2016-12-12[n年前へ]
■「君の名は。」画風変換アプリをPython/OpenCVで書いてみよう! 〜意外に空変換は簡単? 編〜
先月下旬頃、映画「君の名は。」画風変換アプリEverfilterが流行っていた。軽く遊んでみた印象は、「空領域抽出処理に破綻が少なく(適切で)、その処理はおそらく普通の枯れた方法を使って、画面の4端辺から領域判定を独立にかけてる」ように感じられた。
そこで、普通にやりそうなコードを書いてみたら、空領域抽出がどのくらいの品質が得られるか、確かめてみることにした。手っ取り早く試してみたいというわけで、Python/OpenCVコードを書いてみた。このコードは、入力画像と(入れ替え用の)空画像を読み込んで、グラフカットアルゴリズムが実装されたOpenCVのGrabCut関数を使い、(空がある程度の面積を占めていそうな)画面上半分の領域を対象として空領域を抽出し、その領域に空を合成するという処理を行うものだ。その処理例が、たとえば下に貼り付けた「バンコクの昼風景を夜空の下の街に入れ替えた画像」のようになる(上が入力画像、下が出力画像)。
コードを書いて・試してみた印象は、OpenCVのGrabCut関数を使う程度でも、十分破綻の少ない空領域抽出を行うことができそうで、枯れた(枯れつつある)技術は便利だ!というものだ。実際のところ、「君の名は。」画風変換アプリ程度であれば、使用データ群(入れ替え用画像群)抽出処理も含めて、数日掛からず作ってしまいそうな気がする。
import cv2 import numpy as np img = cv2.imread("bangkok1s.jpg") mask = np.zeros(img.shape[:2],np.uint8) skyimg = cv2.resize(cv2.imread("Starsinthesky.jpg"), img.shape[1::-1]) bgdModel = np.zeros((1,65),np.float64) fgdModel = np.zeros((1,65),np.float64) rect = (0,0,img.shape[1],round(img.shape[0]*0.7)) cv2.grabCut(img,mask,rect,bgdModel,fgdModel, 50,cv2.GC_INIT_WITH_RECT) mask2 = np.where((mask==2)|(mask==0),0,1).astype('uint8') mask2 = cv2.blur(mask2,(5,5)) img2 = img*(1-mask2[:,:,np.newaxis]) skyimg = skyimg*mask2[:,:,np.newaxis] img3 = cv2.addWeighted(skyimg, 1, img2, 1, 2.5) cv2.imwrite("out.jpg",img3) cv2.imshow("preview",img3) cv2.waitKey()