hirax.net::Keywords::「涙」のブログ



2001-10-27[n年前へ]

思えば遠くへ来たもんだ… 

故郷を離れて三年目

 「できるかな?」を某所で唐突に書き始めたのが、三年前の10月のことだった。今でもそうなのだけれど、「画像形成技術に関するエトセトラ」といういたって小難しい真面目な話がメインテーマで書いていた。そして、書く内容はそのままに、hirax.netを立ち上げたのが、その12月である。しばらくは、同時進行的に「最初に書き始めた場所」と「hirax.net」に落書きを続けていたのだけれど、今では「最初に書き始めた場所」の方はほとんど更新していない。それでも、書き始めた場所も今でもちゃんと残ってはいる。言わば、故郷はそのままに、外の世界へ飛び出したわけである。そんな風に、「故郷」を離れてもうすぐ三年目になるわけではあるが、とりあえずよちよち歩きを続けている。

 何はともあれ、「できるかな?」も三歳の誕生日を過ぎたわけで、「ハッピーバースデー> ワタシ、ありがとー > ワタシ …」何て、ムナシク誕生日(ワタシでなく「できるかな?」の)を心の中で祝いつつ、そんな三年を振り返えってみると、その三年の間に周りでは色々な変化がおきた。

 例えば、三年前であればワタシにとって検索サイト = infoseekだった。「検索サイトイコール infoseek」であって、「infoseek イコール 検索サイト」であったのである。しかし、今では検索サイトというとGoogle以外にはもう考えられない。私のインターネットエクスプローラには、当然GoogleToolbarがインストールされているので、何か検索したいものがあれば、そのToolbarにキーワードを入れるだけである。

 最近ではよく知ってるサイトに飛ぶのにも、わざわざURLを入れるのがメンドくさいので、GoogleToolbarにキーワードやサイト名を入れて、そのサイトに飛ぶことも多くなってしまった。そして、ついには、検索先のページを見に行かずに、Googleのキャッシュを読んで済ますことさえ、実に多いのである。そう、Gooleはエライのである。「Googleは最も的確な検索結果を瞬時に表示します。」とGoole自ら誇るのも、実にもっともなのである。Googleは正しく、Googleは間違えないのである。物覚えが悪く、めんどくさがりやのワタシを救ってくれるのはいつもGoogleだったのである。
 

 しかし、そんなGoogleの検索結果が私にショックを与えた。ある日、私は”オッパイ”というキーワードで検索をかけた、いや、知人がそのエロ検索をかけたということにしておこう。で、”オッパイ”で検索をかけた結果のサムネール画面が下の一覧である。左から検索結果の1位、2位、…、5位というように並べてある。また、同じサイト内のページは一つにまとめて表示してある。
 

”オッパイ”の検索結果

 で、これを眺めてみると、なんとhirax.netから「オッパイ星人の力学 第四回」が四位にランクインしているのである。世の中にオッパイページが沢山ある中で、「ワタシがオッパイ第四位?」ととてもビックリしてしまったのである。周りの桃色ページに囲まれて、唯一ワタシのテキストページがじっと所在無げにたたずんでいるのだ。ワタシの左は「オッパイねえちゃん」、ワタシの右は「アイドルのぷるるん…」、エッチな向こう三軒両隣、ワタシは一体何処にいるの?どうして、ワタシは此処にいるの…?と思わず考えてしまうのである。

 Googleは正しく、Googleは間違えず、Googleは最も的確な検索結果を表示するハズなのだが、それなら何故ワタシのページがエッチな向こう三軒両隣状態になってしまうのだろうか。これはマズイ。Googleは「できるかな?」をエロページとでも思っているのだろうか?
 

 これはイカン、「冷静になって今の自分の状態を把握せねば!」と、ちょっとエッチ系のキーワードで検索を続けざまにかけてみた。まずは、”オッパイ”という少しばかり曖昧な言葉ではなくて、もう少し具体的にエッチなキーワードにしてみるとどうなるのだ?ということで、オッパイ伝説のキーワードともいえる”松坂季美子”の検索結果が下である。
 

”松坂季美子”の検索結果

 嗚呼、すると何とここでも「松坂季美子と言えば、世界中で四番目にはこのワタシ」なのである。そしてまた、向こう三軒両隣を眺めてみると、左は「アダルトビデオの販売店」、右も「アダルトビデオの販売ページ」、やっぱりエッチな両隣、ワタシは一体何処にいるの?なのである。
 

 こんなものをワタシの母親にでも見られたら、ワタシは既にいい年であるにも関わらず、「こらっ!何ばしようとかいなこの子は!」(by武田鉄矢の母@「母に捧げるバラード」)と怒鳴られること間違い無しなのである。「今も聞こえる〜、あのお袋の〜声〜」なのである。

 「何の何の、これはちょっとした間違い、間違い。ヘンな偶然がちょっと続いただけさっ」と気を取り直して、次は”スクール水着”で検索をかけてみた。
 

”スクール水着”の検索結果

 す・すると、何とスクール水着の第一位はワタシなのである。ワタシはスクール水着の世界チャンピオンなのである。思わず「スクール水着と言えばワタシですかぁ?このワタシが…」と絶句してしまったくらいなのである。「スクール水着と言えばワタシ、ワタシと言えばスクール水着」という必要十分条件でないのが不幸中の幸いではあるが、何ともビックリなのである。そして、今回もまたワタシ以外のページははもう何とも色使いまでよく似ていて、ワタシのテキスト主体のページは肩身が狭そうに薄汚れているのである。いや、薄汚れているまではいかないかもしれないが、少なくとも華やかな装いはしていないのである。
 

 「できるかな?」が三年前、「故郷」を離れて「外の世界」へ飛び出した時には、「画像形成技術に関するエトセトラ」だったハズが、故郷を離れてはや三年経って、何時の間にかスクール水着の世界チャンプになってしまっていたのである。そして、知らないエロエロ向こう三軒両隣の中で、ワタシは肩身が狭そうにじっと佇んでいるのである。

 呆然とするワタシの頭の中で武田鉄矢が歌う

思えば遠くへ来たもんだ  故郷離れて三年目    
思えば遠くへ来たもんだ  この先どこまでゆくのやら
という歌声が流れ出すのも、いたって当然の哀しい現実なのである。「オレは腐ったミカンなんかじゃねぇ〜」と「かとうまさる(加藤優@金八先生パート2)」のように叫びたくなったりもするのである。

 しかし、こんな状態は”スクール水着”に限った話ではなくて、 ”ミニスカート”でも同じだったのである。
 

”ミニスカート”の検索結果

 またしても、ワタシはポールポジションを奪ってしまったのである。「超ミニスカートやセクシーキャミソール」やら「美脚NO.1の西端さおり」を後に従え、トップ・オブ・ミニスカートになってしまったのだ。えーい、もうワタシはミニスカ・チャンプでも、スクール水着・チャンプでもどうでも良いぞー。セクシーキャミソールでも、西端さおりでも何でも持ってこーい。いいから、早く持って来ーい。と、やけになってグレていたワタシを救ってくれたのは、やはりGoogleであった。ワタシを奈落の底に突き落としたのもGoogleであったが、救い出してくれたのもやはりGoogleであったのである。良いヤツなのか悪いヤツなのかよく判らないが、とにかくGoogleだったのである。

 何故なら、WEBページを分類しているGoogleWeb Directoryを眺めてみると、わがhirax.netはちゃんと「World> Japanese > コンピュータ > グラフィックス > 画像処理・開発」 に分類されているのである。そもそも「エロ」という分類がGoogleWeb Directoryには見当たらないような気もするのではあるが、そんなことはどうでも良いのだ。やはりGoogleは「できるかな?」を「画像形成技術に関するエトセトラ」だと判ってくれていたのである。
 

Google Web Directoryでは「画像処理・開発」の中にちゃんと…

 

 とはいえ、何だかアンニュイな気持ちになるのもまた事実なので、武田鉄矢(海援隊)の「思えば遠くへ来たもんだ」の元歌詞でもあるだろう中原中也が歌った「在りし日の歌」中の「頑是ない歌」の替え歌でも口ずさみながら、一人寂しく誕生日を祝うのである。 
 ハッピーバースデー……、  しくしく…、 シクシク…(涙)。
 

あれから三年経つただけ
検索結果を茫然と
眼で追ひ 哀しくなつてみた
あの頃の俺は今いづこ?

これでは まるでエロサイト
思へば遠く来たもんだ
此の先 まだまだ何時までか
続けてゆくのであらうけど…

2001-11-11[n年前へ]

淡くて儚い昔のアルバム 

集合写真の集合写真

 最近、検索エンジンGoogleのイメージ検索が日本語に対応した。だから、ふと「愛しの仲間由紀恵の画像を眺めた〜い」なんて思ったら、すぐに検索すれば画像をごっそり集めることができるのである。これまでは、Googleの画像検索は日本語対応していなかった。だから、「心」とか「笑顔」とか、はたまた「エロ」な画像を集めた〜いなんて時も、キーワードも日本語そのままで検索することができなくて、それに近い英語で検索をかけていたのである。

 しかし、それももう過去の話。Googleの画像検索はもうバンバン日本語が通るのである。「」の画像も「笑顔」の画像も「エロ」の画像も、何でもゴッソリ手に入るのである。それどころか、「運命の人」を探して、その「運命の人の写真」を手に入れることすらできるのである。ありがたいことである。

 そこで、試しに「オッパイ星人」で検索をかけてみると、オッパイ星人な画像」がゴッソリ手に入る。いや、もちろんワタシが「オッパイ」に興味があるというわけではもちろんない。何しろ、ワタシは地球を狙うオッパイ星人達と日夜戦い続ける使命を持つのである。「オッパイ星人」達をこの広い世界から見つけ出し、その心根に鉄拳パンチをお見舞いしなければならないのである。そう、そのためにワタシはGoogleを使って、「オッパイ星人」を検索するのである。言わば、Googleはワタシの妖怪アンテナなのである。Googleは「オッパイ星人」を駆逐するリーサル・ウェポンなのである。

 しかし、その割には最終兵器Googleが教えてくれる「オッパイ星人」達はどうも見たことのある画像だったり、イヤラシくもオッパイを包み込む手がどうもやけに身近な掌のような気がして、まるで石川啄木のようにじっと自分の掌を眺めてしまったりするのであるが、いやマサカそれはワタシの気のせいに違いないのである。そう、気のせいに違いないのだ…。
 

「オッパイ星人」の「すべての検索結果
…なんてこったい、最初は全部hirax.netだぁ…(涙)。
これじゃぁ、ワタシの掌がまるで「オッパイ星人の掌」でないの…

 いや、マズイ。こんなことではイケナイ。「思えば遠くへ来たもんだ…」でも書いたが、これでは少々マズイのである。気のせいですませるわけにはいかない場合もあるのだ。

 何しろ、ここのサイトは家族姉妹も見るのである。ワタシの母も見れば、私の妹も見るのである。何しろ、数ヶ月前に実家に行った時にはワタシの母などは、ワタシの昔の写真を眺めて「この頃のオマエはあんな話を書く子じゃなかったのに…」とグチったくらいなのである。しかも、それに飽き足らずその後e-mailで

 ホームページもう少し文学的、化学的だといいけどなあー。母の友人たちに見せても、好評なものも載せて。
と無茶な説教を送りつけてくるくらいなのだ。文学的で化学的な話ってどんなのだー、それってただの化学オタクの会話じゃないのかーとか、仮にそんな話があったとしても、そんな話が母の友人達(おばぁさん)にホントに好評だと思うのかーとか、大体他人の評判なんか気にしてられるかーとか色々言いたいことはあるのだが、そうそうそんなことも言えないのである。ましてや、昔の写真を前にして「この頃のオマエはあんな話を書く子じゃなかったのに…」と言われた日には、そんなことは素直なワタシにはとてもじゃないが言えないのである。仮に心の中で、ワタシに限らずあんな話を書く子はどこにもイナイだろーとか思ったとしても、とりあえず何も言えないのである。
 
これがワタシ(ずっと昔の)
「この頃のオマエはあんな話を書く子じゃなかったのに…」
白黒ですねぇ、まだ…
おっ、カラー写真になりました、と
妹ができたり、
弟もできたり、

 とはいえ、昔のアルバムを広げていると、何かセピアになった白黒写真や色褪せたそんな写真が何故か輝いて見えて、少ししんみりしてしまうのもまた確かなのである。別に、説教が胸に染みたわけでもないけれど、何かしんみりしてしまうのである。何か、並べられている一枚一枚の写真から「何か」が浮かび上がってくるようで、少ししんみりしてしまうのである。これは、まさに「笑顔で作った一枚の写真」で作ったモザイク画のようで、アルバムに貼り付けられた写真が組み合わさって、「何か」を浮かび上がらせているように感じてしまう。

 「あー、そーなんだー」とワタシはしみじみ思ったあまり、「笑顔で作った一枚の写真」で作ったHiraxNetMosaicMakerをバージョンアップして、色んな写真を集めるモザイク画の中の各モザイク画のサイズを自由に変えたりして、もっとちゃんとキレイに出力できるようにしてみることにした。そして、できればそれを写真のアルバムっぽく加工してみることにしたのである。まずは、これが今回のHiraxNetMosaicMakerである。

素材画像群を読み込む前に、モザイク画像サイズとマージンを決めて、あとの使用手順は前回と同じである。まぁ、使う人がそれほどいるとは思えないので、詳しい手順は(以下省略)。

 で、さすがに記念写真でモザイク枚数があるわけはないので、Googleで似たような集合写真を集めてみた。そして、今回のバージョンのHiraxNetMosaicMakerで処理した後、Photoshopでさらに写真のアルバムっぽく加工してみたのが下の写真である。さっと作ってみた割には、写真のアルバムっぽく見えることと思う。ワタシが知らない色々な人達が何処かで撮ったたくさんの記念写真が、写真のアルバムに貼り付けられているように見えるだろう。
 

この集合写真は実は集合写真「仲間由紀恵 」のごく一部分

 もちろん、この集合写真は実は集合写真「仲間由紀恵 」のごく一部分である。全体を眺めてみると、こんな仲間由紀恵が浮かび上がってくるのだ。このWEBページでは遠くで眺めたり、近くで眺めたりできないのが残念ではあるけれど、この写真は遠くから眺めれば下のように見えるし、近づけば上のように見えるのである。近づけば、「アルバム」に貼り付けられた各々の写真が浮かび上がってくるし、離れてみればそれらの写真が一枚の「何か」に見えてくる。
 

集合写真の集合写真
「仲間由紀恵 」

 前回のものと違って、背景の白い部分の面積が広かったりするので、今回のモザイク写真はずいぶんと色も淡く儚いけれど、それがまるで「淡くて儚い昔のアルバム」のようだなぁ、と私は感じたりする。これを眺めるあなたは一体どういう風に感じるのだろうか。私と同じような感想を持つだろうか。いや、きっと他の何かを感じることだろう。
 

 そういえば、今日の朝日新聞を眺めていると、「子供地球基金」が「子供たちの絵で世界を塗り替えよう」と戦争などで傷ついた人達に向けて子供が描いた絵を集めて展示するという記事を見かけた。もし、そんな風に集まった子供達が描いた絵を今回のように集めてモザイク画にしてみたら、これも一つのアルバムのように感じるかもしれない。

 ワタシが最初にしみじみしたワタシの昔のアルバムは、ちょっと色褪せた「過去のアルバム」だったけれど、この記事の子供達の絵を集めたアルバムの方は「過去のアルバム」ではなくて、子供が描いた「未来のアルバム」ということになるのかもしれない。こっちのアルバムは淡く儚いなんてことは決してなくて、鮮やかで眩しい感じなのかな。うん、きっと、そうなんだろうな。

2001-11-18[n年前へ]

今日の「愛のうた」 

 こんな着メロです。これはPC上のmidiですが、大体こんな感じ。
 amazonのレビューではないけれど、「でも愛してくれとは言わないよ」は思わずホロリとします。カップリング曲の「涙があふれた」という曲も聴いてみたい。(リンク

2002-01-20[n年前へ]

Nuovo Cinema Paradiso 

 下のリンクのように劇場公開版の方が完全版よりいい、という意見が多い。いや、それどころではなくて、完全版の方が良いなんて意見は聞いたことがない。
 だけど、私は完全版のストーリーだからこそ、ラストシーンで涙するのだと思う。(リンク

2002-02-03[n年前へ]

映画のフィルムを並べたスクラップ 

映画大好きの「元」少年少女達へ

 先日、「お笑いパソコン日誌」で3次元画像ブラウザ「みょう絵」というものを知った。画像ファイルを日付や色の特徴などで三次元空間に並べてみる、というソフトだ。下の図がその「みょう絵」の動作画面だけれど、こんな風に三次元空間に配置された画像が散らばる中を「みゅぃーん」と動く感覚が結構気持ち良い。
 

「みょう絵」

 で、その「みょう絵」をいじって

 欲を言えば画像だけでなくて、色んな文章や音楽や気持ちとか、世の中のありとあらゆるものをこんな風にして眺めてみたいなぁ、と思った。あのころ撮影した写真や、眺めた景色や、読んだWEBサイトや…、とにかくありとあらゆるものを。
と思った。すると、「お笑いパソコン日誌」のChic氏が
 余談ですが、Windows XP はムービーファイルをサムネイル化してくれるんですが、あらゆるファイルをそうしてくれればいいのにと思ったり。
と書いていた。それを読んで、「みょう絵」で一本の映画の中を覗いてみたいなぁ、と思ったのである。

 映画が展開していくそのストーリーの時系列と、その中の色々な各舞台を三次元的に眺めてみたいと思ったのだ。そして、さらにはその映画の世界の中を三次元的に散策してみたいと思ったのである。

 もちろん、それは映画の動画ファイルを静止画に展開して、それを「みょう絵」で開けばよいだけの話である。以前、動画ファイルを静止画に展開するアプリケーションを作ったこともある。

 とはいえ、それを使って映画をキャプチャーしたファイルをそのまま静止画に展開するわけにはいかない。そんなことをしたら、ものスゴイ数の静止画ができてしまうからだ。1秒あたり約30枚もの静止画を含む動画をそのまま静止画に全部落としたら、一体どれだけのファイルができるだろうか?たった2分位の映画の予告編だって、展開したら何と3600枚である…。これだけの画像を読みこませたら、少なくとも私の遅いPCでは「みょう絵」がストライキを起こすことは確実だ。

 そこで、映画の動画ファイルの中から、場面が変わるごとに一枚づつ静止画を抽出してみることにした。そうすれば、映画の中の色々な場面をそれぞれ一枚づつの画像として眺めることができる。そして、その画像を集めれば、その映画の色々な場面を一枚のノートにして見ることができるわけである。

 というわけで、作ってみたのがこのAVI2Stillsである。いつものように、テキトーに仕立て上げただけだ。下の図がAVI2Stillsの動作画面である。ちなみに、この画面中で、TrigerLebelは場面変化を検出する感度を示すパラメータで、多分60位が適当だと思う。そして、SkipFrameは動画ファイルの中を何フレーム毎に調べていくかを示すパラメータである。展開スピードが気にならなければ1でも構わない。

AVI2Stillsの動作画面

 このソフトができたところで、試しに - ロケット制作に憧れる少年達を描いた「遠い空の向こうに」"OctoberSky"( = 原作 "Rocket Boys"のアナグラム) - の中の各場面を抽出してみたのが下のスクラップである。予告編の中の各シーンが絵コンテのように抽出され、並べられていることが判ると思う。
 

October Sky ( 遠い空の向こうに )

 こんな風に自分の好きな映画の場面を全部テキトーに抽出して、あとは「みょう絵」で眺めてみれば、その映画の世界を三次元的に散歩できるのである。というわけで、北村薫原作の映画「ターン」の予告編の世界を「みょう絵」で眺めてみたのが下の図である。
 

「みょう絵」で眺める「ターン」の世界

 静止画では判りにくいけれど、立体的に配置された「映画空間」の中を散策してみるのは、やはりちょっと面白い。これで、欲を言えば各場面に近づくとその場面で流れていた音楽やセリフが聞こえてきたら、面白いと思う。それは、ムソルグスキーの「展覧会の絵」のようで気持ちが良いはずだ。そして、そうすれば気持ちが良いだけではなくて、今の「みょう絵」に足りない「画像だけではない何かをも眺めること」ができるわけだ。
 

 またせっかくだから、「みょう絵」で眺めて終わりにするのも少しもったいないので、以前作った写真アルバム風のスクリーンセーバー"FilmStrip99"(手元のWindows2000では手直しが必要みたいだが…)で、白黒写真のコンタクトフィルム風のスクリーンセーバーを動かしてみた。それが下の画像である。映画のフィルムでなくて、写真のフィルム風だというところはご愛敬で許して欲しい。ちなみに、下の一連の画像は"SomeoneLike You"「恋する遺伝子」の予告編から変換したものである。

 こんな風に自分の好きな映画の予告編などを使って自分用のスクリーンセーバーを作ってみるのも面白いと思う。今なら、たくさんの映画の予告編にオンラインでアクセスできるし、その予告編の動画ファイルがもしmov形式ならmov2aviを使って、それがもしrealvideo形式ならTinraを使えば、AVIファイルに変換できる。そして、今回のAVI2Stillsを使えば良いだけなのである。
 

Someone Like You ( 恋する遺伝子 )

 ところで、こんな切り取った映画のフィルムを繋いだ一連のシーンといえば、ニューシネマパラダイスのラストシーンを思い出す。アルフレードの遺品、「主人公が覗き見ていた一連の場面」を繋いだシーンのフィルム、に主人公が涙したように、かつて少年少女だった映画大好きの人達がそれぞれ自分用のそんなスクラップフィルムを作ってみるのも面白いかも、と思う。そして、ふと思うことがあった時に眺めてみるのも、趣があるかも。



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