2007-12-18[n年前へ]
■プルフリッヒ効果による立体アニメーション「家なき子」
明るい画像と暗い画像を同時に眺めても、暗い画像は明るい画像よりも「遅く」知覚される。もしも、片目だけサングラス(暗いフィルター)をかけて何かを眺めれば、暗いフィルターを通して眺めている目が捉える画像の方が、遅く知覚される。つまり、左右の目で眺める画像間に「時間差」が生まれる。
もしも、左右方向に動いているものを、片目サングラス状態で眺めれば、左右の目から眺める画像の間の「時間差」が左右の位置差、すなわち、「視差」になる。ということは、「片目サングラス+左右の動き=立体視」ということになる。
こんな原理の立体錯視がプルフリッヒ効果(錯視)"The Pulfrich Illusion"である。このプルフリッヒ効果を使ったアニメーションが「家なき子」だった。左目だけサングラスをかけて、下に貼り付けた動画を見れば、奥行き方向に広がりのある世界を眺めることができる。遠くのものは左から右に動き、手前のものは右から左に動くように描かれているために、片目サングラスでプルフリッヒ効果が生じると二次元の画像が立体的に知覚されるのである。
平面的な画面を眺める作業に疲れたら、こんな平面画像を立体画像に変えるアニメーションを眺め、リフレッシュしてみるのも良いかもしれない。
2008-03-09[n年前へ]
■TVコマーシャルを立体視する
テレビ・コマーシャルを眺めていると、左右に景色や人が動いていく映像が多い。そういった、左右方向に動く画像は、容易に立体画像として眺めることができる。 たとえば、試しに、「資生堂マキアージュのコマーシャル映像」を使い、時間差画像を左右に並べて表示してみると、平面的なコマーシャル映像が下のような立体画像(平行法)に姿を変える。
これは、「左右に動く映像」から、「時間差画像」を抽出すれば、それは「左右の視差」を持つ画像としても扱うことができるからである。
あるいは、このコマーシャルを「片目サングラス状態」で眺めれば、やはり、コマーシャルの中のビルは画面から後ずさりして、登場人物たちは相対的に前へ浮かび上がってくることになる。
それは、画像の明るさ・暗さで私たちが画像を知覚する速さが異なるため、片方の目に暗いフィルターをかければ、左右の目で眺める画像間に「時間差」が生まれ、それが結果として左右視差になるからである。いわゆるプルフリッヒ効果(錯視)"The Pulfrich Illusion"が生じるからである。
「商品を浮かび上がらせること」がコマーシャルの目的の一つであるならば、プルフリッヒ効果(錯視)を使った立体コマーシャルが作られたりすることもあるかもしれない。雑誌の付録などで、片目サングラスを配布して、商品やキャッチフレーズを視聴者にテレビ画面から差し出してくるコマーシャルが登場したりすることも、あるかもしれない。
2010-12-27[n年前へ]
■飛行機の下の景色を「微速度動画」で立体的に眺める
飛行機に乗ると、窓の下に浮かぶ雲や島や街をずっと眺めてしまいます。誰かがどこかで撮影した、そんな瞬間を思い出させる動画を眺めました。それが、下に貼付けた動画です。飛行機に乗りながら撮った何枚もの写真を集めて作った動画のようです。
こんな動画を眺める時には、プルフリッヒ効果を活用して立体的な映像として眺めたくなります。プルフリッヒ効果は、輝度による知覚の時間差により、動画中の横方向に移動する物体が(その動く方向にしたがって)近くに感じられたり・遠くに感じられたりするという現象です。
下の動画を右目だけサングラスをかけた状態で眺めると、飛行機の翼の下にある景色が、とても立体的に見えてきます。できれば、ディスプレイを斜めに傾けて、暗い部屋で動画を全画面表示で眺めてみたりすると、ディスプレイの下に、雲や山や街が凹凸を持って浮かび上がってきます。