2013-01-22[n年前へ]
■CAPTCHA復元で眺める「単純明快で最適解になっている世界の原理」
インターネットの中を広告・宣伝のためのロボットが走り回るようになってからずいぶん経ちました。ロボットから人間を識別するために(ロボットには読めない)CAPTCHAが作られて、けれど、そんなCAPTCHAに人間も悩まされる時代です。
MintEyeと呼ばれるCAPTCHAは、スライダーで決められたパラメータを使って変形させた画像を、そのスライダーを動かすことで「普通の画像」に戻すことができた間だけ「あなたは人間だ!」と判断するシステムです。
そんなMintEye CAPTCHAを破るのは簡単だ、ほんの数行(実際のところ2行足らず)のPythonコードを書けばいい…という記事”Breaking the MintEye image CAPTCHA in 23 lines of Python”を面白く読みました。内容を簡単に書くと、「エッジ(画像の微分値)の総和が最小になる条件=普通の画像に戻った条件」だ、という具合です。
直交座標を手書きで描くと、空間中を最短距離で結んでいる直線群が描かれます。長方形に張られたゴム紐が形作るような、そんな世界を最短・最適に結んでいる座標軸をかき乱したなら、座標軸に沿って描かれる画像(線分)は(大雑把に平均的に眺めてみれば)必ず長くなるのでしょう。
「線分=エッジ(微分)の総和を最小化し、(攪拌された状態から)元の画像に戻す」という数行のコードは、単純明快で美しい!と思います。
2013-02-12[n年前へ]
■天下一品とラーメン二郎を判別するための「画像処理アルゴリズム」を作ってみよう!?
東京が誇る「ラーメン二郎」と京都が誇る「天下一品(ラーメン)」を区別する画像処理アルゴリズムを、今日は作ってみました。
見た目(色)だけで言えば、ラーメン二郎と天下一品のスープはかなり似ています。しかし、Googleで「天下一品 こってり」と「ラーメン二郎」でイメージ検索をかけた結果(左下:”天下一品 こってり”のイメージ検索で得られた画像群、右下:”ラーメン二郎”のイメージ検索で得られた画像群)を色解析してみると、実は「区別するための手がかり」があります。
下図は、(それぞれの)イメージ検索結果の画素値群をLAB色空間にマッピングしてみた(そしてab平面で画素値群を眺めてみた)結果です。
ラーメン二郎と天下一品を区別するための画像処理的手掛かり…それは「天下一品 こってり」には緑色のネギの色が入っていて、「ラーメン二郎」には焼き豚チャーシューが発する赤茶色の比率が多い、ということです。ラーメン二郎で撮影されたラーメン画像には赤茶色はあるけれど・緑色はなくて、天下一品ラーメンには緑色のネギは入っているけれど、赤茶色はそれほど入ってないのです。
ドンブリ写真から「どのラーメン店か(ラーメン二郎と天下一品)を見分けるための方法」を、今日は考えてみました。ラーメンの味を区別する、たとえば「味が薄いラーメン」「味が濃いラーメン」を区別し、好みの味かどうかをケータイ(スマホ)写真から区別することができる画像処理、そんなものを作ってみたい今日この頃です。
2013-03-08[n年前へ]
■はやぶさを支えた画像処理技術
「はやぶさを支えた画像処理技術」を聴きました。「イトカワ」に「はやぶさ」が近づき・タッチダウン地点を選ぶ際、イトカワの三次元形状をどのように推定したかという話、完全人力での対応点抽出とか(限られた中での最適化とか)、宇宙空間ならではの輪郭抽出の困難さとか…「ミッション」を(影で)支えたエンジニアたち、彼らが行った作業(日常)は実に興味深いものでした。
目的地は3億km以上遠く、わずか長径500メートルほどの異形なイトカワ。あまりに小さく、辿り着くまでどんな形なのかも確かでない…。タッチダウンするためには、接近した後、撮影した画像から精密な3D地図を作り・どこか一点を選ばなければならない…。
2013-03-17[n年前へ]
■「モザイクで隠された読めない文字」を復元・解読する方法
「モザイクで隠された読めない文字」を復元・解読する方法を書きました。
全く読むことができなさそうであっても、文脈や文字情報を組み合わせていくと、「可能性が高そうな組み合わせ・内容」が浮かび上がってきたりするのです。
ちなみに、腕(何の腕?)に自信のある方は(今回の記事で使った)下記のモザイクが掛かった「暗号」解読を、記事を読む前に挑戦してみると面白いかもしれません(ヒント:この暗号は「場所」に関するメッセージです)。
2013-04-01[n年前へ]
■画像処理で浮かび上がる!北朝鮮ミサイルの日本ターゲットは「厚木・呉基地」だった!?
「北朝鮮の金正恩第1書記が3月29日、軍の作戦会議を緊急招集し”アメリカ本土へのミサイル攻撃計画”に署名した」(プロパガンダな)北朝鮮メディアが伝えました。しかし、その北朝鮮国内報道で流れた「作戦会議の写真」には、アメリカ本土攻撃計画が見事に映り込んでいて、ミサイルをアメリカのどこに向けようとしているかが、丸わかりだった、という解析がされています(他には金正恩第1書記が21.5インチのApple iMacを使っているとか)。
日本国内に住んでいる私たちからすると、北朝鮮ミサイルが狙う「アメリカ本土ターゲット」も気になりますが、それより何より、日本国内のターゲットが一番知りたいところです。そこで、(右に貼り付けた)北朝鮮の緊急作戦会議の写真をじっくり調査してみると、金正恩第1書記が座り・作業するピカピカ机の表面、金正恩第1書記の右手の先辺りに、日本周辺地図がわずかに映り込んでいます。そこで、その映り込みに画像処理を掛けて、拡大・復元してみた結果が下の写真です。見事に、北朝鮮作戦会議で映し出されている日本周辺地図が浮かび上がっています。
日本の上には何カ所か情報が書かれていて、そのうち2箇所に明瞭なマークが描かれています。2箇所のマークのうち、おそらく、一箇所は自衛隊の呉基地で、もう一箇所は厚木基地のように見えます。その他の、情報が書かれている場所は八戸基地や大湊基地辺りでしょうか。…とにかく、北朝鮮の作戦会議に写るモニタ画面上では、日本国内の重要ターゲットは厚木基地と呉基地のようです。北朝鮮がミサイルを撃ちそうな時が来たら、厚木と呉近くには立ち入らない方が良いのかもしれません。
ところで、この北朝鮮の作戦会議に貼られた太平洋周辺地図(から復元した日本周辺地図)を眺めていると、「成田空港のあたりから、何本も線が世界へと延びている」ように見えるのは…きっと気のせいですよね。