2011-08-18[n年前へ]
■「次から次へと階段は続く。」
BE-PAL (ビーパル) 2011年 09月号 「八十八カ所巡礼 四国お遍路バックパッキングの旅」中で引用されていた空海「秘蔵宝鑰」 から。
人の心は前進もするし後退もする。心は常に動くのだから、急いで安住の地を見つけるのは正しくない。ひとつ段階を経てさらに深く考えれば、次から次へと階段は続く。
2011-12-06[n年前へ]
■人に優しい「ジグザグな手すり」
JR お茶の水の駅で「ジグザグな手すり」を見かけました。こんな作りの手すりを見たことがなかったので、手すり周りを観察していると、その近くにジグザグ手すりの説明が書いてありました。その説明を読んでみると、階段を降りるときは手すりでしっかり体を支えることができ、登るときは手すりを握って引っ張りやすいという、ナルホド!人に優しいデザインです。
この人に優しい「ジグザグな手すり」のコストは、普通の「真っ直ぐ手すり」と比べて、どのくらい高いのでしょう。 多くのことにおいて、コストと何かがシーソーゲームをしていることが多いものです。この手すりの場合には、使いやすさが、どのくらいのお値段アップに打ち勝ったのだろう?と考えます。
2017-09-01[n年前へ]
■下着マチ部分の「わずかな凹凸」がなぜボトムスの上から視認されるのか?
平日のラッシュ時間、駅のホームから上がる階段は、人がギュウギュウに詰まっている。 その階段を登りながら、こう考えた。
職場や学校に向かうだろ多くの人に挟まれて、密度高く窮屈に階段を昇っていると、ちょうど1メートルくらい先の正面に、階段を上る女性がいる。 私の顔のちょうど正面に彼女のヒップがあるせいか、それとも何か他のユング心理学的な何か深層心理の原因があるせいか、とにかくその球面状のヒップが目に入る。 もしかしたら、そのヒップが気になったのは、下着の線が浮かび上がっていたせいかもしれない。 女性はストレッチ素材のボトムス(ズボン)をはいていて、階段を昇るために足を上げる動作をするせいか、ボトムスに明瞭に下着の線が浮き上がっている。 それは、下着のアウトラインだけでなく、股部分の左右を繋ぐ「マチ」も線となり浮き上がり、それはまさにあだち充が描く「ムフ♡!」的な気持ちを思い起こさせた。
人が何に「ムフ♡!」を感じるかは、それはまさに個性で、その人次第に違いない。 けれど、私の場合は、下股部分の左右を繋ぐ、上を凸とする「マチ」の円弧状の曲線に、「ムフ♡!」を感じるらしい。それはもしかしたら、あだち充ではなくて、桂正和の影響だったのかもしれない。
そこまで考えが漂流してきた時に、こんな疑問が湧いてくる。 「なぜ、下着のマチ部分を、ボトムスの上から見ることができるのだろう?」 「マチ部分には確かに凹凸ができるだろうけど、それほど大きくなさそうな凹凸を、なんで視認することができるのだろう?」 そこで、目の前のヒップを観察しながら階段を登りつつ考えた。
下着のマチ部分は、他の部分に比べて約2ミリメートルくらい厚い。 つまり、女性の丸いお尻が下着をはくと、丸い曲面上に「下着のマチ」という高さ約2ミリメートル程度の山脈ができる。
そんな山を持つ曲面面を、さらにストレッチ素材のボトムスが覆うとき、収縮しようとするストレッチ素材の生地を支配する方程式は、ポテンシャル曲面は可能な限り「滑らか」になるというラプラス方程式である。 つまり、下着のマチ部分を覆うストレッチ素材のボトムスがどう見えるかを考えるときには、ラプラス方程式の解を求めればよい。
自然界の多くの現象がラプラス方程式を使って解くことができるように、下着のマチ厚みが作るボトムス表面形状を、ラプラス方程式で求めることにしよう。…そのために、まずは、下着のマチ部分あたりの女性のヒップを、直径8センチメートルの球面形状だとしてみる。 すると、ラプラス方程式の解を概算すると、下着のマチ部分のストレッチ素材のボトムスは、ざっくり「高さ2ミリメートルで、両側になだらかな斜面が約9ミリメートルほどつづく山(凸形状)」ができることになる。
すると、次の疑問がさらに湧く。
「高さ2ミリメートルで、両側になだらかな斜面が約9ミリメートルほどつづく山(凸形状)」を人は視認することができるものだろうか?
約1メートル離れて、視線方向への2ミリの凹凸となると、両眼視差で形状を捉えるようなスケールではない。 となると、そのオフホワイト単色のボトムスに浮かぶ凹凸を識別する手掛かりは、陰影情報だけだろう。
物体に照明があたるとき、その表面の陰影はコサイン(照明角度)で表される。 ということは、高さ2ミリメートルの下着マチ山脈の陰影は、「両側に約9ミリメートル続くなだらかな斜面」の角度(斜度)を計算し、そのコサインを評価してやれば良いことになる。 ちなみに、下着マチ山脈の斜度を計算してみると、約13度だ。 照明が約45度方向から照らすなら、下着マチ山脈の片側斜面は(他の部分より)約8パーセント明るく、もう片側の斜面はその逆に約8パーセント暗いということになる。
人の視覚が濃淡模様を識別する特性を考えると、約1メートル離れた9ミリメートルピッチつまり角度約1度の濃淡模様は、数十分の1程度でも識別することができる。 つまり、下着マチ部分の濃淡は、その高さがわずか2ミリメートルだとしても、明瞭に視認されることになる。 もちろん、いわゆる視力的にも角度約1度は約0.02に相当するから、全くもって問題は無い。 結局のところ、「下着のマチ部分の凹凸はわずかでも、その陰影は視認するのに十分な濃淡になる」ということになる。
と、考えがさらにここまで漂流してきた瞬間、駅の階段を踏み損なって転びかけた。足の先を強く打ち痛い思いはしたけれど、幸い何ともなかった。 階段を昇る目の前の女性のヒップに浮かぶ「ムフ♡!」を眺めつつ、考えごとをすることは、有意義と言うよりは少し危険なことなのかもしれない。
2018-10-20[n年前へ]
■伊能忠敬メソッドで渋谷駅の地下大迷宮を可視化する!?
先週発売された「ソフトウェアデザイン 2018年11月号」に4ページ記事を書きました。題して「伊能忠敬メソッドで渋谷駅の地下大迷宮を可視化する!?」です。渋谷駅の地下内部構造の可視化とか、位置追跡とか構造物の階段角度とか、そんなことが好きな方は楽しんで頂ければ幸いです。
ちなみに、『(この記事を読めば)渋谷駅の地下が手に取るようにわかるのでしょうか?』というもらったコメントをもらいました。その答えは、『本記事で解説されているコードを使えば、3Dプリント可能な渋谷駅の可視化オブジェクトファイルも作ることができます。それはつまり、「 渋谷駅の地下を手に取ることができる」と言い換えることができます』