hirax.net::Keywords::「バブル」のブログ



2008-03-14[n年前へ]

10万円札を浴槽に浮かべる「バブリーバブルバス」 

 『武藤鉦製薬「610ハップ」で温泉気分』のような自然の温泉を素朴に再現した昔ながらの入浴剤もあれば、それとは全く逆に現代の欲望を現代の技術で結晶化したような入浴剤もある。そんな「現代の欲望を現代の技術で結晶化したような入浴剤」が、バンダイが最近発売し始めた「バブリーバブルバス」だ。一万円札(額面は何と10万円だ)をイメージした紙状の泡入浴剤である。浴槽に(1回分として適当な)10枚程度浮かべると、1分間程度でその10万円札が溶けていくという。

 (デザインは1万円札だが)10万円札10枚入り250円だから、100万円のお札を浮かべた浴槽に入ってみるのも面白い……かもしれない。そんな浴槽に浸かりながら、「豊かさ」と「貧しさ」、そのどちらを実感するかは、その人次第なのだろう。

 「お客様は神様です」という言葉とともに、「消費者が望むだろう」と誰かが考えたものを誰かが作る。需要あるところには、必ず供給が生まれる。あるいは、今では、その逆にして、供給のあるところに需要が生まれていく。お客さまという神様たちの欲望に応えようと・欲望を生み出そうと、供給者が色んなものを作り出していく。

2008-03-19[n年前へ]

「10万円バブル入浴剤」と「ムトーハップ」 

 武藤鉦製薬「610ハップ」10万円札をお湯に浮かべる「バブリーバブルバス」を、それぞれお湯に溶いたり浮かべてみた。ムトーハップはお湯に溶き、バブリーバブルバスの10万円札は、一枚だけお湯に浮かべてみた。

 硫黄と石灰が混じった「610ハップ」は赤褐色の液体だ。その、赤黄色の液体をほんの少しお湯に混ぜると、温泉そのままの「卵が腐ったような匂い」とともに、お湯が白く濁っていく(そんな過程を、下に動画で貼り付けてみた)。

 その実際の(人に対する)効果はよくわからないけれど、金属や浴槽が黒くなっていく効果はいやでも実感させられる(何しろ、ムトーハップを使った後の清掃はとても大変だ)。けれど、そんなムトーハップの白い湯に浸かっていると、心がどこか僻地の温泉の中にあるような気がしてくる。

 その一方で、「10万円バブル入浴剤」の方は、木の皮を剥いだような感じの触り心地・見た心地の「10万円」だ。たとえて言うなら、「(なぜか檜の匂いがする)白樺の皮を剥いで茶色の水彩絵の具で一万円札を描いた」ような入浴剤だ。この「例え」に賛同する人は皆無だと思うけれど、そんな実に”微妙”な感じだ。その入浴剤をかき混ぜていると、洗剤のような泡がたくさん出てくる。それは、まさに「バブル」な感じだ。そんなバブルなさまも、やはり、ケータイを使って動画で撮影してみた。

 「みんなの悩み事をさっぱり忘れさせてくれる空色のせんたく機を発明したタンネさん。だけど、タンネさんは、せんたく機の製造に追い詰められて、空色のせんたく機の中で悲しいロボットになってしまった」

   「すなの中に消えたタンネさん」

 心が汚れていると感じるとき、心が疲れていると感じるとき、その汚れや疲れは表面張力に満ちたバブリーな洗剤で落とすことができるのだろうか。それとも、そんなものは、昔ながらの入浴剤に浸かった方が落としやすいものだろうか。人それぞれ、"It's depends."で、たった一つの答えは、きっとどこにもないのだろう。

「ロボットになったらラクなこともあるのかな」

 もしも、もしも一つ確かなことがあるとしたら、色んなものが世の中にはある、ということかもしれない。

2009-01-28[n年前へ]

中谷巌「入門マクロ経済学 第三版」 

 「入門 経済学」といった本の読みあさったので、次はもう少し詳しい本を読んでみることにした。そこで、選んだ一冊目が、中谷巌 「入門マクロ経済学 第三版」だ。「少し詳しい」と言っても、やはり選んだのは「入門本」なのである。

 今出ている第五版のことはわからないが、この本(第三版)を読んで一番良いなと思ったのが、数式にも、図にも数値が入っていることが多い、ということだ。「練習問題があって、離れた頁に数字が入っている」というわけでなく、教科書の文章中に数式と数字を同時に見ることができ、あるいは、お金の循環を示す図にも数字が入っていて、その収支をイメージだけでなく、数字で納得することができる。

 わかっているか、それとも、わかっていないかが、数字の収支を眺めてみると、あるいは違う例を頭の中で考えてみると、自動的にわかる。だから、納得することができる。

 歴史上、バブルは何回もありました。イギリスで起こった南海泡沫事件、米国における192o年代の株式ブームなど、回顧すると「なぜ?」と思われるような異様な事件が繰り返し発生しているのです。南海泡沫事件にはあの偉大な物理学者ニュートンさえ、南海会社に手をだして、多大の損失を蒙ったということですから、・・・・

中谷巌 「入門マクロ経済学

 この本を読みながら、同時に同氏 中谷巌氏の著書を紹介する「なぜ私は変節したか?、市場原理主義の急先鋒だった中谷巌氏」という記事を読む。

2009-02-15[n年前へ]

バブルと不況とフィードバック 

 一頃前は、本屋には株式の本が平積みされていた。そして、株で莫大な利益を出した人たちの本や、それに右へ倣(なら)えしたようなが並んでいた。

 そんな書店の話をしながら、「今、バブルですよね」「このバブル感・高景気感は異常だと思いませんか?」というようなことを、新橋で飲みながらよく話した。

 景気が良くなり、その高揚感がさらに消費や株への投資を増やしていく……そんな「バブル」な風景が、本屋に並んでいる書籍から見えていた。

 こういった現象、たとえば「景気が良くなると、消費が増えて、さらにもっと景気が良くなる」といった現象は、ポジティブ・フィードバックと呼ばれる。「ある方向に何かが動いたとき、さらにそれを強める方向に力が働く」ことをポジティブ・フィードバックというのである。

 ポジティブ・フィードバックと反対に、「ある方向に動いたとき、それと逆方向に力が働くこと」をネガティブ・フィードバックと呼ぶ。下に描いたように、谷底のボール(あるいは登山者)にはネガティブ・フィードバックが働くわけである。




 ポジティブ・フィードバックからは安定な状態は生まれない。上がり続けるか、下がり続けるかで、結局は「発散」してしまうことになる。

 次に平積みされる本が、もしも「節約ライフ」的な本だとしたら、景気にはまさにポジティブ・フィードバックが働いていることになる。それらの書籍は、不況への後押しをするポジティブ・フィードバックである。「ポジティブ」という名前が付けられた、しかし、それは同時に不況への案内図なのかもしれない。

バブルと不況とフィードバック






2009-05-09[n年前へ]

官公庁オークションの掘り出し・面白セレクション 

 「Yahoo!の官公庁オークション」が興味深い。本当にバリエーションに富んでいて、それまでにどう使われていたのだろうかとか、もしも購入したら一体どんな風に使おうかとか、色々なことを「徒然なるままに」想像してしまう。

 三井のリハウスのCMは、かつてのバブルの頃には、確か、「引っ越ししてきた家族の娘」を主人公にしたものが多かった。それが、バブルが崩壊した時、そのコマーシャルは、「住んでいた家から引っ越ししていく家族の娘」を描いていたように思う。ふと、そんな時代を映し出していた広告の変化を思い出す。

 歴史は繰り返す。それゆえに過去の記録はまた将来の予言となる。



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