2009-04-01[n年前へ]
■1%の閃き、そして99%の努力
天才は1%の閃き、そして99%の努力だ。
トーマス・エジソン
Genius is one percent inspiration,
ninety-nine percent perspiration.
Thomas A. Edison, Harper's Monthly, 1932
2009-04-02[n年前へ]
2009-04-03[n年前へ]
■ものを「書く」にはまず「思う」
「向田邦子愛 」から。
ものを書くにはまず思うこと。思わなければ何も出てこない。考えたり感じたりする量が多くなくてはならない。書く技術はその後のこと。
向田邦子@「徹子の部屋」
2009-04-04[n年前へ]
■ひとつの疑問をべつのかたちの疑問に有効に移し替える作業
村上春樹 「村上春樹全作品 1990~2000 第3巻 短編集II 」の「蜂蜜パイ」 解題から。
僕は小説というものは、ひとつの疑問をべつのかたちの疑問に有効に移し替える作業であると、基本的には考えている。
村上春樹
2009-04-05[n年前へ]
■光源氏が語る「物語・小説」
「源氏物語 」より(リンク先は瀬戸内寂聴 訳)。
善いこと、悪いことを目撃した人が、見ても見飽かぬ美しいことや、一人が聞いているだけでは憎み足りないことを後世に伝えたいと、ある場合、場合のことを一人でだけ思っていられなくなって小説というものが書き始められたのだろう。よいことを言おうとすればあくまで誇張してよいことずくめのことを書くし、また一方を引き立てるためには一方のことを極端に悪いことずくめに書く。全然架空のことではなくて、人間のだれにもある美点と欠点が盛られているものが小説であると見ればよいかもしれない。
與謝野晶子訳 「源氏物語」 二十五帖 蛍
2009-04-06[n年前へ]
■しっかり、しっかり 春を見ておかないと
JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文章(1993年秋からの)10年間分を収録した「そうだ 京都、 行こう。 」から。
しっかり、しっかり
春を見ておかないと、
すぐ次の季節に
なっちゃいますよ。
2009-04-07[n年前へ]
■広告が映し出す「時代」や「世相」
JR東海・京都キャンペーンポスターの写真と文章(1993年秋からの)10年間分を収録した「そうだ 京都、 行こう。 」の「はじめに」から。
「そうだ 京都、行こう。」の(1993年秋からの)この10年間は、20世紀から21世紀への移行の時と重なっています。バブルその後、情報化社会、グローバル化、ナショナリズム、環境問題、癒し、構造改革などなど、時代という言葉のまわりがとてつもなく賑やかでした。大きな地震災害も体験した。嘆いたり、憤慨したり、笑いたかったり、力づけてもらいたかったり、といろいろな人の思いがありました。本書を年代にそって読み進んでいくと、そんな時代や世相も見え隠れします。
広告人たちは時代の気分に敏感すぎるのかもしれません。
2009-04-08[n年前へ]
■Dreams come true.
from SONGS
吉田美和は、自分が生きている理由を与えてくれた。
もちろん、生きる存在価値は自分が作るものだけど。
Dreams come true. 中村正人
2009-04-09[n年前へ]
■源氏物語も政治の道具
「寂聴と磨く「源氏力」全五十四帖一気読み! (集英社新書) 」
瀬戸内寂聴: (紫式部は)面白い物語を書くと評判になって、当時の最高権力者、藤原道長に召し抱えられて、道長の娘の中宮彰子の女房になりました。…その時の一条天皇は文学趣味があり、彰子より年上の定子という、清少納言が仕えていた方のお姫様とすごく仲が良かった。その天皇の興味を幼い彰子に向けさせるために、道長は紫式部を雇ったわけ。源氏物語も政治の道具だったということです。
2009-04-10[n年前へ]
■指が月をさすとき、愚者は指を見る
四方田犬彦 「指が月をさすとき、愚者は指を見る―世界の名科白50 」から。
指が月をさすとき、愚者は指を見る。
古い諺
けれども、指が月をさしたとき、思わず指を見てしまう人というのは、本当に愚かなのでしょうか。
(中略) 「月」という言葉を「平和」といい換えてみてもいいでしょう。誰もが口を揃えたように、この「平和」という言葉を連発します。けれどもそれぞれのいう「平和」は、どれもが異なった意味をもっています。それを見極めるには、月ではなく、月を指している指がいったい誰のものなのかを、キチンと見定めなければなりません。本当に重要なことは、あるものが何であるかよりも、誰がそれをいっているのかを知ることなのです。
四方田犬彦
2009-04-11[n年前へ]
■「美しい」と「きれい」の違い
「美しい」と「きれい」は違うのだ。
岸田 劉生 「美の本体 (講談社学術文庫) 」
「きれい」というのは「汚い」の反対語ですが、「美しい」というのは醜悪な部分まで含んでいます。
安野 光雅 「絵のある人生 (岩波新書) 」
2009-04-12[n年前へ]
■十五の頃、いちばん恥ずかしいと思っていたこと
江國香織 「十五歳の残像 」から。
十五の頃、いちばん恥ずかしいと思っていたことは何ですか、と訊いてみた。安西さんのこたえは「人をおしのけたり自己主張したりすること」
じゃあいまいちばん恥ずかしいことは、と訊くと…
「すとん、と伝えるひと――――安西水丸さん」
2009-04-13[n年前へ]
■「表現」と「矛盾」
江國香織 「十五歳の残像 」から。
そりゃあどんどん矛盾していくよね、と、甲斐さんは言った。…
でも、と言って、甲斐さんは私の顔を見た。「でも、表現するということはそういうことでしょう?イメージをある程度限りある形で強く打ち出していく、というのが表現ななんだから」
あまりにも正しかったので、私はちょっと黙ってしまう。
「アンビヴァレンスのひと――――甲斐よしひろさん」
2009-04-14[n年前へ]
■「時に、無神経でいられること」
江國香織 「十五歳の残像 」から。
十五のころといまとで、いちばん変わったことはなんですか、と、最後に訊いた。宮本さんは少しだけ考えて、
「無神経でいようと思ったら、いられるようになったことかな」
とこたえた。丁寧な口調で。
「やわらかく強靭なひと――――宮本文昭さん」
2009-04-15[n年前へ]
■「変化すること、予測できないこと自体に価値がある状況」
森山和道氏の(山口浩 著)「リスクの正体!」に対する書評から。
将来の確実な予測はできない。だから逆に人間は予測が大好きだ。でも、変化すること、予測できないこと自体に価値がある状況も少なくない。変化しない社会に適応しすぎると、いいことは何もない。むしろリスクを意識することでうまく生きることもできる。
失敗を恐れるな。過去はどうあれ、未来は変えられる。
森山和道
2009-04-16[n年前へ]
■十五の頃と今と、なにが変わったと思いますか。
江國香織 「十五歳の残像 」から。
十五の頃といまと、なにが変わったと思いますか、と訊いた。
「大人になったんじゃない?自分をごまかす、とか、許す、とか、そういうことは長けてきたと思います。
「私はもどりたいもの。いまの心境でよ。いま会ってる人、いま好きな人の、若いころに会ってみたい」
と、ちょっと色っぽい声音で言うのだった。
「色とりどりに、話すひと――――おすぎさん」
2009-04-17[n年前へ]
■「自分の中に自分で答えを作り出せる人」
朝日新聞の連載記事「うたの旅人」~椎名林檎 「歌舞伎町の女王」~(文・渡辺 薫)より。
「自分の中に自分で答えを作り出せる人」
女王の条件を椎名さんはそう語った。
「ぐっと襟を抜いた着物姿。生きることも死ぬことも、『当たり前でしょ』と言える、そんな女性をイメージしたんです」
2009-04-18[n年前へ]
■源氏物語」がわかる。
AERA Mook 「「源氏物語」がわかる。 」から。
源氏物語などに見える「つれづれ」は、単に手持ち無沙汰で退屈したさまをいう語ではなく、外見は手持ち無沙汰に見えても、内心は何かをしたい意欲を強く持っているのに、それから疎外されてできず、鬱屈している状態をさす語なのである。
「かぐや姫」から”いかに生きるか”へ飛躍した新しさ
増田繁夫
2009-04-19[n年前へ]
■「聡明なひと」
江國香織 「十五歳の残像 」から。
長塚さんが聡明なひとなのはすぐにわかった。最初にした写真撮影で、カメラに向かう姿がとても美しかったから。
そうなのだ。私たちは今の長塚京三さんを見る。それが全部。聡明なひと、というのはつまり、絶望の認識のあるひと、ということなのだろう。
ただし、長塚さんの言葉にはとても肯定的な響きがあって、…私はちょっとほっとした。ほっとするのも変だけど。
「モノトーンのひと――――長塚京三さん」
2009-04-20[n年前へ]
■自分や世界にまつわる基本的なことへの答えを作る
しりあがり寿の「表現したい人のためのマンガ入門 (講談社現代新書) 」から。
その場その場で対処療法的な「言葉」があふれてて、そこらへんからいいとこどりしてきたって絶対追っつかない。自分も世の中もどんどん変わる中でつぎはぎの価値観じゃしんどい、しんどい。なんかいろいろよくわからなくなって、リアリティがないってことになっちゃう気がします。
だからウソでもいいから、人間はやっぱり自分や世界にまつわる基本的なこと、「なぜ生きるか」とか「世界って何なの?」とか、そういったことに自分なりの答えを出して、それなりに納得して了解しといたほうがいいと思うのです。
「しりあがり寿」をマネージメントする
2009-04-21[n年前へ]
■「自分は自分。」
Go Ahead! 永久保存版・全日本バレーのすべて。 (Sports Graphic Number PLUS) から。
誰があこがれとか誰みたいになりたいか、ないんです。今の時点で学ばなきゃいけないことはいっぱいあるのは分かっていますが、自分は自分。それははっきりしています。
菅山かおる
2009-04-22[n年前へ]
■民主主義も商業主義も「衆愚」という一面をもつ
しりあがり寿の「表現したい人のためのマンガ入門 (講談社現代新書) 」から。
もともと、民主主義が「衆愚政治」と呼ばれる一面をもち、自ら帝政や独裁を招いて崩壊した過去があるように、商業主義に依存した出版文化にも常にその危機は含まれています。民主主義も商業主義も多数をとったものが勝者であり、正しいと評価される。しかし、当然ながら多数の賛成することが必ずしも正しいとは限りません。あらかじめ決められた「正しさ」などというのはこの世にないにしても、「量は必ずしも質をともなわないなー」という感覚は多くの人が持っていると思います。
マンガのこれから、ボクのこれから
2009-04-23[n年前へ]
■問題を生み出したときと同じような考え方では…
「リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法 」の1章冒頭に掲げられた言葉から。
問題を生み出したときと同じような考え方をしていては、その問題を解決することはできない。
アルバート・アインシュタイン
2009-04-24[n年前へ]
2009-04-25[n年前へ]
■人に訊いてばかりいちゃ、いつまでたってもわかるようにはならないぜ。
「リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法 」のp.24。
おいおい、人に訊いてばかりいちゃ、いつまでたってもわかるようにはならないぜ。
ルイ・アームストロング
2009-04-26[n年前へ]
■選択肢が広い時代の「自分自身の見極め」
福田和也の「悪の対話術 (講談社現代新書) 」から。
自分の適性なり、好みなりといったものは、実はかなり把握しにくいものです。何が自分にとって一番大事なのか、肝要なのか、ここだけは譲れないというのは何なのか。
…特に現在のように、選択肢が広い時代には、自分自身の見極めが大事になります。
p.180 「焦りと緊張」
2009-04-27[n年前へ]
■「世間」と呼ばれ「消費者」と呼ばれ「大衆」と呼ばれるモンスターと
文章が限りなくロジカルで、なのにとてもラジカルで、それでいてリリカルな、しりあがり寿の「人並みといふこと 」から。この本は、というより、しりあがり寿は、やはりとても素晴らしい。もっともっと早く、しりあがり寿が描いたもの・書いたものを読んでおけばよかった。
もし娘が「お父さんやお母さんのように漫画家になりたい」なんて言ってきたらどうしよう。
君が大きくなるころ、「世間」と呼ばれ、「消費者」と呼ばれ、「大衆」と呼ばれる快楽と安穏を貪るモンスターは、さらに巨大になり、さらに素早く獰猛(どうもう)になり世界中を嵐のように暴れまわるだろう。君はそんな中、自分を見失わないでスックと立ってられるかい?
p.104
2009-04-28[n年前へ]
2009-04-29[n年前へ]
■癒しとしての「村上春樹の魅力的な謎」
清水良典 「村上春樹はくせになる (朝日新書) 」より。
現代を生きる私たちは多かれ少なかれ、誰もが生きにくさや不安を抱えている。なかなか外へは出せないそういう心の素の部分に、彼の小説の謎めいた言葉やエピソードはとても深いところまでストレートに届くのである。私たちの心の奥じたいが、謎めいた迷宮だからだ。謎の答えは、より魅力的な謎でしか答えられないものではないかと思う。たとえば禅問答にもそういうところがある。
p.210 「アフターダーク」
2009-04-30[n年前へ]
■「プライドの使い方」と太宰治
荒井玲子「ソフトウェア開発 で伸びる人、伸びない人 」の「あとがき」から。
人は、必ず変わることができる。
私はいつもそう信じています。そして、変わるならば、良い方向に、幸せな方向に向かってほしい、と願っています。
…プライドは、外に向けるのではなく、自分自身に向けることです。
…実は、私自身もかつては誤った高いプライドを持ち、肩に力が入った日々を送っていました。…(それが)変わったきっかけは…ある本を読んだことです。もしも、あなたが「どうしたら伸びる人になれるのだろう?」と思って、この本を手にとって下さったなら、この文章を読んで楽になって下さい。
「まじめに努力していくだけだ。これからは、単純に、正直に行動しよう。知らない事は知らないと言おう。出来ない事は出来ないと言おう。思わせ振りを捨てたならば、人生は意外にも平坦なところらしい。磐の上に、小さな家を築こう。」
太宰治 「正義と微笑 」