2008-11-22[n年前へ]
■「探偵ナイトスクープ」と「地表の重力」と「電子天秤の体重計」
「探偵ナイトスクープ」を観ていると、北緯45度25分に位置する稚内と北緯25度20分に位置する那覇では(もしかしたらこの数字は「度・分」ではなくて、単に「度」だったかもしれない)、地球の自転の遠心力のために、重力加速度がそれぞれ9.8062273m/s^2と9.7909942m/s^2と、0.155341%ほど違っている。だから、40キログラムの人が稚内から那覇に行くと62.136グラム軽くなる・・・という小ネタを扱っていた。体重40キログラムのマネキン人形を稚内から那覇へ移動させ、電子天秤でその体重を計り、マネキン人形の体重が軽くなるさまを見せていた。
実際には、緯度によるの違いを生む過程はそう単純でないと思いながらも(参照)、画面を観ていて何より面白かったのが、撮影に使われていた電子天秤だ。40kgを1g未満の誤差で計っていて、つまり、6桁近くの精度を持っているのである。
その桁数をたとえるなら、「1.6トンの車に、おちょこでお酒を1盃と少しかけた時の重量の違い」がわかるくらい、といことになる。・・・そんな体重計があったら、とても小さな体重の増減に、つまりはとても小さなことに一喜一憂してしまって大変そうだ。体重計に限っては、有効桁数が大きいことが必ずしも良いとは限らないのかもしれない。
2009-12-06[n年前へ]
■Thinkpad加速度センサ取得用C++クラスの手直しをしました
Lenovo(IBM) Thinkpad加速度センサ取得用C++クラス(関連記事・Thinkpad加速度センサ取得用C++クラス/新しいThinkpad にも対応した加速度センサ値取得プログラム)を少し手直ししておきました。動作は全く変わりませんが前回の修正の際に不要な部分が残っていたので、その点について直しました。
Thinkpad加速度センサ取得用C++クラスをまとめたヘッダファイルソース(Sensordll.h)、および、使用サンプルソース・バイナリ(sample.cpp・sample.exe)は、ここに置いておきました(古いバージョンは、サブディレクトリに置いてあります)。
サンプル・アプリケーション例では、よく意味がわらないままに、"Temprature"も出力するようにしてあります。
sample.exe 1000 10という風にコマンドラインからアプリケーションを実行すると、
0=x, 0=y,35=temp. 0=x, 0=y,35=temp. 0=x, 0=y,35=temp. 0=x, 0=y,35=temp. 1=x, 1=y,35=temp. -16=x, -3=y,35=temp. -1=x, -1=y,35=temp.とった具合に左右方向の傾斜と奥行き方向の傾斜(とtemprature)を出力します。
2010-04-29[n年前へ]
■野球の硬式ボールと軟式ボールの重さの違い
陽の光が柔らかく当たる公園横のグラウンドで、米軍の関係者らしき人たちが野球をしていた。ボールを久々に投げてみたい気持ちになり、一瞬だけ混ぜてもらい、ノックを受け・送球をした。
その後、野球に興じる人たちを横目で見ながら、「速球を投げられない」と同行者にこぼすと、「硬式と軟式のボールの重さ」の違いについての話をしてくれた。硬式ボールの方が軟式ボールより重いので、硬式ボールを使うプロ野球の選手が軟式のボールを投げた時には、空気抵抗のため硬式ボールほどの速球を投げることができないのだ、という。
なるほどそうだったのかと思い、帰ってから、ボールの重さの違い・規格を確認してみた。すると、硬式ボールが141.7-148.8gとなっていて、軟式ボールは134.2-137.8g(A号)となっている。なるほど、10%弱ほども重さが違うのであれば確かに球速に影響を与えるに違いない。
それにしても、春が過ぎ初夏の前、梅雨が来る前のこの季節、野球をしている人たちは心から気持ち良さそうに見えた。「幸せって何だっけ?」という問いへの答えのひとつが、こんな景色だったりするのかもしれない。
2012-08-14[n年前へ]
■「自転車を漕ぐ」と涼しくなる?それとも暑くなる!?
真夏日が続くと、体にまとわりつく暑さを吹き飛ばしすやり方を知りたくなります。そこで「うちわの効果を検証 体温は涼風で低下か、それともあおぐ労力で上昇か」という記事を読みました。
暑い日にうちわで風を送ることに意味はあるのか。結局、あおぐことで体温が上昇するだけではないのか。
…人間が生産するエネルギーは約100ワットだ。うちわをあおげば、約1ワットがこれに加わるかもしれないが、体の周辺の空気の速度が大幅に増すことで、ヒートロスは倍増し得る。1%の努力で、2倍の涼しさを得られる可能性があるのだ。皮膚の周りの空気が(汗が蒸発できるくらい)湿度が低かったり、あるいは、体温よりも温度が低ければ、ほんの少しの風が吹くだけで少し心地良く涼しくなることってあるよなぁと思いつつ、(真夏日に自転車を漕ぎながら)「自転車を漕ぐ」と涼しくなるか?それとも暑くなるか…というパズルを考えたくなりました。
「うちわの効果を検証 体温は涼風で低下か、それともあおぐ労力で上昇か」
自転車を漕ぎ始めると、体に風が吹き付けてきて、そして涼しくなります。ほんの少し速度を上げると、体を冷やす風速も増して、もっと涼しくなります。
それでは、さらに自転車を速く漕いでいけば、もっともっと涼しくなるものでしょうか?…残念ながら、そういうわけにはいきそうにありません。
自転車を漕ぐとき、速度が遅くないのなら、自転車を漕ぐエネルギーはほとんど空気抵抗に抗(あらが)うために使われます。自転車で走る速度(と体のサイズ)を考えると、レイノルズ数は十分に大きく体の周りには乱流が発生し・空気抵抗係数は一定になります。その結果、空気抵抗は速度の2乗に比例します。(レイノルズ数が小さければ、空気抵抗係数は速度に反比例するため、空気抵抗は速度の1乗に比例します)
空気抵抗が速度の2乗に比例するということは、空気抵抗を受けながら自転車を漕ぐのに使われる仕事率(時間あたりに使われるエネルギー)は速度の3乗に比例することになります。つまり、自転車を走らせる速度の3乗に比例する「熱」が(自転車を漕ぐ)体の中で発生することになります。
次は、その熱を発する体を冷やす「放熱」について考えてみます。汗の影響を考えない場合、そして体温より気温が低い場合、体から周りの空気への放熱量は体温と気温の温度差に比例します。その比例係数は、速度(レイノルズ数)のn乗に比例する関数になりますが、nは大きくても1未満です(体と接することができる空気は、乱流が発生しないという最大限の場合でも、速度の1乗に比例しますから)。つまり、放熱量は速度の0.△乗に比例する程度の量になります。
汗の影響、つまり汗が気化することで皮膚から奪う熱量も、その熱量の上限は(湿度が高くて汗が気化しないということがない限りは)汗が気化する先である「皮膚に接する空気の体積」に比例しますから、汗の影響も速度(レイノルズ数)のn乗に比例します。結局のところ、汗の影響を考えたとしても、放熱量は速度の0.△乗に比例する量になるわけです。
自転車を漕ぐことで発する熱量は「速度の3乗に比例する」もので、そして、体から奪われる熱量は「速度の1乗未満に比例する」となると、自転車を漕ぐ速度を速くしていくと体内で発生する熱を放熱できなくなり・体がアッチッチになってしまう=全然涼しくない…というわけです。
自転車は「漕げば漕ぐほど涼しくなるわけではない」ようです。暑い日に、近くの街まで自転車を漕ぐ溶きはゆっくりゆっくり漕いでみるのが、一番暑くならない自転車の漕ぎ方かもしれません。
2013-01-03[n年前へ]
■箱根駅伝の途中棄権を生む「冬の強風は痩せ型に厳しい」理由
『箱根駅伝の途中棄権を生む「冬の強風は痩せ型に厳しい」理由』を書きました。
発熱量は1乗に比例し・放熱量は0.4乗に比例…ということは、(同じ体重で)体重が増えると発熱量の方が放熱量より遙かに多いけれど、体重が少ない痩せ型にとってはそうでない、ということになります。