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2014-08-02[n年前へ]

ケルビンプローブフォース顕微鏡を使った表面電荷分布解析 

 走査型プローブ顕微鏡 (Scanning Probe Microscope; SPM) のひとつであるケルビンプローブフォース顕微鏡(Kelvin probe Force Microscopy:KFM)を使うと、測定対象の表面形状と電位ポテンシャル像を同時に得ることができる。…そんな測定データを見て、「表面形状と電位ポテンシャル像から、表面形状と表面電荷分布を導いてみたいですよね!」と呟いた(1年くらい前に)ことをきっかけに、SPMで測定された電位分布から、測定対象の表面電荷分布を推定する作業をした(数ヶ月前に)。

 …やったことは、とても簡単で、インパルス的な電荷が存在していた時に、KFMプローブ測定系で測定される電位分布をシフトインバリアントな系として静電場解析した上で*、その電位分布で測定ノイズ耐性を考慮した出コンボリューション、つまり、ウィーナフィルタ的な処理をすることで、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)で測定された電位ポテンシャル像から、表面電荷分布を求める作業をした。

 といっても、やったことをとても単純に言えば、ノイズの大きさを考えながらロバストにボケた測定系のボケを除去する(プラス、意味合いというか単位変換をする)というだけで、何だか10年くらい前に書いたコードをただ書き直しただけ、という感じ。あと、球状の測定対象を測定した電位分布測定結果から全球状の電荷分布を逆推定するための処理コードを書いたくらい(しかも、それはプラネタリウムソフトを作るために書いたコードをそのまま流用した)。

 …思うことは、使える状態の”ストック”が「できること」の量を決めるという当たり前のこと。「できたこと」を決めるのはタイミングとか運とかの影響の方がずっと多いと思うけど、「できること」を決めるのは使える状態にある”ストックの量が決める…と勝手に小さく信じて(きっとホントは違うんだろうけど)、精進しよう・そうしよう。



*本来はシフトバリアントだし、この論文同様の解析をしなければいけないが色々端折った。



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