2011-06-05[n年前へ]
■適切な判断力と合理的な意思決定の力
広瀬弘忠「人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学 」
本当に恐いのは、パニックそのものよりも、パニックに対する過度の恐れである。パニックはまれにしか起こらないが、パニック恐怖症は私たちの心の中に常駐していて、災害リスクに対処する際に、適切な判断力と合理的な意思決定の力を損なうからである。
災害にパニックがつきものだという類のステレオタイプは、災害時の人間行動を理解する上からも正しくない。
「人は感情的に動く(だから論理的に考えるように気をつけなければいけない)」と「考える」人の中にも、そこに至るまでに獲得してした感情やバイアスが(当然のごとく)あるでしょうし、感情的に動くかのように見える人の中には、実は自然で滑らかなロジックがあったりします。
その人が語る言葉をきちんと聞こうとするならば、その人の「価値観」を捉えること・その価値観を支えるバイアスを見落とさず眺めることが大切かと思います。
2011-06-07[n年前へ]
■「終わりのない、やり場のない怒りさえ」
こんな歌を歌うことができるなら、そのためだけにでも違う性別と違う声帯を持って、生まれて来たくなる"Dreams Come True"「何度でも」
何度でも、何度でも、何度でも。
悲しみに支配させて、ただ潰されるのなら。
何度でも、何度でも、何度でも、立ち上がり呼ぶよ。
悔しくて、苦しくて、
がんばっても、どうしようもない時も。
落ち込んで、やる気ももう底ついて、
がんばれない時も、きみを思い出すよ。
一万回駄目で、かっこ悪くても、
一万一回目は、何か変わるかもしれない。
終わりのない、やり場のない怒りさえ。
もどかしく、抱きながら。
…喘ぎ嘆きながら、自分と戦ってみるよ。
一万回駄目で、ヘトヘトになっても、
一万一回目は 何か 変わるかもしれない。
…明日が、その一万一回目かもしれない。
2011-06-12[n年前へ]
■虚実の谷間にさまようのは「男心のコンプレックス」
グラビアアイドルの谷間の向こうを眺めれば、実の世界と虚の世界、そして、それらが複雑に混じり合う複雑怪奇な複素平面が見えてくる。その巨乳ならぬ虚乳の谷間、虚実の谷間にさまようのは「男心のコンプレックス」虚実の谷間にさまようのは「男心のコンプレックス」という的確な言葉。
RealとImaginaryの谷間で、男心のビジョンは常にComplexを抱えて、虚実の世界に揺れ動く。
明治から昭和の始めに生きた寺田寅彦も、もしかしたら、そんな男心の「コンプレックス」にさいなまされていたのだろうか…。
俳諧で「虚実」ということがしばしば論ぜられる。数学で、実数と虚数とをXとYとの軸にとって二次元の量の世界を組み立てる。虚数だけでも、実数だけでも、現わされるものはただ「線」の世界である。二つを結ぶ事によって、始めて無限な「面」の世界が広がる。
寺田寅彦 「無題六十四」
2011-06-14[n年前へ]
■「もの作り」を「売り」にしてきた日本
「仙台単身赴任生活 2011年6月13日」から。
高度成長期以来、日本は対外的には「もの作り」を売り物にしてきたけど、実は苦手で下手なのかもしれないと僕は思っている。そんなことより日本はアニメみたいな日本の個性を発揮できる分野に集中した方がいいかもしれないと、ふと思った。
それは、僕のこれまでの人生を否定することになるんだけど…
2011-06-19[n年前へ]
■あなたの前にある「可能性」
すべてのページの 「右上あたり」には「n年前へ」というリンクがあります。これは、「その記事」が書かれた同じ日に書かれた過去や未来の記事へのリンクです。
私は、n年の過去を眺めれば、n年の未来を眺めることができると思っています。そして、「n年前」という言葉の中にある、「前」という語句をずっとうまく消化できないままでいます。…その言葉が指す「前」が2011年より以前にあるのか、それとも以降にあるのか…それは今だにわかりません。だから、「n年前へ」という言葉を、他の表現に置換できないままに、今に至ります。
子供たちが学んでいく姿が見えます。夢が現実になっていくのが見えます。私たちには見えます。小さな彼らの、大きな夢が。あなたの中にある無限の可能性が見えます。
We see your potential.
「ポテンシャルって何?」とたまに訊かれる。「すぐには見えるものじゃないけれども、何かが潜在的に持っている力、みたいな感じ」と答えることが多いような気がする。…「今は見えないかもしれないもの、だけど、あなたが持っている可能性と未来」が見える、そんなコマーシャル。
1人のお母さんの背中のたなびくマントや、ギターを弾く青年をいつかとりまく大観衆や、そして、年老いたウェイトレスが近い未来に大学を卒業していく姿を、そんな景色を眺めてみることが気持ち良い。
人の可能性や能力は無限にあるの。だけど、人には有限の時間しかないの。これって、面白いパラドクスだと思わない?
J.P.ホーガン
悪い解の近傍に陥らないように広範に探索すればずっと良い解が見つかるはず....。
"n年目前の"「集中化と多様化」から
2011-06-22[n年前へ]
■技術や科学は「目的」ではありません。けれど、それは有力な「道具」です。
技術や科学は「目的」ではありません。それは単なる道具に過ぎない…と書くと、多くの方々の意志を(一見)否定してしまうようですが、それは、少なくとも「目的」ではありません。それは、目的を実現できるかもしれない『有力な道具」に過ぎません。
どんな状況だったか忘れてしまいましたが、何かの文化・技術に関する未来予想図をどこかの誰かに聴きに伺いました。
…その時、強く感じたことは、「技術や科学」を(これから形作られるだろう)歴史の中で「未来はこうあるべきだ」と位置づけ・考えることができる人は、これから人が進むべき未来、人の未来を幸せにする「文化」という「力」を備えている、ということでした。…そういうことを今更ながらに感じさせるほと、そういう「力」ならぬ「意識」を備えている人は少ないのです。
技術や科学は「目的」ではありません。そんなことは、100人が100人知っています。本当の「目的」は人(やそれに付随するもの)が幸せになる未来です。そんな未来を実現するための「何らかの力」が目的を達するための道具です。
技術や科学は「目的」ではありませんが、未来はこうあるべきだという目的、人が進むべき未来・人の未来」を幸せにすることができる有力な道具です。これから人が進むべき未来、人の未来を幸せにする「向き=ベクトル」を作るのは、「未来はこうあるべきだ」という意志と「何かを実現できる」道具の掛け合わせです。
技術や科学は「目的」ではありません。けれど、人が進むべき未来・人の未来」を幸せにするという目的を作り出すことができる「有力な道具」は、人が作り上げたそんな技術や科学です。
2011-06-23[n年前へ]
■あとひとつだけ(Just one more thing.)
「あとひとつだけ(Just one more thing.)」を繰り返す刑事コロンボ、ピーター・フォーク死去。
Just one more thing.
2011-06-27[n年前へ]
■肌の写真から皮膚癌の可能性を判断するiPhoneアプリSkin Scan
肌の写真から皮膚癌の可能性を判断するiPhoneアプリSkin Scan
このアプリはユーザの皮膚のシミの写真を撮り、特殊なアルゴリズムを使って、人間の皮膚にあるフラクタル状の形を探す(よく見ると、健康な肌なら小さな三角形がたくさん見えるはず)。それからアプリは、シミの発達の仕方が正常かどうかを計算する。もしかして、癌の可能性のあるメラノーマが発達中かもしれない。
このアプリはユーザの位置を尋ねて、その地域の皮膚の健康度も地図入りで教えてくれる。このアプリが持つ意味は、なかなか興味深い。究極的には世界の各国各地の、皮膚癌の状況を教えてくれるかもしれないのだ。