2009-01-20[n年前へ]
■人は「まとまり(ゲシュタルト)」を見たがる
人は「まとまり(ゲシュタルト)」を見たがり、ゲシュタルトは他の見方を阻む。これが人の視野を狭めるのだろう。では、なぜ人はゲシュタルトを見るのか?
情報処理 Vol.50 No.1 Jan 2009 p.88, 池田文人・田中秀樹
2010-09-11[n年前へ]
■「科学的に物を見る目」と「広い視野」
講談社文庫を読むときは、いつも、巻末にある野間省一による「刊行の辞」を読み返します。なぜかと言えば、そのアジテーションにひどく心を揺り動かされるからです。
講談社と言えばブルーバックスという理科趣味人も多いかもしれません。ブルーバックスと言えば、「サイエンス風味(っぽさ)がトッピングされた娯楽(エンターテイメント)本」です。いわば、今の科学新書ブームのさきがけです。そのブルーバックスの巻末、「発刊のことば」には「科学をあなたのポケットに」と題して、こんなやはり野間省一による言葉が掲げられています。
二十世紀最大の特色は、それが科学時代であるということです。科学は日に日に進歩を続け、止まるところを知りません。一昔前の夢物語もどんどん現実化しており、今やわれわれの生活すべてが、科学によってゆり動かされているといっても過言ではないでしょう。
そのような背景を考えれば、学者や学生はもちろん、産業人も、セールスマンも、ジャーナリストも、家庭の主婦も、みんなが科学を知らなれば、時代の流れに逆らうことになるでしょう。
ブルーバックス発刊の意義と必然性はそこにあります。このシリーズは、読む人に科学的にものを考える習慣と、科学的に物を見る目を養っていただくことを最大の目標にしています。そのためには、単に原理や法則の解説に終始するのではなくて、政治や経済など、社会科学や人文科学などにも関連させて、広い視野から問題を追及していきます。
この1963年9月に書かれた文字、50年近く前に書かれた宣言を読む時、学者や学生はもちろん、産業人も、セールスマンも、ジャーナリストも、家庭の主婦も…、心の琴線に何かが触れるように感じる人も多いのではないでしょうか。
2011-01-28[n年前へ]
■「磨く技術」と「広い視野」
「32年、240人の卒業生を見送った金八先生が定年を迎える」といいます。それぞれの世代ごとに違う「金八先生」像もありそうですが、今でも台詞を思い返すことがあるのは、第2シリーズ、つまり、「腐ったミカンの方程式」のシリーズです。それは、たとえば、当時の高収入ランキングを黒板に張り「上位は鳶職・建築関係など(学歴でなく)技術が必要な職業ばかりです」と語るこんな台詞です。
周りの風潮に惑わされることなく、みんなは自分のやりたいことをしっかり見つけなさい。(中略)ただし言っておくけどもね、そこにはしっかりとした技術を身につけていなければ生き残れないという掟、厳しい掟があることもどうぞ忘れないでください。(中略)自分の技術は自分で一生懸命磨いていく。(中略)そしてもうひとつ。狭い視野で物事をとらえないということ。
その時、授業を受けていた”腐ったミカン”と呼ばれていた加藤優(直江喜一)が、その後、建築技術者という天職を見つけたことも、少しできすぎていますが、とても自然な流れにも思えます。
各”金八”世代なら、記憶の中に色んな「金八語録 」を抱えていそうです。金八先生の言葉をふと思い返した、技術を磨き・広い視野を手に入れたいと考えます。
2013-06-21[n年前へ]
■「ハッカーに立ち向かうための方法」という名の「ハッカーになる方法」
「暗号解読戦争 」から。本書中の「ハッカー」「クラッカー」という言葉については意見が分かれそうだけれど(本書中ではハッカー=クラッカーなので)、けれど、とても心に残った一節が下記。「ハッカーに立ち向かうための方法」として書かれている、こんな言葉。
ハッキングというのは強烈な体験であるが、今日思い立って明日経験できるといったお手軽なものではない。ある種の献身的かつ集中的な努力といったことが必要である。真のハッカーには長い年月をかけてコンピュータに関する全てを知り尽くす努力が必要であって、彼らは文字通り寝食を忘れてそれに没頭する。失敗を重ねても決して怯むことのない強靱な身体的、精神的スタミナの持ち主である。(中略)失敗に学び、慎重さを身につけ、そしてテクニックを完成させていくのである。(中略)格好がよいから, ちょっと手を出してみようかというのは、本当の意味でのハッカーではない。
このような相手に立ち向かうにはどうすれば良いかということが重要な問題であるが、シュオタウ氏の『サイバーショック』(Cybershock)は次のような指針を示している。
- 視野を広くして考えること
- 古い方法に執着しないこと
- 先入観を持たないこと
- とにかく実行すること。上手く行かなかったら、別の方法を試してみること。
- 我々の直面している唯一不変の事柄は、変化ということである。