2010-02-01[n年前へ]
■「ウェストを素晴らしく細くする」脳内トリック (初出:2005年12月02日)
11月29日、nature.comに「ウェストを細くする脳内トリック」と題した記事が掲載されていました。科学者たちが、「ウェストが細く感じられる錯覚現象」を上手く使って、 人間の脳のどの部分が「体のサイズ」を把握しているかを調べたと、という副題がついています。本文を読んでみると、「ウェストが細く感じられる錯覚現象」が起きているときに、脳のどの領域が活発であるかをMRIで調べることで、「人間が外界や本人の - 大きさ - を脳のどの部分が処理・認識しているのか」を調べた、という研究でした。
この記事を読んでまず感じたこのは、「ウェストを細くする」なんていう錯覚があるのか!ということです。記事によれば、「ウェストを手で触っているときに、その手の腱に振動を与え刺激してやると、(手の感覚から認識する)ウェストのサイズが現実より細く感じられる」という錯覚があり、その名も(鼻が伸び縮みするピノッキオの物語から名をとった)"ピノッキオ効果"です。どうです?あなたが女でも男でも、とても興味を惹かれるのではないでしょうか?
そこで、さらに論文を読んでみました。すると、なんと最大28%もウェストが細く感じられたなんていう実験結果も書いてあります。「ウェストのサイズが28%も細く感じられる」というのが具体的にどのくらいか考えてみると、「81cm の超ポッチャリ体型」が「58cm のスーパー・モデル並み体型」に感じられた、ということになります。ビックリ仰天してしまうくらいの、恐ろしい!?錯覚です。もしも、この錯覚が悪用されたら!?なんていう想像もしたくなります。
たとえば、彼氏が彼女の腰を両手で抱きしめているとき、彼氏のその両手首に「彼女がそっと自分の手を重ねてみる」のです。そして、彼女は「驚異の高速 - 貧乏揺すり - ハンドパワー」で彼氏の手に刺激を与えるわけです。…すると、その単純な彼氏は「ピノッキオ効果」で彼女の腰が「まるで折れそうなほどに細い」と錯覚してしまう、というわけです。山の中で猛特訓でもすれば、そんな必殺技も繰り出せたりするようになるかも!?しれません。
…ところで、「ウェストが素晴らしく細くなる錯覚」があるのなら、もちろんこんな疑問が湧いてくるはずです。あなたが男性でも、あるいは女性でもきっと「バストが素晴らしく大きくなる錯覚」はないの?」と思うハズです。そんな内容については、次回の記事で書いてみることにします。
2010-02-02[n年前へ]
■"ピノッキオ効果"で「Aカップ小胸」が「Iカップ巨乳」になる!? (初出:2005年12月03日)
昨日の記事、「ウェストを素晴らしく細くする」脳内トリック で、「最大28%もウェストが細く感じられる錯覚」を紹介しました。"ピノッキオ効果"と呼ばれる、触っているものの大きさが現実と異なって感じられる錯覚の話です。そして、「ウェストが素晴らしく細くなる錯覚」があるのなら、「バストが素晴らしく大きくなる錯覚」はないの?」という 愚問 疑問が浮かんだところまで書いてみたのでした。今回はその疑問の続きです。
論文をさらに眺めてみると、「現実の場所と触っている場所のズレが生じたか」を示す実験結果が載っていました。そのグラフを眺めてみると、膨らむ方向に「おおよそ8cm程度の膨張(している錯覚)」を生じさせることもできています。もし、その膨張錯覚を上手く?胸部で生じさせることができたら、どうなるでしょうか…?
そこで、以前行った「ブラジャーのカップ形状」を研究した時の資料を眺め直してみると、(胸の)8cmの膨張というのは「80cm Aカップ」が「80cmのIカップ」になることに相当するようです…。ピノッキオはウソをついて鼻を伸ばしましたが、この効果を「小胸さん」が使えば、その胸はグングン伸びてH-IIAロケットもびっくりの「(宇宙まで飛び出しそうな)ロケットバスト」に思えてしまうのです。
以前私は、バストが飛び出す「イリュージョン・ブラ」を作ったことがあります。「カフェウォール錯視」を利用し、どんな小さなバストでさえもマルマル飛び出す巨乳に見せてしまい、小さなバストどころか真っ平らな胸でさえも、ロケットのように飛び出して立体感を感じさせてしまう、というそれはもうオソロシイ「イリュージョン・ブラ」です。そのブラジャーを見た女性たちの多くは、「水着に使うならともかく、ブラジャーだとほとんど役に立たない」という感想でした。「ブラジャーは男性相手に見せるものじゃないし、…見るシチュエーションでも、その後すぐに脱いでしまうし」というわけです。「触られたら、その膨らみがウソっこなのもわかっちゃうわけだし」と言うのです…。
しかし、今回の錯覚応用技術!?は違います。暗闇でも、胸に触ってもノープロブレムのテクニックなのです(ホントにできれば)。…さぁ、「彼氏の両手首にそっと自分の手を重ね、高速 - 貧乏揺すり - ハンドパワーで彼氏の手に刺激を与え」て、"ピノッキオ・イリュージョン"を自由自在に使いこなす特訓をしてみるのはいかがでしょう!?
2010-02-03[n年前へ]
■「磁気力」「フレミング左手の法則」で究極コンドーム (初出:2006年10月03日)
いつの時代も、「チタンネックレス」「ゲルマニウムネックレス」「マイナスイオンドライヤー」「酸素水」など、健康グッズが世の中には溢れています。色々なグッズがあると言っても、やはり「健康グッズ」の老舗中の老舗と言えば「磁気力」でしょう。
そんな「健康グッズのキング・オブ・キングとも言える磁気力」を使った「コンドーム」が特許出願されているのを見つけて(リンク先は特許電子図書館)、思わず笑ってしまいました。何しろ、要約文を読むと、「従来のコンドーム、ペッサリーなどの避妊具と違い、磁性を持たせることにより、磁気が性器組織の血行を促進し、性交行為をより円滑にしたり、避妊具の認識を改めるさせる要素を持つ発明」と書いてあるのです。
「磁気力が血行促進により肩コリをなくす」といった謳い文句はよく見かけますが、「性器組織の血行促進(によるアレのパワーアップ)」を謳っているというのには、やはり驚かされてしまいます。しかも、この特許がさらにスゴイのは「コンドーム、ペッサリーなど避妊具に磁性を持たせることにより、スチール製のモノに付着する、例えば冷蔵庫のドアに付着させて置いたりという、避妊具のイメージを改善しうる」という保管方法をも特許請求しているところです。
「冷蔵庫のドアにコンドームを貼り付けておく」…これはまさに意識改革・文化大革命です。男女の文化が大きく変わること間違いありません。
世の中にはスゴイ特許申請もあるものだなぁと感心しつつ関連特許申請を調べてみると、やっぱりあの人の特許申請もありました…。あの人と言えば、それはもちろんドクター中松です。発明の名称はズバリ「感度が向上するコンドーム(特許公開平7-136207)」、特許の請求範囲は「磁気又は電導性を一部又は全部に有する事を特徴とするコンドーム」です。こちらの特許がスゴイのは、動作機構が詳細に説明されているところです。
何と、「男性の抽送(ピストン)運動によりマグネットも抽送運動され、フレミング左手の法則により、女性性器内血管が発電し、その電流は女性のみならず導電性コンドームにより男性側にも流れ脳神経に達し、ベータードパーミンを脳内に発生させ、男女共に性感度が著しく増大する」と記述されているのです。まさか、高校生の頃に習った(磁界と電流と力の向きを示す)フレミングの左手の法則が、「男性のピストン運動(の起電力)」や「女性内部の血管での発電」に繋がっているとは思いもしませんでした。…ドクター中松の妄想発想力には本当に驚かされます。しかも、それが導電性コンドームにより男性の脳神経に達するメカニズムまでも解明しようとするところが、恐るべし…ドクター中松です。
今回の2件の特許申請、「効果を信じる・信じない」はさておいて、その発想力・行動力は見習いたいものだ…とふと思います。繰り返しになりますが、「効果を信じる・信じない」はさておいて。
2010-02-04[n年前へ]
■ミロのヴィーナスは「小胸さん」だった…!? (初出:2006年10月01日)
「迷宮美術館 第2集 」という本を読んでいると、面白い話が書いてありました。それは、「ミロのヴィーナスのプロポーションを測り、日本人女性の平均身長に換算してみると、Bカップになる」という話です。実は、「小さなバスト・くびれのないウェスト・大きなヒップ」だった…というのです。「豊潤」というイメージのあるミロのヴィーナスの体型が実はBカップ相当だった、というのは意外で面白い話です。
面白かったあまり、本に記載されていた数値といくつかの資料をあたって、色々な身長の場合に換算した「ミロのヴィーナスのトップバスト・アンダーバスト・ウェスト・ヒップ・ブラジャーのカップ(参照:オッパイ星人のJIS規格)」を作ってみました。つまり、「もしも、ミロのヴィーナスの身長が○×cmだったら、どんなプロポーションになるか?」というデータを作ってみました。自分と比べてみたり、グラビア・アイドルと比べてみたり…ということができるわけです。
たとえば、身長145cmの人だったら、「究極の美」を体現しているミロのヴィーナスのデータ「86Bカップでウェストが69cmでヒップは92cm」と勝負してみると面白いかも、というわけです。
ところで、グラフ自体は身長175cmまでの場合を示しましたが、ミロのヴィーナスの実際の身長と同じ204cmの場合でも…ブラジャーのカップはCだったりします。やはり、かなりの「小胸さん」です。ちなみに、ミロのヴィーナスが「小胸さん」だった理由として、「ブラジャーというものがなかった当時は、大きな胸は形が崩れてしまうから」と書いてありました。ブラジャーがある現在に、ミロのヴィーナスを作り直したら、どんなプロポーションになるのでしょうか…?
2010-02-05[n年前へ]
■「追跡コードの記事」と「紙幣偽造の現場」 (初出:2005年10月26日)
先週、「Xeroxプリンタに追跡コード」という記事を見かけた。「紙幣や証券の偽造」などの防止のために埋め込まれている追跡用コードの記事である。
複写機やプリンタには、偽造紙幣などを防止するための技術が導入されている。偽造紙幣防止技術についての詳細は、公にはされていないが、そういった機能があることは、よく知られている。
一昨年のNIP(Non-Impact Printing)というプリンタ技術に関する会議で「紙幣偽造犯の姿」に迫った報告があった。リンク先の画像は
- 「偽札作りの犯人の年齢分布」
- 「犯人が偽札作りを行った場所」
- 「偽札作りの道具」
を示している。
年齢で言うと、一番若い偽造犯は八歳(!?)である。これには、少し驚くかもしれない。また、「偽造の現場」は「住居」が最も多いが、「職場や学校はたまた図書館で偽造する偽造犯も多い」「アメリカとカナダでは、お隣同士でも偽造する技術手法が異なる」とか色々面白い話もある。
偽造防止技術それ自体は公開されることは少ないが、関連情報は学会などで知ることができる。興味がある人はその辺りから追いかけてみると、偽造犯と偽造防止技術の攻防などが見えてきて面白いと思う。