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2013-08-17[n年前へ]

「よく跳ね返るスーパーボール」を超高速で跳ね返した時でも「反発係数」は大きいか!? 

 野球の(公式)硬式ボールは「反発係数が0.4程度」ということになっています(参考:反発係数の測定方法)。こうした「反発特性の決まり」は、他の競技などでもあって、たとえばゴルフボールでは0.8程度(上限0.83)と定められています。

 といっても、反発係数は「どのような(2つの)物体が」「どのような速度で」ぶつかるかによって異なります。たとえば、ゴルフボールでは「ゴルフクラブとボールの間の反発係数」ということになっていますが、野球の場合に定められているのは、「バットとボール間の(高速でぶつかった時の)反発係数」ではなくボールと「コンクリート壁面の間の(比較的低速でぶつかった時の)反発係数」ということになります。どんな(材質で形状の)物体同士がぶつかるかで反発係数は異なりますし、その衝突速度によっても反発係数は変化します。

 ゴルフボールの衝突時特性の研究結果を眺めると、衝突速度が速い場合には(衝突速度が遅い時に比べて)ゴルフボールの形の戻りが遅くなっていて・戻ろうとする力が小さくなっていて(Fig.4など)、ボールを打ったときの反発係数が低くなってしまうだろうことが見て取れます。



 また、スーパーボールの「反発係数」は、私たちが手からコンクリート面に落とすような状況であれば0.9程度で、野球硬式ボールやゴルフボールの「反発係数」に比べて大きい値に見えますが、(手に落とすような状況より遙かに)高速に衝突した際も反発係数が大きいか…というと、そういうわけにはいかない気がします。

 たとえば、ゴルフクラブがボールとぶつかる際のヘッドスピードは、(速い人の場合)秒速70メートル程度です。つまり、時速240キロメートルの新幹線くらいの速度です。この速度でスーパーボールに衝撃・変形を与えたとき、ごく短い衝突時間の間にゴム製のボールが元の形に戻ることができるか…というと、少し難しそうに思えます。

 けれど、そんな想像は実験してみなければわからないわけで、野球硬式ボールの反発係数がニュースを賑わせたりした今日この頃(参考:プロ野球の統一球「わずかな反発係数の差」が「ホームラン数では一目超然」になるヒミツ!?)、「色んなボールの(さまざまな状況下で測定した)さまざまな反発係数を計ってみる」なんていう夏休みの自由研究も面白いかもしれませんね。



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