2011-08-15[n年前へ]
■実は体育会系な 「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」
今はカリーニングラードと呼ばれ、かつてはケーニヒスベルクという名前だったバルト海沿いにあるロシアの街を舞台にして、「流れる川により区切られた土地を、一筆書き状にすべて渡り、スタート地点に戻ってくることができるか?」という「謎かけ」が、「ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」です。
ケーニヒスベルクでなくとも、日常生活をする中で眺める街の景色の中にも、「ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」は結構顔を出しているものです。たとえば、それは川崎の東京湾寄りのTOKIOのDASH海岸がある辺りに行けば、「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」な案内看板を見かけることができます(街で見かけた「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」)。そして、京都市街東部を流れる鴨川辺りにも、そんな「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」があって、そこを巡る「理系風デート」が有名?であったりします(「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」)。
実際に鴨川辺りに行くと、「この橋渡り問題を解くべし」と、まさに「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」な地図・看板がたくさん掲げられています。面白いことに、それぞれの地図ごとに川に渡された橋の数が異なっていて、つまり、地図ごとに「答え」が違うことに気づかされます。ある地図では、一筆書きが可能だけれども、ある地図では一筆書きをすることは不可能だということがわかったりするのです。…それを逆に言えば、地図ごとに答が違うからこそ、「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」な地図を見つけるたびに、新しい問題(地図)を解く楽しみが生まれる、ということなのです。
「一筆書きできる地図」を見つけ出し、一筆書きをしつつ川縁(かわべり)を回ってみても楽しいし、あるいは、川端(かわばた)にあるたくさんの「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」な地図を眺め、それら「ケーニヒスベルクの橋渡り問題集」を解いて回るのも面白いものです。
ところで、実際に「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」をしてみると、結構長い距離を回らなければいけないことに気づきます。徒歩で歩き回るのはもちろん大変ですし、自転車で走り回るにしても、…やはり結構な時間ペダルを漕がなければなりません。また京都市街は南に比べて北の方が標高が高い、当たり前ですが、鴨川下流よりは上流の方が標高が高いわけですから、(目に見えないほどの斜度とはいえ)北上する時には坂を登る体力が必要です。
たとえば上に貼り付けた地図のように、橋と橋の間の距離や、橋と橋の間の標高差が書かれている「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」も見かけます。こんな問題(地図)を見かけたならば、「一筆書きをすることができるか」という問題だけでなく、「移動に必要な体力を最小化するにはどうしたら良いか」という(いわゆる)制約条件付き最小化問題を解いてみるのも興味深いかもしれません。…そして、その最小化問題を解いたなら、地図から解き明かした答えを確かめるべく、ひたすら鴨川の川縁(かわべり)を汗をかきつつ走り回るのです。
「京都市鴨川源流」を廻る「理系風デート」は、実はとても体力を使う、実はかなり体育会系なデートです。少しだけ頭を使って考えたことを、体力と根性で確かめる、そんな楽しい「ケーニヒスベルクの橋渡り問題」なのです。