2010-03-10[n年前へ]
2010-03-09[n年前へ]
■「正しいこと」と「面白いこと」は両立しない。
斎藤美奈子の「文章読本さん江
」から。
「正しいこと」と「面白いこと」は両立しない。読む側になって考えてみれば、すぐにわかる。無難で上手なだけの文章なんか、これ以上、読みたい?私たちが求めているのは、常識をくつがえすような、新鮮な文章でしょう?
「正しいこと」と「面白いこと」は両立しない、と書いてしまうと語弊があるかもしれない。「科学的に正しいこと」「興味深いこと・面白いこと」が両立する場合は、それほど稀(まれ)というわけでなく、あるからだ。たとえば、寺田寅彦の随筆などがそうだ。(科学的に)正しく、そして面白い。もちろん、寺田寅彦のような稀有な例を出してしまうと説得力が失せるかもしれないが、科学的ということに限れば「正しいこと」と「興味深いこと」はそう珍しくない、と言っても良いのではないだろうか。
ここで、斎藤美奈子が書く「正しいこと」というのは、そういう分野における「正しさ」ではない。それは、たとえば、ニュースを見てレポーターやキャスターが語る「正しいこと」や、それについて、さらに人が語る「正しい」こと、というようなものかもしれない。
少なくとも、私が読みたい文章は常識に沿った道徳本ではないことは確かである。
2010-03-08[n年前へ]
■”大きな”ところのバランスシート
色川武大の「うらおもて人生録 (新潮文庫)
」から。
でも、全勝なんて、幻だからね。
俺はね。世の中とうまく折り合いをつけて、スムーズに栄えていく人を見ると、「あ、そんなに小さな勝ち星にばかりこだわっていいのかな、大きなところのバランスシートにも神経を使わないと、ご破算になるぜ」なんて思うんだね。
負け慣れている奴の発想なんだろうけどね。
2010-03-07[n年前へ]
■不況下に必要とされる「目の前の小さな幸せを大切にする能力」
酒井順子の「女も、不況?
」あとがきから。
不況が続いていけば、目の前の小さな幸せを大切にする能力は、ますます求められるものと思われます。二十年後に今の時代を振り返った時、「あの時代って、考えてみると意外に楽しかった」と思うことができるように、したいものですねぇ…。
2010-03-06[n年前へ]
■ミカンの隣にリンゴを置くと果物だが、ボールを置けば…
非ユークリッド写真連盟(森田信吾+糸崎公郎)「フォトモ―路上写真の新展開
」を読んでいるとセザンヌのこんな言葉に出会う。
ミカンの隣にリンゴを置くと果物になる。しかし、ボールを置くとそれは球体になる。人は、類似性を見つけたがり、そして、分類をしたがる指向を持っているのかもしれない。
人が二人並んで歩いている時、あるいは、人と何かが並んでいる時、私たちはその中にある類似性を見つけ出す本能を持っているのだろうか。
2010-03-05[n年前へ]
■ハッキリ言って『スカ』な「xx年代の正体」
中町綾子「ニッポンのテレビドラマ 21の名セリフ
」の「バブル期のテレビ番組」から。
1990年、別冊宝島は『80年代の正体!』を出版し、「それはハッキリ言って『スカ』だった」と、その文化状況をばっさり切り捨てた。
では90年代はどうだったのか。(中略)ばっさり切り捨てるほどの文化もない。では、ミレニアム'00年代の文化はどうだろうか。現在の文化、'10年代の文化はどうなっていくだろうか。
もしかしたら、「つねに、方法論で逃げていただけであり、そこには実体がなく、結局は流行の奴隷になっただけだ」という『スカ』な『80年代の正体』と同じなのかもしれない。あるいは、この「同じ」ことは、その分量は変化するかもしれないが、いつの時代にもあることなのかもしれない。
2010-03-04[n年前へ]
■「マンガ」や「物語」を作るワケ
ダ・ヴィンチ 2009年 07月号
から、「毎日かあさん
」の西原理恵子インタビューから、サイバラ漫画について。
でも人間って欠損があれば、それを埋めるために何かするよね。家に人が居つかない家庭で育ったから、それをどうやって埋めたらいいのかっていうんで、物語をつくることがうまくなったのかもしれない。
だから、出てくる子どもは全部、私です。情けなかったり、いじけてたりするのは全部。
私の漫画は願いごとなんです。あの時誰も助けてくれなかったけど、本当はこういうふうに言ってほしかったっていう。
やなせ先生(同じく高知出身のやなせたかし)が言ってたの。”人間何がつらいって、お腹すいてるのが一番つらい。それなのに、世界中のヒーローは餓(う)えを救っていません。だから僕は「アンパンマン」なんですよ”って。やなせ先生って南方戦線の生き残りで、周りはみんな飢え死にしていったんだって…。
2010-03-03[n年前へ]
■地球は止まらんし、反対向きには回らんし
中町綾子「ニッポンのテレビドラマ 21の名セリフ
」の大森美香脚本の「風のハルカ」から。すべて、主人公ハルカの台詞。
「どうしようもないんやな。地球は止まらんし、反対向きには回らんし」
「明日からまたいつもの朝を始めんといかんから。正巳がおらんくなっても、私は生きちょるし、ご飯を食べて、眠って起きて、前に進むしかないんよ」地球は時点を続け、西に太陽が沈めば、やがて、東から太陽が昇る。そして、人は朝版を食べて、また、前に進む。
2010-03-02[n年前へ]
■「やりたいこと」と「やれること」について
中町綾子「ニッポンのテレビドラマ 21の名セリフ
」の安斎あゆ子脚本の「セーラー服通り」から。
「ご両親はあなたの進路について理解してくれていますか」と聞くことがある。多くの場合、「自分のやりたいことをやりなさいと言ってます」と答えす。そのうち、やれないとわかったときはどうするのだろう?そんな思いにふと駆られることがある。やれないとわかるのはいつだろうと思う。
未来(夢)ばかりを見つめると、「いま」が見えなくなる時がある。いまが見えなくて、自分のできることを見失うことがある。
もし、やりたいことが叶わなかったり、見つからなかったとしても、今の自分を否定する必要はない。才能のあるなしに関わらず、いま自分にできることを精一杯やってみる。そうすることで、何か自信のようなものができるのではないか。あの時以来、私はそんあふうに生きたいと思うようになった。
テレビドラマは現代を描き、そのテレビドラマの間に挟まる広告は、その現代からさらに未来を描く。
あの頃、あの時、…そんな時代を描きだしたテレビドラマの台詞や音楽の背景を、深く感じてみたい人(特に、R40世代)がこの本を手に取れば、掌の上にタイムマシンが登場すると思う。
このドラマのサブタイトルは、最終輪の「さよなら 欲しくない」を除いて、毎回「○○ 欲しい」となっていた。「男の子 欲しい」「お部屋 欲しい」…。彼女たちはいつも何かを欲しいと望んでいた。だけど、ただ貪欲に何かを手に入れていくわけではなかった。
2010-03-01[n年前へ]
■だから、謝るのが僕の仕事なんです。
ダ・ヴィンチ 2009年 07月号
から、「毎日かあさん
」の編集もした志摩和生が、「毎日かあさん」の連載当初のことを振り返った言葉から。
新聞って地方の真面目なお年寄りも読んでるから、とにかく最初は苦情の嵐。上司に毎日呼び出されて怒られっぱなし。
”サラリーマンは我慢するのが仕事なんです。僕のオヤジは一生我慢してきました。僕が一番尊敬してるのは僕のオヤジです。だから謝るのが僕の仕事なんです。”

