2009-05-12[n年前へ]
■未来とは、選択肢と確率の組み合わせからなる空間だ。
西村和雄 「満員御礼!経済学なんでもお悩み相談所 (日経ビジネス人文庫) 」から。
われわれが意思決定を通じて、多くの選択肢の中から一つつを選ぶ、それが次の瞬間を決めます。未来は大きく広がった選択肢の集合で、そのどれが実現するかは決まっていないのです。自分の今この瞬間の行動は、未来の一部の状況が実現する可能性を高め、ほかの状況が実現する確率を低めることになります。
未来とは、選択肢と確率の組み合わせからなる空間なのです。・・・完全に将来を決める公式など存在しないのです。
2009-06-01[n年前へ]
■Microsoftの新検索ブランド「Bing」ついに登場-Google対抗キャンペーン展開
Microsoftの新検索ブランド「Bing」ついに登場-Google対抗キャンペーン展開
Microsoftが「Kumo」のコード名で開発進めていた最新の検索エンジンと新ブランド「Bing」を発表した。Googleと Yahoo!に大きく後れをとっている検索分野で、大規模な広告キャンペーンとともに巻き返しを図る。キャッチフレーズは「意思決定エンジン」で、検索サービスの高機能化のトレンドに沿ったものだ。
具体的には、ナビゲーションや直感的なツールを含むユーザーインターフェイス、そしてグループ化などの検索結果の表示だ。ショッピング、地域情報、旅行、健康の4つのカテゴリー分類、レビューやユーザーによる評価をネット上から収集する機能などによって、“これまでの検索の一歩先”を提供するというのが Microsoftの主張だ。
2009-08-09[n年前へ]
■「後悔しない意思決定」を決める「合理性」と「非合理性」
「後悔しない意思決定 (岩波科学ライブラリー) 」を興味深く読んだ。この本には、なるほどと強く納得させられる部分と、何かひどくもの足りなく感じる(説明が欲しくなる)部分、そんな相反する2つの「感じ」をともに強烈に感じさせられた。
はじめに、「ひどくもの足りなく感じる(説明が欲しくなる)部分」を書けば、たとえば、こんな部分
本書は合理的とは何かを問い、合理的に生きることによって後悔しない意思決定を推奨する本である。
本書では、人は合理的であることを前提としています。そして合理的であろうとすれば主観的期待効用モデル(「最適な決定は、効用の値をもっとも大きくする選択肢を選」という考え方にもとづくモデル)にもとづいて決定すべきであると主張しますが、・・・という辺りだ。こういったことを前提として、「合理的に」本で書かれていることがらを読み進めていけば、当然のように納得できる。けれども、人が「どうしてか」少なからず合理的に考えられないことがある以上、上に挙げたような前提・言葉を受け入れるために必要な「何かワンクッション」が足りないようにも感じてしまう。
だから、たとえば、本書冒頭の言葉、
本書は、意思決定をする際にさんざん悩み、しかも、決定した後で悔むような人のための指南役を目指すものです。に惹かれて頁を読み進めていくとき、「合理的に考えるとこのようになる」といった解説・解決策を提示させられたとしても、論理的でない部分で(端的に言えば感情的な部分で)胃にもたれてしまうのだ。合理的に考えれば納得できるのだだろうけど・・・と感じてしまい、なかなか納得した気持になれないのである。
とはいえ、「合理的に考えるべし」ということを「公理」として受けれ入れて、この本を読むならば、示唆に富むこと/アドバイスが実にわかりやすく書かれている。だから、論理的にはとても納得できる・役立つだろう本で、人に勧めたくなる。ただし、非論理的な部分(のために足りない何か)を補う「あともう一冊」を適当に選びたいとも思う。・・・たとえば、それはどんな本だろう?もしかしたら、たとえば、それは小説家のエッセイ辺りだったりするのだろうか。
2009-09-16[n年前へ]
■直観的に結論を先に決めてしまう人間
グラフィケーションで連載された11編の対談が収録された「科学技術を考える 」から、坂村健の言葉。
私は予定結論的推論機能と言っているんですが、要するに人間の場合は、直観的に結論を先に決めてしまうんですよ。例えば物を買うにしても、欲しいと思った時、代替そこで結論は決まっているんです。だけど、買うに至るには頭脳の理解と同意がないと、買う意思決定ができない。そこで、頭脳が後からついていって、あたかも演繹的な推論をやっているふりをしながら予定結論にどうやって近づくかという道を探している。その道筋が頭脳を満足させれば、買うと決まるわけです。
2009-12-29[n年前へ]
■NEWS今昔物語「未来のために頑張る」編 (初出2005年06月23日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
「やる気・根性のこと」を「ガッツ」と呼ぶ時代がありました。なぜ、そんなことを書いているかと言うと、ガッツという言葉が今は死語になっていると聞き、下の記事群中ではその言葉をすべて他の言葉に書き直しているからです。
若い人に聞いてみると、「ガッツというより、あえて言うなら根性かな」ということでした。私の脳内では「根性」の方が(”夜露死苦”的な)死語なのですが、言葉の流行り廃り・言葉の復活など色々あるのだろうか、そういう言葉一覧表を作ってみたいな、とふと思いました。
(記事を書いた時の)ひとこと
「未来を作りたい」という言葉を聞いたことをきっかけとして、未来を作るために頑張るさまざまなニュースを集めてみました。
性的絶頂感を遺伝子とCTスキャンで考えてみる?
先日、女性が性的絶頂感に達するかことができるかどうかは遺伝子が決める)。 一卵性双生児と二卵性双生児を対象としたアンケートの結果は、「女性が性的絶頂感に達するかことができるかどうか」への遺伝子の寄与率は34%だった、という。そんな性的絶頂感のナゾをさらに解き明かしていくためには、CTスキャンを用いて女性の本物と見せかけの性的絶頂感の違いを明らかにした研究(日本語解説記事) などにも期待したいところだ。
ところで、男性と女性それぞれの性的感覚の時間変化が異なるようすを示すグラフなどを見ると、やはり男と女の間には深くて暗い河が流れているようだ。何しろ、男は「やる気になってから、性的絶頂感に達することができるようになる」までの時間が2.8分であるのに対して、女性の場合は14分以上かかるというのだから…。
"The Musical Baton"津波と、頑張って"手作業"で作る津波伝搬樹形図
5月末から6月中旬にかけて、"The Musical Baton"という名前の「記事」が非常に多くのWEBページ(個人ブログやSNSなど)上に書かれた。これは、「音楽に関する質問に(自分のWEBページ上で)答え、その質問に(自らのWEBページ上で)答える責任を次の5人に廻す(pass the baton)」というものである。この津波の震源地がどこなのかは定かでないが(参考: 1)、BlogPulseによる"Musical Baton"という言葉の言及量推移を示すグラフやはてなダイアリにおける言及グラフを眺めれば、言及量が急激に増加しており、まさに津波のようであったことがわかると思う。
1人から次の5人という広がり、すなわち、5のべき乗を素直に流せば、13世代で世界のインターネット人口を突破し、14世代では地球の人口を突破することになる…のだから、そんな急激な増加も当たり前の話であるが、その大きな津波が日本でどのように伝搬していったかを頑張って"手作業"で調べた人がいる。まるでウワサ話が伝搬するように、"The Musical Baton"が人を介して手渡されていったようすを眺めてみるのは、不思議に面白い。
頭の中のパイプライン
「大きな報酬が得られる選択肢を選ぶ意思決定をする場合」と「小さな報酬しか得られない選択肢を選ぶ意思決定をしなければならない場合」で処理を行う脳部位が異なる、というサルを実験対象とした研究報告がasahi.comに掲載された(参考情報:Science日本語要約)。
メイン・サブの2CPUをデュアルで使うタイプのコンピュータの動作で例えるならば、優先度に応じて高性能なメインCPUに仕事を割り振るか、ちょっと動作が遅いサブCPUに仕事を割り振るかを切り替えるというような仕組みである。
進化を続ける生物が生み出した脳の中の最適化処理・脳の仕組みにはただただ驚くばかりだ。
「コーヒー飲んで頑張る」の秘密が明らかに?
6月20日、カフェインの覚醒効果を分子レベルで立証したという研究結果が、大阪バイオサイエンス研究所から発表された。徹夜で頑張るような時、気合いを入れて頑張るために、コーヒーやコーラといったカフェイン飲料の力を借りている人は多いと思う。つまり、効果はすでに判明していたわけだが、その秘密がついに解明されたというわけである。
脳医学で覚醒効果の仕組みが解明されていけば、カフェインを含む色んな飲料のさらに上を行く、超"気合い"や超"頑張り"注入ドリンクも登場するかもしれない。…なんだか、ちょっと危険そうだけど。