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2008-02-03[n年前へ]

「降る雪」と「後幕シンクロ」と「写真」 

 「こんなに綺麗な景色なのに、なぜ写真には写らないんだろう」と思うことは多い。夜空に上る月を見て、大きく見える月にレンズを向け、シャッターボタンを押してみても、写真に写る月はとても小さい。…あるいは、雪が舞い降りる景色を撮影してみても、写真の中の雪は小さな埃にしか見えない。

 印象に近い「降る雪」を写そうとする時、よく使われるテクニックが日中シンクロ(ストロボの強制発光)だ。小さく見えにくい雪にストロボの光をあて、ボケ気味に明るく大きく写すことで、雪を印象的に映し出す技法である。目の前を過ぎていく近くの雪だけを明るく映し出し、それ以外の背景に対してはストロボの効果がないために、結果的に雪が背景に対して浮かび上がる。

 とはいえ、シャッターを切った瞬間にストロボが光る「先幕シンクロ」のカメラだったりすると、下へ降るはずの雪が、上に浮かび上がってように見えてしまう。そんな時は、シャッターが閉じる直前にストロボが光る「後幕シンクロ」にするか、ストロボが光る時以外は雪が写らないようなシャッタースピードや感度に調整しなければならない。

 見た印象をそのまま写すカメラはあるのだろうか。もしも、そんなカメラがあったとしたら、そのカメラで撮影したものは「写真」なのだろうか。

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