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2011-07-03[n年前へ]

「作れなければ、わかったとは言えないぜ」 

 アラン・ケイ(Alan Kay)が、ダイナミック・メディア(メタメディア)機能を備えた「本」のようなデバイスということからダイナブック (Dynabook) と名付けた理想のパーソナル・コンピュータ(デバイス)を提案したのは、1972年、“A Personal Computer for Children of All Ages”という文章の中でした。

 文章冒頭に、Cesare Paveseのこんな一文が掲げられています。

“To know the world one must construct it.“

 「世界ってのは、おまえが実際に作ってみないとわかんないもんだぜ」というチェーザレ・パヴェーゼの「世界」に関する言葉は、アラン・ケイの有名な「未来」に関する言葉、未来を「どうなる・こうなる」なんて予想することに時間を使うくらいなら、「作っちまえ!」という啖呵(たんか)を思い起こさせます。

“The best way to predict the future is to invent it.”

 「作ってみなけりゃ、わかったとは言えないぜ」「わからないなら、作っちまえよ」…ノートPCを買うたび、そんな一文を白いマジックペンでノートPCの天板に走り書きするのです。そんな魔法使いの呪文を書き込んだ途端、その呪文が手に持つノートPCを理想のノートPC・ダイナブックへと変えてくれるように感じます。

 ”作ることもできない=わかっていない”コメンテーターばかりが増えるこの時代、そんなコメンテーターなんか足先で蹴飛ばしちまえ、実際に何かを作り出すことができない自分なんて蹴飛ばされちまえ、そんなことをいつも思います。

 そして、ずっと走り続ける人(たち)を思い起こし、心から恋しく・愛しく・尊敬するのです。



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