hirax.net::Keywords::「宣伝」のブログ



2006-11-14[n年前へ]

『なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?』 

Title 先日読んだ『なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?』は、なかなか読みづらい本です。

 まず、何より買いづらい本です。なぜかと言えば、「できる人」でないと買いづらいような気がしてしまうからです。しかし、そんなことを考える必要はありません。誰しも、一つくらい自分が得意なことがあったりする、と思うからです。自分が得意なことを苦手な人を「できない人」だと考えていることを自覚していないよりは、自分が(ごく限られた領域であったとしても)「(できない人とのディスコミュニケーションを生むことがある)できる人」だと自覚した方がいいことでしょう。だから、自分が「できる人」でないと考えて買うことを躊躇しなくても良い、と思うのです。

 次に、この本に書いてあることを素直に読み進めていくということも、(最初は)結構辛いとも思います。なぜなら、読んだ最初の瞬間には「そこまで、できない人の立場に沿って考えなきゃいけないのだろうか?」という気持ちになるだろうから、です。一言で言えば、「そこまでやってられない!と感じ、頭に血が上ってしまいそうになる」のです。けれど、時間をかけて、例えば一晩くらい時間をおいて、頭を冷やしつつ落ち着いて読んでいけば、「あぁ、そういう風にしていった方が、色々なことが良くなっていくのかも知れない」と腑に落ちるとも思います。

 本の終わり近くの「宣伝」のような部分を除けば、とてもお勧めの本です。冷静に読んで内容が腑に落ちたら、(とくに手元に残しておく必要もない本に思えますので)誰かにあげてしまうのも良いかもしれません。

2008-03-31[n年前へ]

資生堂「角質チェックテープ」で肌状態を見てみよう 

 資生堂が「角質チェックテープつき!」という”あなたのお肌の状態チェックしてみませんか?”と謳いCHECKと名付けたリーフレットを配布している。このリーフレットには透明なテープが添付されている。粘着剤が付いた透明テープを頬につけて剥がし、黒い面に貼り付けて観察することで、顔の皮膚の角質の状態を診断することができる、というものだ。

 試しに、自分の頬に角質チェックテープを貼り付けて、比較用の画像と比べてみると「角質が薄く均一にそろって、肌の生まれ変わりがスムーズな状態」と「角質が厚く重なっている状態(重層化)」の中間状態、に見える。もちろん、だからといって洗顔料に気を使おうとまでは思わないけれども、こういった宣伝パンフレットは面白く感じる。

 興味を惹かれ、深く楽しめるだけでなく、やはり嘘でも本当でも納得・実感してしまう。もしも、肌に気を使いたくなる女性であれば、このリーフレットの「角質チェックテープ」を使ってお肌チェックをした日には、「あなたにお勧めの”肌に優しい洗顔料”」というモノを買ってしまいそうだ。

資生堂「角質チェックテープ」資生堂「角質チェックテープ」資生堂「角質チェックテープ」資生堂「角質チェックテープ」






2008-06-08[n年前へ]

秋葉原という街で 

 秋葉原に行くようになったのは、三十年くらい前。国際ラジオのような店の前で色んな部品を眺め、役に立ちそうにない汚い部品の数々に、わけもなくワクワクした。何の部品も半田付けもされていないapple][のコンパチ基盤をロビン電子で眺め、武田鉄矢が笑う(けれど、間違っても武田鉄矢が使いそうにはない)「マイコン」を抱えるポスターを眺め、タダの緑茶自販機で喉を潤したりしながら、一日秋葉原で過ごす週末も多かった。

 そういえば、マイコンの宣伝ポスターで笑うのは、高倉健や斉藤由紀や……なぜかみんなマイコンを使いそうにない芸能人ばかり、だったような気がする。あれは、一体なぜだったのだろうか。

2008-06-12[n年前へ]

自分なりの「年表」を作って眺めて、納得してみよう 

 『理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く!』で、経済学者の先生方に話を聞く中で、よく歴史を辿りながら話を聞いたように思います。「株式会社」の歴史、「消費」の歴史、「社会」の発展の歴史……色んな歴史を描き辿りました。そこで、単行本を作る時に、世界の社会背景変化や技術発展や文化の歴史などを、自分なりの歴史年表を描きながら眺めなおし、そして、講義の中で聞いた話や経済学者や事件などをその歴史に重ねつつ、読み直してみたのです。その年表を綺麗にしたものが、単行本の末尾にオマケで付けたものです。

 自作年表のドラフト版が下の画像で、その一部を拡大してみたものが右の画像になります。「年表」を作りながら、歴史の中で起きた大きなことの多くは、その時代を眺めてみると、どれも何だか当たり前で必然のことなのだなぁ、と今更ながらに感じました。

 たとえば、グーテンベルグが活版印刷を「発明」し、聖書が印刷され、プロテスタント系の人たちが印刷機で宣伝ビラを大量に作り、そして、宗教革命が起きていく。そんな歴史の中では、経済活動も科学技術も絵画などの文化も、どれも密接に繋がっていたんだなぁ、などと色んな事象の因果関係をとても自然に納得することができました。

 私たちは、因果関係を頼りに納得することが多いように思います。ということは、自分なりの「年表」を作り、その年表を作る過程で因果関係を納得することで、よくわからないこと・苦手なことも理解しやすいのかもしれない、と思ったのでした。




経済学年表経済学年表






2009-07-04[n年前へ]

ぼくらの未来に会いに行く。 

 「鉄腕アトム」のポスターを東京駅で見かけ、それがとても魅力的に思われて、ずっと気になっていました。

 今日、東京電機大学で開催されたワークショップで、Mathematicaの実践例を紹介してきました。その帰りに、大学の前を歩いていると、そのポスターがショーケースの中に 張られていました。ずっと気になっていた鉄腕アトムのポスターが、東京電機大学 "PROJECT:ATOM" の宣伝ポスターだったということを、ようやく認識したのです。

 ポスターの「夢じゃない未来」と短く書かれた言葉を眺めながら、設定上2003年に生まれたはずの鉄腕アトムは2009年からすれば過去に立っているのだろうか?などと考えながら、ショーケースの中に張られたポスターの前でしばらく佇んでしまいました。

 ポスターが飾られていたショーケースのガラスには、その周りの景色が写り混んでいました。そんな、今この瞬間の街並みと、鉄腕アトムが立つ未来風の景色が重なり合った風景は、不思議なくらい幻想的な景色だったように思います。

 その時、ふと、確かにこれは「夢じゃない未来」の景色なのかもしれないと感じました。ガラスに写るキャンバスや周りのビルの中、そして往来を歩く人たちが、未来を作っていくさまを見たような気分になったのです。

東京電機大学のポスター東京電機大学のポスター東京電機大学のポスター








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