2012-07-01[n年前へ]
■iPhone 4を「赤外線カメラ」にする「裏」技テクニック
「赤外線だけを通すフィルタ」をカメラのレンズの前に取り付けると、「赤外線だけで眺めた風景」を撮影することができます。私たちが見ることができる可視光の世界と、赤外線で見る世界は全然違うので、「(赤外線だけを撮影した)赤外写真」が好きな人は多いようです。
iPhone 4のカメラは、赤外線を撮影することができません。たとえば、赤外線を発するリモコンを撮影してみると、iPhone 4のカメラには「赤外線LEDの発光がほとんど映らない」ことがわかるかと思います(下右側が発光中の写真です)。
だから、iPhone 4のカメラ・レンズの前に「赤外線だけを通すフィルタ」を取り付けると、そこに映るのは「ただただ真っ黒な世界」ということになってしまいます。
しかし、実は、iPhone 4を「赤外線カメラ」にする裏技テクニックがあります。…というのも、「赤外線が映らない」というのは、iPhone 4のリアカメラだけで、フロントカメラは、赤外線にバッチリ感度がある(赤外線カットフィルタが入っていない)からです。だから、iPhone 4のフロントカメラで赤外線リモコンを撮影してみると、赤外線LEDの光を眩しいくらいに撮影することができます。それが下の写真です。
というわけで、iPhone 4 のフロントカメラに可視光カット・赤外線通過フィルタを取り付け・撮影してみたのが右の写真です。あいにくの曇り空だったので、ちょっとパッとしない写真になってしまいましたが、樹木の葉が白く輝く赤外写真独特の世界が映っています。
というわけで、iPhone 4を「赤外線カメラ」にする裏技テクニックは、(通常のリアカメラではなく、手前側にある)フロントカメラを使うべし、です。
…ちなみに、iPhone 4s のフロントカメラは、iPhone 4と同じです。ですから、少なくともフロントカメラを使えば、iPhone 4と同じように赤外線写真撮影をすることができます。(ただし、リアカメラがiPhone 4で使われているOmniVision製でなくSony製の別カメラユニットが使われているということなので、リアカメラでも赤外線写真を撮影することができるかもしれません)
参考:透け透け水着の物理学 ~iPhone4で「裏」ワザ 編
参考:
うちのiPhone 4Sでやったら リアカメラでもリモコンの赤外線が見えた。
2012-07-02[n年前へ]
■ポアソン方程式は「ふたつの胸の膨らみ」で、ラプラス方程式は「胸の谷間の曲面」だ!?
真空中に円板(平坦)状の電荷分布が離れて「ふたつ」あった場合の電位分布、それをポアソン(ラプラス)方程式を解いてグラフにしてみました。円板状といっても、つまりはとても「平坦」な電荷分布が作り出す電位分布は、実に魅力的な曲面です。下に貼り付けた曲面グラフは、小さな平円板状電荷が離れてあった場合の電位分布を計算してみた結果です。
ラプラス作用素 ∇・(∇)は、この曲面でこそ、一番わかりやすく実感できます。 ラプラス作用素 がゼロでない値になるという「ポワソン方程式」は、「平面を押し上げるふたつの胸の膨らみ」で「 ラプラス作用素 がゼロでない=盛り上がっていること(あるいは堀りえぐれていること)」実感することができます。…そして、ラプラス作用素 がゼロになるというラプラス方程式は、「胸の谷間の”馬の鞍”状の双曲面」のように、ある軸に曲がりがあったとしたら・(その軸の曲がりを生むように)その他の軸は逆の向きに曲がっているという状態を実感できるはずなのです。
2012-07-03[n年前へ]
■透け透け水着の物理学 ~iPhone4で「裏」ワザ 編
『iPhone 4を「赤外線カメラ」にする「裏」技テクニック』で「iPhone 4は、フロントカメラにカメラを使えば赤外線撮影ができる」と書きました。(参考:iPhone 4sはリアカメラ(いわゆる主カメラ)でも、赤外線撮影ができるようです)
今朝、朝日が照ってきたことを(太陽からの強い赤外線照射がされたことを)これ幸いと、「透け透け水着の物理学」実験をしてみました。つまり、服の内側を「透視する」ことができるか確認してみました。
まずは、iPhone4のフロントカメラに可視光カット・赤外線通過フィルタ(IRフィルタ)を貼り付けます。IRフィルタが(可視光に対しては不透明なので)真っ黒のこともあり、黒いiPhoneの前面に貼り付けると、右の写真のように、何の違和感もなく(まるで何の加工もされていないかのように)自然な具合になります。・・・そして、フロントカメラでは「赤外線だけを撮影することができる」ような状態になったところで、黒いシャツの中に「本」を持ち(左手で支え)、iPhone 4 赤外線写真を(右手で)撮影してみました。
左上の写真が(可視光で眺めた)リアカメラ(背面の主カメラ)で眺めたようすで、右上の写真がIRフィルタを貼り付けたフロントカメラで撮影した赤外写真です。どちらの写真も、いずれの場合も、「位相数学入門」という教科書を、黒シャツの内側に差し入れています。
…可視光では不透明な黒シャツも、可視光で見れば(ほぼ)透明です。赤外線で眺めると、黒シャツの中に「位相数学入門」が存在することが、丸わかりです。…眺める波長次第で、全然違う景色が見えるものですね。
2012-07-04[n年前へ]
■「赤外線」で眺める「立体写真」
「赤外線」で眺めた「立体写真」を見た覚えがありません。「赤外線」も「ニッチ」ですし、「立体写真」もニッチですから、ニッチにニッチを掛けたニッチ二乗世界は見た記憶がありません。
「(あまり)見たことがない世界」は「眺める・眺めるようにする」ということは、「役に立つ」かどうかは(実に)怪しく・わかりませんが…そんな世界を見るためであれば、 多少のお金を払ってみても良いな・経験したいな、と思います。
…というわけで、下の写真は、今日眺めた(iPhone4で撮影した)「赤外線」で眺める「立体写真」(平行法)です。夏の始まり、昼の日差しの下で、ずっと先まで伸びる道を赤外線の(左と右)の「両目」で眺めてみた風景です。
2012-07-05[n年前へ]
■(赤外線を見る)昆虫気分になって眺める世界
赤外線を見る昆虫気分になって、ふだん眺める世界を飛び回ってみました。コンクリートや水のせせらぎは黒く・暗く沈み込み、木々やの葉はクロロフィルからの赤外反射光で、眩(まぶ)しく輝いています。赤外線を感じる目を持って見ると…「あぁ、緑に引き寄せられる~」と感じます。
2012-07-06[n年前へ]
■イは苺ビールのイ
夏の日、横浜米軍住宅の近くで地ビール(エール)を飲む。ビールはコカコーラの真っ赤なラベルが貼られたペットボトルに入っていて、よく見ると黒いマジックペンで「イ」とカタカナで書いてある。中身は苺ビールなのだけど、見た目では他のビールと区別が付かないから、見分けるための印が付けられている。イは苺ビールのイだ。
少し甘く・酸味があるけれど、それが苺なのかどうかはわからない。キウイビールだと言われても、いやいや自家製マッコリだと出されても、「あぁそうか」と納得しそうな味の茶色いビールだ。
自分で作ったわけでもないのに、こんなに美味しいんだから、きっと「自分で発酵させて作ったアルコールを風に吹かれつつ飲む時間」はひどく心地良いに違いない。…こういうことが、こどもはまだ知らない大人の楽しみなんだろうか。
2012-07-07[n年前へ]
■虹色の花咲くクローバーで王冠を作る!?
カラフルな花を咲かせた赤クローバーを作ってみました。草むらで積んだ赤クローバーを(ダイソーで買った)インクジェットプリンタの染料インクに活け、しばらくの間じっと待っていると、クローバーが水とインクを吸い上げ、花がカラフルに染まっていきます。(参考:染料インクで白い「鉄道花(ヒメジョン)」をカラフルに染めてみよう?)
クローバー(白詰草・シロツメクサ)の花で、「冠(かんむり)」を作って遊んだことがある人は多いはず。夏休みの自由研究に、虹色のレインボーカラーな花を咲かせるクローバーを育て、そしてカラフルで美しく輝く王冠を作ってみるのも面白いかもしれません。
2012-07-14[n年前へ]
■ギネスビール風「下に沈む泡」を作るコツ
『ギネスビール風「下に沈む泡」を作るコツ』を書きました。
(ギネスでなくとも)ビールを「上が広がったグラス」に注げば、ギネスビール風「下に沈む泡」を作ることができます。 「上広がりのグラス」を使い、(グラスの上部が絞られている部分にはビールを注がないようにすれば)グラスの径が変わる辺りから上の部分では、泡が下に流れ落ちていくようすを見ることができます。
2012-07-15[n年前へ]
■ファン冷却機能付き「お手軽ノートPCスタンド」を作ってみよう!
MacBook Air(2011 Mid)の動作がもたつくようになりました。日本語入力もスムースにできないし、アプリケーションの切り替えも、これは「気長養成ギブス」ではあるまいか?と思うほどの長い時間がかかります。
動作プロセスを見てみると、"Kernel Task"がCPU負荷を高めていると表示されますが、特に何かをしているようにも見えません…。
思い返してみれば、夏が近づき・気温が高くなってきた頃から、Macbook Airのノロノロ現象が始まったような気がします。…というわけで、コンパクトな扇風機を買い、そして(いつものように)百円ショップの本立てをグニュツと曲げて、ファン冷却機能付き「お手軽ノートPCスタンド」を作ってみました。
MacBook Airの背面からファンで冷却してみると、これまでの「もたつき」はなくなり、気持ち良くサクサク動くようになりました。
もしも、同様の症状に頭を悩ませている人がいたら、こんな『ファン冷却機能付きお手軽ノートPCスタンド」を作ってみると、良いかもしれません。
2012-07-16[n年前へ]
■「あるもの・買えるもの」に落とし込めるなら「お金があれば何でもできる」
今朝のデイリースポーツに掲載されているインタビュー記事で(記事のための取材で)、最後にいくつか質問を受けました。
「今、一番欲しいものは何ですか?」以前、横浜 赤レンガ倉庫近くで聞いた、ムエタイリングの上で、「元気があればぁ、何でもできるぅ〜!」「現金があればぁ、何でもぉ買えるっ〜」というムエタイ・コーチの掛声を鮮明に思い出しつつ(「元気」と「現金」があれば何でもできる)、迷い無く「お金!」と答えました。
なんで迷い無く「お金」と答えたんだろう?…と振り返り考えてみると、「欲しいものを実現するために・手に入れるために必要なもの」を「お金で買えるもの」にまで落とし込むことさえできるなら、曖昧で形がないようものも、少しづつバラし・小さくしていけば、いつか「お金で買える何か」にまで落とし込むことができるから、多分「お金があれば何でもできる」と感じているからだ、だから(もしかしたら)「一番欲しいのはお金!」だったのだな、と気づきました。
「お金で買えないものはない」のか、それとも「お金で買えるものなんて限られている」のかどうか…それは難しくてわかりません。
けれど、何かしらの想像力と創造力さえあれば、「欲しいもの・実現したいもの」を「お金で買えるものたち」に落とし込むことができて、だから、お金があれば何でもできるたりするのかもしれない、と考えます。
2012-07-18[n年前へ]
■「複数点をすべて繋ぐ最短の線(群)」風の階段
「理系の散歩道」…それは、理系人間が街を歩く時に眺める景色です。些細なものに、新鮮なパズルを見いだし、時に奇妙な理屈をつけ、思わず写真を撮ったりするのです。
今日見た「理系の散歩道」は、「最短ネットワーク問題(Steiner問題)」を思い出させる「点の間を最短に結ぼうとする階段」です。
右上の写真、「2階にあるふたつのドア」と右下の「階段入り口」と「(左下にある)エアコン」を(折れ線上の)線分群で結ぶとき、線長の総和を最短にしようと思ったら、どう結べば良いでしょう?
”正方形をなすような4点間を、いくつかの線分を経由することで「行き来」できるようにする時、線分の総和(長さの和)を最短にしようとするなら、どのような線(群)を引けば良いだろうか?”
そんな、「最短ネットワーク問題(Steiner問題)」をまるで描こうとでもしたかのような「階段」が、今日見た「理系の散歩道」です。(答はこちら)
理系の散歩道、それは些細で普通なものに、不思議なナゾ・パズルを感じ、時に奇妙な理屈や答えをつけまくる…そんな風景です。
2012-07-19[n年前へ]
■「打ち水で京町屋を通り抜ける風の速さ」を計算しよう!
「真夏始めました」と天気の神さまが宣言したかのように、急に暑くなりました。蒸して暑い空気が体に重くまとわりつきます。
京町家では「庭に打ち水をすることで、(水を撒いた)庭から(居住空間を通り)反対側への風の流れを作り、涼を得た」と言います(「京町家模型で確かめる打ち水の科学」)
庭に打ち水をすることで、京町家の中には 、一体「どのくらいの風」が吹き抜けるのでしょうか? …そんな疑問、そんなハテナマークが頭に浮かんだので、ごく単純に京町家の坪庭(家の奥にある庭)に水を撒いたとき煙突効果が生じるものとして、京町屋の中を通り抜ける風量を計算してみました。
まず、坪庭は高い壁に覆われています。その壁の高さは4mとしましょう。そして、水を撒くことで、(高さ4mの)坪庭内の気温が2度(外気より)下がったものとします。少しひんやりした坪庭は、坪庭最下部横から(居住空間を介して)暑い外へと空気が通り抜けることができるとします。すると、坪庭内と外部との圧力差で生じる風速はおよそ0.5m/s強、となります。
秒速0.5mの風を「風力階級」で表現すると、「至軽風(しけいふう)"Light air"」です。たかだか秒速0.5mですが、"Light air"と聞くと、少し心地良く・気持ち良く流れていく空気が、蒸した暑く重い空気をどこか遠くへと運び去って行くように感じられるのではないでしょうか。
2012-07-20[n年前へ]
■打ち水の要件定義書「居住スペースの両側に庭がある」
『打ち水の要件定義書「居住スペースの両側に庭がある」』を書きました。
しかし、水を撒く場所を、「(壁に囲まれた)家にある中庭」でなく「家の前の路地」に巻いたような場合、冷えた重い空気は家の中に吹き込むことなく、ただ通りに沿って他の場所に流れてしまいます。
そこで、もう一度「京町家模型で確かめる打ち水の科学」で引用した文章を読み直してみると、「居室空間の両側に庭があることが、打ち水には大切な要件だ」と書いてあります。
2012-07-21[n年前へ]
■「できない」ことの原因はひとつ(対策はふたつ)
何か「やりたいこと」があった時、そのやりたいことを「できない」ことも多くあります。そんな状況が多かったとしても、たいていの場合、やりたいことができない時の理由は「たったひとつ」です。できる道具や材料…つまりは「できる」準備ができていない・状況になっていないから、です。
何かを素早くやり遂げる人たちを多く見かけます。 けれど、その多くの人たちは、何かをやりとげる道具はポケットに(ほとんど)入れていて、その道具にふさわしいボールが来たときに、すかさず(少しの調整をしつつ)バットを振って・ボールを打っているように見えます。ボールが飛んでくるより遙か前に、ボールを打つためのバットや打ち方や…色んなものをすでに携えているように見えるのです。
それに対し、「できない」場合は、「やりたいこと」が目の前に来てから、「やるための道具」を調べたり・手に入れようとしたり・右往左往したり…という具合です。けれど、そんな風では、結局のところ、間に合わず「できない」ということが多いように思います。「やろうと思ってから、それをやるための準備をする」ようでは、ほとんどの場合「できない」のではないかと感じます。
つまり、「できない」ことの原因は、(大抵の場合)たったひとつだけで、それは「できるための道具や材料」「できる、というカード」を(そのカードが必要な状況で)手にしていないということだ、というわけです。
「できるための道具や材料」を手にしていない状況をもう少し細かく眺めてみると、2種類あることに気づきます。1番目は「未だ手に入れることができていない」という状況で、そして2番目は「1回は手にしたけれど、忘れてしまった(失ってしまった)」という状況です。「知らない・触れたことがない・やったことがない」というのが1番目なら、「昔はやれたこともあったけれど、今はそんなことも忘れてしまった・できない」というのが2番目です。どちらも、今現在は「できない」「”できる”カードが掌の中にない」という状況です。
こうして書いていくと、やりたいことを「できる」ために必要なことは、
という「実にありふれた・とても当たり前のこと」に還元されてしまう…と気づきます。「できない」ことの原因はひとつだけ「できる準備ができてない」ということで、その対策はふたつ、「知ること・身につけること」「忘れないこと・思い出すこと」なんだろう、と思うのです。
2012-07-22[n年前へ]
■JR秋葉原駅は「3次元版ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」で「4次元あみだくじ」な空間だ!
かつてケーニヒスベルクという名前で呼ばれたバルト海沿いにあるロシアの街カリーニングラードを舞台にした、「流れる川により区切られた土地を、一筆書き状にすべて渡り、スタート地点に戻ってくることができるか?」という「ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」というパズルがあります。
この「ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」は普段眺める景色の中にも、意外なほど多く見え隠れしているものです。
秋葉原駅で「ホーム案内図」を眺めていると、「ホーム」が「線路という名の川に挟まれた島」に見えてきます。JR秋葉原駅で、複雑に上下に、そして、東西南北に折り重なっているホームは、まさに「ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」3次元版です。すべてのホームを、すべての階段やエスカレータやエレベータを使い、一筆書きで戻ることができるだろうか…?と考えたくなります。
そしてまた、こんなJR秋葉原駅が見せる構造は、一種の「あみだくじ」にも見えてきます。「御徒町方面の真ん中 の高さにあるホームから、神田方面に(ホームという名の)あみだくじ上を歩き出したとしたら…さて、どこに辿り着くでしょうか?電気街口?昭和通り口?あるいは、それらの入り口が閉まっていたら…?
JR秋葉原駅は「3次元版ケーニヒスベルクの橋渡りの問題」で「4次元あみだくじ」な空間です。これが昨日眺めた「理系の散歩道」です。
2012-07-23[n年前へ]
■「雹(ひょう)」を降らす雲は「入道雲」限定の理由
「雹(ひょう)」を降らす雲は「入道雲」限定の理由 を書きました。
もちろん、(直径5mm以上という)大きな「雹(ひょう)」を降らす雲が積乱雲、つまり入道雲とか雷雲と呼ばれる雲に限定されているのには理由(ワケ)があります。 入道雲のような強い上昇気流を伴う雲でなければ、直径5mm以上もの大きな「氷の塊」を作り出し、地上に降らすことができないのです。
2012-07-26[n年前へ]
■シュリーレン光学系とソニック・ブーム(衝撃波)
シュリーレン光学系を使うと、完全に透明で同じように見える状況から、密度などの違いを浮かび上がらせることができます。点光源と凹面鏡1枚を使って撮影する、つまりは比較的簡単に撮影することができるシュリーレン法写真を眺めると、これが実に面白そうです。チャッカマン(着火・点火用ライター)から吹き出すガスや熱で渦をまく空気、口や鼻から出る呼吸が作り出す流体力学を…美しく可視化した風景は、通常は見ることができない景色ですから、実に新鮮に感じます。
さらにシュリーレン法で撮影された写真を眺めていると、発射された弾丸が作り出す衝撃波(ソニック・ブーム)を見つけました。まるで静かな水面の上を小舟が素早く動いた時にできるような波面が、弾丸の先から発せられていて、これぞまさに「ザ・見たいことがない瞬間」です。
衝撃波(ソニック・ブーム)繋がりで、Youtubeを眺めると、「超音速で飛行する戦闘機が作り出すソニック・ブーム雲」映像がありました。この映像に映っている衝撃波(ソニック・ブーム)は、弾丸の場合と違い、目に見えます。…目で見ることができる「衝撃波」というのも、これはまたこれで凄いものです。
@hirax 最後の動画ですが、断熱圧縮と膨張によるベイパーコーンと呼ばれる雲で、必ずしも(超音速の)衝撃波が見えているものではないようです。
@ksmakoto
Lytroのようなピント合わせを後から行うことができるリフォーカスカメラや、立体(3D)写真を撮影することができるカメラなど、特殊撮影を楽しめるカメラはいくつもありますが、そうしたカメラが撮影することができるのは「普通に目にしている風景」でしかありません。自分の目では見ることができない景色を撮影できるカメラ、たとえばシュリーレン法で撮影したような景色を簡単に楽しめるカメラがあったら、身の回りの世界が異次元ワールドへと大きく姿を変え、ものすごくワクワクさせられるに違いありません。
2012-07-27[n年前へ]
■電車のLED表示板に「アート風表示」をさせてやる!?
電車のLED表示板は一度に全LEDが点灯しているのではなく、時分割的に、つまりLEDが順々に順次点灯表示されています。人の視覚的には、残像により、あたかも全部の素子が光っているように見えます。
しかし、明るい太陽の下で、デジタルカメラのレンズを電車の表示板に向けると、全然違う映像が見えてきます。 明るい場合、デジカメはごく短い時間に「撮像素子が見た」さまを記録しますし、LED表示板が(時分割的に)順次点灯するのと同じように、デジカメの撮像素子も順次読み出しを行いますから、それらの周期・読み出しタイミングが干渉し、目で見たようすとは全然違う映像が記録されるのです。
下の映像は、JR中央線のLED表示板を、デジカメを回転させながら撮影した動画です。デジカメの読み出し方向とLED表示版の表示方向が干渉して、あたかもLED表示板がアート風アニメーションでも映し出しているかのように見えます。
こうした現象が上手く組み合わさると、『鉄道ホームから発車しようとする列車を撮影したら、「なぜか、(行き先や)列車名の表示が鏡文字になっていた」といった鉄分100パーセントなミステリ事件』が起きたりします(参考:鉄分100%ミステリー「列車LED表示の鏡文字のナゾを解け!」)。 駅のホーム、あるいは、日常生活の中でみる風景に、LED表示板を見つけたら、デジカメやケータイのレンズを向けてみると不思議な映像が浮かび上がってくるかもしれません。自分の視覚とは全然違う特性を持つ「人工的な目」が眺める風景は、見慣れた風景とは「少し違う」風景なのです。
2012-07-28[n年前へ]
■「夏」はじめました。
ロンドンオリンピック開幕と前後して、2012年の夏も「開幕」しました。夏が始まったので、今年の夏も「プール開き」しました。
夜空に浮かぶ半月を見上げつつ、…ブクブクと水面の下に沈んでいけば、天然の「魚眼レンズ」の向こうに丸い夜空がボンヤリと見えてきます。
そんな景色をはっきり見ようと、水中ゴーグルを付けた瞬間、水中から見えていたはずの「魚眼」な世界が消え失せます。そこで、水面での屈折による魚眼効果を水中ゴーグル前面での屈折が打ち消した…打ち消してしまったということに気づかされます。
「魚眼」な景色とクッキリした景色はなかなか両立しないもんだと考えつつ、ゴーグルを付けたことで「魚眼」効果を失った、大きくゆらめきつつ、けれどシャープに見える半月を水の下から眺めます。
昨年、2011年にアマゾンで送料無料4258円ナリで買ったビニールプールを広げ、2012年の今年も、「夏」始めました。
2012-07-29[n年前へ]
■「視線追跡機能付きメガネ」を作り始めました。
「(逐次)眺めてる世界」と「(その世界を眺める)視線」を検出し、その視線を手助けする「電脳メガネ」を作りたくなりました。それでは、一体どんな「電脳メガネ」を作りたいのか、ということはゆっくり書いていくことにして、まずは今日作った「メガネ(の一部)」を貼り付けてみることにしました。
今日作ったのは、「マイ・メガネ」の「視線入力部」です。自分が眺める風景を認識しつつ、その風景の中のどんな場所を眺めるかを検出することもできる、「視線入力装置付きメガネ(眺めている世界をリアルタイム・キャプチャ&録画する装置付き)」です。「自分が眺める風景を認識しつつ」とか「(逐次)眺めてる世界」といったことをわざわざ書いているのは、実に単純な理由です。つまり、(視線計測時には)頭を動かしちゃだめですよ・眺める景色に対して顔を動かしてはいけませんよ、という計測装置が多いからです。…そんな制約条件は不自然だ・あり得ない…と思うわけです。
というわけで、頭部の向き・眺める景色を逐次記録しつつ、それと同時に、その景色の中のどの部分を眺めているかを計測する「視線追跡機能付きメガネ」を作ってみました。右の写真は、快く協力して頂いたモデルのリラクマさんと、開発&製造途中の「電脳DIYメガネ」です。
激しく頭を振りつつ、ロケンロールなヘビーメタルで頭を前後左右に揺らした時に、「瞳追跡用カメラで撮影した「瞳(視線)」映像」が下に貼り付けた動画です。スポーツ時にかけるようなサングラスに「瞳追跡カメラ」(と、外界検知用カメラ)が取り付けることえ、頭部の方向が素早く変化するような場合でも、(頭部の向きによらず)視線の方向を上手く検出することができています。
…あとはメガネフレームの中央に取り付けられたビデオ・カメラから外界に対する頭部の向き・視界映像、そして注視点(視線)に対する相対(方向)情報を利用しつつ、他センサなどから得た情報を活用し、さらに外部アクチュエータへの制御を行えば、単なる「視線追跡機能付きメガネ」に留まらない「もっと便利な(生活必需品)メガネ」を作り出すこともできそうです。