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2009-01-06[n年前へ]

「モノを作る」「モノを必要な場所に運ぶ」 

 「なるほど。資本主義とは確かにそういうものなのだな」と思わされたのは、岩井克人の「イデオロギーとしての資本主義は、”見えざる手により調整される自己完結したシステム”だが、現実の資本主義は”(場所・価格・情報といった)違いを利用して利潤を生むシステム”だ」という言葉だった。

 井上ひさしが、闇米とアメリカ煙草の仲買で儲けていた母親を批難したところ、こう言い返されたという。

 紀伊国屋文左衛門をみてごらん、三井や三菱をみてごらん。みんな、モノやカネを動かして儲けた連中じゃないか。モノをつくるより、モノを動かす方が儲かるという世の中の仕組みに文句を言いなさい。
 この言葉も、「なるほど、確かにそうだったのかもしれない」と感じさせられる言葉だ。地方の農家も闇米で潤ったかもしれないが、それ以上に煙草を欲しがる田舎の名士と、米を必要とする都会の人々の間で流通業を行う方が大きな利益を得ることができたのかもしれない。

 こういった資本主義を表現した「ひとこと」を集めて、読んでみたいと思う。そして、そこから現れてくるものを眺めてみたい、とも思う。



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