2008-04-20[n年前へ]
2008-12-24[n年前へ]
■「プリンタで偽造したナンバープレート」と「速度取り締まり機の撮影波長」
スラッシュドットで「レーザープリンタで光沢紙に車のナンバープレートを出力し、スピード違反取締りカメラを騙す」という記事を読んだ。この記事を読んでふと疑問に感じたのが、「プリンタで偽造したナンバープレート」をどの程度鮮明に「速度取り締まり機」で撮影することができるか、ということである。
なぜかというと、レーザープリンタで使われるインク(トナー)は赤外光をほとんど吸収しないからである。カーボンブラックを使った黒いインクは赤外線を吸収するが、それ以外のマゼンタ・シアン・イエローといった色インクは赤外線をほとんどそのまま透過させてしまう。右下の図が、光の波長と透過率を示したグラフである(ディジタルハードコピー技術 P.119)。赤外線で眺めてみれば、カラーインクはほぼ透明に近いということがわかるだろう。
一方、速度取り締まり機、オービスは赤外光で走る車を撮影する。つまり、カラーインクが光吸収しない波長領域で、ナンバープレートを見るのである。・・・ということは、もしもナンバープレートに描かれた「緑色の文字」をイエローとシアンのインクで描いたなら、それはオービスにとってみると「淡い色の文字」にしか見えそうにない。
実際には暗い緑色を描くために黒インクも使われるだろう。しかし、もしも、イエローとシアンだけを使ってプリントしたなら、そのナンバープレートに描かれた文字は、オービスにはほとんど判別できない(透明)色になってしまいそうだ。人間が見ると、白地に緑色の(それほど不自然でない)ナンバープレートに見えるにも関わらず、である。
一体、「プリンタで偽造したナンバープレート」は「速度取り締まり機」で眺めてみると、一体どのように見えるのだろうか。どのくらい違って見えるのだろうか。
自分の目で見たものと他人の目が見るものが違うように、自分の目で見るものと機械が同じとは限らない。機械にはどんな風に見えるのか想像してみて、そして、検証してみることが大切なのだろう(参考リンク)。
2009-05-01[n年前へ]
■Vision simulations
色や視覚にまつわるColor Vision toolやColorRotateといったツールがとても興味深いVision simulations。一見の価値あり、です。
Not everyone sees the world as you do
みんながあなたと同じ世界を見ているわけじゃない
2012-11-13[n年前へ]
■「”ライト内蔵型”眼帯」があれば「見えないもの」も見えてくる!?
数日前から「片目」生活をしています。右目は眼帯で覆い、目の前の景色を見ることができるのは「左目だけ」という状態です。だから、ゴルゴ13ではありませんが、「(後ろならぬ体の右側がほぼ見えないので)オレの右側には立つな」という気分です。
そんな片目眼帯生活の中で気づいたことは、眼帯越しに「明るさ」を感じることさえできれば、驚くべきことに「立体感」を感じるということでした。たとえば、目の前にいる人の姿は(左目から見える)左側しか見えていないはずなのに、(眼帯越しに右目が”明るさ”を感じさえすれば)不思議に両側から眺めている心地になるのです
(眼帯に覆われた)右目を完全に手で覆ったりして明るさを感じない状態にすると、「見えている景色」は平面的で”単なる画像”にしか思えないのですが、ひとたび右目が明るさを感じた途端、目の前の景色が立体的で確かな広がりを持っているように感じます。
どうやら、眼帯に覆われた目が(もしも眼帯がなかったら)見ることができる景色を、脳のどこかの回路が勝手にレンダリング補完しているようです。その回路は、眼帯に覆われて目の前を見ることができない目に信号が入ることで電源が入るようです。たとえ、その信号が何の情報もない一様な明るさだけであったとしても、その回路は動き出すようです。
それだけでなく、その映像補完&立体感生成回路と同じように、視界からの文字認識やパターン認識といった画像処理回路も、見えない右目に光信号が入ることで(その右目からの情報が完全に無意味なものであったとしても)どうやら処理能力がアップするようです。たとえば、「ウォーリーを探せ」を試しにやってみたところ、右目を完全に遮光していると「絵本のページからウォーリーを探し出す」のは至難の業に思えます。しかし、眼帯越しの右目に明かりを当てた状態だと、結構簡単にウォーリー模様を見つけ出すことができるのです。
「”ライト内蔵型”眼帯」があると、とても便利なのではないかと考えます。たとえ瞼を閉じて・眼帯で覆っている(つまり目に優しい)状態であっても、眼帯に内蔵されたライトで目に明るさを感じさせることができたなら、立体感(遠近感)も感じることができるし・文字/パターン認識能力も向上させることができるかもしれない、と思ったのです。
というわけで、100円ショップで超小型ライトを買い、マイ眼帯のガーゼに埋め込んでみました。これで、瞼越しに光を網膜に当てて、脳内画像補完システムで立体感と画像処理能力をアップさせることができるはずです。「眼帯を奇妙に光らせる不審者」として怪しまれなければいいな…と願いつつ。
2013-04-18[n年前へ]
■「○×な視覚で□△を眺めた・出力した結果」を知能検索エンジンWolfram Alphaに訊いてみよう!?
Wolfram Researchが提供する知識検索エンジン Wolfram Alpha で「人間を含む動物の視覚処理(風な)」機能が使えるようになっています。光スペクトルを識別するための光受容体数と空間分解能を非常に大雑把に模した画像処理を、Wolfram Alpha上で行うことができるようになっています。
たとえば、「犬がスーパーマンを見るとどう見えるか?(apply dog vision to image of superman)」を調べてみると、こうなります。左下が元画像で、右下が処理結果です。
ちなみに、「スーパーマンの画像をマンガ風に描いた画像変換を掛ける(=apply dog vision to image of superman)」と右の画像のようになります。これは、フルカラーの階調画像を二値的にハーフトーニング(中間調処理)する、つまり、人間や動物ならぬ機械の出力特性に沿った(非常に大雑把な)変換画像を作る機能です。
「○×な視覚で□△を眺めた・出力した結果」を知能検索エンジンWolfram Alphaに訊いて・眺めてみると、新鮮な世界を眺めることができるかもしれません。