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2013-09-13[n年前へ]

高粘度液体中の空気泡は「インクジェットプリンタのインク滴挙動」と同じです!?  share on Tumblr 

 「バブルジェットなディスプレイ」を作ってみよう!?と考えて、アクリルパイプに高粘度オイルを入れて空気泡を原始的メカ制御で作り出しながら粘度が高い液体の中を動いていく泡の動きを見て、こんなことを考えました。

 アクリルパイプに入れた高粘度液体は、空気を基準にすると、粘度が千倍高く・密度も千倍です。ということは、粘度を密度で割った動粘度はほぼ同じ…ということです。 レイノルズ数=速度×空間スケール/動粘度 が同じ条件下の流体の動きはぼほ同じになりますから、動粘度が同じであれば、「速度×空間スケール」が同じであれば流体挙動は同じようなさまになります。

 アクリルパイプ中の空気泡は直径が1cm程度で移動速度が秒速1cm程度です。すると、速度×空間スケールは1×10^-4 m/sくらいになります。そして、コンピュータショップの棚に並び売られているインクジェットプリンタは、インクを空気中に飛ばして紙に吹き付けていますが、そのインク滴の大きさは1ミリメートルの100分の1の10μmほどで、飛翔速度は秒速10m程度です。つまり、速度×空間スケールは、これもやはり1×10^-4 m/sくらいになるので、つまりは今回作成してみた高粘度液体中の空気泡と同じ動きを示すことになります。

 1ミリメートルの100分の1の世界(けれど速さは秒速10メートルの世界)を、1センチメートルくらいの世界(速さは秒速たった1センチメートルの世界)から知ることができる・同じさまで動くというのは、ちょっと面白いです。

高粘度液体中の空気泡は「インクジェットプリンタのインク滴挙動」と同じです!?






2014-01-08[n年前へ]

「ギネスビールの下に沈む泡」をOpenFOAMで計算してみよう!?  share on Tumblr 

  ビールをグラスに注ぐと、「グラスの中の泡は上に浮かび上がっていく」のが普通に思えます。けれど、たとえば、ギネスビールをグラスに注ぐと、グラス中で泡が下へ下へと沈んでいくさま(ギネス・カスケード)を見ることができますし、実はギネス以外のビールや水ですら、そんな「下に沈んでいく泡」を見ることができます(参考:ギネスビール風「下に沈む泡」を作るコツ)。

 ビールを心から愛してる知人が、フリーのシミュレーションソフトウェア(開発プラットフォーム)であるOpenFOAMを使って、「ギネスビールの下に沈む泡」 を(正月休みの自由研究として)シミュレーション計算していました。非圧縮流体ソルバとDEMのソルバを組み合わせた連成解析ソルバを、(使いたてなので)かなりの試行錯誤=時間を費やして、けれど「たった8行のC++コード」で書いて5分のCPUタイムを使って計算されていました。

 計算はグラスの断面右半分です。白い球は直径60μm(1mmの100分の6)の泡、ビールの粘度を10cP(水の10倍)としてみました。グラス中央では泡は浮力によって上向きに移動しますが、ガラス面では下向きに移動しています。ギネスは真っ黒で中央の泡の動きがみえないため、人間の目には泡が下向きに移動しているように見えます。



 以前、「ギネスビール風「下に沈む泡」を作るコツ」で紹介した、シミュレーションソフト FLUENT を使った「ギネスビールの泡は上がるか下がるか ?」では、「ギネスビールの下に沈む泡」の秘密をシミュレーション解析で解き明かしつつ、こんな風に書いています。

 古来, 人類は不可解な自然現象 に悩まされてきました. 由緒ある黒 ビール 「ギネス」 の泡がグラスの中 で下降しているように見えるのはな ぜだろう ? この現象は泡の物理的特 性に反するのでは ? ―― この単純 な疑問は, 何世紀もの間, 哲学者 や理論家達の論議の的となりながら も, 答えはみつからないままでした. しかし,数値流体力学 (CFD) により, 絶対的で信頼できる答えが導き出さ れました. 泡は上昇すると同時に下降していたのです.

 こんなカッコ良すぎる「いいセリフ」に書かれているような「何世紀もの謎を解き明かす作業」を、自分の意志で自由に使うことができる時間や道具の範囲で、つまりは「自由研究」でできる…って凄くいいな!と思います。

2015-02-07[n年前へ]

ギネスビールの泡特徴は、二酸化炭素でなく窒素封入だからこそ(あと粘度の高さ)という話  share on Tumblr 

 普通の高圧下でビールに二酸化炭素を溶け込ませるけれど、ギネスビールは窒素を封入する。で、二酸化炭素を溶はビールにたくさん溶け込むけれど、窒素はあんまり溶け込まない。

 その結果、二酸化炭素の泡が生まれる普通のビールでは、泡が上昇するに従いビール中に多量に含まれている二酸化炭素が(ビールから)泡中に溶け出して、泡粒径は大きく・泡上昇速度は速くなる。

 その一方、窒素が溶け込んだギネスビールでは、泡は上昇中にさほど大きくなることもなく、上昇速度もほぼ一定になる。ビール自体の粘度も高いため、この傾向はさらに顕著になる。

 そんなこんなのことを(ビール大好きな)知人がOpenFOAMで計算したシミュレーション結果が、下の動画です。左下が普通のドラフトビールで(違ったかも)、右下がギネスビール(泡がグラスの周辺部で下降するギネスカスケードが生じている)。

2017-03-19[n年前へ]

天下一品がもしも太麺だったら…(汁の粘度的に)女性人気が低いラーメン店になっていたに違いない!?  share on Tumblr 

 天下一品の麺は、ドロドロの粘度高いスープにストレートな細麺が使っている。今日は、もしも天下一品が太麺だったらづなるか!?を考えてみた。

 天下一品の高粘度なスープは、一般的な醤油ラーメンに対して2桁程度は粘度が高く、おそらく10の3乗センチポワズくらいだと思う。ということは、箸で持ち上げられた麺に絡んだ天下一品のスープは、さらさら低粘度な醤油ラーメンと比べて2桁程度も強く重力に逆らう抵抗力を受ける…ということになる。

 麺に絡んだスープが、重力に対抗するより強い力を受けるということは、つまり、重力に逆らいつつ高い場所まで持ち上げられてしまうということである。そして、もしも、麺からスープが落ちることがあれば、高い場所から落ちたスープ滴が大きな運動エネルギーをスープ液面に叩きつけるということであり、悲惨な飛散を生じさせること間違いない。この「高いところから汁が滴ることによる飛散」は、粘度が高い麺類が持つ宿命である。高粘度スープを誇る天下一品は、そんな運命を持つ。

 ところで、麺類から落ちる汁というものは、たいてい麺の先端から滴ると相場が決まっている。その理由は単純で、「表面積を最小にしたがる」スープの表面張力により、曲率が大きな箇所からしかスープは滴り落ちないからだ。そして「表面積を最小にしたがる」ということから、(体積と表面積で連立方程式を組めばわかるように)円筒形状に沿って吐出される液体は、円筒形状の半径をRとすると半径3/2 Rの球状になって滴り落ちることになる。つまり、麺に沿って(麺の端部から)滴り落ちるスープは、麺の太さに比例する大きさで下に落下していく…ということになる。つまり、粘度が高く・麺の径が太い食物は、「高い場所から・大きな液滴を落とすので、悲劇的な飛散を引き起こす」ということである。

 天下一品の場合は、スープの粘度は高いがその麺は細い。それはつまり(麺形状の効果はとりあえず無視すれば)天下一品ラーメンは、高いところからスープ液滴が落ちやすいけれど(麺の太さにしたがって)液滴径が小さいがゆえに、まだスープ飛散はマシなはず…ということになる。

 というわけで、天下一品がもしも太麺だったら、汁の粘度的にスープ液滴が飛散することよる汚れを気にしがちな女性には、人気が低いラーメン店になっていたに違いない。とはいえ、天下一品ラーメンの麺が細いからといって、女性人気が低くないかどうかは…よくわからないのだけれど…。

天下一品がもしも太麺だったら…(汁の粘度的に)女子人気が低かったに違いない!?天下一品がもしも太麺だったら…(汁の粘度的に)女子人気が低かったに違いない!?








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