2018-03-11[n年前へ]
■「耳飾りの少女」の時代の「イヤリング(ピアス)の穴」の開け方のナゾ
フェルメール「真珠の耳飾りの少女(かつては、青いターバンの少女と呼ばれていた絵画)」が …実は「耳飾りは真珠じゃない」というのは、わりと知られた話です。それは丸い真珠ではなくて、ティアドロップ型の人工材料を使った、当時流行の、耳飾りだという話です。
この絵画に関する修復経緯の解説本"Vermeer in het licht"を読み直していると、1904年当時の写真(右上冒頭の写真にある左上部分)では、耳飾りが球形ではなくティアドロップ型であることが明らかに見てとれます。耳飾りの輪郭も、反射光を描いたハイライトも、耳から垂れた「水滴」のような形状をしています。
そこで、現在の画像データでも、たとえば一般に公開されていて誰でも眺めることができる(比較的低品質な)画像データでも、そのさまを眺めることができるかどうか確認してみました。…すると、普通に公開されている「低解像度で階調数が少ない画像」でも、「少女」の耳飾りは球形ではなくてティアドロップ形であることがわかります(画像をクリックして眺めてみて下さい)。1904年当時の姿ほどわかりやすくはありませんが、それでも耳飾りの上部が上へと伸びていることが見てとれます。
そして、それだけはなくて、耳から飾りが薄い繊維かなにかでぶらさがっているようすも見えてきます。少女の耳たぶには穴が開いていて、どうやら、そこに耳飾りがかけられているようです。
16世紀から17世紀にかけて、耳に穴を空けるピアス式のイヤリングが流行ったといいます。一体どんな風に穴を開けたのか、どんな耳飾りをしていたのか、当初の本題(少女の耳飾りはどんなものか)から離れて調べて見たくなります。