2012-01-01[n年前へ]
■「きみのかみさま」の最終話「旧正月とバレンタインが重なる日」
絵本を作りたかったという西原理恵子の「きみのかみさま」は、第2話から第13話まで6ページのリフレインがずっと続きます。そして、第1話に似た第14話を経て、第15話(最終話)で旧正月のお祭りの派手な音や華やかな色彩が満ちる、そして黒潮と風の匂いがする南国の水辺が描かれます。
その水辺を背景に書かれたモノローグを眺めていると、
約束した場所がある。「できるかな クアトロ」で南国の祭りの後に描かれていた言葉を思い出します。
いつか…会うことを決めている。
わたしは死んだら、たぶんここらへんにいるので、「できるかな クアトロ」は、西原理恵子が元夫である鴨志田穣と離婚した後に画かれた話が、亡くなった後に出版されたものです。さて、この南国の祭りの後に描かれていた言葉にはどんな思いが込められているのだろう?と考えます。
あなたも死んだら、ここらへんに来てください。
2010年の旧暦1月1日、つまり2010年の旧正月は、2月14日でした。「きみのかみさま」の最終話は、そんな旧正月とバレンタインが重なった日が舞台です。
お母さん、今日(西原理恵子の「毎日かあさん」に出てくる長女とよく似た)女の子の言葉の後、お母さんが水面の向こうに語りかける言葉が、「きみのかみさま」最後の1ページです。
中国のお正月なんでしょ。
おまけにバレンタインよ。
チョコおくらなきゃ。
ちいさなキスを おくります。
こんど会ったら、返してね。
■「未来を想像する力」で「旧暦のお正月」気分を楽しもう!?
「こんなものいいな、あったらいいな」と思うものを作りたくなることがあります。作れないことも多いけれど、ごくたまに、欲しいと思った時・その瞬間には「なかったもの」を作り出すことができることもあります。
そんな時、ほんの少しだけ「未来」を作り出すことができたような、気持ちになります。「こんなものがあったらいいな」という願いは「未来を見て・感じて・味わいたい」という気持ちに似ていて、そして「何かを作り出すこと」は「未来を一部手元に引き寄せる感覚」に、少し似ています。そんな「ほんの少し先の未来」を思い浮かべ・想像し、そしてそこに辿り着くということを、わたしたちはいつも続けているのかもしれません。
お正月は旧暦に祝いたい、と思うことがあります。旧暦の正月というと、年によって違いはありますが、一月下旬から2月中旬くらいです。日に日に日の出が早くなり、梅の花がもうすぐ咲き始める、そんな頃が旧暦のお正月です。俳句の季語なら一月は「春」の始まりになる、そんなことを実感できる時期です。
けれど、新暦の1月1日には、そんな「春」を実感するのはまだ少し難しく、まだ寒い冬があって・春はもう少し先のこと…とも思えてしまいます。だから、新春という言葉が交わされる正月は、旧暦でこそ祝いたい、と思ったりします。
その一方で、「ほんの少し先の未来」を思い浮かべ・想像し、ほんの少し先の未来「旧暦のお正月」までタイムワープをしてみれば、春の風がもうすぐ訪れる・陽気もほのかに香ってくる「、まさに新春」まっさかり…そんな心地にもなってきます。
2012年、今年の春も間近になりました。さてさて、今年はどんな年になるんでしょう? 今年をどんな年へと、私たちはしていくのでしょうか。
2017-06-10[n年前へ]
■「今と昔の暦がイキナリ1ヶ月ズレたのは給料1ヶ月分カットが目的」という驚き納得する話
『「今と昔の暦がイキナリ1ヶ月ズレたのは給料1ヶ月分カットが目的」という驚き納得する話』を書きました。よく、新暦と旧暦の違いから、お祭りの開催時期が本来の時期より1月ズレる問題を考えることがあります。そんな旧暦・新暦変更の歴史的な経緯が、素晴らしく(経済ロジックとして)わかりやすい…という話。
年末近くの11月、まさかの「来年からは、全然違うカレンダー使うことにしました!」という明治政府の発表は、来年の暦(カレンダー)を作成真っ最中の業者など、大混乱を引き起こしたといいます。…「さまざまなことへの影響が大きい暦の変更を、なんでイキナリ急いでやるの?」と思ったアナタは鋭い!聞けば納得の理由があるのですが、それが明らかになるのはもう少し先。
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