2011-10-31[n年前へ]
■ゆで卵、これが「ベストな剥き方」だ!?
「ゆで卵の殻」を割るとき、あなたはどんな風に割るでしょうか?
もっとも少ないエネルギーで卵の殻を割ろうとしたならば、尖ったものに対してゆで卵の「胴の部分」を打ち付けるのが一番良いやり方です。なぜかと言えば、殻の曲率が低い箇所は外からの力に対して強度が低く、かつ、殻のごく狭い部分に応力を集中させることで殻を容易に破壊することができるからです。
しかし、殻に対して応力を「一点集中」し破壊するというやり方は、「ゆで卵の剥き方」としては、それほど上手いやり方ではありません。なぜかと言うと、そういう「殻の割り方」をしてしまうと、殻が細かくひび割れてしまうので、実は割れた殻を剥きにくくなってしまうからです(右写真)。
「殻が細かくひび割れてしまうのがマズイ」となると、こんなやり方が最高に思えます。それは、「平らなものに対して、曲率が低いゆで卵の胴の部分を打ち付ける」というやり方です。すなわち、(強度が低く・曲率も低い)ゆで卵の「腹」の部分を、平らなものにぶつけて幅広~く(粉々にならないように)割ってやろう、というやり方です。実際にこのやり方で「ゆで卵」を割ってみると、広い領域を・大きく(粉々でなく)殻を割ることができるますから、簡単にゆで卵を剥くことができます(右写真)。
この「平らなものに、ゆで卵の胴の部分を打ち付ける」という「ゆで卵のベストな剥き方」に対して、ゆで卵を製造する各社が提案する「オフィシャル・お勧めな”茹で卵の剥き方”」は、実はこんな方法です。
卵のお尻(太い端っこ)を割り、2cmくらいの幅で逆の端まで、薄皮ごと縦に殻を剥きます。この割り方は、「卵のお尻部分には気室があって、卵の殻・薄皮と白身が離れている」という「制約条件」に基づいています。卵のお尻部分は、白身と殻・薄皮が離れているので、簡単に剥くことができる、という理屈です。
しかし、私が数多く繰り返した実験結果では、ゆで卵の気室はお尻部分にあるとは限りません。すなわち、ゆで卵の製造過程を経て、気室がお尻以外の部分に移動してしまうことも多いものです(たとえば、セブンイレブンで販売されている「ゆで卵」の場合は、33%もの高確率で!?お尻以外に気室がありました)。すると、殻の曲率が高いお尻部分を割るのは「(殻が堅いために)力は要るし・応力がお尻の狭い部分に集中してしまうので、殻が細かく割れてしまう」というわけで、ゆで卵の殻はとても剥きにくくなってしまうのです。
「あなたのお勧めの、ゆで卵の剥き方」はどんなやり方でしょうか?
「ガッて机にうちつけてゴロゴロってカラを壊すように転がして壊れた部分を帯状に薄皮ごと取り除いて残った上下部分をポコってはがす」説