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2009-01-18[n年前へ]

「相場師」のケインズ 

 「相場ヒーロー伝説 -ケインズから怪人伊東ハンニまで」から。

「(ジョン・メイナード・ケインズ)彼が残した財産は総額四十五万ポンド。今なら二十億円を超す額だ。投機の決算は『大もうけ』だった」(中略)勝海舟が言っている。「経済のことは経済学者にはわからない。それは理屈一方から見るゆえだ。世の中はそう理屈通りいくものではない。人気というものがあって、何事も勢いだからね」(『氷川清話』)勝海舟は経済学者には経済はわからないと決め付けるが、どうして、どうしてケインズは「人気」も「勢い」もわかっていた。だからこそ投機という難事業に成功したのである。
お金というのは不思議なものです。・・・ほんのわずかな知識と、特別な経験の成果として、金は容易に(そして、文字通り不当にも)ころがり込んでくるものです。

ジョン・メイナード・ケインズ 「母にあてた手紙」

続:Simulinkで経済循環モデルを作ってみる 

 「Simulinkで経済循環モデルを作ってみる」の続きで、マクロ経済学の経済循環モデルを教科書を読みながら、同時にSimulinkでそのモデルを作り確認しつつ、自習しているのですが、「わかった気になるのと、わかるのは大違い」ということだけは実感できます。教科書に書いてあることを、自分できちんとなぞることがなかなかできません。

 今日は、前回作ったSimulinkモデルを単純化し、乗数理論の項を読みながら、さらに「消費を国民所得と限界消費性向を使った関数に変えてみた」のです。ついでに、「(景気の)外乱」まで付け加えてみました。

 というわけで、モデルを組んだ後に、シミュレーション計算をしてみたわけですが、何だか「教科書を読んだときの予想とは異なる結果」になってしまいます。「消費」が増減すると、その増減を「貯蓄」の項が吸収してしまうため、何だか「乗数効果」というのが体感できないのです…。

 やはり、教科書に書いてあることを、きちんと理解することができていないようです。「部分部分」はわかったつもりになれても(わかったように勘違いできても)、実際に組んでみようと思うと、自分が全くわかっていないことが本当によくわかります。




経済循環モデルのお勉強






2009-01-19[n年前へ]

続々:Simulinkで経済循環モデルを作ってみる 

 「Simulinkで経済循環モデルを作ってみる」「続:Simulinkで経済循環モデルを作ってみる」というように、教科書を読みながらマクロ経済学のイロハを学ぼうとしています。

 というわけで、まずは「スティグリッツ入門経済学 <第3版><第3版>」を読み、これが文庫本だったら持ち歩くのに・・・と思ったり、「早わかり経済学入門―経済学のイロハから最新理論まで、一気にわかる。」を読み、変な例えでの説明が出てこないせいか、個別の項目に関してはとてもわかりやすいなぁ、と感じたりしました。

 とはいえ、まだまだ自分できちんと教科書に書いてある経済循環モデルを「教科書通りに動く」ようににすることができません。数え切れないくらい色々な点について勘違いしている感じです。今日はとりあえず、下の図のようなモデルを作ってみたのですが、やはり自分で眺めてみても教科書とは違う変な感じになってしまいました。・・・自習で学ぼうとすると、実に難しいものですね。




まだ理解できない経済モデル経済制御無し経済P制御






2009-01-21[n年前へ]

コロンビアは麻薬用作物からの所得をGDPに算入している 

 「スティグリッツ入門経済学 <第3版>」を読んで、意外かつ納得したのが、こんな一節だ。

 不法な経済活動はGDPに算出されない。(中略)しかし不法な経済活動が主要な所得源泉となっている国についてはそうではないだろう。この場合には、そうした所得をGDPの一部として計算しないとなると、その経済を誤って理解することになるかもしれない。
(中略)
 コロンビア政府は、不法な麻薬作物から得られた所得をGDPに算入するように計算方法を変えた。GDPの計算において麻薬用作物を合法的な作物と同じように取り扱うと、コロンビアのGDPは1%程度増加することになる。
アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ」がとてもわかりやすかったのと同じように、この本も実に「全体を通した流れ」を納得しやすい。ぜひ、いつでも持ち歩くことができるような文庫本で出して欲しい。

2009-01-26[n年前へ]

シミュレーションで学ぶ自動制御技術入門 

 制御工学の教科書はたくさんあって、しかもその一冊一冊が結構視点・書き方が違う。分類がすこしづつ違っていたり、言葉の定義が少しづつ違っていたり、10人の制御工学者がいれば、11種の制御工学があるのではないだろうか、と思ってしまうほどである。

 「シミュレーションで学ぶ自動制御技術入門―PID制御/ディジタル制御技術を基礎から学ぶ (計測・制御シリーズ)」は(特に)各種PID制御を付属CDに入っている「制御システム体験ソフト」を使い納得することができる書籍である。(最近出版されている)制御工学に関する本は根こそぎ読んでいると思うが、一番最初に、制御工学を「体感する」ために買うには本書はとても良い本だと思う。

 ところで、景気の落ち込みが激しい中で、景気対策として報道される内容を理解しようと思ったら、経済学と制御工学の基本を知っておくと良いような気がする。少なくとも「システム」の数的な動きというものに惹かれる人たちであれば、それでいて経済学と制御工学に触れたことがない人であれば、経済学と制御工学の本を手に取ってみることは、新鮮な経験だ思う。色んなことがどのように動き、それらを安定化させるためにどのような制御が行われているか、その制御は果たして実効性があるか、そんなことを知るには経済学と制御工学をかじっておくと面白いはずだ。

 そうすれば、ニュースを、これまでとは違う視点で眺めることになるのではないか、と思う。ただし、不確かなことが多いこの世界では、歯切れ悪く単純明快ではないような感想をいつも持つようになってしまうかもしれないという、両刃の剣なのだけれども。



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