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2010-02-08[n年前へ]

「プロ棋士と将棋ソフトの対局許可」と「競技(スポーツ)の本質」 (初出:2005年10月16日) 

 「日本将棋連盟が女流プロを含むすべてのプロ棋士に対し、コンピュータ将棋ソフトと公の場で許可なく対局しないよう通知した」というニュースが、新聞各紙で報じられていました。対局を規制した理由としては、「プロ棋士とコンピュータとの対局の商品価値を高めるため」「強くなってきたコンピュータ将棋ソフトに人間が負け、プロ棋士がコンピュータより弱い、というイメージを持たれないようにするため」というふたつの理由が書かれていました。

 将棋とよく似たゲームであるチェスの世界で、コンピュータが人間に勝ったのは1997年のことです。IBMが作り上げたDeep Blueがチェスの世界チャンピオンだったゲリー・カスパロフに勝ち、それ以降はコンピュータの方が人間よりもチェスが強い時代になったのです。しかし、チェスと違い将棋の場合は「取った相手の駒を使うことができる」というルールなどにより計算量が膨大であるため、コンピュータ将棋ソフトが人間に勝つことは難しいと言われ続けてきました。

 たとえば、少し前であれば、「将棋ソフトとの対戦は(ソフトが弱くて)つまらない」と言われていたものです。しかし、すでに現在ではプロ棋士が負けるようなことも起き始めているといいます。

 こういったゲームの世界で、(人間が作り出したはずの)コンピュータに人間が太刀打ちできないということが増えていくのかもしれません。

 しかし、「相手に勝てないから(そんな勝負が)つまらない」かというと、それは違うように思います。今年、コンピュータと戦ったチェスチャンピオンのカジムダノフが「人間とコンピュータの対決」に関して、かつてこう語っています。

Sports are not about reaching a result. Sport is about developing your inner qualities.

競技(スポーツ)は記録や勝ちを手に入れるためのものではない。それは、私たちが自分の中ある価値を成長させるためのものだ。
 自分の中の才能を成長させようとするなら、「相手が弱くてつまらない」よりは、もしかしたら相手が強い方が楽しいのかもしれません。

 もちろん、…その勝負に負け続けるだけであれば、それはつまらく面白くない気持ちにもなるの確かでしょう。けれど、(強いコンピュータに鍛えられて)自分の将棋の腕が強くなることも、またひとつの事実であるのかもしれません。

 コンピュータの街でもあるサンノゼで知った、このカジムダノフの言葉はとても噛みごたえのある・力強い言葉です。

「たいていのスポーツは、勝った試合より負けた試合から多くを学ぶもんだろ」

 あだち充 「H2

2010-09-20[n年前へ]

目に優しい「ウィンドウ・システム配色」のマイ・コンピュータ 

 少し前、といってももう三十年くらい前、コンピュータ画面の標準のひとつが「黒背景に緑文字という配色」だったように思います。文字の部分だけが光る(光らせる)ので、その画面を見る人の目にも優しく、その画面を表示するCRT(カソード・レイ・チューブ=ブラウン管)にも優しい(=焼き付きが少ない)「ウィンドウ・システム配色」だというわけです。

 そんな中、WYSIWYG(ウィジウィグ)という言葉とともに訪れた、初代のMacintoshの白背景のウィンドウ・システムは新鮮でした。白背景だからCRTの寿命が短くなってしまうのではないかという懸念もされましたが、今では、そんな配色でないものを探す方が難しいくらいです。

 そう、今は、白背景でないシステムを探す方が難しいのです。けれど、白背景に黒文字を眺めていると目が疲れるし、それよりは、黒背景に緑文字という配色の方が目に優しいような気がします。白背景の画面を長時間眺めていると、目の疲れを激しく感じます。

 そういうわけで、たとえばOSXでターミナルを使う時には、黒背景に緑文字の"HOME BREW"スタイルを使いますし、(OSXの開発環境の)XCODEを使うなら(やはり似た配色の)”ダスク”に設定しています。Firefoxも、スタイルシートを無視して、黒背景・緑色文字で表示させるようにしています。…しかし、個別のアプリケーションの設定をすべてかえるのは面倒ですし、そもそも配色を設定することができないソフトウェアも数多くあります。

 一括配色設定できるようなウィンドウ・システムがあれば良いな、と時折思います。ウィンドウ枠やボタンといった部分のは移植だけでなく、アプリケーションが個別描画する部分も含めて「ある基準」のもとに、すべて統一的に色を変えることができたら、「自分の目に優しい・見やすく感じる」マイ・コンピュータを作ることができるのではないか、と想像したりします。

 今ではもう使われない言葉ですが、そんな「マイ・コンピュータ」があったら良いな、と思います。

目に優しい「ウィンドウ・システム配色」のマイ・コンピュータ






2011-02-04[n年前へ]

今の非常識が未来の常識 

 今からちょうど31年前、西武百貨店は、糸井重里が書くコピー「不思議、大好き。」を1981年のテーマにしました。

 「どんなにコンピュータが発達したって、人の心はわからない。誰かのことを好きだとか、誰かといると楽しいとか、自分でも理由なんてわからないもの。どうしてから、不思議だな。
 いつの間にやら、「発達したコンピュータを介して、人の心がわかる」なんてことも、珍しいことではなくなったようにも思われます。カメラに内蔵された計算装置が「笑顔」を検出したり、コンピュータが「人の心」のつぶやきを伝える時代になりつつあります。

 時に、今の非常識が未来の常識、になったりもします。凝り固まらない「やわらかあたま」で眺める未来は、一体どんな世界なんでしょうか。

2011-02-09[n年前へ]

「勝負」と「勝ち・負け」 

 from 「n年前へ」  「勝ち・負け」と書いて、「勝負」と読みます。けれど、それはいわゆる勝ち負けだけではないのかもしれません。

 コンピュータと戦ったチェスチャンピオンのカジムダノフが「人間とコンピュータの対決」に関して、かつて、こう語っています。コンピュータの街でもあるサンノゼで知った、このカジムダノフの言葉はとても噛みごたえのある・力強い言葉です。
 Sports are not about reaching a result. Sport is about developing your inner qualities.

 競技(スポーツ)は記録や勝ちを手に入れるためのものではない。それは、私たちが自分の中にある価値を成長させるためのものだ。
 たいていのスポーツは、勝った試合より負けた試合から多くを学ぶもんだろ。

あだち充 「H2 」
 

2011-10-11[n年前へ]

Chromeが起動しているコンピュータをリモート制御する機能拡張が公開 

 「Chrome」でPCのリモート制御が可能に--グーグル、機能拡張をベータ公開

 Googleは米国時間10月7日、「Google Chrome」の新しい拡張機能である「Chrome Remote Desktop」のベータ版をリリースした。この機能を使用すると、ネットワーク上の別のコンピュータをリモート制御できる。
 リリースノートによると、「『Chrome Remote Desktop BETA』は完全にクロスプラットフォームであり、Windows、Linux、Mac、Chromebookを含め、Chromeブラウザのあるコンピュータなら、どの2つのコンピュータでも接続できる」という。

 電話越しに田舎の家にあるコンピュータ・メンテナンス”サポート”しようという場合などは、このChromeと機能拡張をインストールしておくと便利かも。



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