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2010-12-01[n年前へ]

「地球の大きさ」と「ウェスト周りの脂肪」の不思議!? 

 前から不思議に思っていることがあります。それは、同じ現象であっても、その対象次第で(それが)「とても小さく思えたり」「とても大きく思えたり」する、ということなのです。

 その不思議が一体どんなことかといえば、それは「円の直径がn増えたとき、円周はどれだけ増えるか」というお題なのです。

 たとえば、ウェスト周りの脂肪の厚みが1cm増えただけで(つまり、太れば)、ウェストに巻くベルトは約6.3cmほども長いものが必要になります。脂肪の厚みがたった1cm増えただけで、6cm強ほどもベルトの穴の位置や、スカートのウェスト周り長さが増えてしまうのです。それは、
円周=2×π(パイ)×r(半径)
という公式を考えてみれば当たり前の話ですが、それは意外なほど大きく感じる変化ではないでしょうか?

 その一方で、それがこういう話ならどう感じるでしょうか?「地球の半径が1m大きくなったら、地球一周分の長さは一体どう変わるでしょう?」・・・さて、あなたは一体どんな風に感じたでしょうか?

 もちろん、それは先ほどのお題と同じく、
円周=2×π(パイ)×r(半径)
なのですから、地球一周の長さは6m強ほど長くなります。・・・たった、地球の半径が1m増えても地球の周りは6mしか増えないのです。この変化を意外なほど小さく感じる、という人も多いのではないでしょうか。

 ウェスト周りの脂肪と地球の大きさ、どちらも同じ話しなのに、一方はとても大きく感じ・一方はとても小さく感じます。この違いは一体何が生み出しているのでしょう?

 人の感じ方、「どれだけ細かなものを気にするか」というようなことは、眺める対象の大きさ次第で変わるように思います。「地球の大きさ」と「ウェスト周りの脂肪」の不思議も、そういう観点から考えてみれば、とても自然に思える現象なのかもしれません。そんなことを考えてみれば、意外に面白いことを見いだせるように思うのです。

2010-12-02[n年前へ]

数学(コーディング)パズル、大好き!? 

 ここのところ、数学パズル||コーディング・パズルにハマっています。きっかけは、国際情報オリンピック(International Olympiad in Informatics)の予選問題にもなったことがあるという「入門レベルの問題」で、「200個以内の長方形の上左および右下座標(32bit floatで表現できるような実数)が与えられる。長方形は相互に重なりが許されるとき、与えられた長方形群により覆われた部分の面積を求めるコードを書け。今すぐ書け。あっ、実行時間が2秒を越えるようなコードはダメだかんね」というお題でした。

 あなたなら、このお題に対して、どんなコードを書くでしょう?VisualBasicでも、Perlでも、C++でも、Lispでも・・・、自分の言葉で問題を書き綴り・解き明かす「数学(コーディング)パズル」はっても楽しくスリリングなことなのだろう、と思います。きっと、それは固くなりがちな頭を柔らかくし、何らかの瞬発力を与えてくれるものであるような気がします。

 ちなみに、そのお題を与えられたとき、適当にRubyで書いたコードが下のものになります。あなたなら、どんなコードを書きますか?

def makeRect(n)
  data=[]
  n.times{ data<<[rand(),rand(),rand(),rand()] }
  return data
end

def makeMesh(rects)
  xg=[]
  yg=[]
  rects.each do |xt,xb,yt,yb|
    xg<<xt<<xb
    yg<<yt<<xb
  end
  xg.sort!
  yg.sort!
  mesh=[]
  (xg.length-1).times do |x|
    (yg.length-1).times do |y|
      cx=(xg[x]+xg[x+1])/2
      cy=(yg[y]+yg[y+1])/2
      area=(xg[x+1]-xg[x])*(yg[y+1]-yg[y])
      mesh<<[cx,cy,area] if area>0
    end
  end
  return mesh
end

rects=makeRect(200)  
mesh=makeMesh(rects)
area=0 
mesh.each do |x,y,a| 
  rects.each do |xt,xb,yt,yb|
    if xt<x&&x<xb&&yt<y&&y<yb
      area+=a
      break
    end      
  end	
end
puts area

2010-12-03[n年前へ]

ダイソーでホット/アイス兼用アイマスクを100円で買う!? 

 「100円ショップ」が好きなら、ギガ・ダイソーに行ってみると良いですよ、と言われました。ダイソーは1001円ショップの代名詞でもあります。そして、ギガは1,000,000,000倍、つまり、十億倍を意味します。ということは、普通のダイソーの十億倍・・・とまではいかないでしょうが、「とにかく大きいダイソーだ」というわけです。何しろ、ダイソーのWEBサイトを眺める限りでは、ギガダイソーは敷地面積が2000坪(6611m^2)もあるというのです。

 「そうだ、ギガ・ダイソー、行こう!」という旅をしてみたのですが、その旅で100円で買ったものひとつが「目の周り全体を暖めたり・冷やしたりするアイマスク」です。

 水分を含んだ吸水性ポリマーをアイマスク状にした(そしてそれを柔らかな繊維で包んだ)もので、冷蔵庫で冷やせば冷え冷えになるし、あるいは、電子レンジでチンすればホカホカになって、それをかければ疲れた目の周りのを休めることができる、という優れものです。それでいて、値段はもちろん税抜きなら100円ポッキリ、です。「蒸気でホワホワと目の周りを温めてくれるホットアイマスク 」もとても心地良さそうですが、繰り返し使えて100円ナリというコストパフォーマンスの良さにも惹かれてしまう、というわけです。

 そこで、さっそく、電子レンジでチンして使ってみたところ、ホカホカ状態が長く続き、目の周りの筋肉の疲れがずいぶんと和(やわ)らぎ、楽になりました。

 このホット/アイス兼用アイマスクは、10億倍スゴイというギガ・ダイソーでない普通のダイソーでも、売っているのだろうと思います。もしも、疲れ目ぎみの人がいたならば、近くの100円ショップで「ホット/アイス兼用アイマスク 100円ナリ」を試してみても良いかもしれません。

ダイソーでホット/アイス兼用アイマスクを100円で買う!?ダイソーでホット/アイス兼用アイマスクを100円で買う!?ダイソーでホット/アイス兼用アイマスクを100円で買う!?






2010-12-09[n年前へ]

「汗のかきやすさは体重のルートに比例する」という「汗っかきの方程式」 

 太っている人は暑がりで、痩せている人は寒がりなのが普通です。単純に考えてみれば、人が発生する熱量は、おおよそ体重に比例するのに対し、体からの放熱は体表面積に比例するからです。太っている人、言い換えれば「体重(発熱量)の割に表面積(放熱量)が小さい、まるで球のような体型の人」はアッチッチになりやすいでしょうし、「体重(発熱量)の割に表面積(放熱量)が大きい、痩せぎす体型の人」ならあっという間に熱を奪われブルブル震えてしまうに違いない、というわけです。

 今日は「体重が増えると何倍暑がりになりやすいか」を考えてみようと思います。藤本らによる「実測値に基づいた日本人の体表面積の算出式」は次のようになります。

体表面積(cm^2) = 88.83 * 身長(cm)^0.663 * 体重(kg)^0.444
 体重を(上の式で求めることができる)対表面積で割ることで「体重(=発熱量)/体表面積(=放熱量)」つまり「放熱能力あたりの発熱量=アッチッチになりやすさ(≒汗のかきやすさ)」を計算する式を作り出すことができます。それが次の「汗っかきの方程式」です。
汗のかきやすさ= 0.0112575 体重(kg)^0.556 / 身長(cM)^0.663
同じ体重なら、体重の約0.5乗、すなわち「体重のルート」に比例して汗をかきやすくなるのです。体重がもし2倍になれば、ルート2=約1.4倍汗っかきになるのです。あるいは、もしも同じ体重なら、身長の0.7乗、これも(大雑把に言ってしまえば)「身長のルート」に比例して寒がりになる、とも言えるわけです。

 「体重が何倍になれば(横軸)何倍汗っかきになるか(縦軸)」を描いてみたのが右のグラフです。つまりは、「汗のかきやすさは体重のルートに比例する」という「汗っかきの方程式」を単純な場合で眺めた結果例になります。

 季節が変わり、冬の寒さを感じるようになりました。「寒さ」をふと感じたときには、「汗っかきの方程式」を頭に思い浮かべてみるのも面白いかもしれません。

「汗のかきやすさは体重のルートに比例する」という「汗っかきの方程式」






2010-12-10[n年前へ]

「iPhone4を3D化するキット」買いました。 

 「iPhone4を3D化するキット」を見かけ、とても楽しそうだったので思わずってしまいました。「iPhone用3Dビュアーレンズ」と題したそのセットは、(iPhoneのサイズを十分カバーする大きさの)レンチキュラーレンズと(そのレンチキュラーレンズを使って)立体表示を行うための画像変換を行うソフトウェア一式の紹介文章が付属している、というキットです。販売しているブースを眺めたとき、何だか心から楽しそうな雰囲気が感じられて、思わず買ってしまったのです。

 表示するデバイスの液晶解像度は、変換ソフトウェアで各種対応できるようですし、付属のレンチキュラーレンズの大きさもiPhoneよりはかなり大きなサイズなので、iPhone4に限らず色々なデバイスで使うことができそうなキットです。

 その後、「PCで立体視してみるぶろぐ」を読みながら、そこで色々教えてくれた方が「自作裸眼立体視ディスプレイを作った人」だったことに気づかされました。その場で気づけば、もっと色々なことを教えてもらうことができたのに・・・と後悔することしきり、です。

 ところで、動画ファイルに対して単純な画像処理をかけて表示する程度のことであれば、ハイビジョンサイズでも、iPhone3GS以降ならリアルタイムに行うことができます。Youtubeなどの3D映像ソースをダウンロードして、(レンチキュラーレンズ表示対応の)「3D映像プレイヤー」を作ってみるのも面白いかもしれません。

iPhone4を3D化するキットiPhone4を3D化するキットiPhone4を3D化するキット






2010-12-11[n年前へ]

春分と秋分の日には京都に行こう!? 

 ニューヨーク マンハッタンの街並みは、道路が碁盤の目状に走っています。だから、「道のり」を考えるとき「各座標の差(の絶対値)の総和を2点間の距離とする」というマンハッタン距離を使うことができます。そしてまた、道が格子状に走るマンハッタンでは、5月28日と7月12日の夕暮れには「どの交差点でも道路の先に沈む夕日が見える」のです。もしも、空の上からマンハッタンの街を眺めることができたなら、どの道路にも夕日が奇麗に差し込んで、さぞかし美しい景色が見えるに違いありません。

 マンハッタン距離を使うことができる街といえば、京都もそういう街のひとつです。東西南北方向に向けて、碁盤の目状に道が作られています。だから、太陽が真西に沈む春分と秋分の日近辺では、何本もの東西に走る道の向こうから夕日の光が差し込んでくる、ということになります。

「京都市内の距離空間はマンハッタン距離で計算できるのがいいね」「目的地までの東西距離と南北距離を足すだけでいいから、計算が簡単でいいよね」「どの平方根…じゃなかった、ルートでも距離は同じだしね」

「マンハッタン距離」と「続 理系風デート」

 もっとも、京都は山に囲まれた箱庭のような街なので、実際に夕陽が沈むのは、それよりも南側になりますし、山並みに隠されて夕日が見えない場所もあるかもしれません。けれど、春分の日と秋分の日近くに、京都の街を上空から眺めたとしたら、美しく光が東西に走る景色が見えるかもしれません。

 春分と秋分の日には京都に行って、清水寺や比叡山や大文字山に登り、夕日に照らされた街並みを眺めてみたくなります。京都の人たちは、千二百年の昔から、そんな道の向こうに沈む夕日を眺め続けてきたのでしょうか。

 パリやロスにちょっと詳しいより
京都にうんと詳しいほうが
かっこいいかもしれないな。

そうだ 京都、行こう。  1993年 「秋〜清水寺」

2010-12-12[n年前へ]

「京都」の「秋分の日没」に時空間トリップしてみよう!? 

 「春分と秋分の日には京都に行こう!?」で書いたように、太陽が真西に沈む春分と秋分の日あたりでは、京都の東西に走る道の先に奇麗に夕日が沈んでいきます。

 マンハッタン距離を使うことができる街といえば、京都もそういう街のひとつです。東西南北方向に向けて、碁盤の目状に道が作られています。だから、太陽が真西に沈む春分と秋分の日近辺では、何本もの東西に走る道の向こうから夕日の光が差し込んでくる、ということになります。

春分と秋分の日には京都に行こう!?

 ・・・と聞けば、そんな景色を眺めてみたくなることと思います。そこで、Google Earthで京都四条河原町の交差点に行き、太陽を表示するモードにして、今年の秋分の日、午後5時40分に時空間トリップしてみました(Google Earthを特定の時間・場所・向きを指定して起動できる”リンク”があれば、そんな”リンク”を挿入したいところです)。それが、下の映像です。東西に走る四条通りの先の山上に、太陽が沈んでいくさまを見ることができます。こんな幻想的な風景は、液晶ディスプレイの中に見るだけでも、とても魅力的な景色です。

 この瞬間、夕日が沈む瞬間に、河原町通りを南北に走れば、どの交差点からも夕日が(東西に走る)道の先に輝いていることになります。そして、どの交差点も、西から差し込む赤い光で照らされ・輝いている、というわけです。

 といっても、(地球上からおよそ0.5°の角度に見える)太陽は、ほんの2分たらずで山の向こうに沈んでしまいます。だから、人が溢れる河原町通りをどんなに力一杯走っても、次の交差点にたどり着くまでに太陽は沈んでしまうことでしょう。

 路行く人を押しのけ、跳(は)ねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴(け)とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。

「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。

太宰治 「走れメロス」

 けれど、秋分の日、春分の日、京都の交差点に立っている人たちが、みな西にカメラを向けて道の先を写してみたとしたら、そこには一体どんな景色が映るのでしょうか。そんなたくさんの夕日を、少し見てみたいようにも思います。

子どもと同じ方向を向いていた。
久しぶりのことだった。

そうだ 京都、行こう。 2006年 「夏〜三十三間堂」

 そんな景色、「京都」の「秋分の日没」を、Google Earthで疑似体験してみるのも面白いのではないでしょうか。

秋分の日、京都で日没を眺めてみた!?






2010-12-13[n年前へ]

一年に二度、札幌の街にはとても素敵な景色が訪れる。 

 碁盤の目のように道が走る街というと、北海道の札幌を挙げる人もいるかもしれません。札幌の街も、几帳面に直角に道が刻まれています。

 しかし、札幌の街を走る道は、東西南北を向いているわけではありません。地図を眺めてみればわかるように、9度ほど回転しているのです。だから、「どの交差点からも、道の先に沈む夕日が見える」のは、春分の日や秋分の日ではありません。たとえば、そんな一日は秋分の日を過ぎた10月8日あたりです。10月8日の午後4時40分に、札幌 時計台前に立つと、こんな素敵な景色を見ることができます。

 一年に二度、札幌の街にはこんな素敵な景色が訪れます。その一日が、10月8日だとしたら、あともう一日は何月何日でしょうか?雪景色の向こうに沈む夕日を、道の先に赤く輝く太陽を眺めることができるのは、何月何日でしょうか?

 その日の16時40分、札幌 時計台の前に行けば、とても美しい風景を眺めることができるかもしれません。時計の針が午後4時40分を指す瞬間の景色を眺めてみたい、とは思いませんか?

一年に二度、札幌の街にはとても素敵な景色が訪れる。






2010-12-14[n年前へ]

「iPhoneを3D化するキット」の立体画像(動画) 

 「iPhone4を3D化するキット」を(嬉しいことに)手に入れることができたので、その「飛び出し具合い」「3D具合い」を(ボケボケですが)ケータイのカメラでビデオ撮影してみました。それが下の動画です。小さな小さなバニーウサギが立体的に見えています。技術自体は遥か昔からあるものですが、それを使いこなすということは、とても楽しげで・気持ち良さげに思われます。


 このキットは、「iPhone4を3D化するキット」と名付けられてはいますが、それは普通のレンチキュラーレンズです。提供されている画像変換プログラムにも、特にデバイス依存の部分はありませんから、iPhone4ユーザーに限らずとも、色々と楽しんでみることができるだろう、と思います。

2010-12-17[n年前へ]

ピアノ演奏ジャグリング用のキーボードが欲しい!? 

 ピアノのようなキーボードを地面に置いて、上から複数のボールをお手玉状にキーボードに跳ね返らせつつ、音楽を奏でるというジャグリングがあります。こういう大道芸を見ると、いつも長いこと眺めてしまいます。

 このジャグリングで使われているキーボードは、スイッチの役割しか果たしていなくて、前もって入力された曲を、スイッチが押されるたびに一音(もしくは同時になる複数の音)を奏でて行くように組まれているに違いない、と思っています。適当なタイミングである程度それらしい場所にボールを当ててやりさえすれば、あたかもピアノを弾いているかのように見えるのではないか、というわけです。

 そんなピアノ演奏ジャグリング用のキーボードセットが販売されていないかと探しているのですが、ずっと見つけられずにいます。こういうものはカスタムメイドで自分で作るしかないのかもしれません。

 大道芸の魅力を支える「道具」にも、何だかとても惹かれます。たとえば、マジシャンが使う手品グッズの秘密を知りたくなるのと同じように、彼らが操る道具の秘密をとても知りたくなるのです。街角で紙人形を操り踊らせる人たち、一人で器用にたくさんの音を奏でるワンマンバンド・・・あの人たちが使いこなす道具を、いつか手に取じっくり眺めてみたいものです。

2010-12-18[n年前へ]

iPhoneで微速度動画を撮影するアプリケーションを作ってみる 

 「いいな」と思うことをしている人を見ると、いつだって、とても楽しくなります。そして、「いいな」と思ったこと、誰かがしたそんなことをほんの一部でも良いから自分でもできるようになりたいとか、そうんな人に半歩でも良いから近づいてみたい、と思います。そんな人たちへと向かうベクトル、そんな方向指示器をいつも目の前に眺めていたい、と思います。

 今日は「iPhoneで微速度動画を撮影・作成するプアプリケーション」を試しに作ってみました。カメラを世界に向けて撮影してみれば、(静止画像や動画を入れる)カメラロールに保存されているのは現実に比べて1000倍程度速く時間が進む世界になっている・・・というアプリケーションです。

 アプリケーションをビルドして、手元の「小さなグラスに入った氷水を1時間にわたり微速度動画を撮影してみたのが下に貼付けた動画です。氷水がゆっくりと、けれど、あっと言う間に姿を変えてゆくさまが映し出されています。暑い夏の昼間ならあっという間に溶けるはずの氷も、年の暮れも近い冬の夜だと、ゆっくりゆっくりと溶けてゆくのだな、と感じさせられます。


 固体が液体へと姿を変えて行くさまを眺めていると、それはまるで北欧の氷河がゆっくりと流れて行く時間を見ているかのようで、少しだけ不思議な心地になります。

 「これいいな」とか「こんなものがあればいいな」と思うものがあった時、いつか自分でも作ることができるようになりたい、と思います。そんなものを作っている人を眺めることができた時には、何だか少しうれしくなります。

2010-12-19[n年前へ]

微速度動画で眺める「青空と雲群」 

 「iPhoneで微速度動画を撮影するアプリケーションを作ってみた」ので、空に浮かぶ雲や、雲の切れ間から太陽の光に照らされる街並みを2時間ばかり撮影してみました。小高い場所に、空を見上げるようにiPhoneを固定して、景色が変わって行くさまを撮影してみたのです。カメラの横で空を眺めていても、雲はただ空に張り付いているようにしか見えなかったのに、カメラロールに保存された動画を眺めてみると、頭の上にある雲と青空が駆け足で動いて行くようすが、その理屈をたとえわかっていたとしても、魅力的で不思議に感じられます。

 こんなにも速い速度で雲や空、つまり、「天気」は動いていたのです。機械の目で見て初めて、そんなことを実感することができるのです。

 日本の空は偏西風に支配されています。西の空から東の空におよそ時速40km程度の風が吹き、雲もそして天気も、空に浮かぶものたちは、その速度で移ろって行くのです。

「虹のトンネル」を時速40kmで追いかける。
 そう、今日眺めた雲も「西から東へ」と動いていました。下に張り付けた映像には、時速40kmくらいで街の上を走り抜けて行く雲と風が写し出されています。時速40kmというのはこんなにも速く、けれど、そんな「私たちの上を駆け抜けて行く空の速さ」を私たちは見ることができない・意識できない、ということを気づかされるのです。



 自分の目で眺めることはできないけれど、「地球は回ってる」そんな景色を、機械や頭を通してようやく私たちは簡単に見ることができるのです。

2010-12-20[n年前へ]

私たちの頭上では「太陽と雲」が逆に動いてる。 

 北極や南極にいるわけでない私たちが太陽を見上げる時、太陽はいつも東から西へと動いています。そしてまた、日本列島にいる私たちが空を見上げれば、頭上の雲は偏西風の影響で、ほとんど多くの場合、西から東へと移動して行きます。私たちを上から眺める太陽と雲は、逆方向に動いて行くのです。太陽は東から西へ進み、雲は西から東へ走る、私たちを包む時間はそんな風に動いているのです。

 日本の空は偏西風に支配されています。西の空から東の空におよそ時速40km程度の風が吹き、雲もそして天気も、空に浮かぶものたちは、その速度で移ろって行くのです。

「虹のトンネル」を時速40kmで追いかける。

 そんなこと、太陽と雲が逆に動くことを確かめたくて、iPhoneを空に向け2時間ばかり微速度動画を撮影してみました(参考:「iPhoneで微速度動画を撮影するアプリケーションを作ってみた」)。それが、下に張り付けた動画です。私たちの頭上にある空の中を、太陽と雲が逆方向にそれぞれ動いて行くようすがわかるかと思います。太陽はゆっくりとゆっくりと東から西へと動いていき、そして、雲は西から東へと素早く走り去っていくのです。


 明日の夕暮れには、雲が晴れていれば皆既月食を見ることができる、と聞きます。もしも、明日、晴れない天気になったとしても、その時は頭上の雲をただ眺めてみるのも良いかもしれません。地球の陰に隠されて翳る月、雲の彼方にある月は、その雲とは逆の方向へ、東から西へとゆっくりと動いているのです。そんな月の姿を、西から東へと動く雲の向こうに想像してみる、のも良いかもしれません。

ガンバレ、みんなガンバレ、月は流れて東へ西へ。
ガンバレ、みんなガンバレ、夢の電車は東へ西へ。

井上陽水「東へ西へ」

2010-12-21[n年前へ]

流れる時間を見るには、それなりの時間がかかる。 

 微速度動画を撮影するために、上海問屋の「携帯電話用 三脚固定ホルダー DN-100CC」を買いました。携帯電話やiPhoneなどを三脚に固定するためのミニ万力です。その構造は、あくまで単なるミニな万力に過ぎません。だから、万力が掴むことができるものであれば、どんなものでも三脚に固定することができます。

 デジカメに近づこうとする携帯電話は数多くありますが、三脚用の穴を備えた携帯電話がある、という話は聞きません。閑雅て見れば、それも至極当然の当たり前の話で、撮影中は三脚に固定されてしまうような携帯電話があったとしたら、それはもはや「携帯」電話ではありません。

 微速度動画の撮影作業は、時間がかかります。ほんの数秒の動画のために、その傍らで数十分待ち続けなければなりません。そして、数十秒の動画を作りたければ、数時間じっと待ち続けることになります。(だから、微速度動画の撮影はとても楽しいのですが、多くの人が楽しむ機能ではないだろうとも感じています)

 そんな風に時間が過ぎるのを、ゆっくり動く街を眺めつつ本を読み、ただ待ち続けていると、ドラえもんが話したこんな言葉をふと思い出しました。
のび太君、百年の歴史を見るには、
百年かかるんだよ…。

 流れる時間を見るには、それなりの時間がかかる、そんなことを草むらに座りながら、感じたのです。それなりの時間がかかるけれど、それなりの時間がをかけただけの価値がある、微速度動画の撮影をした後には、そんなことを感じるのです。

流れる時間を見るには、それなりの時間がかかる。 






2010-12-22[n年前へ]

「天下一品」のある風景 

 少し前のアメトークのテーマが、京都北白川に本店があるラーメン屋の「天下一品」大好き芸人でした。ラーメン屋の「天下一品」と書いてしまうと・・・「それは違う」という人が多いかもしれません。なぜなら、「天下一品」で食べることができるのは「ラーメン」ではなく「天下一品」という料理だ、という人も多いからです。

 「平成」という時代が始まった頃、天下一品の本店に毎週行きました。一日を過ごした終わりに、北白川のバッティングセンターに行き、バットを振り回したりビリヤードやゲームやカラオケをして遊び、その後は北白川のバッティングセンター隣の「餃子の王将」に行くか「天下一品」本店に行くか悩む、というのが典型的な夜の過ごし方のデザインパターンでした。「天下一品」の目の前には、(部屋によっては)テニスコート付きのラブホテルもあったりしましたから、人によってはゲームやビリヤードではなく、テニスをして汗を流していた人もいたかもしれません。京都市街の東北に、つまり、京都の鬼門に位置する北白川の一角は、そんな場所だったように思います。

 北白川バッティングセンターに行った後は、2分の1の確率で「餃子の王将」に行き、あるいは、残りの2分の1の確率で「天下一品」本店に行ったように思います。その頃の「天下一品」のラーメンは、「量」と「ニンニクを入れるか・入れないか」しか選択肢としてはなかったと思います。少なくとも、今のような「あっさり」なんていう”不可思議な”選択肢はありませんでした。

 むしろ、そんな選択肢があった(できた)のは、「天下一品」本店のすぐ横の「王将」の方でした。ある日「王将」の麺メニューに突然「こってりラーメン(というような表現の)」ラーメン・メニューが出現し、「それってどこの天下一品?」と餃子と焼き飯を食べながらビールを飲みつつ、笑った記憶があります。

 一年ほど前、京都駅近くでテキーラをずいぶんとがぶ飲みしました。みじん切りになった記憶の中で、次に覚えているのは、深夜1時に近隣の駅から少し離れた国道沿いにある天下一品にひとり座り、天下一品のラーメンをただズルズル食べている風景です。どこをどう歩いてそこに辿り着いたのか全く覚えていませんが、その時の自分を動かしていた「天下一品を食べたい気持ち」はいくらでも思い出せる・わかるような気がします。

 深夜3時を過ぎた頃、「天下一品」を食べたくなることがあります。24時間営業の「天下一品」があれば、いつでもどこでも飛んで行きたい、と思います。

2010-12-23[n年前へ]

「答え」にたどり着くための「羅針盤」や「地図」 

 ある人の影響で、今年の春頃から、数学パズルが好きになりました。単純に解くことができそうにも思える・・・けれど、実際に解こうとするとなかなか溶けない頭の体操をする楽しさを教えられ、「数学パズル」に挑戦する心地良さに魅入られています。

 たとえば、それはこんな「バシェの分銅の問題」のようなパズルです。

 太郎の「リュック」の重さは、「1〜40kgまでの整数で表される」ということがわかっている。天秤を使って太郎の「リュック」の重さを量るためには、最低何個の分銅があればよいか?

 そして、その数学パズルを深追いして納得するための四苦八苦にずっとハマっています。その四苦八苦の楽しさも・・・また別の若い誰かに教えられたような気がします。 「どうやったら、解くことができるか」ということに悩み、そして「その解き方に、どうしたら必然的にたどり着くことができるのか」ということを腑に落ちたくて、「とても長い時間」をひとつひとつのパズルに使っているような気がします。

 「答え」という名前の「登山道」のひとつより、その答えにたどり着くための「羅針盤」や「地図」の方がずっと魅力的です。たとえば、冒頭の「バシェの分銅の問題」で言えば、「(1,3,9,27kgの分銅)トータル4つ」という答よりも、その答えにたどり着くための「考え方」やその答えにたどり着いたあとに得られる「何か」の方が何百倍も(あぁ、なんて数学的でない表現なのでしょうか)魅力的に思えます。

2010-12-24[n年前へ]

iPhone リアルタイム動画像処理コーディング 

 自分が欲しいと思えるデジタルカメラが欲しくて、iPhoneプログラミングの勉強がてらiPhoneで動画像処理を行うプログラムのスケルトンを作ってみました。そんな「1.カメラ映像→(電子ズーム使用時は解像度変換)→2.OpenCVを使った画像処理→3.処理動画保存→4.画面描画」という処理を行わせるコードを書くときにメモしたことを、忘れないように書いておきます。

 特に時間のかかる画像処理を行うのでなければ、AVCaptureSessionPreset640x480、つまり、VGA(640x480)の撮影でも15FPS弱で処理をさせることができます。それを逆に言えば、iPhone4では、リアルタイムVGA動画処理&ファイル保存を15FPSで処理しようと思うと「機械の気持ちにならないとダメ」という感触です(動画保存処理を同時にさせるのでなければ、処理落ちはしないと思います)。

 何より一番処理に時間がかかるのは、「3.処理動画保存」の部分でした。この部分は「コードを変えることで処理速度を改善させる」ということがなかなかできないようなので(速く処理を行わせる方法があれば知りたいです)、もしも処理動画をスムースに保存させようと思うなら、それ以外の部分を「機械の気持ち」に沿って地道なダイエットをしないといけないように思われます。

 「2.画像処理」部分(とその前段)で「電子ズーム+色変換」を実装&動画保存させてみたのが、下の動画になります(撮影された動画を眺めてみると、「解像度変換・切り出し」における”中央部での丸め処理”が上手くないようですね)。「機械の気持ち」がわかり、自然に話すことができるようになるまでには、まだまだずいぶんと距離がありそうです。



 (「テストチャート」のページを映し出しているコンピュータ画面を撮影した動画です)

2010-12-26[n年前へ]

「未来や道具」は「自分で作る」 

 「自分が欲しいと思えるデジタルカメラ」を作りたくてコードを書いています。自分が欲しいデジタルカメラというものを言い換えるなら、「(自分が持ち歩く道具を)自分ならこう作りたい」と思うようなものです。

 たとえば、最近のケータイやデジカメは、CMOS方式のものが多いように思います。静止画像を撮影するにはCMOS方式はメリットが多いですが、こと動画を撮影するとなると(多くのCMOS方式のカメラでは)「動きの速いものを撮影すると、グニョグニョ曲がってしまう」というデメリットが生じます(もちろん”それとは異なる”メリット、も多いわけですが)。たとえば、下の動画のような撮像素子がCCDのビデオカメラとCMOSのビデオカメラで撮影した動画を眺めてみれば、そんな違いがわかると思います。

 自分で使う道具なら、そんなデメリットを適当に自分で直したくなります。たとえば、カメラが動いてしまうことで撮影対象がグニョグニョ曲がってしまうなら、カメラの動きを加速度センサや撮影画像から推測することで、適切な画像補正を行いたくなります(CMOSの読み出し順がわかっているのですから、比較的簡単に補正をすることができるでしょう)。あるいは、撮影動画の動き(オプティカルフロー)から、撮影対象が動いている確率が高いと判断されるなら、その推定された対象物の動き方をもとに「グニョグニョ現象」を直したくなります。

 いつかどこかでこんな言葉を眺めました。

誰かが未来をつくってくれると思ったら、
大間違いです。
そうだよな、と思います。「未来」なんて大層なもののことはよくわかりませんが、少なくとも「自分が使う道具のひとつくらい」は自分で作ってみたいな、と思います。

2010-12-27[n年前へ]

飛行機の下の景色を「微速度動画」で立体的に眺める 

 飛行機に乗ると、窓の下に浮かぶ雲や島や街をずっと眺めてしまいます。誰かがどこかで撮影した、そんな瞬間を思い出させる動画を眺めました。それが、下に貼付けた動画です。飛行機に乗りながら撮った何枚もの写真を集めて作った動画のようです。

 こんな動画を眺める時には、プルフリッヒ効果を活用して立体的な映像として眺めたくなります。プルフリッヒ効果は、輝度による知覚の時間差により、動画中の横方向に移動する物体が(その動く方向にしたがって)近くに感じられたり・遠くに感じられたりするという現象です。

 下の動画を右目だけサングラスをかけた状態で眺めると、飛行機の翼の下にある景色が、とても立体的に見えてきます。できれば、ディスプレイを斜めに傾けて、暗い部屋で動画を全画面表示で眺めてみたりすると、ディスプレイの下に、雲や山や街が凹凸を持って浮かび上がってきます。

2010-12-28[n年前へ]

iPhone4でマーカレス拡張現実のPTAMを動かす 

 Aaron Wetzlerさんが行った「(カメラに映る画像から空間把握を行うことができる) PTAM(Parallel Tracking and Mapping for Small AR Workspaces) のiPhoneへの移植作業レポートとプロジェクトソース」がGitHubに公開されています。そこで早速ビルドし、iPhone4でPTAMを動かしてみることにしました。

 下の動画が「PCのディスプレイにiPhoneを向けて、PTAMで空間認識をスタートさせたようす」を撮影してみたものです。「思った通りには動かない部分が残っている」ということですが、それでも手元のケータイ(スマートフォン)が空間自動認識をしているようすを眺めていると、たとえ動きが不十分であるにしても、なかなかに楽しいものです。(プロジェクト設定やソースコードを眺めた限りでは)高速化する余地がまだまだ多くありそうに見えますから、色々なことをさせる機能を追加したりして、実用的なものへとさらに作り変えるのも面白いかもしれません。



 現実にはありえないような不思議なものを映し出してみたり、あるいは、現実の世界をより現実(と思えるもの)に見せてみたり、あるいは目の前の世界を誰か全然別の時(空間)にいる人たちと共有してみたり・・・色々なことができそうな気がします。下に貼付けてみた(PCで動かした)PTAMのデモ動画でも眺めつつ、「あんなこといいな、できたらいいな」と思えることを色々考えてみることにしましょうか。

2010-12-29[n年前へ]

未来を予測する「ケータイ・デジカメ」 

 auのアンドロイド・ケータイIS03のカタログに乗っていた「”笑顔を検出しシャッターを切る”笑顔フォーカスシャッター」「”振り向いた顔を検出しシャッターを切る”振り向きシャッター」を見て、つらつら考えごとをしました。

 「いつ振り向くかわからないこどもをとる時に」「不意の笑顔を残すために」こうした技術は多くのデジカメに搭載されていますが、こうした技術のさらに先にあるものはどんなものなのでしょうか。

 表現力のある写真を撮ろうとするとき、大事なことのひとつが「未来を予測する」ということだと思います。「どういう状況になれば色が鮮やかに見えるか」とか「どういう構図なら距離感や空間の広がりを上手く表現することができるか」とかいったことを知った上で、「そういう状況になる未来」を作り出したり・待ち構えたりすることが大事なのだろう、と思うのです。

 午後遅くに雨が降れば、植物も建物も水に濡れ、表面での拡散反射光が減り、そのもの自身の奇麗な色が見えてきます。水滴は奇麗だし、東の空には高い確率で虹が見えてきますから、夕立が止みそうになったら、東の空を見渡す景色が奇麗な場所へと走れば、きっと奇麗な景色をレンズの向こうに眺めることができます。

 そんなアドバイスを、いつも持ち歩くケータイ・デジカメがしてくれる時代がすぐに来そうな気がします。・・・となると、一番欲しいと思える「ケータイ(いつも持ち歩いてナンボですから)・デジカメ」は、未来を予測して・その理由や背景を解説して教えてくれる、そんなものであるような気がします。

 そういう未来予測は「人」自身ができたらいいなとも思いますが・・・。

2010-12-30[n年前へ]

「漫才」が与えてくれる発想法や会話術 

 「漫才」を聴いていると、毎日の会話が楽しくなるような気がする。「漫才」で覚えたボキャブラリーや会話のデザインパターンは、自分が見聞きしたできごとを誰かに話してみたり、あるいは、誰かの話に耳を傾ける時、そこで交わす会話を豊かに・楽しくしてくれるような気がする。

 Wikipediaの「漫才」の項には、漫才とは「古来の萬歳を元に、日本の関西地方で独自に発達したとされる、主に2人組で披露される演芸・話芸。2人の会話の滑稽な掛け合いの妙などで笑いを提供するもの」とある。漫才の本来の目的は「2人以外の第三者に笑いを提供すること」かもしれないが、そこで用いられる技法や視点は、考え方やや口から発する言葉をも、変える何かを持っているように思う。

 漫才とコントの違い…そんなことをテレビ番組の(漫才コンクールという位置づけの)「M-1グランプリ」を見ながら考えた。漫才が日常に溢れる毎日を過ごす人たちが交わす会話はさぞかし楽しいものなのだろう。

2010-12-31[n年前へ]

何かを作る時の「円グラフ」 

 iPhone用のビデオカメラ・ソフトにソフトフォーカス効果を実装してみました。口径の大きなレンズを使った時のような被写界深度が浅い映像にさせる、という処理を書いてみました。テスト用に撮影した動画のひとつが、下に貼付けたものになります。

 「ぼかし処理」くらいなら簡単に実装できるだろうと思いつつコードを書き始めたのですが、意外なほど時間がかかってしまいました。時間がかかったのは、丸め誤差や端部処理をどう扱うかを決めるまでに試行錯誤を繰り返してしまったからです。使った時間を円グラフで描くなら、半分が「作り方の概略を決める作業」で、もう半分が「単純だけれど(作り終わる)先が見えなくなりがちな実装作業」でした。そういえば、昔そんなソフトウェアを実装したときも、速度と不連続性のバランスを帳尻合わせすることに苦労したのですが、そんなことを、コード書きとテスト作業をするまですっかり忘れていたことに気づかされたのです。

 何かを作る時、「かかった時間の内訳円グラフ」を作ったなら、一体どんなものになるのだろうか、と考えます。そして、その円グラフを”まぁまぁ”の範囲で予想できるようになりたいものです。・・・それを言い換えれば、自分が作り上げたいと思うこと、それを作るために必要になるだろう作業をすべて”まぁまぁ”の範囲でできるようになりたいと夢みてる・・・のだろうか、と思います。