hirax.net::Keywords::「カラー」のブログ



2009-05-01[n年前へ]

Vision simulations 

 色や視覚にまつわるColor Vision toolColorRotateといったツールがとても興味深いVision simulations。一見の価値あり、です。

Not everyone sees the world as you do
みんながあなたと同じ世界を見ているわけじゃない

ColorVisionColorVision






2009-06-24[n年前へ]

Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にする 

 Mathematicaで発色シミュレーションをモンテカルロ法で行うライブラリを作りました。オブジェクト風記述にできるのが特徴です。(今週末まで修正作業を行うつもりなので、多少、仕様は変わるかもしれませんが)たとえば、

Light[new][in,Layer[new]][showTrace]
という記述をすると、下のグラフのような、三次元構造の中で反射・屈折・散乱を行う「光」のスペクトルが、どのように変化していったかを知ることができます。

 この例の場合は、Layer[new]で、デフォルトのコンストラクタで作成された水色の層に入射した光の挙動を眺めてみたものになります。層内で多重反射した後に、水色に染まって層の外へ出て行ったことがわかる、という例になります。

 ライブラリは、週末にサイト上へアップロードする予定です。

Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にする






2009-06-27[n年前へ]

Mathematicaで眺める油絵 フランドル技法 

 12 世紀から油絵技法が一般的になる15 世紀までの間, 主要な絵画 (描画) 技法だったのがテンペラ技法です。テンペラ技法の主要なものには、バインダ (メディウム) としての卵黄に非水溶性の顔料を混ぜ, 卵黄に含まれるレシチンにより乳化させることでエマルジョン (乳濁液) 化し、色材を水に溶いたテンペラ・マグラ "Tempera magra" や、テンペラ・マグラの卵黄に油を混ぜた, テンペラ・グラッサ "Tempera grassa" などの技法があります。

 このテンペラ・グラッサなどがヤン・ファン・エイクらにより改良され、メディウムとしての亜麻仁油などの植物性乾性油中に顔料を溶く油絵技法が確立されました (右上図はエイクによる 「アルノルフィニ夫妻の肖像」)。

 この当時の色材層は2層からなっていました。下層は黒と白の色材が混合された明暗を描くモデリング (デッサン) 層であり、上層は色付け (着彩)のためのグレーズ層です。モデリング層では、(特に)白色材や黒色材を使うため,散乱が比較的多くなります。その一方で、グレーズ層である上層では散乱係数が低くなります。それは、屈折率が1 .5 程度の亜麻仁油などを主体とする油絵のメディウムは、顔料(屈折率が1.6程度)とメディウムの屈折率差が小さいため、層中における光散乱が少ないためです。

 こんな油絵フランドル技法で描かれた絵画の状態を、Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリで表現してみました。それが、下のスクリーンキャプチャ画面になります。空気層+2層(グレージング&モデリング層)の色材層、そして、キャンバス層に光を入射させ、その光のスペクトル変化を計算させてみたものです。そして、その光軌跡の1例と、スペクトル変化を表示させてみました。

 モデリング層として形成した明度が, 全層としての反射明度に素直に反映されているようすや、グレーズ層の厚みが増えるにしたがって, すなわち色を重ね塗りするにしたがい綺麗に色づく(だろう)さまを見て取る(光軌跡やスペクトル変化から想像する)ことができます。

 というわけで、「Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ」を使って、古典絵画を鑑賞してみる例を、今日は作ってみました。

Mathematicaで眺める油絵 フランドル技法






2010-07-01[n年前へ]

Excel2003が「カラーパレット」色処理を使っていたことに驚いた。 

 「Excel 2010になっても、エクセルは未だグラフを今ひとつ綺麗に色を仕上げることができない」とつねづね思っていました。そこで、綺麗な配色のグラフをエクセルで使うためのプログラムを書き始めて、とても驚いたことがあります。Excel 2010,2007の動き(また、それらのグラフを旧バージョンで開いたときの動き)をまだ理解することができていないのですが、少なくともExcel 2003までのExcelでは色処理に「カラーパレット」を使っていたのです。それも、他の箇所で異常な色が発生してしまう、といった問題が起きない範囲で使おうとすると、たかだか32色程度の色しか使うことができなく、さらに、もっと安全に使おうと思うなら、たった8色しか使うことができない、という驚くべき仕様です。

 もちろん、自由にRGBで色指定をするコードを書くことができるようには見えるのです。しかし、結局のところ、動作させた結果として表示されるのは、カラーパレットから近似色が選ばれるだけなのです。もしも、そういう動作を好まないのであれば、カラーパレット中の色をRGBで指定した後に、作成した色のインデックスを指定してやらなければならないのですが、さまざまな用途に使われる色がトータルで56色しかない、というなかなかにキツい制限の中で作業を行わなければならないのでした。

 とはいえ、そんな苦労を(しかもC++で)したおかげで、(できる範囲内で)自由な配色のグラフを(たとえば、上に示したチャートのように)エクセルでプログラマブルに作ることができるようになりました。そして、エクセルで作られた、カラー表示ソフトウェアを、その色表示の意味については”眉につばつけて”眺めることができるようになりました。何事も、自分でやってみてわかること、というのが多いように思います。

Excelの色処理が未だに「カラーパレット」を使っていることに驚いた。






2010-07-22[n年前へ]

「光沢液晶」と「「ノングレア液晶」と「絹目仕上げやツヤ消し写真」」 

 スラッシュドットで「光沢液晶、好きで使ってる人っているの?」という記事を読んだ。この記事を読んで、10年近く前に机上の空論的実験コーナー「できるかな?」用に準備したデータと記事ドラフトを思い出した。それは、「白黒写真はなぜツヤ消しが好まれて、カラー写真はなぜ光沢仕上げが好まれるのか?~そして懐かしき絹目仕上げはどこへ行った?~」というような仮題で作り始めたシミュレーション・データ&記事だった。

ネタ用に作成したデータは、白黒写真とカラー写真の表面を、「絹目仕上げ」や「光沢仕上げ」、そして、「ツヤ消し仕上げ」にしたときに、方向によってどのように見えるか、ということを実感できるようにしたファイル群である。

 今では「絹目仕上げ」なんていう言葉を知らない人が多いかもしれないが、それは表面に適当な凹凸がつけられた写真である。そして、「ツヤ消し写真」は写真版の「ノングレア液晶」みたいなようなものだ。そんな、写真版の「ノングレア液晶」や「ノングレア液晶」に白黒写真やカラー写真を写しだしてみる(現在で例えるならそんなような内容の)VR体験を通じて、画像を眺める私たちが、何を重要視するのだろうか?ということを「眺める対象に映し出されているもの・種類」ごとに考えてみよう・その感じ方と理論を共有してみよう!?、という内容を書こうとしてみたものだった。

 そのとき解こうとしたナゾを端的に書けば、なぜ絹目写真が一時もてはやされたけれども消えるに至ったのだろうか。なぜ、結局のところ、カラー写真は光沢仕上げだけが生き残ったのか。けれども、なぜ、白黒写真はツヤ消しが好まれているのだろうか(あぁ、懐かしきバライタ紙だ)、ということだった。

 結局、ネタのオチというか、最後のまとめの言葉が思い浮かばなかったことと、その内容をビジネスに転用できそうだと考え、ビジネスにしてしまったこともあり、雑文記事にする機械のないままに眠らせてしまった。

 10年近く前のデータだけれども、ただ埋めてしまうのもったいない。また、そろそろ書いても良い頃だろう。というわけで、近日中にその古い古いデータ群を引っ張り出して、日記ページ上で雑文でも書いてみようと思う。



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