2006-03-19[n年前へ]
■「日本画像学会誌」160号
来月?に出る「日本画像学会誌」160号に論文を書いてみました。全12ページ・フルカラーで、今日、印刷用校正を済ませました。全ページ・フルカラーということでもわかるように、色に関係する内容で、(機械・表現媒体のみならず、人自身も含めた)各種デバイス間にわたる「色」ということを考えてみたい・(できるならば)答えたい、という話の0.5歩目辺り…です。
6年くらい前、私はあるできごとをきっかけにして、hirax.netで「色(覚)」に関する話を書き、その後、自分にできる範囲で「ユニバーサルな色出力」に近づく(もっと具体的な)何かをしてみたい、と思ったわけです。そんな目的へ向けた半歩目辺りです。目的地に辿り着けるかどうかを考えると、悲観的にもなったりしますが、それでも口八丁手八丁を駆使し(何とか仕事に紛れ込ませ)時々進めていこう、と思っています。
この論文の続きは、6月に開催されるImaging Conference JAPAN 2006で話す予定です。そこで、さらに0.5歩くらい目的地へ近づいてみたい、と思っています。…という感じで、宿題は、必ずしようと思ってます( > 二人のTさんへ)。ただ、グズでノロマな私なので、きっと何年もかかるとも思いますけれど…。
2008-05-04[n年前へ]
■ゴールデンボールズの放熱問題を解いてみる!?
中国語の金玉と日本語の金玉と全然意味が違うという話をしていると(「金玉満堂」と「福来る」)、「日本語の方の語源は何に遡るのか?」「日本語の方が指し示すものの”しわ”は放熱のためか?」という全く別の2つの話題となった。「”しわ”は放熱のためにある」ということの真偽はわからないけれど、もしもその放熱効果を考えてみるならば、”しわ”があることによって、一体どのように効率的な冷却が行われるものだろう?
放熱・冷却の効果は、皮膚の表面における"各領域での(皮膚と空気層の)温度差"を表面積にわたって積分したものに比例しそうに思える。また、皮膚内部における伝熱も重要であるに違いない。大雑把にラクガキしてみれば、それは下の図の「緑色の面積が大きいほど放熱・冷却効果が大きい」というイメージになる。
皮膚の”しわ”の効果、表面積の増加、”しわ”が伸びることによる”皮膚と空気層の温度差"の増加、あるいは、(体の)本体と離れることによる伝熱の違い……などを考えていくと、答えを解析的に解くのは困難であるように思える。
暑い夏になった頃、夏休みの宿題がわりに"エクセルで金玉の放熱問題を数値的に解いてみる"ことにしよう。暑さを吹き飛ばす放熱問題を解いてみることにしよう。
2008-10-29[n年前へ]
■宿題ひきうけ株式会社
100%新しいというものは、世の中にはない。昔あったもの、すでにあるものに少しの何かが加わったものが、「新しいもの」だと思っている。科学でも、技術でも、文学でも、それはきっと何でも同じだろう。過去から現在へ、そして未来へと少しづつ変わっていくものなのだろう、と思っている。
待っていても未来はこない。ほうっておけば、くるのは今のつづきだけだよ。…そうか。まっていても未来はこない。未来はつくるものなのか。
「宿題引き受け株式会社」 P.180
「宿題.in」という「宿題に困った小学生のためのサービス」を見たとき、古田足日の「新版 宿題ひきうけ株式会社」という本を思い出した。そして、読み直した。
古田足日は、その時代と・その時代よりほんの少し先の時代を児童文学として描き出す。40年以上前に書かれたこの本の内容は、ひとことでは言えない。ひとことでは言えないくらい、2008年の現在と同じエッセンスが詰まっている。この本で描かれている「現代」は、40年前でも2008年の今でも本当に同じだ。
しかし、ずっと変わっていないということは、そこには変わらない理由がある、ということだと思っている。どちらも、ほとんど架空の世界ではあるけれど、宿題.inや宿題引き受け株式会社が生まれ続ける理由がある、ということだと思う。技術革新が生む豊かさと貧しさ、さまざまな違い、そんなものをが消えない必然・理由が必ずある、と思っている。この本には、そういう必然・理由は書かれていない。けれど、たくさんの過去から現在・未来への宿題は詰まっているのが、この本だと思う。
この一年間、ぼくはきみたちにじっくり考えてもらいたい。自分はなぜ勉強するかということだ。これがこの一年間の宿題だ。
「宿題引き受け株式会社」 P.82
2008-10-30[n年前へ]
■モグラ原っぱの跡地に住んでいた
どういうきっかけだったかは忘れたのだけれど、こどもの頃、古田足日の家に行ったことがある。何かのきっかけで、遊びにおいでと言われ、緊張しながら本を抱えて古田足日の家に行った。だから、実家の本棚のどこかには、古田足日に言葉を書いてもらった「宿題ひきうけ株式会社」と「モグラ原っぱのなかまたち」があるはずだ。
「モグラ原っぱのなかまたち」は、学校と、家と、そして雑木林の中や原っぱで遊ぶこどもたちを主人公にした話だ。「モグラ原っぱ」を見つけ、そこで遊び、そして「モグラ原っぱ」が消えるまでの話だ。
当時、古田足日の自宅近く、「モグラ原っぱ」の跡地にできた団地に住んでいた。だから、「モグラ原っぱのなかまたち」を読むときは、その前にあっただろう景色を想像しながら読んだ。今、あの場所は一体どうなっているのだろうか。
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2012-08-20[n年前へ]
■「よいこ」のための「夏休みの自由学習ネタ帳」
8月も終わりに近づきました。つまり、それは「よいこの夏休みが終わりに近づいている」ということです。よいこは、きっと夏休みを遊び尽くしているはずですから、「夏休みの自由研究(宿題)」には手を付けているわけはなく、きっとこれから「何をしようか」と考えているに違いありません。そこで、よいこのために、よいこたちのお母さん・お父さんたちのために、今からでも間に合う「夏休みの自由研究ネタ帳 presented by hirax.net」をピックアップしてみました。
『染料インクで白い「鉄道花(ヒメジョン)」をカラフルに染めてみよう?
』
まずは、「100円ショップで売っているインクジェット用染料インク(もちろん100円ナリ)で、花の色を自由自在に染めてみよう」という実験です。100円ショップの「詰め替え染料インク」を買って、近くの摘んだ花を生ければ「カラフルな花束(ブーケ)」ができあがります。この実験は、実験過程を「デジタルカメラの微速度
撮影モード(Time Laps動画モード)で撮影してみると、とっても面白いと思います。
『水風船をライターの炎であぶると何が起こるか考える!?』
「炎の上に水が入ったゴム風船をかざしてみるとどうなるでしょう?」…(火花や高熱微粉を振りまいたりする花火を使ったりするのでなければ)意外なことに、ゴム風船は割れません。
この実験は、風船に温度計を突き刺して、(風船の中の)水の温度を計る実験をしてみると面白いと思います。(さらに、よいこたちのお母さん・お父さんに「裏付け計算」をしてもらうと、すごく面白いかもしれないですね)
『チューインガムで誰でもできる「物理法則に反する!?超自然現象!?」』軽く折ったチューインガムを軽く回転させると、なぜかガムは勝手にブルブル震え始め、そしていきなり逆回転しだす!?…目の前、どこにでもある普通のものでも、こんな風に不思議に見えるものを作り出すことができます。そんな実験をしてみれば、奥深い物理の世界に誘(いざな)われるかもしれません。
柿ピーをグラスのような容器に入れ、隙間が十分にある状態で振動を与えると、ブラジル・ナッツ現象が生じます。…柿ピーを振ると、何と柿ピーの上側にはピーナツが集まってくるのです。
大きな粒子と小さな粒子を混ぜて、さらに振動を与えると、多くの場合、大きな粒子は上に浮かび・小さな粒子は下に沈んでいくという現象がおきます。大きな粒子の方が小さな粒子より重かったとしても、そんな現象が生じます。液体の場合には、重いものが下に沈み・軽いものが上に浮かんでくるのですが、粉体の場合だと、小さなものが下に沈み・大きなものが上に浮かんでくるのです。
『京町家模型で確かめる打ち水の科学』
お母さんやお父さんが、最近何だか「電気代」だとか難しいコトバを交わしている。…そんな難しいことはわからない…という、よいこ(そして、よいこのお母さんとお父さん)のための「打ち水」の実験ネタがこちらです。打ち水をすると風が吹く!?風を吹かせるための条件とは…!? そのナゾを解くのはきみだ!(お母さんとお父さんのための参考ネタ:打ち水の要件定義書「居住スペースの両側に庭がある」)