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2009-10-28[n年前へ]

「引っ越し」と「宅急便で配達される送付物」 

 昨今、「宅急便で配達される送付物」が一般的になりました。郵便局が取り扱うのではなく、宅急便会社が送付する小冊子や通知物などが増えています。競争原理のおかげで、配達料金を抑えることができるのは便利ですが、その一方で、引っ越しなどを行うと結構大変なことになります。郵便局に住所変更の届けを出しても、もちろん宅急便会社のデータベースには反映されません。宅急便会社に住所変更(転送手続き)をすれば…といっても、宅急便会社もたくさんありますし、調べた限りでは、会社によっては「転送」という仕組み自体がないところもあるようです。

 先日書いた、無料の「ネット記事」を読むなら、無料の「GRAPHICATION」も読みませんか?GRAPHICATIONも、宅急便経由で送付される雑誌です。この雑誌を私に紹介し勧めてくれた人と話していると、「最近、GRAPHICATIONが送られてこない」と言うのです。その人は、一年ほど前に引っ越したのですが、WEB上からできる届け先変更をしていなかったわけです。

 さて、雑誌GRAPHICATIONの良さを、何年も前から繰り返し書いてきましたから、GRAPHICATIONの無料定期購読の申し込みをすでにされて、読んでいるという方も多いかと思います。
 もしも、購読をし始めてから引っ越しをされた方、あるいは、引っ越しをされる方がいらっしゃれば、ぜひWEB上からできる届け先変更をしておきましょう。あの良い雑誌を読めなくなってしまうのは、損以外の何物でもありませんから。

 それにしても、さまざまな企業が「配達」ということを取り扱うようになると、コストというメリットがあると同時に、もちろんデメリットも生じます。今回のような「引っ越し」と「宅急便で配達される送付物」に対しては、どのような解が最適なのでしょう。あなたが思う「解答」はどんなものでしょうか?

2010-03-31[n年前へ]

今日の平準化された世界では・・・。 

 無料で購読できる、最上級のグラフ誌GRAPHICATION No.167 中の昼間 賢 『世界史に取り残された「地方語」の輝き』から

 今日の平準化された世界では、正の特徴があれば無論のこと、負の特徴でも、ないよりはいいのだろう。それを逆に用いれば、うまくいくこともある。
 大事なことは、プラス(マイナス)アルファを持つことだ。二つの眼球が一つの目であるように、物事の認識には二つ以上の視点が必要である。
「本当の自由は、脇ですることにあるんだ」と語るダニエル・ロッドー。中心が消えた今日の世界では、自分の特徴を、他者との関係において、いかに行使するかに自由が介在する。ただ一つ手放してはならないもの、それは実感だ。

2010-09-08[n年前へ]

「島の時間」と「数字を忘れろ」 

 GRAPHICATION(グラフィケーション) 2010 no.170 通巻359号 特集「島へ」から。

 「お仕事は一日何時間ほど続けますか?」
つい、おろかな質問をした。
 老人は丁寧に答えてくれた。「さあ、日が暮れるまでですよ。疲れたら休んで、またやって、なにも義務づけられたもんでもないし、もう疲れたなと思ったら放っておいて」
 (中略)
 たとえば、竹富島で会った老人に、私はたびたび「時間」のことを尋ねた。働くのは何時間か、何時に起きるのかとか。おりかな質問だ。聞きながら「数字を忘れろ」と自分を責めていた。

辰濃和男 「島の時間」

 「グラフィケーション」は、無料で定期購読できるのに最高の内容が詰まったグラフ誌です。もしも、まだ読んだことがない人がいたら、このグラフ誌の「時間」が来る前に、読んでみることを強くお勧めします。

 島を単純に見れば、その外見からとかく孤立し、離れ、隔絶した存在と考えられがちですが、逆に海からの視点で見れば、世界中の港に“つながる”開かれた場所とも言うことができます。人が島に魅せられる理由はさまざまですが、大まかに言えば、豊かな自然と島に流れる独特の時間にあると言っていいでしょう。夏休みには少し遅い特集ですが、人と人、人と自然が間近に向き合う島の魅力について考えてみました。

『島へ』
2010年度のテーマ “つながり”を求めて

 高度に発達したIT、さまざまな技術や大量・高速の輸送手段などによって、人と人、人と社会のつながりが昔に比べより深まり、信頼や絆が強まったと言えるのでしょうか。便利な道具やサービスが仲介することで交流範囲はかつてない広がりを見る一方、人と人の濃密な係わり合いはむしろ希釈化されているかもしれません。昨年の「新しい関係の哲学」に続き、"つながり"をテーマに身近な日常の光と影を追います。

2010-11-13[n年前へ]

「わかりやすいことには、どこかに必ず嘘が含まれている」 

 無料で読むことができる(この雑誌を読まないのは一生の損です)、けれど屈指のグラフ雑誌である、グラフィケーション GRAPHICATION 2010 No.171 特集「師弟関係」中の、玄田有史「師を語る - 石川経夫が生きていたら」から。

 石川がなくなった後、世間で重視されるのは「わかりやすさ」ばかりになった。なんでも「わかりやすい」が一番。
 しかし、わかりやすいことには、どこかに必ず嘘が含まれている。

 「ワークマンシップ」という言葉を知った頃、玄田有史先生は石川経夫からワークマンシップを受け継いだのではないか、という言葉を聞きました。

「師弟関係」という言葉のもとに玄田有史先生が師を語る文章を読み、あぁ確かに「玄田有史先生は石川経夫からワークマンシップを受け継いだのだな」と心から理解したのです。

2011-01-16[n年前へ]

「アジアとのつながり」と「自由と時代」 

 (フォームから登録するだけで無料で読むことができ、なおかつ、今の時代に希有なグラフ誌である)GRAPHICATION 2011 No.172 特集「アジアとのつながり」の冒頭、対談「アジアとのつき合い方(村井吉敬・吉岡忍)」から。「“つながり”を求めて」というテーマは、次の三月号が最終回

 でも、(鶴見良行のようには)いまの人は多分なれないでしょう。と言うのは、条件が当時とはすごく違っていて、ああいう形で気ままに生きていくというライフスタイルをもう誰も持てない。現在の日本は、官僚社会の極地まで来ていると思うんです。いま大学で自由な研究をみんなしているかと言うと、ほとんど誰もしていない。できない。なぜなら、今は研究をするなら外部資金を自分で取って来い、文部科学省の科学研究補助金など、よその金を取ってきて研究しろと言われる。しかし、取ってきてたら、それに縛られて書くことになる。

 そして、最終頁に書かれているGRAPHICATION 編集者の手帳から。

 いま、鶴見さんのアジアの歩き方に若い研究者たちが注目し、その学問のスタイルを受け継ごうとしているが、これがなかなか難しいと村井吉敬さんは言う。つまり、単なる手法だけでなく、時代そのものを問う作業と重なるからだ。

 冒頭の対談に戻り、なぜか、小気味良いこの一節。

村井:最近は反中国というか東アジアの国々についての論調がすごく強硬なものになっていますよね。そういう空気にある種の危機感を感じてこういう企画が出たのだろうと思って、今日は出てきたんだけど。
吉岡:この雑誌(GRAPHICATION)はそんなにナイーブじゃない(笑)。

 戦中までは「唐人街」「南京町」と呼ばれていれた横浜の中華街が名前を変えた一方、 神戸の南京町は、今でもその名前を残している。アジアのどこか、日本各地のどこかについての話が詰まった、GRAPHICATION「アジアとのつながり」を読む。



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