2006-07-30[n年前へ]
■恐怖!「心霊」を見つけ出すソフトウェア
写真を調べてみれば、あなたの背後に霊がいる!
夏といえば…!?
もう7月も過ぎ、いつの間にか暑い夏真っ盛りです。日本の蒸し暑い夏に負けず、この季節を過ごしやすくすつために、これまで色々なモノが作り出されてきました。例えば、涼しさ抜群のカキ氷を食べたり、水面や河原に張り出した川床の上で涼んでみたり、あるいは、風鈴の音で暑い夜を涼しくしたり、という工夫がされてきたわけです。
そんな工夫の一つ?が「肝試し」や「怪談話」です。夜、薄暗い場所で「恐ろしい心霊現象」「奇妙で恐怖を感じさせる話」などをすれば、例え暑い夏の夜であったとしても、思わず背筋が凍るような感覚に襲われ、暑さがどこか遠くへ消えてしまったような気分に陥ります。そして、その後、暗く何かが出てきそうな場所へ肝試しに行かなければならないと…むしろ夏の暑さに戻ってきて欲しくなったりするほど怖くなったりするのです。
気配は感じるのに、「心霊・お化け」が見えない…!?
しかし、そんな風に心霊やお化けは怖いのに、肝試しの最中は「心霊・お化け」の気配を感じるのに、なぜか「心霊・お化け」が見えない…という人が多いのではないでしょうか?肝試しの最中は、周りを全て怨霊に囲まれたような気分になるのに、幸か不幸か「霊」を実際に見たことがない…という人がきっとほとんどだと思います。もちろん、「霊なんか世の中には存在しないのさ!」と日頃言ってる理系野郎も多数生息しているとは思いますが、それでも夜に洞窟の中の神社に行ったりすると思わずビクビクしたりしてしまう弱虫君だったりすることも多いと思うのです。。
そんな、「肝試しの時はビクビク怖がるクセに霊やお化けを見たことがない」ような弱虫理系の一人として、今回は「心霊を見つけ出すソフトウェア」を作ってみました( 動作環境はWindows )。細木数子にばかり「心霊」を独占させないために、写真の中に潜む「心霊・お化け」を見つけ出すソフトを科学的に?作ってみることにしたわけです。その動作画面を右に示してみました。("Open"ボタンを押して)写真を読み込むと、下のスライダーで示した"レベル"に応じて「人のようなもの」を見つけ出します。例えば、右の動作画面のように、コントロール・ウィンドーのスライダーを右端の「人間」レベルまで持っていくと、写真の中から「人間」のみに青い矩形マークが付きます。右の写真では、中央の女性の顔に青い「人間」マークがついているのがわかると思います。そして、そのスライダーを左端の「心霊」レベルまで持っていくと…、(「心霊」以上の存在である)「人間」だけでなく、「心霊」を見つけ出すことができるのです。そして、「心霊」がいる場所が赤い矩形でマークされるわけです(赤いマークがついても、ちゃんと青い「人間」マークが付いていれば、それはちゃんと「人間」のハズです。安心してください)。あるいは、"Auto Search"ボタンを押せば、「心霊~境界ゾーン~人間」までの全レベルにわたって検索・解析をすることもできます。
あぁ、こんなところに「霊」がいるぅ~!
上の動作画面例では、「人間」レベルで検索をかけたので、中央の女性だけにマークが付いています。もちろん、「一見、女性(人間)に見えるけれど、実は妖怪だった!」ということもあるわけですが、今回の場合、ちゃんと「心霊」診断ソフトウェアが、「この人は人間です!」と判断したわけで、確かにこの写真の女性は「人間」のようです。
しかし、この写真の中にこの女性以外の心霊・お化けが写っているかもしれません。何しろ、この写真は「怨霊うごめく京都の街近くにある山中で撮影されたもの」なのです。ただの薄暗い林の中、ではないのです。しかも、「この写真の現場近くには第二次大戦中の対空射撃台跡などもあるし」その「対空射撃台跡の近くには、(普段は閉ざされている)山中に伸びる洞窟もある」という、いかにも何かがいそうな場所だったりするわけです。そこで、"Auto Search"ボタンを押して調べてみました。その検出結果が、右の写真です。
なんと、…右斜め下の部分と女性の左胸の部分に「心霊」がマークが写し映し出されています…。「女性の左胸の部分」はオッパイ星人の怨霊かなにかが検出されているのだと思うのですが(世の中には意外に多く生息しているようですから)、右斜め下の部分は何だかちょっと気になります。…そこで、ちょっとその部分を拡大してみました。それが、右の写真です。はて?と眺めてみると…うわぁ~「心霊」が地面と林の木々の隙間で右を向いてる~!何だか哀しげな顔をして遠くを見てるぅ~!こ・これは、怖い…。
…こんな「心霊」がいつも見えてたら、おちおち散歩もできそうにありません。「心霊」を見つけ出す能力は今回の「ソフトウェア」に任せ、やっぱり自分自身は、「心霊・お化け」が見えない弱虫理系野郎のままでいたい…と思った今日この頃、なのです。
2006-08-11[n年前へ]
■「コンドーム」開発秘話に涙しろ
Tech総研ブログ 平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女 に「コンドーム」開発秘話に涙しろを書きました。今日、昼休みに、職場の周りの散歩道にオカモトさんが落ちていたのもホントにホントの実話です。地元の人が使ったのか、箱根界隈に遊びに来た観光客が使ったのか、あるいは、職場の人が使ったのだろうか…とちょっと考えてしまいました。
スキー場で「ポシェットの落とし物が届きました。男性向けのデザインで、中にはオカモトさんが入っています」というアナウンスを聞いたことがあります。
2007-07-15[n年前へ]
2007-11-24[n年前へ]
■海辺
上半身はウィンドブレーカーで、下半身はショートパンツでも、風を気持ち良く感じるくらい暖かい。そんな、晩秋の海辺。n年前の景色を見ながら、こんな文章を思い出す。
さて、大正の末から昭和二十年代まで活躍した木版画家に川瀬巴水という人がある。
巴水のもっとも得意としたものは、暗く清澄な景色で、とりわけて夕焼けの風景を描いたものに、誰が見ても傑作という作物が集中している。
彼の夕暮れには、独特の寂しさが横溢していて、どこか人恋しい感じも漂っている。画中小さく描かれる人物はたいて後ろ向きで黙然と遠くを眺めてい、私どもはその画中の人物となって等しく日本の寂しい夕景を眺めつくす。
林 望「夕映えの渚にて」トランヴェール 2007,11
2007-11-30[n年前へ]
■「美味しい食べもの」を表現する技術
色んな小説や随筆などの中に登場する「おいしさ表現」を集めた「おいしさの表現辞典(東京堂出版)」を読んでいると、目の前にベルトコンベアがあって、その大通りの上を「信じられないほど美味しい食べもの」が次々と行進していくような気になる。一言でいえば、「ものすごく食べたくなるのに、見てるだけ」状態になる。この本には、そんな「目の前に料理があるかのように感じる」文章が詰まってる。
祖母に、お焦げを作ってくれたどうか尋ねる。 「パリパリいってから七つ数えたから大丈夫だよ」
かまどで、硬いマキで鉄の釜で炊くご飯。しかもアツアツのおこげで握るおにぎりである。
向田邦子「父の詫び状」
文章に限らず、絵画や写真や演劇や歌といったものには、つまり、ありとあらゆる表現技術には、きっと同じ基本があるのだろう。対象物を観察して、その対象物をよく感じた上で、何を濾過して強調するか決め、そしてそれを描く、そんな原理があるのかもしれない。
湯気は人の心をほのぼのと温かくする。
東海林さだお「タクアンの丸かじり」
本物よりも美味しそうな食べ物の写真。見たことのない料理だけれど、なぜか食欲をそそられる絵画の中の料理。実際に聞く調理の音より、生き生きと音が弾けて聞こえる映画の中の厨房シーン。そういうものを作る人たちは、どういう目や耳で料理を感じているんだろうか。
両眼はきらきらとかがやき、颯爽として蕎麦をあげ、蕎麦を洗う。
池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」
そして、美味しそうに食べものを表現し尽くす人たちは、どんな風に食べものを味わうんだろう。きっと、美味しさで脳波計の針が振り切れるくらい、ADコンバータで桁あふれが起きるくらい、その美味しさを味わうんだろう。その美味しさの片鱗から生まれた表現さえ、こんなに美味しそうなんだから。
コーヒーの香ばしい香りがうす暗い店内に午後の親密な空気をつくり出していた。
村上春樹「ノルウェイの森」