2009-04-10[n年前へ]
■指が月をさすとき、愚者は指を見る
四方田犬彦 「指が月をさすとき、愚者は指を見る―世界の名科白50 」から。
指が月をさすとき、愚者は指を見る。
古い諺
けれども、指が月をさしたとき、思わず指を見てしまう人というのは、本当に愚かなのでしょうか。
(中略) 「月」という言葉を「平和」といい換えてみてもいいでしょう。誰もが口を揃えたように、この「平和」という言葉を連発します。けれどもそれぞれのいう「平和」は、どれもが異なった意味をもっています。それを見極めるには、月ではなく、月を指している指がいったい誰のものなのかを、キチンと見定めなければなりません。本当に重要なことは、あるものが何であるかよりも、誰がそれをいっているのかを知ることなのです。
四方田犬彦
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