hirax.net::恋の力学 恋のグラフ配置編::(2000.04.02)

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「明暗」の収束を見てみよう

 前回、

で漱石の「明暗」における登場人物
  • 津田
  • お延
  • 清子
  • 吉川
の関わりについて、それらの登場人物の出現分布の相関を計算することにより、考察してみた。(一応、念のために書いておくが、何より先に自分で読んだ印象ありきなのは当たり前の話である。)

 前回は、「津田」と他の登場人物の間の相関しか考えなかった。しかし、登場人物達の動きを考えていくならば、相互の相関を考えなければならないだろう。「続 明暗」の例を挙げるまでもなく、「明暗」の登場人物達がどこに収まっていくのか、「明暗」はどう収束していくのか、は非常に興味のあるところである。そこで、ラスト近辺の各登場人物間の相関を調べてみた。
 

ラスト近辺の各登場人物間の相関
 
津田
お延
清子
吉川
津田
1
   
お延
0.38
1
  
清子
0.61
0.42
1
 
吉川
0.10
0.063
0.26
1

 比較的大きな値の数値を青字で示した。有意であるかはともかく、この数値を見ると、話が「津田」、そして、「清子」を中心として動いていることが想像される(数値からだけでも)。

 このような相関、言い換えれば関係を登場人物達が持っているときに、この後人物達の関係はどこに収まっていくのだろうか?この相関値を「互いの関係度」と考え、その値に比例して惹かれ合うと考えたときに、登場人物達はどう動いていくのだろうか?そういったことを調べたならば、そこに示される結果は書かれることのなかった「明暗」の収束する先が示されているかもしれない。

 そこで、登場人物達を適当に配置して、登場人物間に働く力を考慮して、登場人物を動かした際に、結果として登場人物達がどこへ動いていくかを調べてみることにした。使うのは、もちろん"Sun"のJavaappletのプログラム例のグラフアプレットである。複数のものがあり、それぞれの関係が示された場合に、どのような配置になっていくかを調べる「グラフ配置問題」を解いてみるのである。今回の問題では、「恋のグラフ配置問題」を解くといっても良いだろう。

 もう、いきなりであるが、登場人物

  • 津田 = Tsuda
  • お延 = Oen
  • 清子 = Kiyoko
  • 吉川 = Yoshikawa
達を配置して、調べてみる。アプレットは、Sunのサイトからソースをダウンロードして、コンパイルして使っている。また、登場人物間に働く力は、先ほどの相関の値に比例する値を適当に入れてある。また、アプレットが動かない場合のために、静止画像も一応張り付けておく。さて、これが題して「明暗」アプレットである。
 
alt="Meian Java" Your browser is completely ignoring the <APPLET> tag! s

 
「明暗」アプレットの動作画面
(ホントはJavaのグラフアプレットの例)

 どうだろうか?「津田」を中心として、登場人物が蠢いているのがわかるだろう。適当に登場人物の位置をマウスで移動させてみると面白い。そして、互いの"Stress"を示してみると面白いと思う。

 また、「明暗」の登場人物達の運命を、自分のマウスでコントロールしてみるとどんな感じだろう?それとも、どんな位置に登場人物を持っていっても、結局収まる位置は変わらなかったりするだろうか? だとしたら、それがやはり本来の登場人物の収まる位置かもしれない。

 いつか、登場人物間全てを配置して、「明暗」における「人間関係のグラフ配置問題」でも考えてみたいものだ。「恋の力学シリーズ」は奥が深い、とつくづく思うのである。
 
 

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