2012-04-25[n年前へ]
■割れたiPhoneディスプレイに「セルラ・オートマトンの芸術」を見る!?
街中で、iPhone4を落とした。左手をスルリと抜けだし、クルリクルリと回転しつつ、iPhone4は空中にダイブした。無重力状態を十分堪能した後、iPhoneはコンクリートの上に見事に画面を這いつくばらせるように着地して、ガラスが割れた。
その割れ目を眺めてみると、これが雪崩や砂の割れ目実験結果のようで、何というか実に美しい。直線的に伸びる亀裂の途中から、新たな亀裂が伸びていく。その亀裂は、綺麗に二等辺三角形を描き、全体として絶妙なピラミッド模様を形作っている。…セルラ・オートマトンが描き出す「進展模様」をも連想させ、科学美術館のようで、これは実に美しい。
iPhoneが、コンクリートの上にぶつかった瞬間、一体、どんな応力が生じ、どんな破壊の進展があったのだろうか?
2012-05-10[n年前へ]
■日経BP『iPhone/iPadには”見えないデザイン”が込められてる』記事がホントかどうか検証してみた(エミュレータ編)
特許文献を根拠として書かれている『iPhone/iPadに込められた「見えないデザイン」』(日経BPネット)という記事を読みました。こうした「特許を根拠に書かれた」記事の真偽はとても怪しい(間違っていることの方が多い)と思っています。
まず、特許(出願)書面に書かれたことは「そこに書いてあることが正しい」とは限りません。 たとえば、わかりやすいあたりで、特許公開平7-136207「感度が向上するコンドーム」を眺めてみることにしましょう。 発明者はドクター中松、発明の名称は「感度が向上するコンドーム」です。
「男性の抽送(ピストン)運動によりマグネットも抽送運動され、フレミング左手の法則により、女性性器内血管が発電し、その電流は女性のみならず導電性コンドームにより男性側にも流れ脳神経に達し、ベータードパーミンを脳内に発生させ、男女共に性感度が著しく増大する」フレミングもファラデーもビックリなこの超技術、特許出願書面に書かれているけれど「内容は(何だか)正しくなさそうだ」と思わざるを得ないのではないでしょうか。…もちろんドクター中松の例は「極端な例」ですが、特許(出願)書面に書かれていることは、別に正しいこととは限らないのです。
さらに、その特許に書かれた技術が、実際に使われている・使われるとは限りません。 特許出願はしても「特許に記載された内容を製品には使っていない」ということの方が、実はずっと多いのです。
つまり、何か「ひとつの特許」を引っ張り出してきても、それは「こんな技術が使われている!」とか「こんな技術が近日登場する!」といった根拠にはならないのです。
さて、『iPhone/iPadに込められた「見えないデザイン」』は、米国特許7844914を根拠に「iPhoneやiPadのタッチパネル上の文字入力では、キー検知領域は六角形になっている(ようだ)」と主張します。
この場合、アップルは画面上に表示される「見せかけ」のキーボードとは別に、実際の入力のための別のキーボードを用意しているようだ。上記特許の場合、図Cが画面上の「見せかけ」のボタンは四角いが、実際のタッチセンサー上に配列されているボタンの配列や境界線は図Dのような6角形になっている。これならば指で触れるポイントが実際に狙っている位置から下ぶれしても、ある程度のミスを防げるというわけだ。しかし、実際にスタイラスを使いiPhoneのソフトキーボードを使ってみた感覚では、キーを判別するための領域分割は日経BPの記事のようにはなっていないように思われました。 (この”感覚”というものが、実にあてにならない、先入観や勘違いが入りやすいものなんですけど、ね)
「いずれ、XYステージにスタイラスをとりつけて、実際にiPhone(もしくはiPad)のキー領域分割を調べてみることにしよう」と考えつつ、今日は「Apple 謹製 iOS Emuator 上で、iOSのUIKitが提供するソフトキーボードのキー領域分割状況を調べてみる」ことにしました。 Apple純正とはいえ、実機とシミュレータは完全に同じ動作をするわけではありませんが、「iOS emulator上ですら入力領域の分割が6角形になっていたとしたら、”特許に記載された内容が実際に使われている”と判断して(日経BP記事を信用しても)良いだろう」と考えたのです。
確認手順はとっても簡単、iOS emulator 上で画面をしらみつぶしにクリックさせ、iOS上で入力されたキーをXY座標上に配置するPostScriptコードを吐かせ、そして(ソフトキーボードを表示している)iPhone画面上に重ねてみた、というだけです。(作成した小物ツールはgituhubに置いてあります)
その結果、つまりiOS Emulator上でのキー領域分割状況、が下に貼り付けた画像です。 少なくとも、iOSエミュレータ上では、いたって普通の「矩形」分割がなされていました。
さて、実機で検証したら、UIKitの「キー領域分割状況」は一体どのようになっているのでしょう?・・・果たして、日経BP(日経デザイン)が書く『iPhone/iPadに込められている「見えないデザイン」』は実在するものなのでしょうか。それとも、記事中に登場する「見えないデザイン」は、「見えないもの」を(こうあって欲しいという)”思い込みパワー”が勝手に作り出した幻想なのでしょうか?
2012-05-23[n年前へ]
■ジャストシステム「スマート名刺 for iPhone」から(とその逆)の名刺データ移行
名刺管理をしようと、ジャストシステムの「スマート名刺 for iPhone」を使ってみました。「おぉ、これは使いやすそうだ!」と感じたのは良いですが、…なんということか、このソフトを使うためには、(Windows専用の名刺管理ソフト)「スマート名刺管理([高速カラースキャナセット)」(希望小売価格:18,800円ナリ)を買わないといけない、ということに気づきました。
名刺をiPhoneで撮影するだけで、名刺をOCR認識することができたり、認識した内容を「Googleコンタクト」と連係させたりすることができるのはとても便利なのですが、そのソフトを使うために「使わないハードウェアやWindowsソフトを買う」というのは不便な気がします。
しかし、ジャストシステム「スマート名刺 for iPhone」を試用して、すでに30枚あまりの名刺を撮影&格納してしまっているのに、そのソフトを使い続けることもできない&データ移行もできない…となると、「あの名刺撮影時間は何だったのか…」と頭を抱えたくなります。
そこで、この「スマート名刺 for iPhone」の中身を調べてみると、このソフトは(名刺管理ソフトの定番である)「World Card mobile」のOEM 品だということがわかりました。…そこで、iPhoneにインストールされたアプリケーション・ディレクトリを覗いてみると、「スマート名刺 for iPhone」の名刺データは、「World Card mobile」の名刺データと全く同じ形式(フィールド)の(SQLiteの形式である)dbファイルとなっています。
というわけで、iPhoneの「スマート名刺 for iPhone」ディレクトリを(iPhoneの中にあるファイルを操作することができるiExplorerなどで)開き、その中にある”Library”ディレクトリの"wcm-card.db"は"wcm*.jpg"をすべて「World Card Mobile」のLibraryに移動すると、そしてアプリケーションを起動し直すと、ジャストシステム「スマート名刺 for iPhone」から「World Card Mobile」へと、そのままデータを移行することができました。
ちなみに、この逆のファイルコピーを行えば、「World Card Mobile」から「(ジャストシステム)スマート名刺 for iPhone」へのデータ移行もすることができます。つまり、「World Card Mobile」のデータをGoogle コンタクトへ移行したいと思うなら、「World Card Mobile」のLibraryディレクトリにある"wcm*"ファイルを、「(ジャストシステム)スマート名刺 for iPhone」のLibraryディレクトリにコピーすれば良い、というわけです。
2012-06-27[n年前へ]
■iPhoneのカメラシャッターを外部から切る
iPhone のカメラシャッターを外部から切るには、有線ならイヤホン端子を、無線ならBluetoothを利用します。どちらも、音量+の操作をすると、標準カメラアプリはシャッターが切れるのを利用します。
有線なら、マイク端子とGND間を短絡すると、音量+になります。
2012-07-01[n年前へ]
■iPhone 4を「赤外線カメラ」にする「裏」技テクニック
「赤外線だけを通すフィルタ」をカメラのレンズの前に取り付けると、「赤外線だけで眺めた風景」を撮影することができます。私たちが見ることができる可視光の世界と、赤外線で見る世界は全然違うので、「(赤外線だけを撮影した)赤外写真」が好きな人は多いようです。
iPhone 4のカメラは、赤外線を撮影することができません。たとえば、赤外線を発するリモコンを撮影してみると、iPhone 4のカメラには「赤外線LEDの発光がほとんど映らない」ことがわかるかと思います(下右側が発光中の写真です)。
だから、iPhone 4のカメラ・レンズの前に「赤外線だけを通すフィルタ」を取り付けると、そこに映るのは「ただただ真っ黒な世界」ということになってしまいます。
しかし、実は、iPhone 4を「赤外線カメラ」にする裏技テクニックがあります。…というのも、「赤外線が映らない」というのは、iPhone 4のリアカメラだけで、フロントカメラは、赤外線にバッチリ感度がある(赤外線カットフィルタが入っていない)からです。だから、iPhone 4のフロントカメラで赤外線リモコンを撮影してみると、赤外線LEDの光を眩しいくらいに撮影することができます。それが下の写真です。
というわけで、iPhone 4 のフロントカメラに可視光カット・赤外線通過フィルタを取り付け・撮影してみたのが右の写真です。あいにくの曇り空だったので、ちょっとパッとしない写真になってしまいましたが、樹木の葉が白く輝く赤外写真独特の世界が映っています。
というわけで、iPhone 4を「赤外線カメラ」にする裏技テクニックは、(通常のリアカメラではなく、手前側にある)フロントカメラを使うべし、です。
…ちなみに、iPhone 4s のフロントカメラは、iPhone 4と同じです。ですから、少なくともフロントカメラを使えば、iPhone 4と同じように赤外線写真撮影をすることができます。(ただし、リアカメラがiPhone 4で使われているOmniVision製でなくSony製の別カメラユニットが使われているということなので、リアカメラでも赤外線写真を撮影することができるかもしれません)
参考:透け透け水着の物理学 ~iPhone4で「裏」ワザ 編
参考:
うちのiPhone 4Sでやったら リアカメラでもリモコンの赤外線が見えた。