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2009-07-07[n年前へ]

自分の「本棚」と「本への書き込み」 

 自分の「本棚」と「本への書き込み」を、他人に見られるというのはとても恥ずかしいものです。なぜなら、そういったものには、「どんなことに興味を持っていて、どんなことに共感するのか」ということが実に見事に投影されるからです。だから、そんな風に自分を丸見えにしてしまう「本棚」と「本への書き込み」を見られてしまうのは、本当に恥ずかしかったりします。

 だからこそ、自分でない人の「本棚」と「本への書き込み」というものは、本当に魅力的で、いつも時間を忘れて眺めてしまいます。どんな本が並んでいるかを眺め、「あぁこういうことに興味を持っていたんだ」と納得し、折られているページや線が引いてある文を見つけると、「あぁ、こういうことに納得したり、憧れたり、あるいは、大事に思っているんだ」と新鮮な驚きを感じたりするのです。

 今、私の手元には、「物理の散歩道 」を書き続けたロゲルギストの一人である今井功の蔵書が一冊あります。御子息からお借りている、(霜田光一が今井功に贈った)「簡明 電磁気ハンドブック」です。この本に「も」、多数の書き込みがあります。

 書き込みといっても、私がこれまで見たことがある「今井功の書きこみ」は「下線」か「○(時に二重丸)」か「チェックマーク」や「ごく短い言葉」・・・あるいは「?」マークだけです。けれど、私にとって、それは素晴らしく今井功を感じさせるのです。1993年の3月2日火曜日から、今井功がこの本を読み始めていたことが書き込みからわかります。そして、この「電磁気学」を読みながら、どのようなことを「大切だ」と思っていたのか、どのようなことが「解せない」と感じていたのか、それを考えながらこの「簡明 電磁気ハンドブック」を読んでいる時間は、本当に「至福」を感じさせてくれます。

 あなたの「本棚」にはどんな本が並んでいますか?あたなたが目を留めた本の頁・文は一体どんなものでしょうか?



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