2009-07-20[n年前へ]
■画像処理で「ボケ」を生成するコンパクトデジカメ
富士フイルムが画像処理で「ボケ」を生成するコンパクトデジカメ「FinePix F70EXR」を発表した(FinePix FX-F70EXR S とFX-F70EXR GM )。
また、新たに「ぼかしコントロール」機能を搭載したのも特徴。同機能では、1回のシャッターでピント位置を変えて自動連写することで、カメラが自動で主要被写体と背景を判断。カメラ内で主要被写体と背景の画像を別々に処理し、背景のぼかしを強調した画像を生成する。
焦点深度を変えた複数画像から、あるいは、今回の富士フィルムの製品のように焦点位置を変えた複数画像から、レンズのボケを人工的に生成するカメラはいつか出てくるだろうと思っていたが、そんなカメラがようやく市場に登場した。
光学系というハードウェアと画像処理アルゴリズムというソフトウェアをどのように使うかという配分を考えた時、光学系を形造る材料・製造のコストと画像処理を行うためのさまざまなコストを天秤に載せてみれば、こんな「画像処理で「ボケ」を生成するコンパクトデジカメ」の誕生は必然だと思う。小さくて・軽くて・安いカメラで、そこそこの画質でよくて、なおかつ綺麗で楽しい画像を実現することを考えれば、「ボケ」は画像処理で生成するのが一番だと思う。
「ボケ」を画像処理で生成するのであれば、たとえば、右の画像のような縦と横に虹色に輝くクロス・フィルター的なボケにしたり、あるいは、円形のボケにしたり・六角形のレンズの絞り形状風のボケにしたり・・・と自由自在に写真を撮ることができる。つまり、カメラのサイズは小さく薄いままで、自由自在に「レンズ」を変えることができる。そんなカメラが嬉しいことにようやく登場した。
「小さく・薄い」のに、自由自在に「レンズ」「フィルター」を変えることができるカメラが、これをきっかけに、たくさん出てくると良いなと思う。
2009-08-22[n年前へ]
■読めばワクワク楽しくなる「詳解 OpenCV」
オライリージャパンから「詳解 OpenCV 」を献本して頂いたので、リュックに入れて、持ち歩きつつ読んでいます。画像処理プログラミングをする際にOpenCVを使うことも多い私ですが、この本はとても面白く感じます。私よりOpenCVを使ったことがない人でも、端的に言えば、OpenCVを知らない人でも、この本を読めば「あぁ、こんな面白そうなことが実は簡単にできるのか」と思えてくるだろうと思います。
たとえば、「ナンシー"小"関 風 パッチもん版画」作成ソフトはOpenCVを使っているおかげで、全部でも実質2~30行程度のプログラムだったと思います。そのくらい、OpenCVは簡単に色々なことをすることができます。それは、とてもエキサイティングです。
つまり、この本は読んでいると思わずワクワクする本です。そして、何かを作りたくなり・実際にそれを作り上げることができる本です。全部で611頁の中に、さまざまな画像処理技術の紹介・そして、そのOpenCVを使った実装方法の具体例が詰まっていて、もちろんサンプル・コードをダウンロードすることもできます。
本文だけでは、「プログラム全体」をどう書くかという点について、(最初は)少しとまどってしまうかもしれませんが、それはサンプル・コードを見れば解決するだろうと思います。少なくとも、OpenCVを使ったことがない人から、OpenCVを使っている人(けれど使ったことがない機能があるという、つまりすべての人)を、この本は対象にしているように思えます。ひとことで書けば、間口が広く、そして奥行きの深い本に思えます。
この本の欠点は、リュックに入れていつも持ち歩くには少々重いということくらいです。もちろん、そんな読者はそうそういないはずなので、結局のところ、とても良い本だな、とリュックの重みとともに感じています。
2009-08-25[n年前へ]
■”消しゴム版画風”画像作成ソフトの”mixiアプリ”「人生スタンプ」公開
数日前、読めばワクワク楽しくなる「詳解 OpenCV」で、こんなことを書きました。
たとえば、「ナンシー"小"関 風 パッチもん版画」作成ソフトはOpenCVを使っているおかげで、全部でも実質2~30行程度のプログラムだったと思います。
その「ナンシー"小"関 風 パッチもん版画」作成ソフトのソース・コードを元にしたmixiアプリ、「人生スタンプ」が、今日公開されました。
マイブームをスタンプラリーにして共有するmixiアプリです。自分だけのこだわり、ローカルなネタで撮った写真を、 スタンプ風に加工し自分だけのオリジナルスタンプ帳がつくれます。写真を撮ってきてアップするだけでゆるいコミュニケーションができます。コミュニケーションだけでなく収集欲、自慢欲を満たします。
かわいいスタンプ風の画像加工には下記のアルゴリズムを利用しています。『「ナンシー”小”関 風 パッチもん版画」作成ソフト』
ところで、もう「ナンシー”小”関 風 パッチもん版画」という名称を、もう書くこともないし・使うこともないと私は思います(一時の感情で、コードを書き・そして名前を付けてしまったように思います)。
だから、これからは違う名前として書くのなら、たとえば(この適当に仕立てた)「”消しゴム版画風”画像作成ソフト」のソースを、今回のmixiアプリのように、何か前向きな使い方をしたり・有意義に使って頂けるのなら、心から嬉しく思います。
■Excel2007で学ぶ画像処理の基礎
前回、Excel2007で画像表示ではエクセル2007を使って、セルに画像の画素を割り当てて、画像を表示する方法を紹介しました。
今回は、このファイルを応用して画像処理をエクセルで試せるようにしてみました。