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2013-08-27[n年前へ]

「川の水面に反射する太陽の姿」を、あなたは描くことができますか?  share on Tumblr 

 こんな「問題」を出されたら、どんな絵をあなたは描くでしょうか?

 あなたは、川のほとりに立っています。川の水は心地良く流れていて、川向こうの空からは太陽があなたを照らしています。眩しい太陽の姿は、川面にも映っています。…川面に映る太陽の姿を、さぁ描いてみて下さい。

 こういう「問題」を出してみると、過半数以上、ほとんどの人が「現実の景色」とは違う姿を描きます。多くの人は、(形の多少の違いはあっても)ほぼ円形の「水面に映る太陽」を描きます。川面で光が反射して、まるで水面に浮かぶ鏡に映っているかのような太陽がを描きます。…けれど、現実の流れる川に映る太陽は、そんな姿ではありません。

 心地良く水が流れる川面は波立っていて、それが原因で水面に映る太陽はまるで「棒」のような姿になります(参考:「海面に写る太陽」の不思議)。だから、水面に映り込む光は、光源の方向から自分の方に伸びる「光の道」のように見えるのです。

 そんなことを思い出しながら、たとえば、ゴッホの絵やモネの絵を見れば、そこに描かれた「水面に反射する光」は、まさに忠実に現実を再現したかのような姿であることがわかります。たとえば、ゴッホの「ローヌ川の星月夜」や、モネの「印象 日の出」を見れば、そこに描かれている太陽の反射像は、まさに太陽がある方向から、私たちの方に向かってくる輝く道状の光です。

 …と、そんなことを考え出すと、彼らが眺め・描いた川面に映る反射象から、川面に流れる波の高さや方向や、あるいは、それら波の高さや方向から導き出される「水深や水底の凹凸の具合」まで想像できるようになります。…たとえば、ゴッホの「ローヌ川の星月夜」を眺めれば、水面に映る光、それらを作り出す波の形は、ローヌ川に突き出た陸地に回り込むような流体力学を反映した水の動きを描き出したかのように見えてきます。

 絵画を見ると、現実の姿を忠実に描いた部分、そして現実とは違う姿が描かれた部分、その二つの面を眺めたくなります。どれほど風景を正確に眺めていたか、そして、その風景とは異なる「どんな世界」を描こうとしたか…といったことを眺めたくなるのです。



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