hirax.net::Keywords::「恋文」のブログ



2008-05-05[n年前へ]

(左手で書いた)「父の詫び状」 

 姉(邦子)は『父の詫び状』を利き腕の右手でなく、左手で書いた。あの頃、血清肝炎がもとで右手が全く利かない状態だった。
  向田和子 「向田邦子の恋文

2010-01-02[n年前へ]

コンピュータが生まれてから、人間が何かを知る速度は大きくなりました。 

 1982年~1985年まで月刊ASCIIで連載されていた、鷹野陽子の「Yoのけそうぶみ 」の最終話、から。

 コンピュータが生まれてから、人間が何かを知る速度は大きくなりました。・・・でも、ふっと不安にもなります。知らない方が良かったことも、中にはあったんじゃないかな。また、これからも、知らない方が良かったことを、ついつい知ってしまうんじゃないかな、って。
 「けそうぶみ」は懸想文と書きます。つまり、それは恋文です。25年ほど前、コンピュータというものを日常生活の中に見かけるようになった頃、その時代に書かれていたのがこの「Yoのけそうぶみ」です。

2010-01-23[n年前へ]

スイバケ×セカイカメラのコラボ企画で「恋文横丁」復活< 

 「スイバケ×セカイカメラのコラボ企画で「恋文横丁」復活

 Sweet Vacationが、iPhoneアプリ「セカイカメラ」とのコラボレーション企画「渋谷で恋するメッセージ-AR恋文横丁-」を実施。この企画にあわせ、iTunes Store限定シングル「ラブカメラ 〜セカイが恋するメッセージ〜」を2月10日にリリースすることが決定した。

 「セカイカメラ」は、リアルタイムで撮影されている各地の映像上で、ユーザー同士の情報交換が楽しめる人気のiPhoneアプリ。今回のコラボ企画は、かつて渋谷に存在した「恋文横丁」をAR(拡張現実)内で復活させるというもの。恋文横町の跡地である渋谷109周辺に特製のハート型“エアタグ”を作り、「愛する人へのメッセージをバーチャル空間に残そう」という試みを実行する。

2010-02-01[n年前へ]

「しゃべり過ぎの時代」と「いしぶみ」 

 映画「おくりびと [DVD] 」のモチーフにも使われた、向田邦子の「男どき女どき 」に収録されている「無口な手紙」から。

 現代は、しゃべり過ぎの時代である。
 昔、人がまだ文字を知らなかったころ、遠くにいる恋人へ気持ちを伝えるのに石を使った、と聞いたことがある。男は、自分の気持ちにピッタリの石を探して旅人にことづける。受け取った女は、目を閉じて掌に石を包み込む。

2010-08-09[n年前へ]

テクノロジーとラブレター 

 もう10年以上、LaTexを使っていません。20年近く前は、何を書くにもLaTeXを使っていたような気がします。どんな文章も、MIFES風のキーコンビネーションにカスタマイズしたVZ EditorとLaTeXで書いていました。論文を書くときも、予算申請書を書くときも、あるいは、ラブレターを書くときだって、タイプしたテキストをTeXでコンパイルし、その結果をプリンターから出力して、そして、切手を貼った封筒に入れて郵便ポストに投函したのです。

 ラブレターというものは、まだこの世に存在しているのでしょうか?想いを伝えるだけなら、直接声で伝えるのがほとんどで、文字で伝えるというようなことはもうないのでしょうか。
 それとも、文字で伝えることはあるけれど、それはPCで読み書きする電子メールであったり、あるいは、ケータイの画面に浮かぶ言葉だったりするものでしょうか。…最近の恋文事情は全然わかりませんが、LaTeXでスタイルファイルを書いて、テキストを書き、ラブレターをコンパイルして…なんていう面倒なことをしている人は、もうほとんどいないような気がします。

 技術進化は、生活のディテールを大きく変化させます。テクノロジー変化にともない、生活のディテールが変化していくことは確かでしょう。けれど、その基本的な部分を俯瞰して眺めてみれば、意外なほどに変化していなかったりするかもしれません。

 かつてLaTeXのスタイルファイル作成方法やコマンドの書き方をまとめた資料をFTPサーバからダウンロードして真似して使っていた記憶があります。今の時代なら、ケータイ・メールに関して、似たようなことがされていたりするのでしょうか。



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