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2010-04-25[n年前へ]

すさまじいほどたくましい中国の女性たち 

 星野博美の『現代中国女工哀史 』(レスリー・T・チャン 栗原泉 訳)への書評から。

 ここに描かれる女性たちはすさまじいほどたくましい。前進するためならどんな嘘だって平気でつくし、だれも信用しない。(中略)その行き方は美しいとは言えないし、危なっかしく、まやかしに満ちている。しかし彼女たちが裏切らないものが一つだけある。それは自分自身だ。
 皮肉だが、中国の根深い性差別が彼女たちを強くさせていることは否定できないだろう。女性は息子のようには大事にされず甘やかされないから、自分で生き方を決めるしかない。

 中国の田舎を車で走ると、「B超」という看板を掲げた小さな家を道路沿いに頻繁に見ることができた、という。それは、「B-超音波スキャナー」に由来し、体内の胎児を超音波検査で見ることができるというものであり、つまりは、一人っ子政策のもとで女子でなく男子を生むために必要とされているものだった。その「B超」というテクノロジーの詰まった名称を高々と掲げる看板と、その看板を掲げる病院の数を見ると、思わず言葉に詰まるくらいだった、という。

 そんな「B超」という名前の事前確率を乗り越えてきた人たちなのだから、そんな中国の女性たちがすさまじいほどたくましいことは、誇らしくも当然であるような気もします。



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