2009-10-16[n年前へ]
■「帝国主義のモットー」と「近代科学」の共通点
河合隼雄「物語をものがたる―河合隼雄対談集 」から。分厚いこの本は、この後、「続 物語をものがたる―河合隼雄対談集 」「続々 物語をものがたる―河合隼雄対談集 」と二冊続く。
帝国主義のモットーとして使われる「divide and rule」(分割して統治せよ)は、少しもじって使うと、そのまま科学の標語にもなるところが面白い。つまり、物事を区別(分類)して、その間の法則(ルール)を見出して秩序付ける、と読み換える。これは近代科学の行っているところである。
近代の科学・技術的思考法は人間関係にも持ち込まれて混乱を生じせしめているように思う。
2009-11-13[n年前へ]
■「未来を見通す法則」
小林弘人「新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に 」から、米国の未来学者・ポール・サッフォ(Paul Saffo)が、2006年に挙げた「未来を見通す法則(Paul Saffo on rules for forecasting)」
「未来を見通す法則」
- 見通せないときがあることを知れ
- 突然の成功は、20年以上の失敗の上にある
- 未来を見通すには、その倍、過去を注視せよ
- 前兆を見逃すな
- (見通すときは)中立であれ
- 物語れ、あるいは、図にするがよい
- 自分の間違いを立証せよ
2010-01-05[n年前へ]
■学生の頃に「有限要素法」をもっと活用できたなら…
手描きFEMなどを眺めていると、学生時代にもっともっと色々な科学・工学・技術をきちんと学んでおけば良かった、もっと何かに打ち込むべきだった…と、つくづく後悔してしまう。
学生時代に、ボーリングした穴の形状変化を計算するために、有限要素法(FiniteElement Method=FEM)を勉強した。その時に参考書代わりに使ったのが「森博嗣 著、 C言語による有限要素法入門」だ。
まさか、その後この本の作者がミステリーを量産し、そしてまさか自分がFEMで「巨乳アナライザー」の作成に挑戦することになるとは思いもしなかった。時の流れは・・・時にほろ哀しいものだ。
「有限要素法でおっぱい変形シミュレーション」
「バストに関するヤング率」はまさにヤング率(Young率) なのである」「こんなの作るくらいなら、男の人のヤング率でも計算しなさいよ」
「バストに関するフックの法則」
2010-05-01[n年前へ]
■女子学生の恋人選び方 実験編
少し前、女子学生相手に、こんな実験をしてみた。実験として出した「お題」は、「これから20人が登場します。順々に人が登場します。といっても、登場するのは”あなたとの相性を数値で表したもの”だけです。あなたは、(順に出てくる相性数値を眺めながら)この人を恋人に選ぶ、と決めたところで、手を挙げてください。あなたは、手を挙げた瞬間の相手を選ぶことになりますから、すでに登場した前の人を選ぶことはできませんし、それ以降に登場する人を選ぶこともできません」というものである。この「お題」を出した時に、どのような選び方をするのかを知りたかったのである。
ちなみに、女子学生に見せる数値は、20人1セットの実験を始める前に、平均値と分散を適当に決めた正規分布乱数である。20人1セット内では平均値と分散は変化しないとはいえ、その平均値や分散は、相性数値を眺める被験者はわからない、という条件である。
面白かったのが、女子学生が全員「最初の数人分の数値に関してはただ眺め、どういう相性数値が出てくるのか、つまり、平均値はどの程度でバラツキはどの程度なのかを、最初の数人を眺め・見極めた上で、相性数値が上位に入る人のところで”手を挙げる”という選び方をした、ということだった。とても興味深い事に、被験者はみな同じような選び方をしたのである。この選び方は、数学が導く理想の選び方、とほぼ同じである。
その結果、被験者全員が「(コンピュータが用意した)20人の相手の中から相性数値がベスト3に入る相手を見事に選んだ」のだった。
女子学生の直感(あるいは、推論・予測能力というべきか)は、恐るべき精度を持つものだと驚かされたのである。
2010-05-02[n年前へ]
■女子学生の恋人選び方 ”あなたも挑戦してみよう”編
今日は、女子学生の恋人選び方 実験編でやってみた「これから20人が登場します。順々に人が登場します。といっても、登場するのは”あなたとの相性を数値で表したもの”だけです。あなたは、(順に出てくる相性数値を眺めながら)この人を恋人に選ぶ、と決めたところで、手を挙げてください。あなたは、手を挙げた瞬間の相手を選ぶことになりますから、すでに登場した前の人を選ぶことはできませんし、それ以降に登場する人を選ぶこともできません」というお題を、あなたも試してみる・体験してみることができるようにしてみました。
下にあるのが、その道具(フォーム)です。JavaScriptの正規分布乱数関数を使い、20人分の「相性数値」をボタンを押すたびに順々に(1人分の数値づつ)出力します。出力される「相性数値」は数値が大きい方が「相性が良い」ということを示します。20人分まで出力すると、一旦止まり、また初期に戻ります。
正規分布乱数の平均値と偏差は固定されています。だから、この記事のソースを眺めれば、どんな正規分布乱数であるかがわかってしまうことになります。つまり、どんな「人たち」が登場するのかを、おおよそ予想することができてしまいます。とはいえ、そんなカンニングはせずに、ぜひ、順に並ぶ数値群から、どんな人たち(数値群)が登場するのか想像してみてください。
そして、20人目まで(20人目を含む)の間で、「この人(数値)を選ぶ」と(相性数値が出た瞬間に)決めてみてください。そして、さらに、自分が選んだ数値が20個の数値の中で一体上から何番目に位置していたか、ということを調べてみてください。その結果が、あなたの「選び方能力」ということになります。
「(コンピュータが用意した)20人の相手の中から相性数値がベスト3に入る相手を見事に選んだ」女子学生たちを、あなたは超えることができたでしょうか?それとも、全然ダメだったでしょうか…?
ところで、登場する相性数値から平均値・分散を直感で刻々予想し、あなたが想像した予想平均値・分散の変化推移を眺め直してみても面白いかもしれません。そうすると、自分がどんな風に考え・予想をしていたかを、自分自身で改めて知ることができ、ちょっと不思議な気持ちになることでしょう。