2014-10-04[n年前へ]
■画家の「代表色」を当てる目(色)利きゲームをしてみよう!?
4人の画家が描いた名画をGoogle画像検索で集め、画像を構成する「代表的な色」を算出して並べてみました。絵画中の画素を色度距離でクラスタリングすることで「数個」に絞る、ということを収拾した画像群にそれぞれ適用して、得られた「色」を並べた、という具合です。
画家が使う色には、その時代に使われていた絵の具の特徴や時代が好んだ色や、あるいは画家自身の好みなどを反映した特徴・個性があって、色を見れば一目瞭然に描いた画家を感じることができるに違いない…と思い並べてみましたが、一体どの時代のどんな4人が登場しているのかどうかわかるでしょうか?
ちなみに、登場している画家は、フェルメール・レンブラント・ゴッホ・ゴーギャンです。これを眺めてみると、ゴーギャンはやっぱりゴーギャンで、レンブラントもやはりレンブラント…そして、ゴッホの代表色は、変色しがちなクロムイエローがもしも変色していなかったら、どんな鮮やかな色だったろうか…とか色々想像したくなります。
2014-11-30[n年前へ]
■巨匠絵画の埋蔵文化財発掘をしてみたい!
岡本太郎が1970年代に描いた「歩く人」の下には、幻の絵といわれた岡本太郎の1952年作品「歩く人」が隠れていることが明らかになっています。右に貼り付けた画像の解説には、岡本太郎「歩く人」1952年と書かれています。しかし、この「歩く人」は、実は1970年代に描かれたもので、1952年に描かれた「歩く人」は、私たちの目に見える絵具の遙か下に人知れず眠っているのです。(参考:修復家だけが知る名画の真実 )
岡本太郎が1952年に描いた「歩く人」は、描かれた記録はあって、その姿が白黒写真として記録され・残っています。…けれど、その絵は別の絵画(新しい「歩く人」)の下に埋蔵されてしまっているので、その姿を見たことがある人は、今はもういません。
1952年「歩く人」の姿を表に出そうとすると、その上に描かれた1970年代の「歩く人」を破壊しなければなりません。それはあまりにもったいないし可逆的ではない…というわけで、1952年に描かれた「歩く人」が、表に・目に見えて出てくることはないのです。
X線CT顕微鏡やX線分析(XMA)などを使えば、絵具種を推定しつつ3次元構造の計測を行うことができるかもしれません。そして、さらにその複層構造を3Dプリンタで作り出せば、誰も見ることができない幻の作品を甦らせることができるかもしれません。
巨匠が描いた油絵の複製…は今では数多く行われています。これからの時代、単なる複製ではなく・実際に眺めることができないもの(けれど目に見えず隠れて存在しているもの)を目で見ることができる形にしてみる…というのも面白いような気がします。
2014-12-29[n年前へ]
■世界3大ガッカリ展示のダヴィンチ「モナリザ」をブラウザ上で眺めてみよう!?
ルーブル美術館で眺めたレオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」が世界三大ガッカリでした。薄暗い間接照明の下で遠巻きに眺めるだけならTVで眺める方がよっぽどリアルだ!と感じました。…そこで、今日は自分用に「モナリザ」リアル展示を作ってみました。
形状情報をX線撮影画像から生成します。なぜなら、X線画像はある種の”積分"画像なので、積分=高さとして解釈するわけです。そして、さらに微細な形状(凹凸)は色撮影画像の高周波情報から周波数フィルタ的に作り出し、光沢情報は…とりあえず、(巨視的に変化が大きい箇所は微視的な変化構造も大きいと仮定して)形状の微分に依存するものとして作り出してみます。…という具合で作ってみたのが、このWebGL表示です。
データ処理が上手くなかったり、ネット転送用にデータを圧縮していたり、WebGLでのレンダリングがとても疎だったりするせいか、あんまりリアルじゃない気もしますが…それでも、ルーブル美術館の本物モナリザよりは、まだしもリアルに眺めることができるかもしれない…というわけで、今日は世界3大ガッカリ展示のダヴィンチ「モナリザ」をブラウザ上で眺めてみました。
2015-01-03[n年前へ]
■ルーブル美術館所蔵の16世紀油絵をリアルに色々眺めてみよう!?
ルーブル美術館に所蔵されている16世紀の油絵"Lady Praying"の特殊撮影データ群が公開されていました。可視光で撮影した高解像度写真・X線で撮影した写真・赤外線で撮影した写真・紫外線で撮影した写真・側面から光を当てた測光線写真(Raking photograpgh)…という具合で、さまざまな眺め方ができる情報が公開されていました。
そこで、それらのデータを使って3D復元してみました。たとえば、紫外線データから復元部と元画像部の表面微細構造情報を生成してみたり、測光線データから3D形状を作り…という具合にして、WebGL対応ブラウザで眺めることができるルーブル美術館所蔵"Lady Praying"を作ってみました。
ちなみに、試しにタブレット(iPad mini)で3D表示をしてみるとこんな感じです。たとえば、側光線写真(Raking Light Photograph)っぽく横から光をあてつつ眺めてみたりすると(その照明状態に応じた表示になっています)、美術館ではなかなか感じることが難しい立体形状を感じとることができたりするかもしれません。
2015-01-18[n年前へ]
■ロチェスター工科大学の絵画材料BRDFを使ったレンダリングソフトで遊んでみよう!?
ロチェスター工科大学のRoy Berns教授らが公開してる絵画材料のBRDF計測や、計測データを使ったレンダリング表示が面白そう…というわけでいじってみました。このソフトは、絵画の各微小部分の(内部)拡散色成分や(右画像のような)法線方向や…その各微小部分内部のさらに微小な構造に関する情報もとに、「どう光を当てたら、どんな風に見えるか?」を表示してくれるソフトウェアとデータベースです。
このソフトウェアはとても面白いのですが、Matlabでアプリケーション作成してるせいか、かなり動作が重く感じます。…このデータを使って、WebGLでの表示やタブレットなどでのインタラクティブ表示をしてみたくなります。