2004-07-26[n年前へ]
■「二十年前の過去」の未来
先日、GRAPHICATION(グラフィケーション)の紹介をした。紹介するのは実は二回目だ。前回は、
一言で言うなら、富士ゼロックスの企業広報誌ということになります。ただ、多分その一言で伝わるイメージは間違っていると思います。 もし、手に取ったことがなければぜひ一読してみるべきだと思います。もしかしたら、いえもしかしなくても、きっと気に入る人がとても多いと思います。一言で言えば、「とてもお勧めの雑誌」です。なんていう風に書いた。ほんの二年弱前からの愛読者であるわけだが、そんな私の手元にはグラフィケーション編集部編「科学技術を考える」なんていう本もあったりする。1985年発行、つまりほぼ二十年前に発行されたこの本には、「グラフィケーション」で連載されていた(坂村健、渡辺茂、村上陽一郎、竹内啓ら19人による)対談11編が収録されている。
1985年というとつくば科学万博が開かれていた頃だが、その内容は決して古くない。例えば、前書きを少し引用をすると「万博会場の自動翻訳機を使って、エスキモーとケニア人が対話している。いまや、世界中が科学の力で結ばれている。ロボットにピアノを弾かせたり、似顔絵を描かせることが流行している。しかし、そんなことができたからといって、世界中に渦巻いている異民族間、異文化間の問題が何か一つでも解決したわけでもない」というような感じだ。これは、二十年前の話ではなくて、ほんの少し前のATRやソニーの発表のことだと言われても納得するような風景だ。
この中に、二十年と一月前に行われた坂村健と端山貢明の対談の中で、「二十年」に言及した部分がある。
技術の進歩が早い、早いとよく言われますがそんなに早まってはいないんですよ。 というのは、いまパソコンが世の中でたくさん使われていますが、パソコンが発明されたのはもう二十年くらい前の話なんです。新技術が研究されてから一般化するまでに二十年かかる。「いまパソコンが世の中でたくさん使われていますが、パソコンが発明されたのはもう二十年くらい前の話なんです」というこの言葉は今から二十年前に交わされた会話である。
プロジェクトXを好きな人達やキライな人達、あるいは二十歳そこそこの人達、あるいは八十年代を懐かしく思い出す年代の人達も、昔の本を読んだりして「二十年前の過去」の未来を振り返ってみるのも良いかもしれない。「二十年前の過去」の未来はまさに今現在であるのだから。
2004-08-08[n年前へ]
■大掃除開始
忙しいときには、多くの人が現実逃避で掃除を始める。私もその例に漏れず、ふと思い立って部屋の掃除を始めた。とにかく、捨てよう。最近電源を入れていないオーディオは一式全て捨てよう。二十世紀に捨ててくるはずだったCRTも全て捨てる。古いPCも捨て捨て、だ。
TEAC TASCAM 244も捨てよう。KORG Poly-6も捨てよう。KORG M1も捨てよう。KORG MS-20も捨てよう。今では(偶然全て)ソフトで実現できてしまうわけだし…。もったいない気もするけれど、過去より未来、だ。
2004-09-04[n年前へ]
■Online Speech Bank
素晴らしい小説を読むととても興奮したり、感動したり、楽しくなったりする。それと同じように、色んな素晴らしい演説・スピーチもそんな感動・興奮を呼び起こす。米国の色んな人達、政治家や映画の中の登場人物や、とにかくありとあらゆる人達の演説が集まっているのがOnline Speech Bankだ。現在でも過去でも、色々な場所で語られた内容を読んだり、そして何より「演説を行っている肉声」を聞くことができる。
Martin Luther King, Jr.の「私には夢がある」と語る声や、John F. Kennedyが「アメリカが何を世界にするかではなく、世界が共に自由のために何をするかを考えよう」と語る声を、そんな声を次々と聞いていく週末も楽しいかも。
2004-09-20[n年前へ]
2004-11-09[n年前へ]
■掘り起こして、見つける
掘り起こしているうちに、自然に見つかるもの。「自然に」とは言っても、掘り起こして初めて見つかるもの、かな。
物語はね、書いてると、あるんだよね、見つけてしまうことってさ。…ずらっと並べた、並列に並んだキャラクターの中に、業田はある日、この幸江とイサオを見つけてしまったんだよね。「あっ、オレはこの二人が描きたかったんだ」ってことに気づいてしまったんだよね。で、この二人をずーと描いているうちに、「この二人にはこういう過去があったんだ」ってことに気づいてしまったんだよ。それは最初からそこにあったの。この二人は最初からそこにいたし、この二人の過去は最初からそこにあったんだよ。業田はそれを掘り起こして見つけてしまったんだよね。…どんどん、もうすでにあるものを業田は見つけていくんだよ。これは絶対、業田が創ったんじゃないんだよ。ほんとに自分が穴を掘っていくうちに、見つけてしまったんだよ。…もうそこにあるものを、描いただけなんだよ。 いしかわじゅん BSマンガ夜話 「自虐の詩」
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