に出会いました。折りたたむと、「80x80x35cm」のサイズになるという銀色に輝く自転車です。8段ギアを備え、1700ユーロの値段(23万円ナリ)という自転車です。デザインはとても綺麗で、おそらく乗り心地も、耐久性もいいに違いありません。

 けれど、私はこの文章を書きながら気づきました。私は、この23万円ナリの自転車よりは、7000円くらいで買った「A-bike風8インチ空気タイヤ版の超小型折りたたみ自転車」の方が、私は欲しいのです。いつも、持ち歩くことができて、すぎに乗って走りだせるあの自転車の方が欲しいのです。

 もしも、「ベンツの自転車かパッチモンA-bikeか、どちらか一方の自転車をあげる。あなたが使うならね」と言われたら、迷うことなくパッチモンA-bikeの方を指さすような気がします。これは、一種の恋なのかもしれません。

2009-06-08[n年前へ]

「コレステロール番付」で食生活を考える 

 街を歩いていると、「コレステロール番付」という張り紙を見かけた。「コレステロールを多く含む食品力士」と「コレステロールの少ない食品力士」を番付表にしたものである。「コレステロールを多く含む食品力士」の横綱は鶏卵、続いて大関はうなぎ蒲焼である。関脇 鶏レバー、小結 牛タンと、その後は続く。いつも食べているものばかりなような気がするけれど、これらは「控えたい食品」だそうだ。

 一方、「コレステロールの少ない食品力士」の方は、横綱 豆腐で、大関 赤身まぐろ、関脇 鶏ささみと続いている。こちらは、「摂りたい食品」ということである。ツナ缶とか、食パン・ゆでうどんといった、貧乏学生時代によく食べた食品が並んでいることに、少し驚かされる。あのビンボー食生活は、低コレステロールの健康的な食事メニューだったのだろうか?

 もちろん、そんなことはなくて、バランス良く栄養素を摂ることが大切なはずである。コレステロールを摂取しすぎることはいけないのだろうが、炭水化物過多になってもいけないだろうし、鉄分・ミネラル・カルシウム不足だっていけないはずである。だから、「コレステロールを多く含む食品力士」の関脇 鶏レバーや、前頭 ししゃもだって、やはり控えてばかりじゃいられないに違いない。

 しかし、このチラシは面白い。こういう風に見せるアイデアも楽しいが、一見同じような食品なのに、コレステロールの量が全然違っていたりすることにも新鮮な驚きを感じる。その最たるものが、コレステロール番付の「張出横綱の卵黄と卵白」だ。同じ卵の中にいるものなのに、両極端で全然違う。

 味付きゆで卵をひとつ食べる時、口の中では、東と西の両張出横綱が舌という土俵の上で睨み合っているのだ。味わい深いのも当然なのである。

コレステロール番付






2009-06-09[n年前へ]

「合コン」と「お食事会」と「脳科学」 

 「どうしたら良いのかわからない居心地の悪い場」というものがある。一例を挙げるなら、たとえば「お食事会」だ。かつては「合コン」と呼ばれていた催しも、最近では「お食事会」と呼ばれることが多いらしいが、そういった「お食事会」で、どうした良いのかがわからない・居心地の悪いオーラを感じたことがある人は多いと思う。美味しそうな食べ物を前にしながら、「どうしたら良いのかわからない」というのは、とても辛いものである。

 これまで一番辛かった「お食事」は、東大柏キャンパスで、ある著名な脳科学者や、そのキャンパスの先生と食べた昼食だ。その一時間は、本当に長く、そして心から辛く・食事が美味しくなく感じた60分だった。

 「意識の根源は、量子力学の波動方程式に行きつき・説明できると考えている」というような言葉を聞き、そして、その話に相槌を打つ大学の先生を見ながら、「会話をする情熱が湧かない何とも言いようのない居心地の悪さ」を感じたのだった。「お食事会」という場で、男のロマンを滔々(とうとう)と語られる女性は、もしかしたら同じような「居心地の悪さ」を感じるのだろうか。

 そういった「何とも言いようのない居心地の悪さ」は、きっと、あの著名脳科学者なら解説できるに違いない。その説明を聞いたなら、なるほどそういうことか!と、一瞬で納得・体感できる「アハ体験」を味わえるかもしれない。もしかしたら、またもやあの「言葉にしようがない感じ」を味わうことになってしまうのかもしれないが・・・。

2009-06-10[n年前へ]

「退色した本」の色を復活させる技術 

 ブックオフいわく、「表紙が退色している本は売れない」という。確かに、赤など退色しやすい色が消え、ほとんど黄色くなってしまった表紙の本は、確かに安っぽく見えてしまう。逆に言えば、タダ同然、つまり、売りものには見えないように感じてしまう。退色によって本に書かれている言葉・文章が消えてしなうわけではないのに、なぜか内容まで色あせてしまったような気さえする。

 「退色した本の色を復活させる技術」というのがあったら、面白そうだ。色あせた本に魔法のスプレーを吹き付けると、まるで新刊そのままの色鮮やかな本に早変わりし、タダ同然に思えた本が、いきなり1000円くらいの新刊の価値を持つ(ように感じる)という新技術を作ってみたいものだ。そんな魔法の道具があれば、ブックオフの古書買い取り基準も変わるかもしれない。

 もっとも、神田の古本屋街の「あの古臭さ」が良い、という人にとっては、「むしろ内容が良い技術」ということになるのかもしれないが。

2009-06-11[n年前へ]

サーバ構成変更「作業中」です。 

 SQL用サーバが不調になり、ついには電源が入らないようになりました。電源ボタンを押しても、ウンともスンとも言わず、全く動く気配がありません。なにはともあれ、データを確認してみると、ハードディスクには異常はありませんでした。そこで、とりあえず、サーバ構成を変えPCを1台減らし動かし始めました。

 サーバが1台動かなくなったのは残念ですが、動かなくなったのは省エネからはほど遠い550W電源を積んだPen4時代のマシンですから、何だか直すのも得策ではないような気がします。

 そこで、これを機にサーバをVMware 上で動かすように、つまり、サーバを実PC群で動かすのではなく、仮想PC群でサーバを動かすように変えようと思います。というわけで、そういう作業を気が向いた時にしていることもあり、しかも、そういう作業の途中で他のことをし始めたり(発泡酒を飲んで寝ていたり)することもあり、システムが落ちていたり・落ちていなかったり・・・という今日この頃です。夏近くというのは、個人サーバには実に辛く、そして、発泡酒がとても美味しい頃合いですね。

2009-06-12[n年前へ]

Mathematicaで「オブジェクト指向風」記述 

 春過ぎの頃、「分光スペクトル・色処理用のMathematica 7.0用ライブラリ」を作りました。そのライブラリを使うと、たとえば、D65光源下で、赤紫色の絵具を重ね塗りしていく際の色変化を CIE Lab 空間のグラフで表示させると、

labPlot[ 
  Map[lab,Table[
           transmissionSpector[D65,
                   magentaFilter, d],
                   {d,0,10.0,0.1}]
     ]
]; 
というようなコードになります。labPlotという名前の関数が一番外側にいて、その内側にMap関数がいて、さらにその引数のひとつにTable関数がいて、その内側にtransmissionSpectorがいて・・・、という風に関数・括弧で外側から包まれているような具合の書き方になります。

 こういう書き方をしていると、括弧の対応がわからなくなったり、処理の流れがわからなくなったりしてしまうように感じることがあります。そんな時、気分転換がてら、Mathematicaのコードを「オブジェクト指向風」記述で書き直したりします。どういうことかというと、たとえば、こんな関数を定義してやります。

Light[new]:=Module[
  {Spector=D65,
   self},
  self[setSpector,spector_]:=(Spector=spector;self);
  self[spector]:=Spector;
  self]
 すると、
a=Light[new][setSpector, D65][spector][600]
というように記述をすることができます。これは、スペクトル属性を持つ「光オブジェクト」をつくり、そのスペクトルをD65光源と同じにし、そのスペクトルの600nm波長の強度をaに代入する、という内容です。最初の例のような、括弧で多重に囲われているのではなく、括弧が連続しているので、括弧の対応や処理手順がわかりやすくなっています。

 コードのミソは、「Module内で宣言した(一意に識別できる名前が付けられる)変数self」により、オブジェクトを表現している、というところです。また、selfを返す関数を作ることにより、Light[new][setSpector, D65][spector][600]という風に処理を連ねていくことができるわけです。

 もちろん、こういう「オブジェクト指向風」記述をわかりやすく感じる時もあれば、そうでない場合もあるわけで、状況によって、あるいは、その時の気分で好きな風に書く、のが趣味プログラミングとしては一番楽しいような気がします。

2009-06-13[n年前へ]

部品取り用A-bikeを探す 

 A-bike(風自転車)が壊れたので、部品を確保するために、またA-bike(風自転車)を手に入れてみようと思っています。タイヤは今の8インチ空気タイヤ版が良いので、今度は8インチの安物タイヤ版でも良いわけですし、ギアさえ壊れていなければ良いので、壊れて動かないジャンク品でも構わないわけです。

 そこで、オークションなどでA-bike を探してみると、やはり中古超格安のA-bike風自転車群が売りに出されています。さてさて、どのA-bike(風自転車)を部品取り用にしましょうか・・・。8インチタイヤ版を手に入れるか、それとも6インチタイヤ版を手に入れて、ギア比を高くすることに挑戦してみるか・・・と夢だけは限りなく膨らむ今日この頃です。

2009-06-14[n年前へ]

PCの負荷分散が上手くできていません・・・。 

 サーバPCを1台減らしてから、PCの負荷分散が悲しいくらい上手くできていません。そのため、処理速度も極めて低下しています。もちろん、PCが高負荷状態にあるということはハードウェアの寿命的にもよろしくありません。

 そこで、サーバの仮想PC化より先に、まずはサーバのジョブ分散のさせ方を適切に変えることにしました。作業を行うのは週末になりそうなので、それまではサーバの反応がとても遅いとは思いますが、そんな時は、サーバが空いている時間にお越しください:)。

2009-06-15[n年前へ]

青春の富士樹海「麻雀大会」 

 「富士の樹海の真ん中で、徹夜麻雀をしませんか?」と言われた。残念なことに、あるいは幸運なことに、麻雀のルールを知らないことに加え、その日予定があったために、「魅力的だけど不参加で」と答えた。

 最初は、富士山頂で麻雀大会をしようとしたが、この季節にはまだまだ無理だということで、開催場所を富士樹海に変更したのだという。その無鉄砲さ、そんなくだらないことを考えて、実行に移せる行動力を、そしてそれを楽しむことができる感性を本当に羨ましく思う。

幅広い心を
くだらないアイデアを
軽く笑えるユーモアを
うまくやり抜く賢さを
眠らない体を
すべて欲しがる欲望を

 富士樹海中の麻雀大会が開催された後、「どうだった?」と聞いたら、彼らはこう答えた。

  • 樹海中で磁石が役に立たないというのは都市伝説だった
  • 6時間歩いて、6kmしか進めなかった
  • 道を見失わないように張ったらしきヒモがとても景観を汚くしていた
  • 樹海中にいきなり普通の家(道場)があった
  • 樹海中でいきなりさまよっている人に出会ったから、麻雀のメンツを現場調達するのも簡単にできそうだった
  • Docomoのケータイは樹海中でも使えたが、auは遊歩道でしか使えなかった。ソフトバンクは遊歩道ですら使えなかった。
  • エトセトラ・エトセトラ…
 あぁ、なんて素晴らしい行動力と感性だろうか。眩しさと、切なさを同時に感じるのは、年をとったからだろうか。
僕らの自由を
僕らの青春を
大げさに言うのならば
きっとそう言う事なんだろう

2009-06-16[n年前へ]

サーバ構成を変更しました 

 サーバPCの構成を変更しました。PCが壊れて2台構成で動かし始めた結果、PCの負荷分散が上手くできていなかったわけですが、変更作業後の現在は2台のPCの負荷がほぼ同じ程度で動くようになりました。

 とはいえ、負荷状態を眺めてみると、CPU使用率が一日の時間平均で40%くらいです。100%に張り付いている時も多々ありますから、今のシステムでは無理があるように見えます。ということは、「プログラムを改良する」か「サーバ台数を増やす」かが必要ということになりそうです。

 「プログラムを改良する」ためには、プログラムを見直す時間という貴重なリソースが必要ですし、「サーバ台数を増やす」にはお金という(これまた)貴重なリソースが必要です。さてさて、一体どういう解決策が適切なのでしょうか。

 短時間でプログラムを改良すればいいという解決策、つまり、技術力を備えている時にだけ可能な解決策もあります。しかし、これも結局のところ、その技術力を身につける時間が必要になることでしょう。とはいえ、この案を、楽しみつつ選ぶことにしましょうか。

CPU Meter






2009-06-17[n年前へ]

GIANT ESCAPE R3 2008で街を走る 

 GIANT(ジャイアント)のESCAPE R3の2008年モデルに(も)乗っています。1,2kmだけ街中を走る分には、買ってそのままの状態でも良かったのですが、それより長い距離を走るには、ライディングポジションが直立気味になってしまい、今一つ気持ち良く走ることができませんでした。

 そこで、ハンドルの位置を可能な限り下げ、シートを高くしました。つまり、ハンドルを外し高さ調整用のリングを全部取り、ハンドルの傾きを少し変え、低めの姿勢で乗れるようにしました。

 これで、気持良く、GIANT ESCAPE R3 2008で街を走ることができそうです。もう梅雨が始まって、薄暗い空から雨が降る日々が続きます。けれど、だからこそ、雲の切れ間から太陽が道を照らす瞬間に、外へ飛び出し街を駆け抜けてみたい気持ちが満ちてきます。

GIANT ESCAPE R3GIANT ESCAPE R3GIANT ESCAPE R3GIANT ESCAPE R3GIANT ESCAPE R3






2009-06-18[n年前へ]

CARVING ROLLER(カービングローラー)で滑ってみたい 

 日経トレンディ6月号(No.291)で「CARVING ROLLER(カービングローラー)」というものを見つけた。長野県白馬にあるメーカーが作っている、スキー板の下に前2輪・後2輪の車輪が取り付けられた、ローラー・スキー板である。板の上面は、一見すると普通のスキー板で、スキブーツ用ビンディングが取り付けられている。つまり、カービングローラは愛用スキーブーツを履いて滑ることができる。

 カービングローラーの説明を読むと、特殊デッキ・4WS機能・スキー用ビンディング・特殊ホイール・専用ベアリングの開発・調整を、数多くのスキーヤーのテストラン滑走を経て行うことで、雪上に近い滑走フィーリングをよりリアルに再現できたという。

 一度、CARVING ROLLER(カービングローラー)で滑ってみたい。いくらアスファルト上で滑れるといっても、近所の道路で滑走するのは難しそうだけれど、人気のない少し斜度のついた駐車場を探し、夏空の下をカービングローラーで滑ってみたい。


CARVING ROLLER(カービングローラー)






2009-06-19[n年前へ]

ランニングのペースに合った曲を自動再生してくれるという携帯音楽プレーヤー 

 ランニングをする時、自分のペースと同じリズムの音楽を聞いていると、不思議なくらい気持ち良く走ることができる。本当に不思議なくらい、ランニング中に聞く音楽のリズムが自分のリズムと同じか、違うかの差は大きい。

 リズム抽出ソフトウェアはいくつも公開されているので、「このペースなら、この曲がお勧めだ」というデータベースを作る自動解析処理システムを、いつか作ろうと思っていた。そして、自分の好きな曲を、ペース・リズム毎に分類してiPodに入れ、ランニングをしてみようなどと考えていた。

 日経トレンディの頁をめくっていると、ランニングのペースに合った曲を自動再生してくれるという携帯音楽プレーヤー「ヤマハのボディ ビート(BODiBEAT)」を知った。

 内蔵のモーションセンサーがペースを検出して、お気に入りの曲の中から自動選曲。さらに数千種類の短い音素材をランダムに組み合わせることで、10万通り以上の曲をつくり出す”BODiBEAT Mixer”搭載!どんなペースで走っても音楽との一体感を楽しめます。

 一回、ボディ ビート(BODiBEAT)を腕に付けて、ランニングをしてみたい。で、やはり、その上で自分で自分のためのシステムを作ってみたいものだ。

ボディビート BODiBEAT






2009-06-20[n年前へ]

デジタルカメラ化された「ペンタックス auto110 コンプリート・キット」が欲しい 

 オリンパスが、世界最小レンズ交換式デジタルカメラを発売した。しかし、かつて、ペンタックスのauto 110 愛用者だった私は、やはりauto 110をデジカメにしたものが欲しい。あの掌の中に収まる小ささ、クラッシックカーにも似た完成されたデザイン、そして、マニア心をくすぐるケース入り「コンプリート・キット」の形で、あのままの姿をただデジタルカメラ化したものが欲しい。背面の液晶ディスプレイなんかなくても良いし、動画だって別にとれなくて構わない。ただ、110フィルムを撮像素子に入れ替えただけのものが欲しいのだ。

 以前、auto 110をデジカメ化する計画を結構真面目に立てた。しかし、結局、その時は挫折した。auto 110 デジカメ化計画に、もう一度挑戦したい。そして、そのデジカメ改造 auto 110 に街の景色を写し込んでみたい。

2009-06-21[n年前へ]

Mathematicaライブラリをさらに「オブジェクト指向風」にしてみました 

 以前、分光スペクトル・色処理用のMathematicaライブラリ(関数群)を作りました。そして、この前Mathematicaで「オブジェクト指向風」記述をすることで、括弧の対応や処理手順を見やすく・わかりやすくしてみました。もちろん、「わかりやすい」というのはあくまで主観的な話です。

 今日は、もう少し本格的な例を作ってみようと考えて、そのMathematicaライブラリに、Spectorクラス・Layerクラス・Lightクラスを作成・追加してみたのです。物体を光で照らした時に見える分光スペクトルを、モンテカルロ的に解く機能を適当に付けてみました。

 そんなわけで、スペクトルを扱うSpectorクラス、立体形状を扱うLayerクラス、そして、適当に光追跡を行う機能を盛り込んだLightクラスを仕立ててみたのです。

 たとえば、デフォルト設定をそのまま使うなら、

layers=Layer[new]
aLight=Light[new]
aLight[in,layer][showTrace]
といったコードを書くと、三次元物体中を照らす光の色が、どのように変わっていったかを立体的に表示させることができます。

 あるいは、

Spector[new][set,blueSpector][spectorPlot]
と書けば、青い色のスペクトル分布を描いてくれます。Layersは・・・形状を定義する関数を少しオブラートに包んだクラスです。

そんなわけで、数日後には、バグ確認・使い方の例などを加えた上で、サイトからダウンロードできるようにします。また、適当に仕立てたこのツールを使い、何か解析でもしてみようと思います。

Mathematicaライブラリをさらに「オブジェクト指向風」にしてみました






2009-06-22[n年前へ]

ドラッグ&ドロップしたファイルからデータを抽出するRubyスクリプト・サンプル 

 「ささやかだけれど、役に立つこと」が、きっとあるだろう、と思っています。本屋に行けば、たくさんHOW TO本が溢れています。けれど、意外に、HOW TO本という割には、そこにはスローガンのような曖昧なことしか書かれていないことも多い、と感じることがあります。あるいは、Geek好みではあるけれど、そうでない人を想定読者にしていない本も多いように思います。

 今日は、「(Windowsで)ドラッグ&ドロップしたテキスト・ファイル中から特定の行・列を抽出するスクリプト」のRubyサンプルを書いてみました。つまりは、誰でもすぐに書ける使用例です。・・・とはいえ、実験データの解析をしようとすると、必要になることが多そうなサンプルです。

 けっしてすごいことができるわけではありませんが、意外にこんなスクリプトを実際に使い・役立てて、そして自分で道具を作り始めることのきっかけのひとつになる可能性もあるかもしれないと思い、書いてみました。

 下のスクリプトは、HEADER_LINE_NUMで定義した行より後の行から、(スペースで区切った時の)2・3列目だけを抽出したcsvファイルを作ります。もしも、1,9行目をコメントにして、2,10行目をコメントアウトすると、pickupLineで定義した行からだけデータを抽出します。何だか、こんな説明を書くことも、少し気恥ずかしく感じてしまうようなサンプルですが、けれど、意外にこういう入門の入門の情報が「ささやかだけれど、役に立つこと」なのかもしれないと思い、ふと仕立ててみました。

HEADER_LINE_NUM=5
#pickupLine=[23,24,26,28]
ARGV.length.times{ |i|
  data=[]
  filename=ARGV[i]
  open(filename) {|file|
    lineNum=1
    file.readlines.each{|line|
      if lineNum>HEADER_LINE_NUM
#      if pickupLine.include?(lineNum)
        lineData=line.split(' ')
        data<<[ lineData[2], lineData[3] ] 
      end
      lineNum+=1
    }
  }
  isFirst=true
  f=File.open(filename.gsub('.txt','')+'.csv','w')
  data.each{|l|
    if isFirst
      f.puts 'a,b' # print caption
      isFirst=false
    end
    f.puts l[0].to_s+','+l[1].to_s    
  }
  f.close
}

2009-06-23[n年前へ]

さよなら、「僕のコダクローム」 

 大学に入学した夏、友人の部屋で何日か過ごした。何日か目の朝、徹夜明けの朝、二人で散歩していると、古いカメラが捨てられているのを見つけた。そこで拾ったカメラは、CANON FTbというものだった。金属の重さを感じさせ、いかにも「道具」という雰囲気を持つそのカメラに惹かれ、いつしかぼくは写真を撮ることを趣味にするようになった。

 白黒写真は、ネオパンフィルムを使い、大学の研究室にあった暗室でいつも現像・焼き付けをしていた。カラー写真は、ポジフィルムのコダクロームを使うことが多かった(ベルビアも使うこともあったけれど)。独特の濁った色が、景色を眺める複雑な色合いの気持ちを写しだすように思われて、それが好きでぼくはいつも使ってた。好きな街を、好きな空を、好きな人たちを、いつでもぼくはコダクロームとネオパンで撮った。

 「米Kodak、コダクロームフィルムの販売を終了」という記事を読んだ。僕はコダクロームが好きだった。けれど、もう20年近く使っていない。だから、販売終了というニュースを聞いても、ただ頷(うなづく)くしかない。けれど、ぼくはコダクロームが好きだった。

 ぼくのiPodには、Paul Simonの「僕のコダクローム」が入っている。彼が「鮮やかな色を、夏の緑を写しだすコダクロームを僕からとりあげないで」と歌う声を、今でも、ぼくは電車の中で聞いている。コダクロームで撮った夏の景色、夕暮れの空の下を歩く誰か、夜に花火を持つ君、国分寺のライブハウスで歌う人、コダクロームで撮った色々な景色を思い出す。

Kodachrome
They give us those nice bright colors
They give us the greens of summers
Makes you think all the world's a sunny day,
I got a Nikon camera
I love to take a photograph
So mama don't take my Kodachrome away

 また一つ、ぼくの好きだったものが消えていく。思わず、ぼくも、ポール・サイモンのように、"So mama don't take my Kodachrome away"と呟いてしまう。

2009-06-24[n年前へ]

Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にする 

 Mathematicaで発色シミュレーションをモンテカルロ法で行うライブラリを作りました。オブジェクト風記述にできるのが特徴です。(今週末まで修正作業を行うつもりなので、多少、仕様は変わるかもしれませんが)たとえば、

Light[new][in,Layer[new]][showTrace]
という記述をすると、下のグラフのような、三次元構造の中で反射・屈折・散乱を行う「光」のスペクトルが、どのように変化していったかを知ることができます。

 この例の場合は、Layer[new]で、デフォルトのコンストラクタで作成された水色の層に入射した光の挙動を眺めてみたものになります。層内で多重反射した後に、水色に染まって層の外へ出て行ったことがわかる、という例になります。

 ライブラリは、週末にサイト上へアップロードする予定です。

Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にする






2009-06-25[n年前へ]

Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ 

 以前作った、「分光スペクトル・色処理用のMathematicaライブラリ(関数群)」を利用して、「Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ」を作りました。前回書いたように、三次元構造の中で反射・屈折・散乱を行う「光」のスペクトルが、どのように変化していったかを知ることができます。

 ライブラリは、Imagearts.2.5.nb(3.7MB)として、サイト上にアップロードしてあります。このファイルには、関数・オブジェクト定義に加え、いくつかのサンプルが入っています。

 たとえば、「4層構成の物質(Layer)があり、それらの層はすべて透明だけれども、その中間層2層の散乱度合いを変えた場合」のシミュレーションを複数条件下でしたければ、下記のようなコードを書けばOKということになります。

layers[sc_] := (z = #[[3]]; Piecewise[{
 {{1, 0,Spector[new][set,transparentFilter]},
   z > 1},
 {{1, sc,Spector[new][set, transparentFilter]},
   1 >= z && z > 0.5},
 {{1, sc,Spector[new][set, transparentFilter]},
   0.5 >= z && z > 0},
 {{1, 0,Spector[new][set, transparentFilter]},
   0 >= z}                                      }  ]) &;
Table[Light[new][in,Layer[new][set,layers[i]]][showTrace],
  {i,0,1,0.1}]

 ここでは、最初に層構成を純関数として定義し、その純関数を使い、条件を変えたオブジェクトをTableで作成し・計算を行っています。

 なお、現状のライブラリは、表面形状は水平平滑に限る、という単純なコードになっています。表面凹凸対応は、また気が向いた(近い)時期にしてみよう、と思います。

Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ






2009-06-26[n年前へ]

「3年B組金八先生」での杉田かおる 

 「しゃべくり007」を観ていると、武田鉄矢が「3年B組金八先生」の話題で、杉田かおるの演技に関して、こんなことを言っていた。

 杉田かおるはねぇ・・・ホントに上手かったよぉ。だって、たじろいだもん。ツーっと入ってきてね。
「赤ちゃんが動いたんです」
 これは、1979年冬から翌年の春にかけて放映された「3年B組金八先生」パート1の「15歳の母」中の1シーンだ。妊娠した(役演じる)杉田かおるの演技に対する言葉だ。

 「3年B組金八先生」での杉田かおるの演技について、武田鉄矢がかつて語った 、こんな言葉がある。この言葉は、杉田かおるの演技をとてもリアルに表現していて私の記憶にずっと記憶に残っている。それは、パート1から時を経て、1995年から放映されたパート4での話だ。

 パート4では雪乃(杉田かおる)は、息子の歩がいじめに遭って「もう学校には行かせない」って金八を責めるよね。あのときの演技には、父親は保(鶴見辰吾)なんだけど、「あなたが産めと言ったんじゃない」という、金八に対する男と女の感情、雪乃の混乱まで盛り込まれていたよね。
 この言葉を読んで、なるほど脚本・演技というものは実にリアルに物事を描き出すものなのだな・・・と驚かされた。

 金八先生のロケ地の多くは、北千住駅から京成関屋近くだ。「3年B組金八先生」の放映開始から、20年以上経った頃、インラインホッケーの試合をしにその辺りに頻繁に行っていた頃、テレビの中で眺めたような風景を見つけることがあった。そのたび、いつもテレビを観ながら感じたことを思い出し、「時の流れ」ということを、心から不思議に感じたものだった。人は、若い頃の記憶を、一体どれだけリアルに引きづるものなのだろうか。

思いのままに生きられず 心に石の礫なげて
自分を苦しめた 愚かさに気付く
私は悲しみ繰り返す そうだ人なんだ

人として人と出会い 人として人に迷い
人として人に傷つき 人として人と別れて
それでも人しか 愛せない

2009-06-27[n年前へ]

Mathematicaで眺める油絵 フランドル技法 

 12 世紀から油絵技法が一般的になる15 世紀までの間, 主要な絵画 (描画) 技法だったのがテンペラ技法です。テンペラ技法の主要なものには、バインダ (メディウム) としての卵黄に非水溶性の顔料を混ぜ, 卵黄に含まれるレシチンにより乳化させることでエマルジョン (乳濁液) 化し、色材を水に溶いたテンペラ・マグラ "Tempera magra" や、テンペラ・マグラの卵黄に油を混ぜた, テンペラ・グラッサ "Tempera grassa" などの技法があります。

 このテンペラ・グラッサなどがヤン・ファン・エイクらにより改良され、メディウムとしての亜麻仁油などの植物性乾性油中に顔料を溶く油絵技法が確立されました (右上図はエイクによる 「アルノルフィニ夫妻の肖像」)。

 この当時の色材層は2層からなっていました。下層は黒と白の色材が混合された明暗を描くモデリング (デッサン) 層であり、上層は色付け (着彩)のためのグレーズ層です。モデリング層では、(特に)白色材や黒色材を使うため,散乱が比較的多くなります。その一方で、グレーズ層である上層では散乱係数が低くなります。それは、屈折率が1 .5 程度の亜麻仁油などを主体とする油絵のメディウムは、顔料(屈折率が1.6程度)とメディウムの屈折率差が小さいため、層中における光散乱が少ないためです。

 こんな油絵フランドル技法で描かれた絵画の状態を、Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリで表現してみました。それが、下のスクリーンキャプチャ画面になります。空気層+2層(グレージング&モデリング層)の色材層、そして、キャンバス層に光を入射させ、その光のスペクトル変化を計算させてみたものです。そして、その光軌跡の1例と、スペクトル変化を表示させてみました。

 モデリング層として形成した明度が, 全層としての反射明度に素直に反映されているようすや、グレーズ層の厚みが増えるにしたがって, すなわち色を重ね塗りするにしたがい綺麗に色づく(だろう)さまを見て取る(光軌跡やスペクトル変化から想像する)ことができます。

 というわけで、「Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ」を使って、古典絵画を鑑賞してみる例を、今日は作ってみました。

Mathematicaで眺める油絵 フランドル技法






2009-06-28[n年前へ]

Mathematicaで眺める油絵 「印象派」編 

 17世紀以降, モデリング層とグレージング層を分離させず, 基本色を混合・調色した上で,目で認識した色をそのまま描く技法が広まりました。特に19 世紀以降, 印象派が, その場で、見た色をそのまま絵の具の色にして描く技法を盛んに用いるようになりました。たとえば、右上の画像は、そんな技法で描かれた、クロード・モネの「日傘をさす女」です。

 このような技法により描かれた画像構造を、、Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリで表現してみました。やり方は、2種の色材を1層に混合し新たな吸収分光特性・散乱係数を持つ 「1層の色材」からなる画像構造に模して、計算・解析してみる、という具合です。その「1層の色材」層では、色絵具に(特に)白や黒を混ぜるため、層内での散乱が大きい、という条件になります。

 ・・・すると, 比較的彩度の低い発色になります。これは、光軌跡を見るとわかるように、色材層内で頻繁に散乱が起きるため、色材層の上層部周辺のみを光が通り抜けて、その後、光が表面層から出て行ってしまうからです。そのため、色材による分光吸収が十分に行われないままになります。そして、彩度の低い発色となるわけです。

 というわけで、昨日に引き続き、今日は「Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ」を使って、技術的に、印象派の絵画を鑑賞してみました。

Mathematicaで眺める油絵 「印象派」編






2009-06-29[n年前へ]

ミュージック・ステーションの視聴率から各アーティストの平均視聴率を算出してみよう 

 「ミュージック・ステーションの視聴率が非常に低くなっている」という記事を読みました。豪華なアーティスト陣が出演している音楽番組であるにも関わらず、10パーセント程度の視聴率しかない、というわけです(実際には、それ以下であることが多い)。

 そのページには、各週の視聴率と出演アーティストが列挙されていました。そこで、「各アーティストのごとの平均視聴率」や「各アーティストの番組への”寄与”視聴率=各アーティストごとの視聴率の持ち分」を算出してみようと思い立ち、ざっと計算してみました。

 行ったことは、

  • 各アーティストが出演した回の「視聴率」を(アーティストごとに)平均化し、そのアーティストが出ていると、どの程度の視聴率であることが多いか
  • 毎回の視聴率を「出演アーティスト数」で割ることで「毎回のアーティストあたり視聴率」を算出し、それぞれのアーティストに対し、出演した回の「毎回のアーティストあたり視聴率」を平均化する。それにより、各アーティストの番組への”寄与”視聴率=各アーティストごとの視聴率の持ち分を推定する
というものです。

 2種類の「アーティストごとの視聴率」を算出してみたわけですが、まず最初の今日は、「そのアーティストが出ていると、どの程度の視聴率であることが多いか」というデータを貼り付けてみます。

 どうでしょう?トップのThe SHIGOTONINから、一番最後のレディー・ガガまで、この順列はあなたの印象と一致しているでしょうか?

 ・・・というわけで、「各アーティストの番組への”寄与”視聴率=各アーティストごとの視聴率の持ち分」は明日書いてみようと思います。

アーチスト 平均視聴率
The SHIGOTONIN 15.20%
坂本龍一 15.20%
EXILE 13.33%
青山テルマ 13.10%
遊助 12.40%
aiko 12.35%
KinKi Kids 12.35%
ユニコーン 12.35%
大塚 愛 12.35%
倖田來未 12.13%
Dew 11.70%
Oasis 11.70%
Perfume 11.70%
剛 紫 11.70%
浜崎あゆみ 11.70%
AKB48 11.20%
ROCK'A'TRENCH 11.20%
柴咲コウ 11.20%
東方神起 11.20%
KAT-TUN 10.80%
倖田來未×misono 10.65%
Aqua Timez 10.25%
レミオロメン 10.25%
GREEN DAY 10.10%
SPEED 10.10%
コブクロ 10.10%
椎名林檎 10.10%
平井 堅 10.10%
BoA 10.05%
9.97%
GLAY 9.90%
VAMPS 9.90%
flumpool 9.60%
J Soul Brothers 9.60%
MiChi 9.60%
アンジェラ・アキ 9.60%
矢野健太 starring Satoshi Ohno 9.60%
HY 9.50%
lego big morl 9.50%
TERIYAKI BOYZ 9.50%
湘南乃風 9.50%
Gackt 9.00%
木村カエラ 9.00%
FUNKY MONKEY BABYS 8.90%
JUJU 8.90%
かりゆし58 8.90%
チャットモンチー 8.90%
いきものがかり 8.75%
DJ MAKIDAI feat. 青山テルマ 8.60%
THE BOOM 8.60%
スキマスイッチ 8.60%
真野恵里菜 8.60%
福山雅治 8.60%
THE ALFEE 8.50%
つるの剛士 8.50%
ゆず 8.50%
絢香 8.50%
伊藤由奈 feat.Spontania 8.50%
玉木 宏 8.50%
中川翔子 8.50%
ステレオポニー 8.40%
GIRL NEXT DOOR 8.25%
RIP SLYME 8.15%
9mm Parabellum Bullet 8.00%
GACKT 8.00%
THE BLACK EYED PEAS 8.00%
優馬w / B.I.Shadow 8.00%
NEWS 7.90%
滝沢秀明 7.87%
倉木麻衣 7.80%
Superfly 7.70%
ゆずグレン 7.70%
加藤ミリヤ×清水翔太 7.70%
山崎まさよし 7.70%
中島美嘉 7.70%
藤木直人 7.70%
JUJU with JAY'ED 7.65%
monobright 7.40%
平原綾香 7.40%
AI 7.40%
alan 7.30%
BONNIE PINK 7.30%
シド 7.30%
misono 6.70%
V6 6.70%
馬場俊英 6.70%
レディー・ガガ 6.70%

2009-06-30[n年前へ]

ミュージック・ステーションの視聴率から各アーティストの”寄与”視聴率を算出してみよう 

 昨日に引き続き、ミュージックステーションのデータをもとに、今日は「各アーティストの番組への”寄与”視聴率=各アーティストごとの視聴率の持ち分を推定してみた結果」を貼り付けてみます。したことは、「毎回の視聴率を出演アーティスト数で割ることで「毎回のアーティストあたり視聴率」を算出し、それぞれのアーティストに対し、出演した回のアーティストあたり視聴率を平均化するkとで、各アーティストの番組への”寄与”視聴率=各アーティストごとの視聴率の持ち分を推定する」ということになります。

 今日の表からは、「このアーティストを出演させると、どの程度の視聴率を(さらに)稼ぐことができるのか」を算出できます。ミュージックステーションは、約6~7組が出演するので、どうアーティストを選んでいくか、プロデューサーにでもなった気持で考えてみると面白いかもしれません。もしも、上位7組を使ってみれば、視聴率は16%程度になります。しかし、下位7組で勝負に出ると視聴率は5%程度で低迷しそうです。

 あなたが、プロデューサーなら、どのアーティストを(6~7組)選びますか?どんな風に選びますか?その番組の視聴率はどのくらいに、なりそうですか?

アーチスト アーチスト辺り視聴率
坂本龍一 1.90%
The SHIGOTONIN 1.90%
青山テルマ 1.87%
KinKi Kids 1.74%
GREEN DAY 1.68%
椎名林檎 1.68%
SPEED 1.68%
平井 堅 1.68%
aiko 1.63%
大塚 愛 1.63%
ユニコーン 1.63%
EXILE 1.61%
AKB48 1.60%
柴咲コウ 1.60%
東方神起 1.60%
ROCK'A'TRENCH 1.60%
HY 1.58%
TERIYAKI BOYZ 1.58%
倖田來未 1.52%
1.50%
木村カエラ 1.50%
遊助 1.47%
Aqua Timez 1.46%
レミオロメン 1.46%
BoA 1.44%
伊藤由奈 feat.Spontania 1.42%
THE ALFEE 1.42%
つるの剛士 1.42%
中川翔子 1.42%
VAMPS 1.41%
GLAY 1.41%
Gackt 1.40%
KAT-TUN 1.39%
アンジェラ・アキ 1.37%
J Soul Brothers 1.37%
flumpool 1.37%
MiChi 1.37%
矢野健太 starring Satoshi Ohno 1.37%
いきものがかり 1.37%
湘南乃風 1.36%
lego big morl 1.36%
GACKT 1.33%
9mm Parabellum Bullet 1.33%
THE BLACK EYED PEAS 1.33%
優馬w / B.I.Shadow 1.33%
ステレオポニー 1.29%
JUJU with JAY'ED 1.28%
GIRL NEXT DOOR 1.27%
かりゆし58 1.27%
JUJU 1.27%
チャットモンチー 1.27%
FUNKY MONKEY BABYS 1.27%
THE BOOM 1.23%
スキマスイッチ 1.23%
DJ MAKIDAI feat. 青山テルマ 1.23%
福山雅治 1.23%
真野恵里菜 1.23%
倖田來未×misono 1.22%
alan 1.22%
シド 1.22%
BONNIE PINK 1.22%
NEWS 1.22%
絢香 1.21%
玉木 宏 1.21%
ゆず 1.21%
滝沢秀明 1.19%
RIP SLYME 1.16%
コブクロ 1.14%
倉木麻衣 1.11%
加藤ミリヤ×清水翔太 1.10%
Superfly 1.10%
中島美嘉 1.10%
藤木直人 1.10%
山崎まさよし 1.10%
ゆずグレン 1.10%
Oasis 1.06%
剛 紫 1.06%
Dew 1.06%
Perfume 1.06%
浜崎あゆみ 1.06%
AI 1.06%
平原綾香 1.06%
monobright 1.06%
馬場俊英 0.96%
V6 0.96%
misono 0.96%
レディー・ガガ 0.96%