2003-03-31[n年前へ]
■「全てを選ぶ」と見えないものが見えてくる
魔法のショートカットは"Ctrl + A"
この写真は「強大な国の頂点にいる人物」である。知らない人はほとんどいないに違いないアメリカのブッシュ大統領だ。大統領のそっくりさんでもなければ、独裁国家で大流行中の大統領の影武者でもなく、正真正銘のブッシュ大統領だ。目を皿のようにして眺めてみても、やっぱりブッシュ大統領以外の誰でもないのである。さて、インターネットエクスプローラーを使っているユーザーは、ここでおもむろに、"Ctrl(コントロール・キー)+ A"を押して"全てを選択"してみることにしよう。さて、あなたが眺めているこのWEBページはどういう風に姿が変わっただろうか?先ほどじっくり見たはずの「強大な国の頂点にいる人物」の写真はどうなっただろうか?
もしもあなたが(少なくとも)WindowsのInternetExplorerを使っていれば、上の写真の中には「強大な国の頂点にいるサル」が写し出されているハズである。「アメリカ合衆国を指揮する二世ボスザル」が写し出されているハズなのである。人によっては、「最初の写真だってどう見てもサルだった」と言うかも知れない。「強大な国を指揮しているボスザル以外には見えなかった」というかもしれない。そうであるなら、あなたが実に素晴らしい眼力を持っているか、単にひねくれ者であるかのどちらかに違いないのである。この画像は「通常はブッシュ大統領に見える」のに、「画像が選択された状態になると何故かブッシュ大統領ではなくてサルの画像が浮かび上がってくる」のである。
種明かしをすれば、この画像は、実は"市松模様状にとびとびに描かれた"ブッシュ大統領の画像に、それと互い違いに"市松模様状に描かれた"サルの画像が合成されているのである。そして、サルの画像の方はコントラストが低くて見にくい画像なので、通常の状態では"市松模様状にとびとびに描かれた"ブッシュ大統領の画像の方しか見えないのである。いや、もっと正確に言うならば、サルの画像はちゃんと目には見えてはいるのだけれど、そのサルの画像は「あまりにおぼろげで」「他の鮮やかではっきりとしたブッシュ大統領の顔に目を奪われてしまうので」、その目に見えているハズのサルの画像に私たちは気づくことができないのである。
ところが、インターネットエクスプローラーで「画像を選択」すると、インターネットエクスプローラーは画像を市松模様状に塗りつぶして表示し、「画像が今選択されていますよ」と示すのである。その時、普通の画像で有れば私たちの目には画像が少し灰色っぽく見え、「ナルホド、今は画像を選択中なんだな」と判るわけである。
ところが、この「ブッシュ大統領+サル」の画像のように「市松模様状の二枚の画像が組み合わさった画像」の場合には、市松模様状に画像が隠され(つまり例えばブッシュ大統領の画像が隠される)てしまうと、残された「隠されていない市松模様状の部分」というのは「サルの画像」であるので、サルの画像だけが見えるようになるのである。そして、私たちはそれまでは見えていたのに気づかなかったサルの画像にやっと気づくのである。
そういうわけで、こんな市松模様状の二枚の画像を組み合わせた画像を作ると、「インターネットエクスプローラーで全てを選択すると、違う画像が目に浮かび上がってくる」という不思議な画像を作ることができる。例えば、マイケル・ジャクソンの顔が大きく変わってしまう画像であったり、綺麗な服を着た女性の内面(ハッキリ言えば単なるヌードだ)が見えてしまったりする画像であったり、ひまわり畑には女性のヌードが横たわっていたりする画像を作り出すことができるのである。もちろん、こんな画像はPhotoshopでも持っていれば簡単に作ることができるのだけれど、標準添付の「ペイント」だけでせっせとお絵かきをして、WEBページを作ったりしている人だって中にはたくさんいるに違いない。 というわけで、簡単にこの"Ctrl+A"の魔法の画像を作ることができるソフトを作ってみたので、興味を持った人はこんな「早変わり画像」をぜひ作ってみて欲しい、と思う。
さて、今回の一連の画像のように、「いくつかのモノが重なり合っているのに、鮮やかではっきりとしたその中の一つだけに目を奪われてしまい、目に見えているはずの他のモノに気づかない」なんてことは世の中にたくさんあるような気がする。たった一つの見やすいモノだけが見えて、他の全てのものが見えなかったりするなんてことはきっと多いに違いない。そんな時、魔法のショートカット"Ctrl+ A"があれば、「全てを選択」して隠された色んなものを眺めてみることができるのに、と思う。魔法の呪文、「全てを選択」で、「気づきにくくて」「周りに埋もれがちなもの」を眺めてみるのも面白いに違いない、と思う。
そうすれば、ブッシュ大統領の着ぐるみの中にはサルがいるとか、女性の綺麗な服の内側にはヌードがあるとか(当たり前)、実はひまわり畑には女性のヌードが隠れてるとか(そんなわけない)、色んなモノが見えてくるのに違いないのである。
2003-07-20[n年前へ]
■緑を生み出す言葉の樹「エコトノハ」
「エコトノハ」を訪れ、枝に言葉を書き込みます。あなたの言葉を枝葉にして樹が育ってゆきます。参加者が増えると葉がどんどん増え、「エコトノハ」の樹は大きな言葉の樹に育っていきます。そして、「エコトノハ」プロジェクトで育った樹木は、書き込まれた葉100枚(100クリック)を、植林1本分として換算し、オーストラリアカンガルー島での植林計画にプラスされていきます。
という素晴らしくも面白い企画。言葉がネットの中の葉っぱになり、それがいつか何処かの場所で本当の葉っぱに変わるなんてとても不思議だ。
「エコトノハ」に「コトバ」を書くと、コトバがいつしかみどりに変わって「言葉の光合成」を始めるというのは、何だか「14ミリグラムのいろんな気持ち」の呼吸みたいだ。いろんな気持ちが光合成の呼吸で変化していったら良いのにな、と。
ちなみに、音もキレイなのでちゃんとスピーカーのスイッチを入れておくこと。
from www.textfile.org
2004-08-07[n年前へ]
■メモリ管理機能追加
Photoshopのプラグインを「通常のDLLを作るのと同じやりかた」で簡易に作成できるPDLSをバージョンアップ(9.6MB)しました。また、導入資料も少しだけ追記しました。添付プラグインも若干バージョンアップしたり、追加したりしています。右の画像はSurfaceplotGLプラグイン処理画面です。
今回のバージョンアップでの大きな変更点は「New」「Delete」プラグインを追加し、「メモリ管理機能」を追加したことです。処理対象画像のサイズをフィルタ内で変更しつつ処理をしたり、マクロ内(もしくはマクロで作成した関数内)のみで有効なローカルメモリを(元処理対象画像と組み合わせながら)確保し、画像処理対象をそのローカルメモリに変更したり、ということができるようになります。例えば、マクロで(もちろんGUIからでも)
Def{FrameFile=C:\hoege.bmp}New{ // 左上端から128,128ピクセルの位置を原点として // 256*256のサイズ1チャンネル分を流用しながら // 新たなチャンネルを1チャンネル作成して、処理対象 // とする}LoadFromFile{ SourceFile=FrameFile // 新しく作成したチャンネルにファイルを読み込む // プリクラ処理のフレームとして使う}Impose{ // チャンネル間で合成処理をおこなって、プリクラ風の // 処理をする}Delete{ //メモリ解放して、 // プリクラ処理のフレームとして使ったエリアを捨てる}なんていう風に使ったりできるわけです。GUIから自動作成されたマクロ内で自由にメモリを確保・解放できるため、DLLとしてC言語などから作成したDLLと同様に、マクロで作成した関数を「それのみで閉じた完結した処理」として再利用することが容易になります。
Photoshop等が仕事に欠かせなかったり、画像に限らず二次元の比較的大きなデータを処理したかったりする方はきっと重宝するのではないか、と思います。単にSurfaceplot等のプラグインを使ってみるだけでも良いでしょうし、C言語をほとんど知らない人でも、数分でPhotoshopのプラグインを量産できるのもお勧めなポイントです。ドキュメントが不足しているのはいつもの通りですが、使ってみたい方がある程度いるようでしたら、いっそのこと直接デモする説明会開催もアリですし。
ちなみに、Adobe Photoshop 6.0以降、 Photoshop Elements, PaintShop Proでの動作を確認しています。
2004-10-11[n年前へ]
■airpenストレージ
2MB(A5サイズで約100ページ分)のメモリ内蔵の超音波式ペン。外装ケースは合成皮革製でシステム手帳風なので、持ち歩いてメモを取る癖がついている人には良いのかも。
似た商品としてはCFカードを備えた超音波電子ペンや、画像処理方式のアノトペン。
2004-12-26[n年前へ]
■スミア防止の二重撮り
カメラ付き携帯電話で写真を撮ることが多い。あるいは、デジタルカメラを使うにせよ、小さくて安いものを使うことが多い。そして、普段の生活がら、昼の南の海や夕方の西の海の景色を撮影することが多い。すると、カメラ付き携帯電話や安いデジタルカメラでは「スミア」が派手に出てしまう。青い海の上の、青い空に輝く太陽の景色が、途端に陳腐な景色に変わってしまう。
そこで、カメラを回転させて二回撮影を行い、その二枚の画像を合成することにした。例えば、(右に示す写真の左側二枚のような)二枚の写真を撮っておく(特許風に言えば、二枚に限るものではなく、むしろ三枚以上撮影した方が合成画像の画質は良くなるので好ましい)。それら二枚の写真はスミアの方向が異なるわけで、その二枚の画像を適当に合成してやればスミアの影響のない綺麗な画像ができあがる(一番右の写真)、というわけである。というわけで、そのための専用アプリケーションは適当に仕立てて、近日中にアップ予定。